そう、だな。
――……ふ、お互いもう良い歳なのに。
[吐息に混じる貴方の声>>+21に、鈍く痺れた頭のままで笑みを零す。
俺とてもう、二十も半ば。キス一つでこんなにも緊張する年齢なんて、とっくに過ぎたとばかり思っていたのに。
あぁ、相手によってはこうも緊張させられるのか、なんて。
――貴方も、俺だから緊張してくれたのか、なんて。
貴方の "過去のキスの相手" に関しての情報なんて、俺は勿論持っちゃあいない。
だからぼんやりと、そしてこっそりと。そんな小さな希望を胸に抱いてみたり。
回された腕が心地良い。
肩口に預けられた頭に胸を暖めつつ、甘えるような仕草にはまた愛おしさに息を吐く。
そうして此方からも、応えるように擦り寄って……何だか動物みたいだ、と貴方の耳の後ろでそっと微笑って。
貴方の体温を感じる。貴方の匂いを感じる。こんなにも近付かないと分からない貴方の一部が、ひとつひとつ見えていく。
それが何よりも嬉しくて、回した腕の力を強めたのなら。
瞳は伏せられたままに小さく小さく掛けられた声に、ほんの僅かに肩が震えた。]
(+28) 2015/11/29(Sun) 15時頃