196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/08(Tue) 02時頃
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―中庭―
[小鈴>>4:212が去る際、その方は見ぬまま、小さく何かを零し。 意識は再び、弔いを終えた女の方に傾く。 問いの中、「刃」の言葉で飾ったのは「心」のこと――そして、実質、そのどちらでもあった。 そう、まさにみつから返ってきた言葉の通り>>4:213。]
――まことの刃、だったのですね。
[彼女が抜き出したは、微かに血のいろ帯びた刃物。 刃に纏うその暗い彩りは、降る白い雪の中映える。]
(4) 2013/01/08(Tue) 03時頃
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今、それを振るうというならば。私は―――…
[私は懐に掛けた手で、その内の黒い銃を掴み取る。 そして両手で、その銃口をみつへと向けて――**]
(5) 2013/01/08(Tue) 03時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/08(Tue) 03時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/08(Tue) 21時半頃
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―中庭―
[また誰かの、あの男の優しい声が、風に乗り届いた気がした、 ――否。本当に、少し近くから、聞こえてきた>>27。]
風伯、様、
[それは甘く聞こえ、けれど風と違い確かないろがあった。 懐剣の刃を前に、私は銃を下ろせないまま、 それでも、強い響きに、青い目は声の主へと移ろい、]
っ、なに、を――
[掲げていたその銃さえも、老いた荒れた手は制していた>>28。 少し高い背越しに見える、反対の手からは零れる赤色。 ぽたりと雪に落つる音は、微か届いた声の中に掻き消える。]
(55) 2013/01/08(Tue) 22時半頃
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[氷を踏みしめる裸足の裏。 痛むのは冷たさの所為、だけでも無かったのかもしれない。 凍える手は、その時するりと拳銃から抜け落ちて――、 私は雪の上に膝を突く。近い地面に、赤を更に纏う刃が落ちるのが見える>>29。
こうして、傘無き傘の男が、私とみつを止めていた。 ――の、だったが。]
(56) 2013/01/08(Tue) 22時半頃
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お…るうんは…れんした…
…んでまで…び…る…もなかろ…
…
この…ぱん…
…かいうちにもらっていたら…もっとおいしかったんやろか…
…
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……な、ぜ、
[雪の上、私は立ち上がれぬまま、その光景をただ見るばかりだった。 男がみつに言葉掛ける、あまりにも 優しい、すがたを。 老いて荒れて尚強い指が、女の首に触れ――締め上げるのを。 ――命奪ったその人を、抱き締め弔う様までを。
雪の静かに混じるこえ。 私はかじかみ震える手を、黒い銃へと漸く伸ばし。 片手を血に染めた男を、青い目でにらみ、白い息を吐く。]
(59) 2013/01/08(Tue) 23時頃
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…うておきますけど…あたしは…など…わせてやりやしませんえ…
…
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―――あなただって、結局は、それを言い訳に!
[声も潜めず叫ぶ声は、おのれ自身にも突き刺さる。
『あんさんもあたしも、言い訳が欲しいだけでしょう?』 それは私が殺したウトから、さいごに突きつけられたこえ。 みつの刃の意志を見て、引き金を引こうとしたことだって。 それを言葉にして告げるならば、結局は―――…]
(60) 2013/01/08(Tue) 23時頃
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…んだことだから…
…けれど…みつのことはどうだ…
…あろうことか…は…を…とした…ではないか…わりに…を…ねるのは…あの…
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[雪の静かは静かに非ず。 六花の中に、ひらり、はらりと混じる、幻かもしれぬこえ。 この時私には、未だそのいろも形もはっきりとは聞こえずに。 ただ――何故か胸を鈍く刺してくるような響き。]
………誰、なの、
[一度手放した銃に手が届いても、それを雷門に向けることはこの時、無かった。 着物の膝、羽織の肘越しの白い地面が、冷えた銃身が、こえが、身を痛めつけ、動きを鈍くする。]
(63) 2013/01/08(Tue) 23時半頃
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きこえはるの…
…
…きょうは…たいへん…う…いますなあ…
…
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/09(Wed) 00時頃
…のせいだと…って…しいか…
…
…を…れなんざ…ってないさ…
…し…いまの…はどういう…か…
なにか…しているが…く…える…
…ん…
…は…てぃだ…には…を…わせたりはしないのかい…
…えども…な…では…いとは…っている…
…の…は…の…を…しまないだろう…の…の…に…が…を…しはしないように…
…う…う…は…の…が…した…を…らぬ…
…らぬ…に…ひらりと…を…って…を…けた…
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[今までにも、不思議な形で誰かの声を聞いた気がしたことがある。雪に乗り、風に乗り、意識の中でぼんやりと。 けれどそのどれとも違う形で響く声は、「きこえはるの」、と。 私は、ここに、非ざる筈の声を思う。]
ウト、様。 如何、して、
[泣いているのか、笑っているのか、それとも――、 雪の中に舞い届く響きからは、上手く感じ取れない。 初めに抱いたのは戸惑いで――。]
(78) 2013/01/09(Wed) 00時半頃
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[背筋にひんやりと伝ったものは、きっと本当に身体の凍え。 殺した人の声がする。寒さのうちで、ふっと意識が暗く傾く。 ――死、の語がふわりと心に過る。]
……… だ め、
[死者たちの方を、雷門が居た方を一瞥する余裕も無く。 私は、何とか身を起こし、膝を擦り、屋根のある方へと――]
(79) 2013/01/09(Wed) 00時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/09(Wed) 01時頃
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