猫さん…………
[そこには、心細そうに顔を撫でる猫の姿が。
死体は、周囲には見当たらない。きっと、どこか別の場所>>4:151で命を落とし、ここまでさ迷ってきたのだろう。
長身の男は屈みこみ、そっと猫を抱きあげた]
苦しくは、ありませんでしたか。
サンテックスさんとは、最後まで仲良くされていましたか。
もし、そうでしたら……せめてもの、救いですよね。
[猫に、そっと頬ずりをする。これまで望んで叶わなかった行為>>2:72ではあるけれど、心に宿るは喜びではなく、寂しさと、ほんのかすかな暖かみ。
その感触が、再び男の記憶を呼び覚ます――――。
そうだ。少し前に、男の喪失の話をした。
これだけでは救いようのない、悲しいお話だっただろう>>4:+31。
ならばこの間に……もう少しだけ、語りつないでおこうと思う。
再び過去に立ち返る男を、扉から鼻先だけを突き出した熊が、きょとんとしたまま見つめていた]
(+37) 2011/12/08(Thu) 21時半頃