196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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[共に、と声を交わしたまだ幼き面影>>8:-69が、不意にぐにゃりと歪んだ。水面に石が投げ込まれたかのように。美しい鏡面が、罅割れたかのように。]
きっと……
否、必ず――……
[頷きて、その腕を取ろうとした。『おるごおる』を掴もうとした。しかし指は空回り、歪んだ視界は白雪に沈んでいく。何故、と。どうして、と。
まるで全てが夢であったかのように 泡と消え、全てが逆さに戻りゆく。]
(261) oranje 2013/01/17(Thu) 13時頃
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[極彩色の洋館、その中で見た『も・の・とおん』の中庭。 積もる雪、流るる赤、深い闇。
果敢無き闇、落ちる背、悴む足、冷たき瞳、弔う手、笑う眦、細き声、駆けし猫、猛き華、聡し蝶、熱き指、――
その刹那に見えた紺鼠に手を伸ばす。俯いた、それでも眩しい明かり。『おるごおる』の音のような哀しさを持った人。届かず、やはりそれも空を切り、泡となり行くその前に。
今度こそ、守ると。一緒にいると決めた、彼の人へ。]
必ず、貴方と――
[小さき箱から流れ出した哀しき旋律は、やがてはその声をも掻き消して]
(262) oranje 2013/01/17(Thu) 13時頃
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[湖の近く、佇むような建物。 黒い異国の、蒸気機関。 飾り立てられた、大広間。
ああどれも、西洋の夢物語語る絵画のようで、絵本のようで。 その全ての頁を捲り、遠い旅をしていたような。 果敢無き夢を、見ていたような――]
(263) oranje 2013/01/17(Thu) 13時頃
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[虎落笛が鳴る夜は深く、冷たい。 男は一人、その名と同じように宵を渡り歩く。結い上げた長髪が静かに、背を追うように跳ねた。
時折口元から立ち上る、息の凍った白い靄が、目元に落ちる浅黒き影をぼかす。世界の全ての色が彩度をなくし、白と黒とその中間とで構成されているよう。
この色を、確かこう表現するはずだ。]
……も、の、とお……ん
[馴染みがないはずの響きがどうしてこうも、胸を締め付ける。
――否、本当は知っている。その理由も、その意味も。 だから目の前に現れた黒き衣と紅き瞳の少年に、男はただ表情を歪めた。]
(264) oranje 2013/01/17(Thu) 13時頃
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――そうだな、……哀しく、ない。
[口から滑り落ちた声は、少年が姿を消して暫くの後に辺りに響く。 泣いていた、あの幼き少年の前で、どうして哀しいと言えようか。]
(265) oranje 2013/01/17(Thu) 13時頃
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[胸に満ちるのは虚しさ、耳に残るは『おるごおる』の音、瞳に焼きつくは守ると決めた人の姿。 全てが満たされぬというのに。 それでも、決めた一つは。]
…………、生きなければ。 生きて、いかなければ。
[もしまた、彼と会えるなら。守り通すことが出来る希望があるのなら。 その明かりあればこそ、“哀しく”ないと。
故に男は、一歩踏み出す。 粉雪舞う宵闇の中、朧月を探すように、静かに**]
(266) oranje 2013/01/17(Thu) 13時頃
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[極彩色の洋館、その中で見た『も・の・とおん』の中庭。 積もる雪、流るる赤、深い闇。
果敢無き闇、落ちる背、悴む足、冷たき瞳、弔う手、笑う眦、細き声、駆けし猫、猛き華、聡し蝶、熱き指、震える銀糸――
その刹那に見えた紺鼠に手を伸ばす。俯いた、それでも眩しい明かり。『おるごおる』の音のような哀しさを持った人。届かず、やはりそれも空を切り、泡となり行くその前に。
今度こそ、守ると。一緒にいると決めた、彼の人へ。]
必ず、貴方と――
[小さき箱から流れ出した哀しき旋律は、やがてはその声をも掻き消して]
(272) oranje 2013/01/17(Thu) 17時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
oranje 2013/01/17(Thu) 17時頃
朧は、お、俺だって一緒に入る。
oranje 2013/01/17(Thu) 23時頃
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―― 季節は、雪解けし後に ――
[一人の男が、ゆっくりと道を歩いている。 顎辺りで切り揃えた黒髪は神経質さすら窺え、白い襟巻きは学者を思わせる。手にしているのは何冊もの書籍を束ねた荷と、簡素な鞄。そして何より目を引くのは、櫨染の鮮やかな羽織であろう。]
……久慈。 ここが、
[男が足を止めたのは、或る大きな館の前。彼の光が住まう場所。 いかにその家主が裕福であるか、生活が豊かであるか。誰の目にも知れる、そんな佇まいを見せる。
その家を探し当てるは、そう難しきことではなかった。有名な家柄故に、名前を出せばすぐにその場所は知れる。しかし、そこに接触するにはどうすればいいか。考えた末、入れ知恵してくれたのは誰だったか――、策を練り、今に至る。
切れ長の双眸はそれを暫し仰ぎ見る。その色は決して穏やかではないけれど、その奥に秘めし、想いは。]
(300) oranje 2013/01/18(Fri) 01時頃
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[一つ、呼吸を落とす。 ――もうその息は、凍らない。]
(301) oranje 2013/01/18(Fri) 01時頃
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――御免下さいませ。 御用を承りまして参りました、学士にございます。
[軒先にて、大きく低音の声をあげる。 待たずともして出てきた侍女は、学士という像と大柄な男の様子に戸惑ったのか、怪しむように此方を見れど。 切れ長は細まりて、穏やかに――笑う。]
ご主人様にお聞きになってはおられませぬか?
語学指導に参りました。宵渡、朧でございます。
[すらりと口をついて出た言葉は、何回も繰り返し覚えた文句。 もし彼に――明之進がここにいなかったら。もし、学士でもない、ただの書庫番だということがばれてしまったら。
それでも、構わない。光を追い求めることを決して諦めはしない。 だからこそ男は、笑う。共に生きると決めた人の手を取るために。共にまたあの音を聴くために**]
(302) oranje 2013/01/18(Fri) 01時頃
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[侍女が困ったような顔で奥へと引き返していった。小さく、主人を呼ぶ声がする。 根回しもなく来るべきではなかったか、それでも切り抜ける術はいくらでもある。手元の書籍は一流の訳本故に、それを抱える手は何よりも力が篭る。
―― 駆ける音。
疑われただろうか? 曲者だと、人を呼ぶ足音か?
―― 急ぐように、近づく音。
切れ長を一度、浅く閉じる。 心の中で小さく念じる。]
(327) oranje 2013/01/18(Fri) 02時頃
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[やがて、足音は途切れ、ゆっくりと双眸は開かれた。
軒先に注ぐ麗らかな春の光に照らされたのは、侍女でも、主人でも、護衛らしき者でもない。]
……明之、進
[それは、己が求めていた――明かり。]
(328) oranje 2013/01/18(Fri) 02時頃
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[此方に手が伸びる、その刹那。両手の荷物が地へと放たれた。 何よりも大切な人が、そこにいる。 共に生きると決めた、会いたかった、その人が。]
――ああ、……永久に。
[ようやく手にした温度は暖かい。 哀しき『おるごおる』の音色はもう、聴こえない**]
(329) oranje 2013/01/18(Fri) 02時頃
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―― いつか、風吹く港町で ――
っ、……。
[赤き血が一筋流れる。 書庫番という職業上、日常茶飯事である紙による切り傷。痛みにはもう慣れてしまった。けれど、治らぬことには頁も上手く捲れない。
良いとされる薬を今まで何度となく求めてきたが、一番効果があったのは――あの、薄黄みの軟膏>>1:154だった。]
……風が、入るな。
[血の流れたその指先が、僅かな風を感じ取る。 港に近いこの蔵は、幾分隙間風が吹く。潮風で書籍を劣化させてはならぬとその度に修復すれど、一向にその風が止むことはない。 しかし、今日は少し違った。風の吹く方向を見遣れば、換気のための小窓が少しだけ開いている。誰かが閉め忘れたのだろうか、苦い顔をしてその傍へ寄った。]
(330) oranje 2013/01/18(Fri) 02時頃
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[よく晴れた青き空。 活気良い港町のざわめきが、隙間から流れ込んでくる。ほんの少し、ほんの少しだけその喧騒を高い位置にある小窓から見下ろした。
それはきっと、あの軟膏を思い出したから。この港街にも良い薬を売る薬師が来ていると、風の噂で聞いたから。 それがあの華やかで、それでいて闊達な青年とは限らない。それでも少しだけ、期待をしている己がいるから。]
……、……
[ひらり、と蝶が舞う。 潮風に揺られ、ふわりと、男の視界を横切って――]
(331) oranje 2013/01/18(Fri) 02時頃
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…………、……ふ
[その蝶と同じように。人の波の合間に漂う一人の姿がある。切れ長は数度瞬いて、何度も何度もその背を見る。 本を探す姿、語った声。全て確認できる距離でもないのに、どうして、その姿は重なり]
(332) oranje 2013/01/18(Fri) 02時頃
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