投票。その意味を考える。
間接的とはいえ、強いられたとはいえ、自分たちで"誰かを殺す"ということ。
アカリの知る現代日本のルール・倫理・道徳からはかけ離れた行為。
(でも…お父さん…お母さん…)
アカリは迷う。本当に、投票をしても良いのか、"自分自身"に投票し、死んでしまうべきなのか。
脳裏を過るのは、厳しかったが、正しく、優しかった父と母。
『アカリ、悪法は必ずしも守る必要はないが、守らなければどうしようも無いときは、必ず存在する。
っていうか、パパなんていっつもそればっかりさ。
だから、従うのも良い。だけど、その悪法はどうすれば打破できるのか、本質的に何が問題なのか。それは忘れてはいけないよ』
逃げては、死んでは何もできない。
今日、顔見知りが死ぬかもしれない。しかし、自分はその死を背負い、忘れず、元凶を討ち滅ぼすため、生きなければいけない。
今この瞬間は、父や母の生死以上に、その気持ちの方が大きかった。
(私は、生き延びる、背負い続ける。そして、こんな事を企画した組織を、必ず潰してやる!)
(-505) 2013/08/26(Mon) 00時頃