…それは、そうかも……知れないが、
[蠢くものは、春日の救出時に見たものと同じように見えた。
ミナカタに依頼されてそれを切り出す羽目になった時、できれば触れたくないとガラス管で破片を捉えるように回収したのを覚えている。
けれど、そんなものを何故この男が 身に追う羽目になったのか。
自分はまずそれを解き明かさねばならないと感じた。
組織にいたころのケヴィンには、こんな腕は不要であったはずだし、少なくとも一見では清浄とは言い難いその軟体を何故この男が帯びているのだろう]
……は、?
[思わず聞き返してしまった。
今、この男はなんと言ったのだろう。
MIA扱いになるその前には、安っぽい袋綴じのグラビアにすら怒鳴り散らしていた男が。
同時に、耳に、体に、白い蘇る掌の感触、熱、荒い吐息──]
、
[咽喉が奇妙に引き攣れるような音をたてる。
ただ息を吸うという行為はこんなに難しかっただろうか。
ぞわりと、背筋をはしる悪寒に逆らわないまま距離をとるようにすれば、折角のホットミルクは音を立てて落ち、器が砕けて悲鳴をあげた*]
(+3) 2018/02/25(Sun) 02時半頃