[最後は呆気ないものだった。
猿のように何度も繰り返し手を動かしていれば、手のひらの中の熱がふるりと震えて欲を吐き出す。
まろびでそうになる声を、今更のように唇を引き結び、喉で押し殺してやり過ごすと、深く息を吐いて、]
は、ぁ…っ、…ん、
[手の内にある熱から手を離す。
青臭いにおいを放つそれを顔まで近付ければ、濡れた手が視界に入り、何の躊躇いもなく、今しがた吐き出した自分の精に舌を這わした。
舌を刺激する味はどう捉えたところで、美味だと言えるものでないのに、何かにとり憑かれたように指の付け根から先まで垂れたそれを余すことなく舌を動かす。]
…、ふ、ん…、
[味わうようにゆっくりと舌で舐めとり、唾液と共に喉を鳴らして飲み込む。
粘ついたそれは暫く喉に張り付いたが、その感覚さえ甘美に感じられ、知らず知らず瞳の色を愉悦に染める。
そして、落ち着くところか再び反応を示し欲を垂らすそこに指を伸ばしたか。
僅かに残っていた意識は、余った方の手を背骨に辿り着かせる前に、闇の中消えた。*]
(+38) 2014/06/27(Fri) 23時半頃