[その後ヴェスパタインは悪魔、あるいはルーカスといくらか言葉を交わしたろうか。
まず筆をとったヴェスパタインは裸婦を描こうと思った。裸婦像は神話や聖書のエピソードとして描くのが普通で、裸婦をただ裸婦として描くことはない。まずはそのタブーを打ち破ってみることにした。
悪魔はその様子を観察していただろうか。それとも、さっさとアトリエを出ていずこかへ行ってしまっただろうか。]
それにしてもあれだ、ベネットに西洋美術解読辞典を返すのを忘れていたな…。部屋にあるはずだから勝手に持っていってくれていればいいんだが。
[どうでもいい独り言を呟きながらキャンバスに下書きをし構図を考えていたところで、ガチャンとアトリエのドアノブが上下した。>>+12誰かが鍵のかかった戸を開けようとしたのだろう。
ヴェスパタインは筆を置いて戸の鍵を開けに行った。]
どなたかな?
(+14) 2014/06/27(Fri) 20時頃