――またどこかの時間――
[女は、自らの容量を越える快楽に、幸福を覚えつつ気を失った男を這う触手に運ばせ、洞の中の何処かに連れていた。其の額にはゆりやツェツィーリヤと同じく、髪の生え際に触手でできた肉の針によって烙印がこしらえられている]
此処にひとまず置いておきましょう。…気がつきましたか?
[まだ意識がぼんやりとしているであろう男に立ったまま話しかけた]
家畜に等級をつけるのは人の仔の行いにて、妾はお前を格別に扱うつもりなど毛頭ない。…然しまあ、お前をこれから如何扱うかも未だ決めておりませぬのでね。
何なら近くを歩き回っても良い。お前と同じような者達もおりましょう。もっとも、不用意に獣どもに逢って喰らわれても知りませぬが。
…どうせ此処からお前も出ようと思わぬでしょうし、出られもしませぬし。
[そう言って、少しばかりそのままにしておいた]
(+10) 2011/10/19(Wed) 21時頃