196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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[抱擁の時は永遠であったか、其れとも一瞬であったか。 巻き戻る時間の中では意識はあやふやであり、己は一瞬、此の儘終わりなど来ないのではないかと錯覚した。
然様な夢物語を視ていたのだ。
―――――然し、夜明けは訪れる。]
(28) wiosna 2013/01/15(Tue) 00時半頃
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[此の命が奪われたあの時、己は笑ってみせた。 然うして、他の何を斬ってでも護らねばならぬと誓った命を、己はあっさりと手放した。
されど、光の螺旋が己の瞼を貫いた刹那、――己はただ抗った。
己はみつの背に回す腕により力を篭める。 歯の根を噛み締めながら其の肩に顔を寄せる。 閉じた瞼から溢れる雫がみつの肩を濡らそうとも、 己はがむしゃらに抗い、抗って、其の熱を追い続けた。]
(29) wiosna 2013/01/15(Tue) 00時半頃
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[然し嗚呼――――…… やがて其の熱すら遠くなり。]
(30) wiosna 2013/01/15(Tue) 00時半頃
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[色硝子を通して差し込む暁光が眩く己の眼を焼いていく。 右眼も、視えぬはずの左眼をも。 冷えてかじかんで行く指先はやがて力を喪っていく。
然うして抗えぬ、 と悟った最期、]
なァ、みっちゃん。
……―――― どうか、
[其の耳元に向け一言だけ、届くようにと。]
(31) wiosna 2013/01/15(Tue) 00時半頃
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[其れを最期に、己の意識は一度ふつりと途切れる*]
(32) wiosna 2013/01/15(Tue) 00時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
wiosna 2013/01/15(Tue) 01時頃
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[「終わり」までの刹那の幸福を噛み締めた。>>8:-56 たとえ離れ離れになろうとも歩みて往けると信じた。>>8:-58 然うして共に逝けぬ旅路の幸を願った。>>7:-93
詰まるところ、己は疾うの昔に定めを受け入れていたのだ。
―――― 然し、 如何して。]
(132) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[薄れゆく意識の中]
[其の女は首を振る。>>118
噛み締めた声で、「みっともなく」己を呼ぶ。>>-469]
[ 幾度踏み荒らされても立ち上がる、野薔薇の如く。 ]
(133) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[嗚呼。 ――――『哀しい』。]
(*0) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[神宿る白は白雪の中笑みて紛れる。
一面の白の中に一点、潔く佇むは涼やかなものとおん。
ものとおんの足下に路作るは提灯の赤、
路を駆ける桃色の猫を追う江戸紫。
天に眼を向ければ灰から変わり往く淡青の空を黄の魚が泳ぐ。
紅衣は水色と共に凛として立ち、
青き眼の兎が高く跳ね、咲き誇る花は紅花の芙蓉。]
(134) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[時が逆巻く雪原を己は駆ける。 光よりも速く、駆け抜ける。
椅子の並びし白きてえぶるが視えた。
暗き海を走る黒鉄の列車が視えた。
湖畔に佇む西洋館が視えた。
其の全てを己は追い抜いていく。 其の光の果て、唯一つの温もりを追いかけて―――――……]
(135) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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……―――っ、
アアあああァァァぁああああああああ ッ ッッ ッ !!!!!
[ 其の先を 「信じる」 ならば。 ]
(136) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[
――――落ちる手は、 は と取られた。>>#3
]
(137) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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『だからもう、君は哀しくないよね。』>>#7
[己の求むるあたたかさとは真反対の、死者の冷たさを宿した手。 童子が己を覗きこみ、微笑む。]
(138) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[視界は既に奪われて久しき。 やがて触覚も、聴覚も死して逝く。 故に童子が最期の言葉は己には届かぬ。]
[熱を喪いし己はただひとり、 永久に吹き荒れる風雪の中に、 沈み 逝 く 。]
(139) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[ あか
あか
あか あか
……… あか。 ]
(*1) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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[嗚呼―――― 一面のあかのなかで]
『 ね、…んねーん ころぉり…よぉ おこぉろ、りぃよ… 』
[いま尚、やはらかな唄>>4:0が聴こえた。**]
(*2) wiosna 2013/01/16(Wed) 02時頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
wiosna 2013/01/16(Wed) 02時半頃
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― Ending : 千紫万紅 ―
[ あか あお むらさき。 ]
[ みずいろ きいろ ももいろ。 ]
[ しろ。 ]
[天より来たりし光は彩り豊かに、綺羅りと輝く。]
(150) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[眩しき光を瞼に感じ、己は薄っすらと眼を開いた。 七色の彩りが開いた右眼に飛び込んで来て、ひとつ瞬く]
此処は……
[一体何処、なのか。 己はゆったりと視線を彷徨わせる。 ぼやけた視線の先に黒を視て、強く手を伸ばそうとして]
…………っ、
[其の手を取られた。 今度こそ、生きた熱を持つ力強き手に。]
(151) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[童子のものでも女のものでもない其の手の持ち主は、 『お加減如何ですか』 と己に問うた。 掠れた声、間抜けにも驚いた顔で己は大真面目に問いかける]
此処は……… 黄泉、 か?
[其の言に、黒を纏いし男は大層可笑しそうに、己を笑った。]
(152) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[ ――――――― ]
(153) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[己を助けた黒の男は、異教の宣教師であった。
己が行き倒れていた草むらは教会の裏庭であったらしく、此の宣教師が朝早く出かけた処己の姿を発見したのだと云う。 あたたかき、然し粗末な部屋は洋風建築ではあれど凡そ教会らしくは無く――されど嗚呼、たしかに。己の顔を照らしていた七色の光、すてんどぐらすが良く映える。
其のせいか未だ現実味は無く、 未だ此の身はかの館に居るのではないか、やら、此の宣教師なる男の言が嘘で、実際煉獄に来たのではないかやら、考え出す始末。]
(154) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[然し、と宣教師がつぶやいたので、己は顔を上げる。 宣教師は続けて曰く、
本当に、雪の中に埋もれた貴方を発見した時には 死んでいるのかと思うた。 否、死しても可笑しくない雪であった。 然し其れでも、不思議と貴方の身体はあたたかかった。
貴方がどんどん熱を取り戻していくのを視て、 まるで蘇りを見ているが如き気になりました。 …… と。]
(155) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[『神の思し召しかもしれませぬ』と牧師が呟く声が、遠くなる。
然うでは無い。然うでは無いのだ。
思い返すのは此の手に触れた生者の熱と、死者の冷たさ。 己は一度、確かに死んだ。 だとしたら 此の己を生かした「奇跡」の熱は、 ]
…… っ、 ちゃん…、
[ぽろり、ぽろりと雫が溢れ落ちた。 嗚呼、己はあの女に何回泣かされるのだろうか。 枯れた声でみっともなく、己は唸る。]
(156) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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― 二日後 ―
[床から起き上がった己は、直ぐに教会を出発することにした。
宣教師は未だ早すぎると止めようとしたが、直ぐに仕方ない、とでも云いたげな顔をして己の無事を祈ってくれた。 然して別れ際、此れは貴方のものだ、と云いて己の手にひとつ小石を載せた。
横一文字に疵のある赤みのかった黒き石。 其れは紛れも無く、己がかの館で拾った石だった>>3:+21>>3:+22]
(157) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[宣教師に教えられ、己ははじめて石の名を識る。]
………風信子石。
[宣教師は頷いて曰く、此れは『哀しみを癒す石』なのだ、と。 仄かに暖かき其の石を握り締めて、己は教会を辞した。]
(158) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[己は果てまで続く路の上に立ちて、天を見上げた。
見上げた天は高く、薄雲のかかる青。 本日は快晴也。真、旅立ちには善き日よ。
そら、南の海を観に行こうか。 其れとも山で臆病兎でも追い掛けようか。
狭き國だと人は云う。 然し日ノ本の大地は斯様にも広く、果てなき旅は続いて行くのだろう。 遠き道程。歩む哀しみは此の心締め付けて、 されど確かにいま、己は幸福だと云えるのだ。]
(159) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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[己は当代二番の頑固者、氏亡くした風来坊。
還る墓無く、されど帰る先有り。
決して忘れ得ぬ熱を此の身に宿し、いざ歩みて往かん。]
[―― 何時か「終わり」の果てに辿り着く、 * 其の日迄 * ――]
(160) wiosna 2013/01/16(Wed) 03時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
wiosna 2013/01/16(Wed) 04時頃
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― と或る港町の商館 ―
嗚呼……糞ッ、御前さんも頑固だなァ。
[もう幾度目の押し問答となるか。手を変え品を変え交渉してくる此の福耳男、いっそ其の耳たぶ引っ張ってやろうかとも思うが押しとどめる。 一応雇い主であるからだ。 ――未だ、今のところは。]
きっかり一年。 此れは最初から決まってたんだよ。 本日を以って己は此処を辞める。 幾ら積まれても折れねェ、諦めな。
[眼鏡を外し、己は溜息ひとつ。 何故斯様なことになっているかと云えば、話は一年前に遡る。]
(248) wiosna 2013/01/17(Thu) 06時頃
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― 回想:一年前 ―
[と或る港町を歩いておると、偶然武士と異人との争いに出くわした。両者の言い分、聴いていれば何やら些細な誤解が生じている様子。聞いていられなくなった己はぱっと出て行って其れを仲裁したのだ。 其れを見ていた福耳持つ恰幅の良い男に、はっしと腕を掴まれた]
己に、「通訳」を? 御前さん、本気で其れを云ってんのか。
[曰く男は商人で、異国語を理解する人間を捜していたらしい。 然して己とて人探しの旅の途中。笑って断ろうとすれば、金なら幾らでも積むと懇願される。]
……ったく分かった分かった、受けてやるよ。 然し期間は一年こっきりだ。其れでも良いのか?
[金に目がくらんでなぞおらん―― とは、云えんが。 人の多い港町ならば、捜し人の手がかりひとつ見つかるやもしれぬ。然して、たまには人助けのひとつもしようと思うたのがひとつ。 斯様な派手な黄色衣には、己はどうも弱いらしい。]
[然うして己はどういうわけか、此の港町で通商に携わることとなった。]
(249) wiosna 2013/01/17(Thu) 06時頃
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[四十近くにしてはじめた慣れぬ仕事。 いちいち求められる契約書には骨が折れたし、送られて来る荷物は己とて見たことの無いものばかり。異人を狙う悪党どもの暴力沙汰に巻き込まれることもあれば、若い娘が一人、商船に潜り込んで海を渡っちまったと云う珍事なぞもあった。
忙しい日々の合間を縫い、港町を訪れる者達に聞きこみを続けた。
然し一年掛けて得た収穫といえば、芙蓉の紋の薬売りの評判が上々という噂に、かの晩のことは矢張り夢では無かったのだと安堵を得たことぐらいか。]
(250) wiosna 2013/01/17(Thu) 06時頃
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