― 自室 ―[どれ位”自分らしきもの”を見下ろして居ただろう。それが自分である事に気付くのにそう時間はかからなかった。では、ここに居る”私”は?その答えに辿りつくのも、そう難しくなかった。ドアに向けて伸ばした手は、空を切るようにドアをすり抜ける。物質を捉えず、重力に縛られない身体。幽体離脱の線は黒ずんだ己の姿を認めた時点で掻き消えた。ならばここに居る自分は、恐らく。] こういうのを、幽霊…って言うのかしら。[ぽつ、と呟く。オカルトの類は信じてこなかったが、まさか身をもって知る事になろうとは思ってもみなかった。]
(+39) 2013/02/08(Fri) 02時頃