お前、は……、どれほど、私達が心配したと思っているんだ…!!
[カップを戴く指先に力が篭る。
心配したのは自分たちの勝手だ、所詮はそれが事実だ。
けれども、その理不尽を今ぐらいはぶつけさせせて欲しいと願うのもまた勝手なのだろうか。
頭を撫でる手は懐かしくもあり、寂しくもある。
自分が知らない時間をその掌は知っているのだから。
素直に返事をするのは悔しくて、唇をぬるいカップに寄せれば少しだけ眉が寄った。
温度差でその表面に貼る薄い蛋白質の膜が、どうも苦手なので]
…私は、自分が把握をしないままにここにおちてきた。
それは、大変なことなのか?
[鎖骨の縁、擦り切れるような赤。
鼻がいいのながら、この獣と人の間の生き物は一通りではない体液の匂いを染みつかせている筈だ。
自分の理解し得ないことを問われたせいで少しではあったが不機嫌に白い尾をしならせて]
(+2) 2018/02/25(Sun) 02時頃