196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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[ステンドグラスの前。
暗闇の中ではその微かな光しか無かった筈が、 唐突に光が溢れ、螺旋を描いて視界を奪う。
それが何を意味するのか、何が起きているのか。
――直ぐには、理解出来なかった。
けれど背に回された腕、自分を抱く力が増し、 それを悟らせる>>29。]
(115) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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―――っ、……ぃ、ゃ……
[自分の顔の直ぐ横、寄せられた顔。
慶を抱いていた手を滑らせ、 首へと添えて引き寄せるように、しがみつく。
慶の落とす雫が肩を濡らしたのと同様、 自分の涙が慶の青朽葉を濡らす。
触れたところから伝わる、想いを寄せた男の暖かみを抱いて。
終わってくれるな、と願う。願う。願う。]
(116) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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[それなのに。
これほど互いが互いを抱いているというのに、 触れているところから身の内へと、 まるで引いてゆく潮のように遠くなってゆくその暖かさ。]
(――嗚呼、寒い。)
[まるであの少年と会ったあの時のように体は冷え、 光で何も見えぬ。
触れている筈の男がまだ其処に居るを感じるは、 必死に抗う為の息遣いのみ。
姿が見えずとも、触れている熱さえも奪われようとも…。
この息は耳を、心を暖めてくれる。]
(117) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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[けれど―――。
終に、その時を悟ったのだろうか。
耳に届く聲色>>31に、 駄々を捏ねる子供の如くふるふると頭を振る。
潰される程の力で抱きしめられた時よりも遥かに苦しく、息が詰まる。 もう動かなくなった筈の心の臟が握り潰される心地。
遠くなる息―――。
心が千切れてしまう。そう思った。
中庭で貰ったのと同様に耳に届く言葉は途切れ>>2:-171 頭の中に響くような聲>>-366が続く。]
(118) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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[――――何も、告げられなかった。
別れの言葉など、知らぬ。
何か言ってしまえば、本当に最期になってしまう気もして。
例えこれが終わりだとしても。 終わりだなどと、思いたくはなかった。]
(119) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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[姿も、暖かみも聲も、…息も喪って。
本当に一人になってしまって漸く、
遠退く意識の中―――、ぽつ、と呟く。]
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(120) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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[ステンドグラスを、…万華鏡を、 時を忘れて眺めてしまう、そのような人のままで――。
これは、―――別れの言葉などでは、ない。**]
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(121) ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 00時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
ぶんちゃん 2013/01/16(Wed) 01時半頃
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― 雪の中 ―
――――っ!?
[首元に違和感を感じて目を開く。
刹那、何かが手の内から零れ、 とす、と音を立てて落ちた。
開けた視界には、黒の空に白き雪の舞うが映る。 どうやら天を仰いでいたようだ。
ずくん、ずくん――。
激しく脈打つようなその場所に、そっと手を充てがうと、 ぬるりとした何かに触れた。]
(200) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 00時半頃
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[それに触れた掌を見ようと視線を落とし、 一面の雪の上、座り込んでいた自分に気付く。
そして、白の上にぱたた、と落つる深紅。 白に突き刺さる、深紅を吸った銀の刃。
嗚呼、いま少し刃を引いていたなら、恐らく―――。
漸く認識すると、 身の内よりぞぞ、と縮み上がって自身を抱いた。]
(201) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 00時半頃
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[辺りを見渡してもあの黒の館は無い。
薔薇の香りも届かぬ。
生者達の言い合う聲も、命を奪う破裂音も、 ……暖かみをくれる息も感じぬ。
全てはこの寒さの中に見た、夢幻だったのだろうか。
否――、自分は確かに抱きしめた。あの暖かみを。 くっくとよく笑う、風来坊を。 最期まで、その存在を追うのに必死だった。
視界を奪われれば手で、熱を奪われれば耳で、 聲を、息を奪われれば、心であの男を追った。]
(202) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 00時半頃
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[ぼろぼろと零れてくるものを抑えられず、
深紅に染まった手で顔を覆う。
悲鳴のような聲をあげて、聲が嗄れるほど泣いた。]
.
(203) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 00時半頃
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[泣き疲れ、寒さもあって意識が朦朧とし始めた頃、]
“―――生きて、 僕や、僕を殺したあの人の分まで”
[頭の奥、響く聲はあの少年か。 吸い込まれてしまいそうなあの、赤い瞳の少年の――。]
死んでは…ならぬ。 …生きねば なら…ぬ。
生きて…… あぁ、きっと……
.
(204) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 00時半頃
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[傷口をがり、と引っ掻き、 遠くなる意識を手繰り寄せる。
体内の、ドッドッという心の臓の拍動や、血潮の脈打つ音。 はぁはぁ、という呼吸。ずず、と鼻を啜る音。
じくじくと痛む傷を手拭いで抑え…。
ざく、ざく、ざく―――。
暗闇の中、真っ白な雪を踏み固めて、
ただただ、必死に足を前に進めるを繰り返す。]
[そうして飛び出した旅籠に辿り着き、 女将の顔を見て一言呟き、意識を手離した。]
(205) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 00時半頃
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― とある西方の土地 ―
[背後より駆けてくる足音に振り返る。
駆け寄ってくるは、まだ幼き男児。 ――下働きをさせてもらっている屋敷の次男坊。]
「……みつ? また、彼処へ行くのか?」
[切らした息を整えながら、 此方の両の目を真っ直ぐと覗き込んで訊ねてくる。]
えぇ…。彼処へ通うはみつの楽しみ。
―――ところで祥次郎様、 今の刻限は手習いをせねばならぬのでは?
「じぃ、と見上げてくる目を覗き込めば、 わかりやすく動揺して。]
(216) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時頃
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「…あ、えっと…、今日は天気がいいから…。」
天気が良いと、なんなのです?
[問い返すと、目を泳がせてしまって。
聞けば、この男児に手をあげたは自分が初であったらしい。 甘やかされてというよりは、 両親からは居らぬが如き扱い。
実の親がそのような事をするものだろうか。 屋敷へ来て間もない自分には、その実情は未だ知れぬが…。
頬を打った直後、「叱られた事もなかった」と、 この男児は嬉しそうに泣いたのだ。]
(217) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時頃
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「………みつ。」
[名を呼ばれ、記憶の中より現実へと舞い戻る。
そして、目の前の祥次郎が、 何やら言いたげな顔を向けているのに気付いた。]
どうなさいました?
[すると束の間の躊躇いの後、「自分も行っていいか」と。
あまりにもびくびくとした様子に、 ふふ、と聲を漏らして笑ってしまった。
するとどうだ、目に見えて喜びを表情に表した。
この祥次郎は、学問も武芸もよくこなす。 そうであるのに顧みられぬなら、やる気も削がれて当然か。]
今日だけ、ですよ…?
(218) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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[二人連れ立って、キィと扉を開く。 薄暗い建物の中、見慣れた光景が胸を打った。
色硝子に日の光が差込み、 それが床を色鮮やかに彩る。
その光景に、隣の祥次郎は息を呑んでいる様子。]
…これは、『すてんどぐらす』と申します。
「すてん、どぐらす?…すてんど、ぐらす…。」
[何時かの自分のように、ぶつぶつと口遊み、 聞き慣れぬ言葉を覚えようとしている祥次郎に目を細めて、 通路を通って一番前の椅子へと腰掛けた。
ステンドグラスが気に入ったのか、 祥次郎はじっとそれを見上げて目を輝かせている。]
(219) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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[ふと、背後に人の気配を感じて振り返り見た。 黒い装束に身を包んだ男が立っていた。]
…お邪魔しております。
[此処へ通い始めているうち、 挨拶を交わすようになったこの男は宣教師。
優しげな顔を向けて、此方に歩み寄って来るを見て声を掛けた。]
(220) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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「……待ち人は、彼ですか?」
[宣教師はそう言うと、つと視線を祥次郎に向けた。 未だじぃと見入っている姿にくすり、と笑い]
いいえ、……本日も逢えず終いで御座います。
[言葉を紡ぐに顔に少し、 哀が滲んでしまったかもしれない。
それを最後に、特に会話もしないまま… 差し込んでくる光自体が赤みを帯びるまで、 三人はステンドグラスを眺めた。]
(221) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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[帰る間際。
「またここへ来ていいか」と言い出す祥次郎に、 「駄目だ」と言い聞かせるは骨が折れる。
未だ得体の知れぬとされる異教の場。
いくら出来が良く、されど顧みられぬとは言え、 ここに入り浸るをきっと彼の両親は良しとしないだろう。
さらなる冷遇を受けかねない。
駄々を捏ねる祥次郎に困っていると、 宣教師が装束の中より何かを取り出して手渡した。]
(222) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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万華鏡は、ご存知で?
[ふるふると、首を振る祥次郎と共に、 「名だけは…」とその手の中の者をじぃと見た。
「どうぞ」と勧められ、 祥次郎は手に取って筒状のそれを覗き込む。]
「ぅ、あ…………!!」
ど、どうなさいました?
[祥次郎の反応に、ハラハラと見守る。
すると、「みつも覗いてごらんよ」と手渡され、 祥次郎がしたように筒の中を覗き込んで――。]
(223) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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…………あぁ、……これは…。
[なんと綺麗なのだろう。
これか、慶の言っていた、 慶が夢中になって覗き込んでいた世界とは。
「回してごらんなさい」との宣教師の聲に従い、くるりと回してみると、
―――世界が、がらりと色を変えた。]
…………っ、…あぁ…っ、…き、れい……。
[掠れた聲と共に、つつ、と頬を暖かい涙が伝った。
また一つ、慶に近付いた心地がして…堪えられなかったのだ。]
(224) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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― 帰り道 ―
――これ、大きくなったらあいつにも見せてやろう。
[教会からずぅっと手に持っていたそれを今一度覗いて、 祥次郎は喜々として言う。
「あいつ」とは、最近妾腹に生まれた義弟のことだろう。
「腹は違えど弟は弟」と。 祥次郎はその弟をよく可愛がっている様子。]
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(225) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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反対は致しませんが…、 万華鏡ばかり覗いていては駄目ですよ。
旦那様に取り上げられてしまうかもしれません。
[そう忠告をするのに祥次郎はにぃと笑って、 「大丈夫、そのようなことにはならないようにするよ」と。
そしてその言葉通り、 これより後この祥次郎は、更に才を伸ばしていくこととなる。]
(226) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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― しばらくの後 ―
[薄暗い部屋の中。 文机に突っ伏して寝る祥次郎を敷いた布団に寝かせ、 今宵も口遊むは子守唄。]
ね、…んねーん ころぉり…よぉ おこぉろ、りぃよ…
「ねぇ、みつ………。」
――ぁ、申し訳御座いません。起こしてしまいましたか…
[名を呼ぶ聲に、トントンと布団を叩く手を止めた。]
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(227) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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[ふるふると頭を振って、目蓋を開けるを見ていると、]
「……みつは、哀しくならない? いくら待っても訪れない、待ち人に。]
[そう問うてきた。
誰から聴いたのか…否、思い当たるはただ一人。
本当は知っていた。あの宣教師から聞いていたのだ。 祥次郎は自分の言いつけを破って、時々教会に通っている。
自分の事のように泣きそうな聲で訊ねて、 じぃと見据えて。]
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(228) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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…いいえ、ちっとも。
明日にはやって来るかもしれぬと思い、過ごす日々は、 …大変楽しゅう御座います。
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(229) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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[あの、生きる意味を見い出せずに過ごしてきた日々を思えば、
――…何倍も。
例え二度と見える日が訪れなくとも、 最期の最期まで待ち続けるだろう。
姿が無いのを見ては哀しみ、
けれど明日は、と希望を抱いて**。]
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(230) ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 01時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
ぶんちゃん 2013/01/17(Thu) 02時半頃
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― 誰彼刻―
祥次郎様ー?……祥次郎さまーーー!?
[自室で読み物をしている筈が、襖を開けてみれば蛻の殻。 屋敷の中を探して見れど、その姿は無く。]
……あぁ、また彼処へ…
[自分が訪れる刻限を知っているが如く、 見事に鉢合わせぬには苦笑い。]
祥次郎様ーーーーー!!
[教会の程近く、態と大きな聲で名を呼び、
「ほぅら、鬼が来た。 早く逃げなければ、捕まって酷い目に遭わされてしまう。」
胸の内、語り部のように紡いで、本日も鬼ごっこの始まり、始まり。]
(281) ぶんちゃん 2013/01/18(Fri) 00時頃
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[けれど、]
「みつ…。みつ……。」
[祥次郎は自分の名を呼びながら、 胸に書を抱いてふらふらと姿を現した。
常ならば、出会さぬよう教会の裏より出て、 先回りして屋敷へと戻ると言うのに。
妙だと感じ、駆け寄りてその顔を覗き込む。
すると、真っ直ぐと此方を見上げ、 不安そうな顔で告げたのだ。]
「みつ…。今日、人が来たぞ。 …教会に、人が来たのだ…!!
この辺りでは見かけぬ、―――異国の言葉を識る男だ。」
(282) ぶんちゃん 2013/01/18(Fri) 00時頃
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