――病院――
[病院前に着けば、タクシーを降りて院内へと入っていき、看護師に秋野の手術室の場所を聞いて言われた場所へと向かう。逸る気持ちを抑えながら早足で歩き、廊下の先の手術室前へと辿りついた。]
しずく、寺田!秋野は…まだ、か。
[そこに居た二人の名を呼びつつ歩み寄って秋野について尋ねようとしたが、手術中であることを示す赤いランプが点灯しているのを見つけて、まだこっちの世界に戻ってきていないことを察して言葉を切る。大きく息を吐いて近くの壁に寄りかかり、軽く目を閉じた。]
…生きて、戻ってきてくれよ…。
[戻ってこい、とは、言わない。それを決めるのは秋野だから。秋野が本当に、あちらの世界に残ることや死ぬことを心の底から望んでいるのなら、それを無理矢理止める権利はないと、そう思っている。
だから、戻ってきてほしい、と。ただ、そう願った*]
(+30) 2015/06/29(Mon) 21時頃