― ヤニクの自室 ―
[心地良い揺れから、何か布の様な物を感じさせてくれる>>+4:144。
指が髪に絡むのが分かり犬耳が動き、鼻は微かに血と魔力の匂いを捉えた。
甘美さを感じさせる様な味を舌が見付けたら、湧き上がるそれを探し出し、執拗に絡ませ舐める。
舐めれば舐める程、身体の痛みは消え失せ、力が漲るような感覚を覚えた。
何も考えずその手を掴み、溢れる血潮を取り込んでいたら、三白眼は開く。]
――……っ!?
[最初は、濃厚な血の味に何処か惚けていた様な表情を浮かべてたが、何かに気付き、その手を離した。
ぶるぶると頭を大きく振り、両の頬を叩いて頭の中をスッキリさせて。]
……すまねぇ。
[まず出てきたのはヤニクに対する謝罪の言葉。
上級吸血鬼に喧嘩を売った結果、自分は叩きのめされたのは覚えてるし、今迄そうしながらも何とか生きてきたから良かったが。
こうして、師匠が尻拭いをして貰った事は初めてな上に回復までして貰えた。
そんな彼に抱いたのは申し訳無さで、犬耳が元気無く伏せていて*]
(+26) 2015/08/09(Sun) 19時頃