262 愛しい貴方に敵わない!?
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後悔なんて、しません。
[ぎゅっと目を瞑ったまま、ポーチュラカは返事をして、完全にまな板の上の鯉状態だ。 まぶたの向こうが暗くなったのを感じる。部屋の明かりが消えたのだ。
しかし、何も起こらない。部屋のドアの閉まる軽い音。]
…………?
[目を閉じたまま、ポーチュラカは首を傾げる。まさか、ここまできて怖気づいたのか。ここまでした女の子に恥をかかせるなんて、そんな酷いことは許されない! 据え膳食わぬは男の恥――――!]
(7) takicchi 2017/05/27(Sat) 21時半頃
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[――――とはならなかった。 なぜならば。]
すやぁ。
[人間は、横になれば寝るものだ。特に子どもはその傾向が顕著である。 加えて、ポーチュラカは今日、変装して尾行する一日だった。頭も使ったし体も使った。なんならお金を一番いっぱい使った。 心地よい疲れを感じる中、ベッドに横になって、そして部屋の灯りが落とされれば。 あっという間に眠ってしまうのも無理からぬことだった。]
(8) takicchi 2017/05/27(Sat) 21時半頃
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[ちなみに、黒服ズはお嬢様の命令が発令中でなければ、基本的に「あ、どうぞご自由に」というスタンスである。 お嬢様がベッドを奪って寝てしまったと聞けば、隣の部屋をどうぞと伝えただろう。
布団もかけずに寝てしまったお嬢様の話を聞くと、誰が布団をかけにいくかじゃんけんが始まるが、結局いつものSPが貧乏くじを引くのだった。]
(9) takicchi 2017/05/27(Sat) 21時半頃
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[お嬢様は育ちはいいが頑丈だった。そして図太い。 寝落ちてから一度も目を覚ますこともなく、声をかけられてようやく目覚めた。]
おはよう、ございます……?
[ぱちぱち、と瞬きをしながら現状の把握に努める。 目を開けたら真っ先に飛び込んでくる南方の顔。かけられるねぎらいの言葉。 意識が途切れる前のことを思い出し、ぼぼぼぼ、とポーチュラカは顔から火を噴いた。]
おは、おはようございます! へ、へいきです!
[また言った。 着衣は全く乱れていないのに上掛けを引き寄せて体を隠すついでに顔の下半分も隠す。 目だけを覗かせて、もじもじと恥じらった。]
(11) takicchi 2017/05/27(Sat) 23時半頃
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[朝ごはん! そう言われてみればおなかがすいた。健康優良児なので! しかし、朝ごはんと言われて思い出したことがある。]
(夜明けのコーヒー……!)
[そう、一夜を共にした恋人同士が飲むという伝説の飲み物である。 夜はとっくに明けていたが、これは、飲むしかない。飲むしかないだろう。]
私、コーヒーが飲みたいです!
[そんな主張をしながらいそいそとベッドから降りた。]
(13) takicchi 2017/05/28(Sun) 00時頃
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[ホテルから出ると、世界が輝いて見えた。 朝日が眩しいだけなのだが、お嬢様には世界までもが二人を祝福しているように見える。 堂々とホテルを出て歩いていく南方が頼もしい。教師と生徒という禁断の関係に躊躇っていたのがまるで嘘のようだ。覚悟を決めた人間は強い。 ……というのはもちろんなにもかも誤解なのだが、そんなことを知らないお嬢様は浮かれていた。舞い上がってそのまま飛んでいってしまいそうなほど浮かれきっていた。
ファミレスでメニューを手渡され、これもエスコート……やっぱり南方先生素敵! と誤解を塗り重ねながら、しげしげとメニューを眺める。 お嬢様は、メニューを見たことはもちろんあった。しかし大体料理の名前のみで、値段の書いていないメニューだった。]
まあ、このメニューは写真もお値段も書いてあって親切ですね!
[とんちんかんなことを言いながら、外せないコーヒーと、モーニングセットを選ぶ。モーニングなので。 すると、南方がパフェを頼んでいるではないか!]
(17) takicchi 2017/05/28(Sun) 13時半頃
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パフェはお砂糖抜きにしてください!!
[ふう、油断も隙もない。しかしお嬢様はやり遂げた。 満足の微笑を浮かべながら、コーヒーとモーニングセットを注文する。 果たしてファミレスがパフェの砂糖抜きに対応できるのかは謎だが、きっと黒服ズがやり遂げてくれるだろう。]
(18) takicchi 2017/05/28(Sun) 13時半頃
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[待てと言われてお嬢様は首を傾げた。コーヒーとモーニングセットがいけなかったのだろうか?]
え? 変えた方がいいですか? でもコーヒーは譲れません!
[そんな主張をしていると、マカロンとプリンの話が出てきた。南方は何を興奮しているんだろう。 ああそうか、食べ物を無駄にしたかもしれないと思われているのねとお嬢様は思い至った(全然違う)。]
安心してください。 無駄になんかしてませんから!
[マカロン(加糖)とプリン(加糖)はお嬢様が美味しくいただきました。]
(27) takicchi 2017/05/28(Sun) 21時頃
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[砂糖抜きのことを指摘されると、ポーチュラカはちょっぴりばつの悪そうな顔をした。それは「先生の体をこんなに心配してることがばれちゃって、私がどれだけ先生のことを思っているのか伝わっちゃった恥ずかしい!」という気持ちの表れだったが、悪戯だと思っている南方には「悪戯ばれちゃったてへぺろ☆」という顔に見えたかもしれない。]
ばれちゃいました。 でも、あんなことをするの、私くらいしかいないじゃないですか。
[という発言も「あんなことをするくらい先生を思っているのは私くらいです」という意味だったが「あんなことが可能なのは黒服ズを従えたお嬢様くらい」という意味に聞こえてしまうかもしれない。]
(29) takicchi 2017/05/28(Sun) 23時頃
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[全く噛み合っていないのに、なぜか成立している会話によって、和やかな空気は保たれていたわけだが、ここにきてそれは唐突に終わりを告げた。]
え? やめませんよ?
[もうやめろと言う南方に、真顔でお嬢様がそう言い放ったことによって。]
アラサーの先生は血糖値を気にしないといけないから、お砂糖は食べたら駄目なんです。
[しーちゃんでかき集めてた断片的な情報をつなぎ合わせたお嬢様が至った結論はそんな感じだ。 アラサーに砂糖は毒。 穴だらけでつっこみどころ満載だが、お嬢様は固く固く信じきっている。]
ケチャップ?
[唐突な追加オーダーに首を傾げたが、テイクアウトなのかしらと思ったお嬢様は深く追求しなかった。 まさか朝ごはんをケチャップで真っ赤に染め上げるなんて思ってもみない。]
(43) takicchi 2017/05/29(Mon) 13時半頃
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[両親への報告を終え、タブレットをSPに返す。 通話中に朝ごはんが届いていたらしい。目の前に並ぶ朝ごはんは、コーヒーにトースト、サラダにスクランブルエッグにウインナーというラインナップ。]
シンプルイズベストですね!
[何気に失礼な……しかし心からの感想を述べつつ、南方の方を見て。]
(70) takicchi 2017/05/29(Mon) 21時半頃
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きゃああああああああああああ!!
[お嬢様は、叫んだ。 真っ赤だ。何もかもが真っ赤だ。お味噌汁もご飯もサラダも、そしてお皿の中心には謎の真っ赤な塊が!]
ち、血が! 朝ごはんが血の海に!! し、止血しないと!
[ごはんの止血ってなんだ。わからない。わからないけどこのごはんはスプラッタだ。人間の食べるものじゃない。 これはあれだ、昔何かの弾みで見てしまったゾンビ映画でこんなのを見た気がする。]
(71) takicchi 2017/05/29(Mon) 21時半頃
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[となると……南方はゾンビ!?]
せ、聖水を……! 聖水を持ってきて!!
[あとお清めといえば塩? 塩な気がする。果たしてゾンビに効果があるのかは知らないけれども! テーブルにあった塩を南方めがけて闇雲に振り回した。]
(72) takicchi 2017/05/29(Mon) 21時半頃
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――――――……!
[南方に手首を掴まれて、お嬢様は塩のビンをぽろりと取り落とした。 一夜を共にした(してない)とはいえ、お付き合いを始めたばかり(始まってない)なのだ。手と手が触れただけでもときめきが止まらないお年頃である。]
(あっ、でも、手が触れちゃったらゾンビが伝染る……?)
[ふとそんなことがお嬢様の脳裏をよぎった。触れられたらではなく噛まれたらだったかもしれない。よく覚えていない。 しかし、ゾンビがなんだ! 愛する人がゾンビなのだ!(違う) それなら、一緒にゾンビになるまでだ! ゾンビなんか、二人の愛の障害にはならないのだ……!]
……そうですね。ごめんなさい。
[聖母のように微笑んでポーチュラカは現実を受け入れた。 それがゾンビの流儀なら、ポーチュラカだって真っ赤な料理を食べてみせる……!]
(81) takicchi 2017/05/29(Mon) 22時半頃
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[冷めないうちにと言われ、はいと頷いたけれども、見つめても見つめてもポーチュラカの朝ごはんは血に染まらなかった。当然である。 まだゾンビ化は始まっていないのかしら……なんて思いながら、シンプルイズベストな朝ごはんを食べる。
こうしている間にも、生物準備室の拡張工事は無事完了し、冷蔵庫は新しく大きくなり、ついでに隣にピンクの冷蔵庫が並んでいたり、南方の隣の部屋の引越しは着々と進んでいたり、水面下は抜かりない。]
先生、楽しいですね!
[明日になれば、また新しい一週間が始まる。 お隣さんなのだから、ピンクのリムジンで一緒に登校もできるかもしれない。 うふふふふふとこれからの生活に思いを馳せるお嬢様は、とてもとても幸せそうなのだった。*]
(88) takicchi 2017/05/29(Mon) 23時半頃
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―半年後―
[その日は両親が世界一周旅行から返ってくる日だった。 一人暮らし(至れり尽くせり)のアパートから、その日ばかりはお嬢様も屋敷へと戻り、両親を出迎える。]
おかえりなさ……!?
[玄関の外に出て両親迎えたお嬢様は、口をぽかんと大きく開けた。 半年振りに会った両親は相変わらずらぶらぶで、父はにこにこしていて、母はテレテレしていて。 そして……母のおなかが、なんだか少し膨れているような?]
ま、ママ……? その、おなか……。
「びっくりさせたくて黙っていたのよ。驚いた? 驚いたわよね?」 「HAHAHA、春にはポーチュラカもお姉さんになるんだぞ」
[なんということでしょう。お嬢様は一人娘ではなくなってしまうようです。 両親の背後に停まった車から、これでもか! これでもか! というほどスーツケースが降ろされたり、「お土産が沢山あるのよー」なんて母の声がしましたが、見るもの聞くもの、すべて今のお嬢様を素通りしていきます。 それくらい、お嬢様はびっくりしていたのです。]
(137) takicchi 2017/05/31(Wed) 21時半頃
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[こうしてお嬢様が高校3年生になった春、弟が誕生し。 外堀を埋めるお仕事は見事(?)完遂されたのでした。 めでたしめでたし?**]
(138) takicchi 2017/05/31(Wed) 21時半頃
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─卒業式─
[春が来て、お嬢様は卒業の日を迎えた。 留年したらもう一年同じ高校に通えるじゃない! と閃いて怒られたり、でも卒業してしまえば禁断の関係じゃなくなるわ! と張り切ってみたり、相変わらずどたばたしつつ。無事近くの大学への進路も決まって、お嬢様は今日も元気だった。ピンクの冷蔵庫は撤収させた。]
あっ、先生ー!
[お嬢様は鈍感なので、見ないフリをされてきたことにも気づいちゃいない。禁断の関係とか言いながら、婚約している(してない)ことを隠そうともしてこなかった。 今日もぶんぶんと手を振りながら、わんこのように駆けていく。]
(148) takicchi 2017/05/31(Wed) 23時半頃
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[呼び寄せられるまま、お嬢様は門をくぐって。 広げられた手に、ぽかんと口を開けた。 婚約していたけれど(してない)あのホテル以来、南方はいちゃいちゃしてくれなくて(ホテルでもしてない)、禁断の関係だから仕方ないのね、あの日の思い出で(寝落ちして覚えてないけど)我慢するわ! とお嬢様は思っていたのだけれど。 これは……ついにいちゃいちゃ解禁ということ!? もちろんお嬢様に躊躇いなんて1ミリもなく。 どかーん! と弾丸のように飛び込んでいく。]
(149) takicchi 2017/05/31(Wed) 23時半頃
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