―廃病院―
[ 口内は容易くかき乱され、溢れた水分が唇を濡らす。
不規則に得る酸素だけでは足りないのか、肺のあたりが苦しさを訴える。
それでも、たしかに自分はケヴィン>>@1に強請った。
その選択をすれば、いずれ遅かれ早かれ堕ちることから逃れられないと知りながら]
──、
[具合を確認する声に対し、荒く突き動かされる合間にたしかに口を開いた。
けれど、漏れ聞こえたのは人の声ではなくて獣の啼き声に限りなく近い、丸くて緒を引く細いもの。
こんな声を、この男の前で漏らしたことなど、唯の一度もなかったはずなのに]
───ふ、あ…っ、ぁあ、あ……っ!
[宣言通り。
先を抉られケヴィンの手を白で汚すのと概ね同じ頃合で、腹の奥が熱の洪水でいっぱいになった。
熱くて苦しいのに、内側の肉は自らを灼くその熱をもっと欲しがるようにきつくきつく捕らえて震える。
けれど余韻に浸る間などなくて、性衝動に負けたのか、生理的なのかはわからないが薄くぼやけて滲む視界に気付いて顔をリネンに突っ伏した]
(+6) 2018/03/03(Sat) 00時半頃