[ポーチュラカの愛車はピンク色のリムジンだ。
いつもなら、まっすぐ高校に乗り付けて、寄り道することもないのだが、今朝は少し様子が違った。
まるで放課後の寄り道のように、ぴかぴかのピンクのリムジンは、商店街の入り口に止まる。
SPの開けたドアから、手ぶらでポーチュラカは降りて、まだほっぺたに猫に引っかかれた三本線が残っているSP>>48の顔を見上げた。]
あなた、まだ焦げ臭いわ。
[寄り道の理由は簡単。お昼ごはんがなかったからだ。
両親は、執事もSPもメイドも置いて旅行に行ったが、あろうことかシェフを連れて行ってしまった。
「仕方ないわね。あなた作って」
なんとなくの気まぐれで、ポーチュラカはSPにそう言ったのだったが……残念ながら、SPに料理の才能はなかった。
朝から鍋が爆発してSPの髪がちょっぴり焦げるという惨事が起こり、厨房の片づけをしなければならないメイドはちょっと涙目だった。
そんなわけで、ポーチュラカはお昼ごはんを確保しなければならないのである。
遅刻? そんなこと気にしない。学校なんて待たせておけばいいと思っている。]
(57) 2017/05/18(Thu) 14時頃