94 月白結び


【墓】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[束の間、単純作業を繰り返す。
巻き付ける。口へ運ぶ。スパゲティの具と麺とをバランスよく食べ勧めるのは人生とよく似ている、と上手く食べられないらしいマネージャーがぼやいていたのを思い出した。]

…いいか。
いい男としての心得なんぞ自分で見つける物だとは思うが、お前が自棄を起こすのも寝覚めが悪いから言う。
たとえ造作の美しい顔が笑っていても中身の無い笑顔ならばそれは表面だけの美しさだ。
造作が例えそうでなくとも、イケメン、という部類の人間はいる。

例えば、信念を曲げない、だとか
………食物に感謝して食事を楽しめる、
とかな。

[油断大敵、と鷹の目の如く照明を反射して光ったフォークは相手のハンバーグを狙っている。
端を一口分切り取る事は叶っただろうか。
叶えば真顔の儘食して、これも美味いな、と味見の感想を述べるだろう*]

(+9) 2013/09/08(Sun) 21時半頃

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