― 数日後、吸血鬼の城にて ―
[あれから聞いたら、自分は丸一日眠っていたらしい。
気が付いた時は、ヤニクの眷族から奇異と警戒の眼差しを向けられた様な気がして、何処か落ち着かない雰囲気を感じながら。
食事や休息をし、失った体力を回復させた。
それを見計らったのか、絢爛豪華な玉座を通り、先程見た光景とは正反対なシンプルな部屋に通された>>+51。
師匠は鋭い眼差しを向けながら、最終確認、と言わんばかりの問いを投げかけてきた。
射殺さんばかりの視線に怯む事は無く、傷が残された首筋を吸血鬼の前に晒し出す。]
ここで尻尾を巻いて逃げたら、男じゃねぇ!
前みたいに、吸わねぇとか言わず、きっちりと吸いやがれ。
[血を滾らせ、ふん、と鼻息を荒くしながら、此方からヤニクの前に歩み寄れば。
熱く脈打つ首筋を彼の眼前まで近付けて、牙を肌に埋めて貰うのを待つばかり*]
(+56) 2015/08/07(Fri) 21時頃