[生前の記憶にない強い酒の味はよく分からなかった。一口で流しこんだにも関わらずさほど酔いが回っている気がしないのも、恐らくは深い酩酊を知らぬ故。それでもふわりと体が軽くなる心地に身を任せれば、少しだけ心が休まるような気がした]…ありがとう、ございます。[やがて亡霊の男に深々と礼をすると、軽やかに廊下を進み始める。どこへ向かうのかと問われれば、「探し人を求めて」と一言]―回想・了―
(+6) 2011/02/12(Sat) 18時頃