[男は顔を背けない。男は決して目を逸らさない。
先ほどとは違う>>+10。これは、目の前の生徒、セシルと……「アンデッド」ではなく、きっとベネットの2人だけに、突き付けられた痛みではない。
受け止めなければ。男は思う。
目の前で行われる惨劇を。教え子が教え子をいたぶるその様を。
無力と化した男にとって、それが唯一、彼らにしてやれることなのだから。
どれほどの血が流されたことか。どれほどの惨劇が繰り広げられたことか。
内臓を抉る感触は、「ベネット」の手にも刻まれたことだろうか]
……刻まれていると、いいですね。残酷では、ありますが。
[何も分からず誰かを傷つけることと、傷つけた結果だけでも、意識の欠片に刻まれること。
不幸せ以外のなにものでもなかろう両択の内、あえて選ぶことができるとして、どちらが幸せなのかは分からない。
ただ、一方的に男の望みを告げるなら……受け止めてくれたらいい、とは思う。
どんなに辛くとも。どんなに苦しくとも。傍らにはいてやれないが、その苦しみの一端だけでも、必ず己も受け止めよう。
何もできず、ただ見守るだけの案山子として、歯噛みしながら]
(+17) 2011/12/09(Fri) 20時半頃