196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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[消え行く背中に、隠し切れぬ滲む赤の臭い。 男はその臭いにつられるようにして、少年の背を見遣った。
見遣るだけにしか過ぎず。 声を掛けるには、至らなかった *が*]
(-56) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[意志の強そうな快活な女声へと、同意を示す言葉も持たない。 只、唐傘の誰かへではなくこちらへと問いか飛んだならば、首振りで肯定否定だけは答えられるが>>75
居心地悪く視線をきょどきょどと彷徨わせていると、不意に聞こえた"薬"の単語。 あからさまに動揺し、乱れた吐息の白が揺れる。
気遣わしげな視線、好奇な視線、只の興味か、顔色を文字通りに"伺われる"のは、酷く慣れない。
館へと入ったのは寒さから逃げた肢の、筈。]
(95) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[吐き出した息は安堵のもの。 病を背負う生は如何程に厳しいか、想像に難くない歳を生きたものである。]
いいえ。
[釣られたか、そうでなしか。 唇が紡ぐ声は雪の様な無声へ。
お気になさらず。
そう形作り、離れる姿を見送るか。]
(-57) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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―館内・エントランス―
[入り、まず鼻についた嗅いだ事の無い香りに、招待状を握った手が、無意識に顔の前へ。
それから、見たことの無い館内の装飾に、視線は忙しなく。 もしも外が雪に覆われず一人きりならば、館の外観にも同じ反応だっただろう。
履物をはいたまま咄嗟に前に従っていたものの、言われてからそれにはたと気付き>>87 次いで、紅に新たな模様を作っていた粉雪をここではたき落としていいものか判断にっ困っていれば、お侍に寄せられた言葉に、また幾つか、瞬きを返す>>90
答えは、ふるふる、髪に雪がついていたならば、それが舞い落ちる動き。]
(96) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[ぽたり――と、長い前髪から雫が落ちる。 向けられた、一瞬の視線。 逃れるように下を向けば、柔らかな敷き布に泥まみれの草履が申し訳なさそうにのっていた。 随分と小さい足だ、と。益体もないことを考える]
失礼、する
[土間はないらしい。一度踏み入れたならば、ままよ、とそのまま足を進め、すぐ傍にいた一団をすり抜けようと]
(97) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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/* 出た!コミュ障!
(おま
ええっとなにか なにか見つけておびえ
ああ火?でいい?いや、でも そうすると 居間にいれなくn
(-58) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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/* ナレーションの敬語やら口調やらがチグハグなんだ! 頑張れ、ナレ子!
幕末よりは江戸初期のイメージだよね。 限られた港での商い故に、富裕層以外は知らない西洋もの。
沙耶様のイメージは、赤穂浪士です。 年末ですしねー! 薄桜記を見た、というのもあります。
おや、風伯殿。気が付かれましたね。血の香りに。
(-59) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[すれ違いざま、少年――に見えた――が佩いている刀に視線を投げる]
……
[薄く開かれた唇は音を紡がず、土間のように少し広くなった場所を抜け、奥へと足を進める]
(98) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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/* まさかの素通りきたよおい!!
えっとね えっとね
なんとかするね
(-60) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[しかし、さらに暖かい最初の部屋に入って、振り向き――]
……それ、 人を、切ったことある?
[相手の顔は見ずに、問いかける]
(99) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[いいえ――、もう白さの無くなった、囁きよりも小さな息の音。
引き攣る頬を、黒ずんだ目元は確かに見て、何故、と言いたげに。 それから視線を落とせば、怖いかと尋ねられた物で留まる。
それ自体への微かな興味と、まるで望郷のような眸。 音なき声は、視線のそれ以上を紡ごうとはせず。]
(100) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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/* よくがんばった! やったねあきちゃん!
(-61) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 23時半頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 23時半頃
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/* 性別間違いの多いインターネッツ!
(-62) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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/* ごめん俺も芙蓉さん女のこおもてた
(-63) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[私の右手はわらべの手を取り、左手は文を握る。 いざなう方へ、ぎっ、と地を踏み、見るともなく雪降る景色、黒いわらべの横顔を見る。 粉雪に紛れ、ただ微笑のみが在るように見えた。 私は再び、瞼を下ろした。
覚束ない足取りで、黒のわらべに導かれる私のすがた。 姉が見たら、籠から連れ出される雛鳥のようとわらうだろうか。 父が見たら、牢から引き摺られる罪人のようとわらうだろうか。 そのどちらの影も、此処には在りはしない。]
(101) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[辿り着くまで長かったか、それとも束の間だったのか。 噎せる程に甘い花の香に目が覚めた時、私は屋敷に気付く。 それは白銀の中に浮かぶ黒。 記憶の中に在る、どの西洋屋敷とも異なる色趣きだった。]
此処、かい。
……坊や?
[いつの間にか黒のわらべは、その紅い瞳も、透明の傘も、何処にも無くなっていた。 まさに連れ出されるが如く手を引かれていた私は、ただひとりぽつねんと、銀雪の上に取り残されていた。]
(102) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[久慈殿の召し物は薄く、髪は雪解けに濡れておりました。 お嬢様の刀へと送る視線は、志乃殿と同じものでしょうか。それとも別のものでしょうか。 通り過ぎた後、背へとかけられた言葉にお嬢様は勢いよく振り向かれました。 何処を見ているか分からない視線>>99に、唇を噛みます。]
それは、私に問うているのか。
(103) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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/* いまだ亀ちゃんみるとそわってする
いまだに
自分がやったあと同村するの二回目なのに
(-64) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[歳の割に曲がらぬ背を正し、直された言葉遣いや佇まいへと男は向き直る。 差し返された唐笠は再び、男の上に広げられ。 女性と間違うた青年との会話には、只乾きに近い笑いしか返すこともできぬまま。]
迷い……そうですね、迷うて来てしまったのやも知れません。 何処かも判らぬ雪景色。 道案内のお力にはなれそうも在りません、申し訳ない。
[軽く下げる頭。 どうして此処へ来たのかも判らぬ男は苦笑し。]
(104) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[まるで呪い殺さんとばかりに睨み付けているお嬢様を見ることが出来たのは、当の久慈殿だけでした。
「見た、のか」
問うように唇を動かすのです。 けれど、音として発したのは別の言葉。]
(-65) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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― 一階・居間 ―
……っ。
[包まっている織物をクイ、と引き上げられ、 思わず息を呑んだ。
どうやら、拭っている様に気付かれてしまったようで。 みっともない、と苦笑を一つ。
「眠ればいい」との言葉>>63に、 張り詰めていた糸がぷつり、途切れるよう。]
――、かたじけのう、…ございます。
[頭まで被った織物が、 すっぽりと冷えた体を包んでくれて。
初めこそ座ったまま船を漕いでいたが、 体が辛くなりこてんと倒れ、そのまま床に丸くなった。]
(105) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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――これは、単に人を切るものではない。
まもる、ものだ。
[それでは答えになっていないのではないでしょうか。 内を隠すように、簑の前を強く握るのでした。]
(106) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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/* きゅうん(おちつけ
あ、残り灰が333
(-66) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[振り向いた視線の強さ。 正面から受け立つ気力は、どこを探しても見当たらない]
……そう
[言葉少なに頷いて、おそるおそる、視線をあげた]
(107) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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そう、失礼を致しました。 お坊ちゃんで在りましたか、いやはや。 歳をとっては目が廃れていけない。
[白い息を吐き出しながら笑う。 ぎこちなかったか、寒さにはいくらか慣れているものであるから自然で在っただろうか。
衣に出で立ちに、少なからず華やかさを感じたが故か。 少しの冗談を織り交ぜて。]
着物も人を選ぶものですから、美しい御召し物は美しい御仁に。 ……薬売りの芙蓉君ですね、私は風伯雷門と申します。
[その名に覚えが在るならば。 ……否、それはこの雪景色の様に有り得ぬ話であるか。 中へと過ぎ行く少年の姿も目の端に、芙蓉へと再び会釈で別れた。]
(108) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[素早く瞬きを繰り返す。 一度合わせてしまえば、視線を逸らすことは容易ではない。だから、守るように瞬いて]
………ゃ
[幼子のような嫌悪の言葉は、最後まで紡がれず]
(-67) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[このところ、否……ずっと。 あまりよく眠れていなかったから。
坊の、耳を劈くような泣きの聲がして、 乳をあげ、泣き止むまであやして。
そんな苦労を苦労とも感じぬ日々は、遠い昔であるのに。
旅籠での仕事の合間。
昼に、夜に。
その鳴き聲が耳を打つ度、 空の赤子を抱え、乳を吸わせた。
夫がいた。坊がいた。 夫が寺子屋で教える子供たちが家にまで尋ね来て。 賑やかだった。]
(109) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[無くならぬのは、左手の異邦の文。 くしゃり、皺と折り目のついた文をそっと開けば、それはやはり記憶の中にない装丁。 手の内を、それから黒の洋館を、見る。あれは。]
誰ぞ、居りますか。
[頭に巻いた絹織物、その前からは白銀の前髪を零し、上には白雪被っていたまま。 艶やかな常磐の羽織、その肩にも未だ冷たい白載せたまま。 私は洋館の扉の方へと、下駄履く足を運ばせる。 先ず私の目に留まったのは、透明ならぬ唐笠、痩せた趣きの男だった。]
(110) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[落とす視線の先にあったのは、志乃殿の髪から落ちた雪片。>>96 あの時、更に雪を払おうと伸ばしたは空中でさ迷ったままでした。
お嬢様を見上げる視線は何かを訴えているよう。 刀へと向けた瞳には、恐れの色はなく。]
そうか。左様な顔でただ見られては、怖いのかと思うてな。
[顔色の悪さも目元の黒さも、言葉を発っさないのも、恐怖心が原因ではありませんでした。]
(111) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[今は、誰もいない。……誰も。
坊の聲も、今宵は届かない。]
(112) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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