― 森の中 ( >>チアキ ) ―
[ 怖かった。
僕は、怖かった。
こんな暗がりじゃ、少し離れれば途端に、僕には君の声が、届かなくなってしまうから。
焦りが僕の足を、君より先へ行くようにさせてしまったけれど。正気を取り戻せば、ただただ怖くて。僕の視線に気付いたからか、絡まる指( >>4:86 )。冷たかったかもしれないけれど、伝わる彼の温もりが愛おしい。
彼もそうだとは気付かないけれど、照れ臭くて。寒さで赤くなっていた鼻の頭の代わりに、頬が色付いたかも。片手では感謝を伝えられないから、軽く頭を下げて。]
( サイエンス フィクション?
…うん、みたいだね。 )
[ こくりと頷く。今、繋がっているこの手も、ここに僕たちが居ることも、科学的構想に基づいた舞台設定の中の、絵空事なのかもしれないなんて。]
(+0) 2015/11/29(Sun) 01時半頃