[人の形を取るときはどうやら、「ミナカタ」の形が馴染むようで他にはなれないようだ。
しかしその体の本質は、薬物。
水銀のような液体の塊が本来の姿。
薬は使い方で、毒に変わる。
生身の人間が触れでもしたら、数日は勃起が収まらず何度オナニーしても物足りないくらいの催淫薬が皮膚のように身体を覆う。
同じ「魔」の仲間には同時に抑性薬も混ぜて中和させれば何ら無害に等しい。
調合、と言っても人間ではその分量などの塩梅が難しかったのに、それが最早容易く出来るのがわかる。
まさに、望んでいた形。
作れぬ薬は何もなく、そこから新たな薬を生み出せもする。]
…、…
[最早、人の形はしているが人ではない。
煙草を待つ間。
右腕を伸ばし、指先まで伸ばす。つ、と爪の隙間から桃色の液体が流れる。肘を曲げて指を口に含めば、対魔忍本部を襲った毒と同じ味。恐らくそれ以上の魔毒も今の身体ならば作れると、解る。]
(+27) 2018/03/03(Sat) 21時半頃