─5月10日 早朝 繁華街付近─
>>+33
[彼女との『話』を、終えかけて。まるで生きていた時のように、凭れる『イメージ』で寄りかかっていた石壁から、息を吐いたような所作と共に浮かせた己の幽体は、──突然、目の前に現れた姿に少し動きを止めて。
生きていた頃、最後に見た姿のまま…ただ景色を透かせているだけのような、『生きた』亡霊の顔を、瞠った双眸が見て。
──ふと、眉を寄せて、どうしようもなく零れたような…笑みに、顔を緩めた]
……そうだよ。
やりゃァできんじゃねェか、──パティ。
[直に、彼女だけに向けた『声』は、生きている時のそれより感情を直に伝えるが故に、少し和らいで笑った響きは隠せなかっただろうか。
歩をゆっくり寄せ、…彼女が避けなかったならば、伸ばした掌が、彼女の頭を──実際に触れる事はできなかったが──ごく軽く、撫ぜるように動いた]
(+34) 2013/08/07(Wed) 23時半頃