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[囁く、思念。──もしも彼女が望む事があったとするなら、それを発する己が、大体は繁華街辺りに『居る』事ぐらいは感じられただろうか。亡霊には、きっと本当に望むのならば距離など関わりない。
──彼女の家族への言葉に、己は少し沈黙を挟み]
…家族が、無事なのかどうか。
もしこれから先、アンタの家族が…ひでぇ目に、あっちまう事が、あるんだとしても。
なあ。アンタは見てやらなきゃァ、いけねェんじゃねえか。
──それがアンタの責任じゃなくても。…どんなに、辛え事、でも。
アンタが消えちまう日まで、……せめて傍に。
[──それでも、と。それでもなお傍に居たいと望めるのならば。
彼女が望みを抱く事ができるのならば、見たかった。このまま虚しく朽ちて、縛り付けられる彼女を見るぐらいならば。それもまた、…想う者と通じ合えぬ亡霊に囁くにはあまりに残酷な言葉だと、骨身に沁みて知ってはいたが。
…勝手に過ぎる事ばかり、彼女にぶつけている自覚はあった。彼女がそれ以上は答えたくないのであれば、…或いは少しでも『生きた』反応が貰えるのならば。どのような形での『返答』であろうと、己は構わなかっただろう]
(+27) 2013/08/07(Wed) 20時半頃