―屋敷・深夜か・テラスへの道―
[男は走る>>+24。久方ぶりにも関わらず、微塵も違和感を得ないその両足で。
死者の間をすり抜け、気落ちする逝人達の前を素通りし。
背後からは、肉体から遊離し同じ世界に身を置く獣の息遣い>>+23。
荒れ果てた花壇>>2:472になお咲き誇る美麗な花も、己と世を共にするものか。
男は、風にもならない朧な身体で、現世と幽界の狭間を駆ける。
その先に、どんな悲惨な現実が、待ち構えていたとしても]
……………………
[けれど、今はまだ、そこでの出来事に触れるのは、あまり適切ではないかもしれない。
ならばかわりに……こんな話は、いかがだろうか?
それは、かつて半身の自由を喪失してしまった時のお話>>2:364。
幽体と化した足が大地を踏み蹴る感触が、男の記憶を呼び覚ます――――]
(+25) 2011/12/07(Wed) 23時半頃