221 堕天の姦計
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― 牢獄 ―
[落ちる。落ちていく。 急速に近づく、地面らしきもの。 ケヴィンは翼で空気を叩き、慣性をころしつつ態勢を調節し、両足から着地をした。膝を曲げ、衝撃を吸収する]
[む、と立ち上る悪臭。 ぼそぼそと続く誰かの話し声。 しかし、さっきまであれほど溢れていた魔どもは、気配はすれども姿はない。 状況を探るため首をめぐらし、は、と息を呑んだ]
[大股で数歩を進み、落ちていた矢>>0:200を拾う。銀の矢から立ち上る美しく清い気配は、パティエルのもの。 そう気づいて見回せば、慣れ親しんだジェフェルの気配の残り香もする]
[ここは、さっきまで自分が守っていた洞窟の中……なのだろうか?]
(28) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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[しかし、見回しても大切な仲間の姿も、囚われのサイモンの姿もない。 すでに撤退したのだろうか。それとも……]
[……っ、、 ちりんと矢が床で鳴った。取り落とした事にも気づかず、ケヴィンは自分の左胸を抑える。 ヨラニエルの庇護の力がなくなったせいだろうか、 瘴気がやけに沁みた。特に……天使になってからも残る過去の傷>>0:36。身を貫いた槍傷の……]
[「……、……、」]
[……膝をつくのを堪えられたのは、ごく近くで聞こえた助けを求める声のおかげだった。 ぐい、と額の汗を拭う。 ここでじっとしていても良くならないことは分かっている。この傷と言葉の欠落……これは自分がずっと背負っていかねばならないものなのだから]
[盾を投げ捨てたために、空きっぱなしだった右手で、自分の頬を叩く。 辛い顔をしていてはならない。自分は天使。主の代行者なのだ]
(29) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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[エリシェバに問いかけ、何かしらの反応を待っている間に…… 突然頭に響く叫び声に、思わず驚いてぴくっとなる。 どうやら4523小隊の小隊長から"魂の声"での通信の様だ。
『オスカー!オスカー!大丈夫ですか?!』
……向こうも飛ばされたのだろうか。オスカーは心配して顔を曇らせる。
『こちらオスカー。とりあえず怪我などは無いです。ただ……現在地が全く分からないんです。鏡が一杯有る所なんですが……』
そう返すと、程なく。 『そうですか……実は、私達も全員知らないところに飛ばされました。現在確認を取っていますが、どうも皆瘴気の強い場所に飛ばされたらしくて。オスカーもくれぐれもお気をつけて下さいね。』
と、返される。 ……道理で、さっきからちょっと苦しい感じがする訳だ。 オスカーは、小さく歯ぎしりをする。 こんな所に飛ばして、どういうつもりなんだろうか。]
(30) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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― 鏡の迷宮 ―
[転移、と理解して目を伏せるのは短い間。 今は失態を省みるべき時ではない。
気を探る近くに聖なる存在。 近くに淡い燐光を放つ何かを認め、立ち上がった]
まど…
[窓というより開かれた扉。 壁に光の枠をとって、その向こうにも冷ややかな宮が続いているように見えた。
剣を手に近づき、 ── 息を飲む。
気配なく不意に現れた人影。 瞬時に身構え、見せた隙を潰すように切先をその喉元へ突きつけようとして、]
(31) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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──っ
[ 鏡 。 (馬鹿な) 鏡写しにこちらへと剣先を向ける人影を凝視した。 隻腕の痩躯。 闇色の焔に似た髪は短く、濃紫の竜翼を背負う者。 その翼の片方は半ばで折れていた。 虚だけを宿す片目、もう一方の残った黒眸がこちらを見て嗤う]
〜〜わた し…か
(32) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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『待っていたぞ、帰りを』
[鏡の中で、人姿を真似た魔竜が笑みを含んだ穏やかな声を発した]
『言っただろう? 神はお前など愛しはしないと』
[構えた剣の先が下がれば、鏡の中でも剣が下げられる]
…
『わかっていた。 お前は魔界に遣わされたんじゃない、【投げ落とされた】だけだと。 なあ?…天にお前の居場所なんて最初からなかったって』
(33) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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去れ、悪魔よ
[声は掠れても強い]
『神は我が誓い』── 消えろ
[言葉の強さに反し、醜悪の魔竜から視線は逸らされて、
背後から掛かる声>>25に小さく肩を揺らす]
…っ
(34) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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クラリッサは、背後を振り返り、 明るい光を纏う天使>>30を見つめた
2013/05/11(Sat) 01時頃
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[『……それで、僕はこれからどうしたら良いのでしょうか。』
そう、小隊長に尋ねた。 ……答えに詰まったのか、それとも他の理由があるのか。 しばし無言の時間が流れる。 暫くして、小隊長が口を開いた。
『……私が予想するに、これは魔界に張られた"罠"が発動したものと思われます。 『罠?』 『はい。それは私達が偵察に行った直後に発生しました。それが原因なのか、その他の何かが原因なのか。 ……兎も角、その罠が発動したせいで、我々は瘴気の強い場所に飛ばされてしまった訳です。』
一拍おいて。
『……瘴気が強い場所に長い時間いると、どうなるか、分かりますよね?』 『……はい、羽根が黒ずみ、心が穢されます。そして、天界で暮らすことが出来なくなる体になる。』 『その通りです。………ですので、可及的速やかにその場所を離れて下さい。』
……この言葉に、オスカーは目を見開いて驚愕した。]
(35) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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…オスカー
[知っている顔。 門を出入りする機会には乏しいが、天界で謳うエリシェバの元を訪れて言葉を交わすこともあった]
名を?
[エリシェバ、と呼んだか、と首を傾げる。 少しの間の後 鏡を振り返れば、映るのは亜麻色の髪と白い両翼を持つ神の似姿]
…今 見たか
(36) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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/* 始まっちゃえばあとはソロール中心でいけるぜ!なつもりだったけど、よく考えたら鉢合わせとかあるよねみたいな
(-26) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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[『サイモンはどうするんですか!?まさか、放っておくつもりじゃ……!』 『……勿論、サイモンの事もどうにかしなければいけません。……ですが、私はそれ以上にバラバラになった仲間の事が心配なのです……。』 『でも、それじゃ何の為に此処に来たのか……!』
思わず失望に表情が崩れる。 こうしている間にも、サイモンは羽根を曇らせ、闇に染まっているというのに。 反論の言葉を探そうとした途端、……急に小隊長の様子がおかしくなった。
『あっ……!くっ!ごめんなさい、これ以上続けられないみたい。後は頼みましたよ……!』
そう言って、声は急に途切れた。 ……どうしよう。肩を落とすオスカーに、エリシェバの言葉が耳に入る>>36]
……え? 見たって、何を?
[オスカーは知らなかったし、見ていなかったのだ。 小隊長と通信している間に、エリシェバが魔竜の姿に苛まれていることを。]
(37) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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/* しっかしまー描写が強引。
(-27) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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>クラリッサメモ >こいつは実はドナルドだったと思いねぇ
なんwwwだとwwwww なくなったと思ってた設定を、こんなところで使うとはww
(-28) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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[三口ほどリンゴを齧った後、飽きたと言うように食べかけのそれを彼方へと投げる。 足元にある槍を蹴り上げ手の中に収めると、右手を胸の位置へと当てた]
…………
[身体自体に異常は無い。 この場に在って苦しさは無く、むしろ心地良いほど]
───なんだろうな。
色々と、軽い。
[身も心も、この空間に馴染むかのように軽い。 それを意味するところは一つしかなく。 けれど、ノックスにその自覚はほとんど無い]
(38) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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[変化に自覚が無いのは自分の与り知らぬところで齎されたものであるため。 ここに在るのがノックス一人であることも起因するだろう。 比べるものが無くば、気付くべくもない。
背に抱いていた蒼白き翼は跡形も無く消え、あるのは漂うが如き紫黒の闇のみ。
苦悩する暇もなく闇により強引に捻られた在り様は、もう、元には戻らない**]
(39) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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…いい
[首を振る。動作で流れる髪は柔らかな亜麻色。 左手を見下ろせば細く優美な容を描く神の造形]
オスカーは、あとづめの?
[短く省かれた言葉が通じているかに頓着せず、重い剣を握り直した]
(40) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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ノックスわおーんね。 もう一匹はどこだろう。
エリシェバは半狼仲間っぽい気がする。
(-29) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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[一度、鏡を振り返る姿>>36を確認すれば、自分もちらりとそっちの方を見るが、 オスカーからみたら、特に何も写ってはいないようだが……
ぶるり。
一瞬背筋が凍る。 そして、その直後。
どおおおん!!
乾いた音が聞こえ、思わず振り返ると、鏡の中に恐ろしい物が見えていた。 ……キノコ雲だ。 場面が切り替わり、そこには泣き叫ぶ人々、吹き飛ぶ人々……。 ……なんだこれ。 呆然と、その鏡を見つめている……]
(41) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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うーん……。 虜囚全員MINAGOROSIロルを書いたのだけど、ちょっとアレかなあ。 せっかく殺害RPが必須じゃない村なのに、えげつなすぎるかな?
半狼としての懊悩ロルとして欲しいところではあるんだけど、絶対ないといけないかというとそうでもないし。
……ただ、この虜囚を連れて逃げることは不可能だよなあ。 かといって、見捨ててしまっては、ケヴィンというPCではない。 うーむ……。
(-30) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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/* 悩むのを止めた←
さて、誰かに会ったら自分が天使だったことを思い出しつつ色々出そうとは思ってるのだが。 豹変の理由は普段押さえ込んでたものがある、って形にしたいところ。 ミルフィには嫉妬を向けられるんだよねぇ、実は。 敬愛するジェフェルに見出された子なので。 羨望が嫉妬に変わる感じ。 後あるかな、色欲も誰かに向けた方が良いのかな←
ところで相棒は誰ですか。
(-31) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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[見せられた恐ろしい映像に食い入るように見ようと下途端、エリシェバから声を掛けられる。>>40 これが何かという正体を探るのは後回しにする事にしよう。 鏡に背を向け、エリシェバに反応する。]
ああ……うん。後から入っていったんだけど……。 さっき洞窟の所にいたよね?……でも、会えて良かった……。 ……けど、こんな罠にかからなければ、もっと沢山の人に会えたのに……。
[つくづくタイミングが悪かったと思い知らされた。……嫌、魔物にとってはタイミングが良かった方なのだろうか。]
……あ、そうだ。……えーと、うちの隊長が言ってたんだけどね……。 ここ、危険だから早く離れた方が良いってさ。 ……僕の隊長が言ってたことだから、無視しても構わないんだけど……ね。
[とりあえず、この場所が危険だと言うこと、瘴気に満ちあふれ此処にとどまり続けると戻れなくなると言うことを伝えておいた。]
(42) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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/* しかしptが反映されるのがおっそいなぁ。 今1122ptな訳ないと思うんだけれど……
(-32) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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/* ちょ、今気がついた重要な事。 雨無いのかっ! もう1/3使っちゃったぞ!
(-33) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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[鏡に映る大量破壊>>41 純粋な天使の目にこれがどのように受け止められるか。
今やはっきりと鏡の邪な性質を理解して、鏡に背を向けたオスカーの肩を左手で緩く叩いた]
たしかに ここは良くない。出よう
(43) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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合流 か、退避
[いざとなればこの稚い使徒だけでも魔界を逃れさせる、 篭めた意味は言葉には省略されて]
闘えるか? ここは狭い
[身の丈を越える長さの剣を振り回すには向かない宮。 出口が見つからなければ壁ごと破壊して出る程度の意志はあったが]
(44) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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クラリッサは、オスカーに戦闘の心得があったかと、見つめる
2013/05/11(Sat) 01時半頃
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[出ようとの声に、軽く頷けば、>>43自分の持っていた弓を落としていないことを今初めて確認する。 ……よかった、これがどっかに飛ばされてたらまともに戦えないところだった。 オスカーは一息つき、例の矢の無い弓を見せた。]
……戦闘?ああ。こいつと……魔術でどうにか出来ると思う。 ただ、腕前はそんなに良くないんだけど……。
[何せ、一番酷いときでは目標からメートル右に逸れていった事がある程だから。 ただ、今はそんなに外すことは無いだろう。 しかし、オスカー自身は戦うことについてはあまり良く思っておらず]
……ここにも魔物いるかな。 何にせよ時間との闘いだから、あんまり鉢合わせしたくないなあ。
[そう呟いた。]
(45) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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─ 牢獄 ─
[救済を求める声の牢に近づく。 たすけてタスけてたすケてテテテ……という小さい声。鉄格子の向こうにうずくまるのは、やせ細った青年。 左手の籠手を叩きつけ、錠前を壊して中へ踏み込む]
[もう大丈夫だから、とその背を撫でて、ハッと息を呑む。根元から折られた翼のなごりが、そこにあったから。 「けテテテ……」と鳴きながら青年は顔を上げた。斑に黒く染まった長い髪が縁取る白い顔のなか、黒い涙が流れ続けていた]
[もう、手遅れなのではないか、一瞬よぎった思いをねじ伏せる。 汚れきった涙は、触れるだけで痛みを及ぼしたが、構わずに青年を胸に抱き上げる。やせ細った姿は枯れ木のように軽かった。 あと何人、ここに虜囚がいるのだろうか。見当もつかないが、身捨てる訳にはいかない。出来るだけ救い出して……、、
と、]
(46) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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/* あ、鏡の中身クラリシエルに見えたのね。 かんっぜんに見えない描写してしまったけれども気にしなくてもいいのかな。
現代村ゆる村ばっかりやってきたのがにじみ出ております!助けて!
(-34) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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[「ころして」]
[無表情で黒い涙を流したまま、青年はほんのごくわずかだけ光の戻った目で言った。 「たスけてころシテたすけテコろしてたすけて」]
[助けるし、殺さない。 ケヴィンの思いをかき消すように、青年は続けた。 「たすけるためにころして」]
[唇を噛んだ。 天使になってから、死よりも辛い事というのは確かにあるのだと、だから「死による救済」もひとつの助け方なのだと知った。人間だったころ貫いた「生涯不殺」は、なんと尻の青い、浅はかな誓いだったのだろうと思ったものだが]
[……分かっている。 たかが一個小隊では、サイモン一人を助けるのに精一杯だ。 荷物が増えるほど危険は増し、部隊そのものの生存率が下がる事も、本当は分かっていた]
(47) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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『自分は納得できません!』
[その男は、どこか遠くの国の異教徒だった。 まだ新兵だったケヴィンは、両手を広げ、背に彼を庇って叫んだ]
『異教徒だということが、どうして殺していい理由になるのか、自分には全然納得出来ません! どうして伝道を試みないのですか?! 改宗さえすれば、彼も兄弟じゃないですか! 彼はまだ正しい神を知らないだけなのです。彼を説得し、改宗させられない自分達が悪いのであって、異教徒であることは、彼の罪じゃありません!』
[やがて根負けした神聖騎士たちは、ケヴィンに3日間だけの猶予を与えた。 ジェスチャーとたどたどしい外国語とちょっぴりの殴り合いの末、彼は改宗を受け入れ、遠くの国初めての正しい神の信者となった……]
[「生涯不殺」を誓ったのはその経験から。 教義の独自解釈をするものではない、と先輩騎士たちにはこっぴどく叱られたけれど、生前のケヴィンは頑としてその主張を曲げなかった]
(-35) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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