−F地区・渡瀬橋へ−
[男は端末を弄りつつ、もうふらつくことのない脚を前へと進める。生きている者が殺し合う音は、その耳にも知れないが。それでも視線が液晶から離れることはない。
今のところ、事は全て順調に進んでいる。
悪戯に結んだ因縁の決着はついているし、後は彼が生き残りさえすればいい。
他力本願と嘲られても、男は微笑みを崩さないだろう。そんなこと、知ったことではない。最後に願いが叶えばそれでいいのだ。]
…イオリ
[目的地が近づいて顔を上げた時、幼馴染は欄干に凭れかかって待っていた>>+27。端末を手に暇潰しをするでもなく、ただ空を見上げて。
名前を呼び、隣に並ぶ。この街がレプリカなら、彼が今眺めている青もそうなのだろうか。]
なに、どうしたの
魂が抜けたみたいな顔してさ
[実際に生命活動を終えているのだから、生気も何もあったものではないのだけれど。
そんなことも忘れたかのように、へらりと暢気な笑みを浮かべる。嫌味のひとつくらいは、まぁ甘んじて受けるつもりで。]
(+28) 2014/12/16(Tue) 18時頃