[……影流。
遅咲きな四井は、組織では下っ端で。
周囲からもそういう扱いを受けていた。
そんな四井を、「しーさん」と呼び、年上だからと律儀に敬語を使ってくる影流。
……四井よりも、自分の方が能力は優っているのに。
そんな影流を、嫌っているわけではない。疎ましく思ったこともない。
ただ、時折、自分がとても惨めになるだけ。
そんな影流には、見られたくない。
すぐ傍からは、影流と並んで、自分に対して敬語を使う数少ない存在である亀吉の、あられもない声も響いている。
よりによって、そんな二人の傍で。見られたくない。羞恥で気がおかしくなりそうだ。
……けれど。
動きを止めた触手に、身体は更なる刺激を求めてやまない。
―― 触れてほしい。高みに連れて行ってほしい。
欲しくて、欲しくて。
嫌だ、見ないでと身体をくねらせるも、こすれ合うエプロンの刺激にすら感じて、説得力のない喘ぎが漏れた*]
(+20) 2016/06/17(Fri) 18時半頃