―3年後 ヨアヒムの屋敷―
[今日はヨアヒムではなく別の奴が来ると言われ、内心ではほっとしていた。
あちこちにある痣や傷が無かった日はこの3年の間一日も無い。
そのうち殺してやる、そんな意識もあった。
だがその後の事を考えると躊躇してしまい、結局耐える事を選んで3年が過ぎていった。
慰みはカイと、カイに手紙をつけてのヘクターとの極短いやりとり、様子を見に来てくれるニール。
3つも支えがあれば、耐えることは存外容易かったが、カイ以外に泣き言を言うこともなかった。]
ニール。
[何となく、ニールが来るだろう事は予想が付いていたので現れても特に驚きはしない。
隣に座るよう示されれば、大人しくそれに従い上背の高い男を見上げた。
思えばヘクターと同じく長い付き合いの間柄だなと思いながら。]
どうするの?して欲しいことがあればするけど。
[躊躇もなくあっさり言うと、見上げながら身を寄せた。]
(-668) t_nuke 2011/02/13(Sun) 01時頃