お前……馬鹿だな。
[背中に受けた衝撃をものともせず、男は二本の足で立ち上がる]
狙うなら、『頭』だろ?
[レスリングで鍛えた己の体に虚弱な若造の一撃なぞ、何の効力もありはしない。
そうだ。鍛錬に注いだ時間が違う。流した汗の量が違う。
耐えてきた痛みも。決して負けてはならないという、その、気迫も。
事実、男は強かった。強者であることに誇りがあった。
有り余る力を正義に注ぎ、弱者をいたぶる雑魚どもを、一掃することを夢に見た>>0:224。
だからこそ、己は正しく――――貴様らを罰する権利がある]
おおぉぉぉっ!!
[男の拳が一閃する。若造の顔面に突き刺さる。
対手の体が、弾け飛び、はるか前方に転がった。
奴は当分、動かない。砕いてやった。鼻も、心も。
一つの『正義』を成し遂げた男は、不遜な面で、にやりと笑った]
(+28) 2011/12/07(Wed) 23時半頃