[名探偵然とした紳士の、ボトルメッセージの画策を、俺は知らない。昨日の雨で、聊か荒い波は、何かを攫えば、遠く遠く運んでくれるだろう。行き先も、目的も、事実も、
―――知らなくとも。
お酒は飲まない>>+16と、
訪れなかった、夜の戸張、バーの情景に、首を振る。
だからこそ機会を得られなかったのも、事実。
そして、乗り込んだバスの先で
落し物を踏むことも踏鞴を踏むことも、無く。
へにゃりと曲がった尖端を、ノックスの耳>>+17に引っ掛け。歪な笑みと、視線の弁解に、目を細めた。]
……… 思い出、
[忘れず持ち帰ってください。
とは言外に、言い残して、座席に戻る。
行きは、ろくに眺めていなかった窓辺の景色は
変わり映えせず、それでも、空港に着くまで飽きもせず。
やがて到着すれば、都心行きのそれに、二人に、会釈も兼ねて。**]
(+20) 2017/07/11(Tue) 00時半頃