196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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ううん。敵だと思ってたよ。
敵という言葉を信じたのに。 でも、敵じゃなかったみたい。 いや、やっぱり敵なのかな? ……難しいね。
アタシ、あんまり芙蓉さんの事知らなかったしさ。
[沙耶の言葉>>34に、小さく苦笑をして。 問いには、こくりと頷いて。]
(38) 六花 2013/01/15(Tue) 01時半頃
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くの一ではないよ。 沙っちゃんや亀ちゃんとは、とおーい身分、かな。
どんな? んー……。 亀ちゃんの望む幸せを、得られる未来。かな。
[続く問いには、少し瞬いて。]
アタシ、嫌いな人の幸せを優先する程、イイひとじゃないよ。 分かるでしょ?
[小さく笑って、首を傾げる。]
(39) 六花 2013/01/15(Tue) 01時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
六花 2013/01/15(Tue) 02時半頃
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>>-8 [意識が戻るその場所に。 小雀一羽じべたに落ちる。 そう綺麗なものがわたしは好きです。 あんたは一番。]
綺麗です
[西の男は小狡くイキる。 綺麗事と言われようとも。 歯の浮く言葉を何度でも。]
わたしは小鈴を好いてます 惚れたおなごが一番綺麗や
[これは夢かも知れないが。 ようやっと小鈴と会えたもの。
好いたおなごの気持ちは分からんが。 手前の気持ちも分からんもんや。]
(40) hippolyte 2013/01/15(Tue) 03時頃
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呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
hippolyte 2013/01/15(Tue) 03時頃
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[では目を逸したのは――と問おうとして開いた口が閉じるのです。>>38]
終わった後では、詮無いことだな。 信じたのが間違いであったかどうか、確かめる術など本人に尋ねるより他はないのだから。
[名を呼んだ事もお嬢様としては第一歩でございましたが、さらりと猫の様に躱され隠されました。>>39 とおーい。ただ其れだけ、とおいのだと知れば充分だとばかり。]
何度も言うが、沙っちゃんなどと気軽に……。 わきまえろ。とおい身分というのなら。尚の事。
小雀。寄ろうとするな。
(41) k_karura 2013/01/15(Tue) 03時頃
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[ふぅと長めに息を吐きました。 天宮殿の望む幸せとは何か、思い付く事は出来ません。]
然様、か。それは良い未来―――だったな。
[だった、としか言えません。]
さぁ。 少なくとも、「無理は、いけないんだよ」と私の頭を撫でた主は、イイひとだと思うがな。
[小雀殿の小さな笑みの理由は、伝わっておらぬようでした>>39。*]
(42) k_karura 2013/01/15(Tue) 03時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
k_karura 2013/01/15(Tue) 03時頃
呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
hippolyte 2013/01/15(Tue) 03時半頃
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[聞こえた声>>40に、びくりとして。]
いきなり、出てくるな……。
[俯いて、ぽつと零した後。顔をあげて。]
そんなわけ、ないじゃない!! アタシが、一番醜い。汚いよ。分かってる。
見てなかった? それなら、教えてあげるよ。 アタシは、世っちゃんを殺めたひとを、殺めた。 明ちゃんを殺めるかもしれないと思ったひとを、殺めた。 こんな女、最低でしょ!?
[言い切ってから、ぼろぼろ零れている涙を拭いて。]
綺麗、は間違い。ごめんね。
(43) 六花 2013/01/15(Tue) 03時半頃
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>>43 そないな事言っても。 わたしも気づいたら居てますんや。
[続く鳴き声聞いてみる。 じっと黙って耳を澄ます。
醜い? 汚ない? そないな事あるかいな。
見てませんでしたなぁ。
わしを殺めた? そうか、別品さんのあれはほんまやったか。
わしは死んだと小鈴は言う。 人を殺めたと小鈴は言う。]
(44) hippolyte 2013/01/15(Tue) 04時頃
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[言い切ってから涙を拭いて。
綺麗、は間違い。ごめんね と。]
そうかぁ。人を殺してもたか。
[独り言のように呟いて。 思わぬ告白にたじろいだ。]
せやなぁ。 わしは人を殺めたことないから。 その気持ちは分かってやることはでけへん。
>>8:+42 [わしは餓鬼と侍の噺を思い出す。]
(45) hippolyte 2013/01/15(Tue) 04時頃
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せやけど、わしの目に映る。 小鈴が綺麗なのには変わりないしなぁ。
人殺しかぁ…。
[うーんと悩み。頭を傾げる。 殺してしもたら死んだ後はどないなるんや。 閻魔様にでも捕まると言うんか。 良案浮かんでぽんっと手を打つ。] それならわしと逃げよか
あの世の果てまで逃げたらええわ
(46) hippolyte 2013/01/15(Tue) 04時頃
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呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
hippolyte 2013/01/15(Tue) 04時頃
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[ゆったりと、ゆっくりと、目を閉じる。 視界はさっと暗くなって、もう目を開けようとすることも出来なくて、最期なのだと、実感した。 黒が、徐々に白く明るく変わる。 まさに今死なんとする自分に光明の見えることに疑問を抱くも、次の瞬間拓けた視界に、疑問を呈するなどといった感情は簡単に霧散していった。]
(47) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時頃
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[思わず、意識を失う前は人前で呼ぶこともなかった名を叫ぶ。 が、しかし、叫んだはずのそれは何の音を出すこともなく、ただほんの僅かの空気の揺れ動きを作っただけ。 届かぬは幸か不幸か。秘匿していた呼び名を他に聞かれることもないが、届くこともない。 亡霊の、声を聞いたのを思い出す。 このもどかしさを、皆思っていたのだろうか。 だからこそ、こちらに届くと知って幾つも話しかけてきたのだろうか。 届いた時は、どれほどに嬉しかったのだろう。 今度は自分がその番か、と思えば苦く笑えた。]
(48) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時頃
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[見える後ろ姿に、届かぬ呼び声がかかる。 彼女たちは話をしているのだろうか、様子を見れば表情をくるくる変えたりと、会話が成り立っているようだった。
何を話しているのかは、わからなかった。]
(49) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時頃
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[口を動かして、目の前の後ろ姿を見て、そうして漸く得た答え。
静寂の中にいるのは、自分だけだ。
誰の声も届かない。誰にも声は届かない。 耳も口も全くの意味をなさなくて、ただ目だけがはっきりと現状を捉えていた。 自分の亡骸も、眼下に見える。亡霊とはこのような存在か。 彼女たちも、その亡骸を見て言葉交わしているようだった。]
(50) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[そうっと、手を伸ばした。 こちらを見ないままの沙耶のつややかな、長い髪。足を縛るために解かれたそれに、そうっと、おずおずと。 指先を動かしたのは愛しさか、慈しみか、渇望か。 何かに操られるように指先は伸び、そして、触れ合った瞬間に、]
(51) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[『人殺し』。その言葉は、ズキリと胸を刺す。>>46 永遠にも思える様な、首を傾げる間の後。 告げられた言葉は、考えもしなかったもの。 また、涙が溢れて。]
ばか……。 ばかじゃないの……。
[俯いて、止まらない涙を拭きながら。>>46 顔を上げると、泣き濡れたままの目で、笑んで。]
世っちゃんは、綺麗なままなんだから。 天国に行きなさい。
[泣きなら、くすくすと笑って。]
(52) 六花 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[ばちん、と音を立てて何もかも消えた。]
(53) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[暗く、哀しい世界ではないけれど。 ただ白く、すべてがない世界で。 薄ら寒くすら感じるその空間に、それでもゆらりと光は揺らいだ。 刹那過ぎるロッジも、汽笛も、覚えあるものではなかった。 が、その次にちらついた、大広間は。
逃すまいかと、手を伸ばしたまま駆け出して。 気付けば、光の扉の中に呑み込まれていた。]
(54) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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ねぇ。一つお願いがあるの。
アタシ、自分の名前、大嫌いなの。 苗字から、『め』を取っただけの。 『要らない』って意味の、名前。
[名を呼ばれる度に、それを自覚させられた。 いつしか、麻痺してきたけれど。]
世っちゃんなら、アタシになんて名前をつける?
[野良猫は、複数の名前を持つもの。 姿を消しても、その名を呼ぶ人の所へ、ふらりと戻ってくる。 だから、さよならしても、いつかまた会えるよ。]
(55) 六花 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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――そうして――
[雪が降っている。 いつの間にか、うたた寝をしてしまっていたかもしれない。]
さむ……
[悴んだ指先を擦り合わせ、息を吹きかける。 草の汁で暗緑に染まった爪先。顔に近づければつんと青臭い。 いつまでこんな事を続けるんだろう。 いつの代からだかの薬草園を、霜が降りないように布を張り毎朝取り、冷たい露に濡れた草を摘む。 古臭い鉢ですり合わせて汁を絞って滓を固めるだの、汁を練膏に混ぜるだのして缶に詰める。 そうして訪ね来る人に売り、居なければ買い手を求めて練り歩くのが毎日だ。]
(56) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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――はい。
[戸が、叩かれる音がした。]
(57) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[そこにいた黒ずくめの洋装の子供は戸を開けた手をすっと握って。 幾つも、幾つも、よく分からない言葉を並べて、そして。]
『もう、君は哀しくないよね』
[そう言って、笑った。]
(58) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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――!
[それで、一度に蘇る。 触れ合った体温。交わした言葉。薔薇の香り。冷たい水。紅茶の渋さ。赤い血のぬめり。捲った本の重さ。身を斬る刃の熱さ。手を伸ばせない後悔。失わされたことへの怒り。]
な、ん……
[そして、 愛しさ。]
(59) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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なんでや!!!
[そのまま、笑みを浮かべる童子に掴みかかった。 喉元、身長差のせいで吊り上げてしまいそうになりながら、怒りをそのままに、感情を強くぶつける。]
誰が望んだ!? こんな……こん、な
[黄泉がえり、などと。 いや、もしかすれば本当にただ夢だったのかもしれないが、それでも。それでもだ。 あっていいものではない、と。]
(60) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[いつのまにか、声は震えていた。 怒りか、哀しみにか、涙が落ちるのを隠せないままでいた。 童子の身体を積もった雪の白の上に降ろす。 がっくりと、項垂れそうにすらなった。 けれど。 童子は、言った。]
『――生きて、僕や、僕を殺したあの人の分まで』
[笑っているようで、 泣いているようで、 怒っているようで、 愉しんでいるように、
泣きながら。]
(61) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[その涙に、気づいた時には。 いつだったかと同じように、その黒い姿は消えていた。 雪と真逆の色をした黒は、だというのに溶けて消えるように、跡形もなく、消える。 あれは、死人なのだろうか。死して、ゆえに、誰かを生かそうと、手を伸ばしているのだろうか。 この身は生きる価値があるのだろうか。 多くの者を助けられるようにと、親から授かった太助の二文字。 だと言うに、この手から砂は零れ落ちるばかりで。 自分は、いったい何の為に生まれて――]
(62) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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[はっと、した。 息が詰まるような心地で、薬鞄をこじ開けた。 金創に効く軟膏と、化膿止めの葉。 他にも幾つかの薬に葛糖が足りない。
生きて。 童子はそう言って、黄泉にあった自分をここへ還らせた。 夢なんかじゃぁ、ない。]
(63) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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――き、なみ、さや。
[先とはまるで違う感情に、唇は震えた。 生きている。皆。あの場にいたものは、皆。 記憶を確かめるように名前を紡ぐ。あぁ、書き留めておかなければ。 木南沙耶。木原平太、かもしれない。どちらがより通るか、見つけられるか。 この広い日ノ本國。どうあっても辿り着かないかもしれない。 けれど、それでも。 また手を伸ばしていいと、次こそは手を伸ばせると、そう教えてもらったから。]
(64) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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――傷に、痛みに、練軟膏! どんな傷でも立ちどころぉ!
[夜も、更けた頃合いに。 雪道を麓の村まで駆けて、声を張った。 怒りに任せて出てきた爺さんでもいい。こんな夜分に薬を求める客でもいい。 こちらに意識を向けた皆に、木南という武家を知らないか、もしくは平太と名乗る少年武士を見ていないかと、訪ねて回る。
辞世の句は、二度と詠む気はしないが。 さやけき人を、今追い行かんと*]
(65) mmsk 2013/01/15(Tue) 04時半頃
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>>52
言いましたやないか。 わたしは馬鹿で阿呆と。
[手招きするように手を上下に振り。 おどけて見せる。 美人の微笑みは極上の酒にもかなうまい。]
小鈴がおらんのやったら地獄でええわ。
好いたおなごと一緒なら。 地獄も釜も有馬に変わる。
[続く願いに耳を傾ける。]
(66) hippolyte 2013/01/15(Tue) 05時頃
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>>55 [またも思いがけない事を言いおって。 小鈴。小鈴と手前は何度呼んだものか。 名前をつけろと猫は言う。 今度は籠やのうて首輪になるか。]
名前をつけてくれなんて随分無茶な…。
[美人と言えば小町か。 いや、雀には飛んでほしいから! せやけど猫でもあるしなぁ。 わしが一番願うとることはなんやろ…。
うん。そうや。]
(67) hippolyte 2013/01/15(Tue) 05時頃
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