196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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視点:
人
狼
墓
少
霊
全
この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
|
…そっちじゃないよ、こっちだよ。 ここ、秘密基地なんだ。雨もへいきだし暖かいよ。
(0) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
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雪が降る。
花のような粉雪が、降り積もって。
それは音もなく、音もなく。
「君も、哀しいの?」
広げられる透明な傘。
手招かれる、粉雪の空。
黒の少年が果敢無く笑う。
その扉の向こう。
(#0) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
「哀しくないよ。 さぁ、行こう。」
(#1) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
…―――ねぇ、その言葉を信じてもいいの?
Fiducia - 3rd:fragrance -
(#2) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
▼概要・舞台
趣旨:疑り愛がテーマのシリアス、同性愛可の恋愛村
更新:2時更新の48h(3日目以降24hコミット)予定
勝敗:完全RP、且つPC視点での勝利が目的
とある雪の夜、黒の少年に導かれてやってきた黒い洋館が舞台です。
プロローグではパーティの招待状を受け取り、洋館へとやってきます。
目の前には一面の銀世界と、見たことも無い異国の洋館。
館内は食料などの基本的なライフラインが整っており、二階には人数分の部屋が用意されています。
しかし外部との連絡手段は一切ありません。
洋館の外へ足を向けると、なぜか入り口へと帰ってきてしまいます。
常に雪の夜なので時間軸の括りはありません、好きな時に寝て好きな時に活動して下さい。
少年へ誘われ訪れた貴方達は、心のどこかに哀しみを抱いた人達です。
簡単には人を信じられないほどに、傷つき疲れ果てた人達です。
哀しみから開放されたい、哀しみを打ち明けてしまいたい。
共に寄り添いたい、けれど信じられない、でも信じたい、だけど信用できない。
疑心と欺瞞の狭間で、貴方は何を信じるのでしょうか。
※尚、レーティングにより性的表現やグロテスクな表現が含まれる可能性があります。
(#3) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
▼流れ
時計を持っている場合、ぴたりと止まってしまいます。
常に雪の夜で時間の経過がわかりません。
疲れたらお休み頂き、お腹がすけばご飯を、動きたい時にはその足で。
回想しやすく、現在軸にも戻りやすい仕様になっております。
▼赤側について
この村は赤側が少し特殊な位置にありますので補足を。
赤側になっても、赤同士での話し合いは基本出来ません。
(※半狼が狼に変わった時のみ、赤窓での会話を可とします。)
基本的にこの村はみんなが孤独で、みんなが疑りあいをする村ですので
赤側になった方にも仲間は存在しません、孤独に戦ってください。
村、他陣営も孤独に戦うのです。
セットした襲撃が通らなくても、それはそれ!RPでぼかしましょう!
(#4) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
▼前村について
第一弾(http://cabala.halfmoon.jp...)や、第二弾(http://cabala.halfmoon.jp...)
を読んでいなくても問題はありませんが
読んでいただけた方が楽しいこともあるかもしれません。
お暇がありましたら、是非。
尚、前村参加者の方は前村のネタの扱いに注意して下さい。
ネタを使う場合は、今回の参加者様にもわかるようにRPをお願いします。
前参加者様も、今回の参加者様も楽しめるように頑張りましょう。
※天声で前村ネタが入ることもありますが、わかってなくても大丈夫な仕様です。
現在の出来事としてお楽しみ頂ければ幸いです。
(#5) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
▼禁止事項と、推奨事項
・この世界に存在するのは何の特殊な能力も持たない【人間】です、ファンタジックな設定は舞台以外禁止させて頂きます
・二日目ダミーのキリングは天声が行います、ダミーを殺した犯人は参加者内に居ませんのでご了承ください
・邪気悪魔は必ず自打ちしてください
・独言以外での中身会話はいっさい禁止です、赤窓も同じくRPで何とか伝えてください
・メモでの役職COも禁止させて頂きます、RPで伝えてください
・PC視点での勝利が目的です、PL視点の勝負は完全度外視してください
・振られたネタは全力で拾うの推奨です、頑張って絡んでください
・前村のネタ使用の際は少し気を配る
・恋愛は推奨ですが必須ではありません
・同性愛も可ですが異性愛も、勿論壁の花でも大丈夫です 村立ては薔薇好き、です、が!
・手数計算とか難しいことは抜きにして、精一杯疑りあってこの夜を“生きて”ください
【何があっても流れのままに、何でも楽しんでやるぜってスタンスでどうぞ!】
(#6) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
▼メモ用テンプレート
名前:(年齢)
性別:
外見:
仔細:
NG等:
接続時間:
接続状況:
現在地:
(#8) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
透明な傘に雪の白を積もらせて。
真紅に灯る、赤い瞳。
黒の少年は微笑んだまま。
差し出された 招待状を、 ―――……
(#9) 2012/12/30(Sun) 01時半頃
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― 黒の館前 ―
[あまりにも長過ぎる道を歩く間、意識があったのかは定かではない。ただ繋ぐ手の温かさだけに縋りながらここまで足を動かしてきた。 そして吹雪の果てに現れた異国の館に、己(おれ)はようやく顔を上げたというわけだ]
此処は…… 何処だ?
[気づけば己の前を歩いていた少年の姿は消え失せていた。 確かに、此処まで手を繋いでいたはずなのに]
いつの間に。 何処行きやがった……?
[自分でも驚くほど不安気な声は、吹雪の中に飲み込まれた。 手の中には一枚の紙と、小さな温かさだけが残っている]
(1) 2012/12/30(Sun) 02時半頃
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[此処が何処なのかも分からぬまま白い雪の中。 その意味をゆっくりと考えたいのはやまやまだが、こんな所で立ち尽くしていればじきに凍え死んでしまうのは明らかだ。
猜疑心に塗れた己にしては随分短絡的な行動だが、背に腹は代えられぬ。 助けを求めて、目の前にあるハイカラな館の扉を叩いた。]
(2) 2012/12/30(Sun) 02時半頃
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[虎落笛が鳴る夜は深く、冷たい。 男は一人、その名と同じように宵を渡り歩く。結い上げた長髪が静かに、背を追うように跳ねた。
時折口元から立ち上る、息の凍った白い靄が、目元に落ちる浅黒き影をぼかす。世界の全ての色が彩度をなくし、白と黒とその中間とで構成されているよう。
この色を、確かこう表現するはずだ。]
……も、の、とおん。
[何度口にせど馴染みのない響き。 つい最近入庫した西洋の本を訳した書籍に、色の表現についてのものがあった。稀少なそれを一書庫番がじっくりと読むことは叶わなかったが、『も・の・とおん』と記された一節はよく憶えている。
もう一度、その西洋の言葉を声にしようと薄い唇を開く。 しかしその音は出ることはなかった。]
(3) 2012/12/30(Sun) 02時半頃
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[ひらり、と目の前に舞い降りる白。 それが粉雪だと気がつく前、その白の先に見知らぬ影を見た。
彩度なきの中に一筋の真紅。果敢無げに微笑む少年。 異質であるのにどうして、美しく見えるのか。]
……………………。
[彼の問いに答を返そうとして、息白し中唇を震わす。 否定も肯定も何も出来ぬまま、差し出された招待状を受け取り、
ただ一つ――
深く、頷いた**]
(4) 2012/12/30(Sun) 02時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 02時半頃
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― 館内:エントランス ―
[重い扉を押して中へと入れば高い天井が己を迎えた]
御免ください、 ………。 誰もいねェのか?
[静寂の中に己の声のみがこだました。 耳を澄ませるが応える声や物音は聞こえず、人の気配と呼べるものは何も無い。が、中は不思議と温かい。 雪が溶けて布に染みていくのを感じながら、歯の根を震わせて屋敷の中へと歩みを進めていくことにしよう。]
(5) 2012/12/30(Sun) 03時頃
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― 居間 ―
[不思議な暖の正体は最初の部屋で判明した。 壁に備え付けてある石造りの釜に火が灯っている]
お前さんは『暖炉』と云うのだったかねェ。
[釜、もとい暖炉の前の椅子に掛かっている大きな布を手に取る。それをくるりと身に巻いて、床に横になってみた。 長い道を歩いた、今は疲れ果ててただ休みたい気分だ。されど意識は途切させないように、ぱちりと爆ぜる火の粉の音に耳を澄ませて己は薄く眼を閉じる**]
(6) 2012/12/30(Sun) 03時頃
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―どこかの雪道―
ざく、ざく、ざく―――。
暗闇の中、真っ白であるだろう雪を踏み固めて、 ただただ、足を前に進めるを繰り返していた。
寒さで頬が突っ張る。 口から吐き出される息が睫毛にかかり、それもすぐに凍った。
体内の、ドッドッという心の臓の拍動や、血潮の脈打つ音。 はぁはぁ、という呼吸。ずず、と鼻を啜る音。
それ以外は、何も聴こえない。
それらだけが頭の中に響き渡った。
(7) 2012/12/30(Sun) 03時頃
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何故、こんな思いをしてまで生きねばならぬ。
少し乱れた着物の前をぎゅ、と掴んで。 目尻から転がり落つる、氷の欠片。
この雪の中。 隠された亀裂に気付かずに、 自分も、転がり落ちてしまえばいい――。
そう己が考えているを自覚すると、 カクン、と力が抜けて雪の上に膝を突いた。
そして…そのまま蹲った。
(8) 2012/12/30(Sun) 03時頃
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「君も、哀しいの?」
聲がした。頭上から。
冷たさに感覚を失っていたから、 目から鼻から、口から…様々垂れ流していたかもしれない。
そんな汚らしい顔、……凍った睫毛が縁取る目を向けて 『黒の少年』を仰ぎ見る。
「哀しくないよ。 さぁ、行こう。」
吸い込まれてしまいそうな赤い瞳で、彼は笑う。
差し出される一枚の招待状を、無心の内に受け取っていた。
(9) 2012/12/30(Sun) 03時頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 03時頃
女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 03時頃
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―黒の館―
[扉の中へと招き入れられ、 壁と屋根の有り難みを実感する。
街中でこういった趣の建物を目にしてはいたが、 入ってみるのは初めてのことで。
きょろきょろ、と遠慮がちにではあるが様子を窺う。]
(10) 2012/12/30(Sun) 04時半頃
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……っ、
[ぶる、と体が震え上がるのを感じて、 『黒の少年』の方へと振り向く。
が、そこには誰もおらず、 雪の解けた染みだけが、彼がそこにいた事を示していた。
誰か人はいないのだろうか。
囲炉裏や竈などでいい。 暖を求めて、館内を彷徨い歩く。
滑稽なものだ。 先程まで、死んでしまえばいいと思っていたのに。]
(11) 2012/12/30(Sun) 04時半頃
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[香ってきそうなほど、 至る所に薔薇の花の装飾が施されている。
細かい装飾であるので、触れてはならないような気がして、 身を縮こませたまま歩いた。
大きな階段の踊り場には、大きな箱が。
真っ先に目に付いたそれに恐る恐る近付き、 冷えた体を摩りながら眺める。
客が見せてくれた印籠時計に似ている。 それならばきっと、似たようなものなのだろう。]
(12) 2012/12/30(Sun) 05時頃
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[しかし変だ。
寒さ故に、時が経つのが遅く感じた? 否、そうではない。
その時計は動いてはいなかった。 いくら待てども、針が動く気配はなかった。
少し見て歩いた限り、館内の手入れは行き届いているように思える。
それなのに、 こんな目立つ場所に置かれた時計が止まっているなど。]
(13) 2012/12/30(Sun) 05時頃
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悲しく、など。
(14) 2012/12/30(Sun) 05時頃
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……待っても、意味はない、か。
[その時計が動いたところで、なんだというのだ。 自身を抱くようにして腕を、肩を擦る。
勝手場や風呂など、火を使うものは一階にあるだろうと、 その大時計の前を離れ、階段を降りた。
程なく、火の焚かれた部屋へと辿り着く。
床に転がっている先客>>6にびくりとするも、 すぐに呼吸しているのが見えて安堵した。]
……もし、おやすみのところ申し訳ないのですが。
[深く寝入っているのならそれまで。 部屋の隅で火の恩恵に与っていようと、小声で声を掛けた。**]
(15) 2012/12/30(Sun) 05時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 05時半頃
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[それは、痩せた男の口から発せられた最初の言葉である。 しんと静まり返る雪道は、どこぞからの帰り掛けであったか 唐傘に積まれた白だけが、ひたりひたりと音を立てていた。
静かな刻だ。
細かな皺の刻み込まれた瞼を緩やかに動かし 男はそう、目を伏せたのだ。]
(16) 2012/12/30(Sun) 05時半頃
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[次に目を開けた時に飛び込んでくるのは白一面の中、不自然なまでに塗りたくられた黒色。 歩いていたのか、立ち止まっていたのかもわからぬ不可思議。 けれど確かに男の手には、煌びやかに装飾された招待状が握られていた。
男は数度の瞬きを繰り返し、やがてその黒色へと足を進める。 雪道はやはり静かで、傘に落ちる音を立て 加えて雪を踏み固める足音が、静かに静かに拡散していた。
遅い足取りは館の前に *在る*]
(17) 2012/12/30(Sun) 06時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 06時頃
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さむうなてきたなあ…雪降っとんのか。
そりゃ寒いわな。
[何を思てこない辺鄙なところに来てもたんやろ。
あたり一面雪景色。
人っ子一人おましまへんわな。]
おおさむっ!
[どこか暖とれるとこはないんかいな。]
(18) 2012/12/30(Sun) 08時頃
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「―――――いの?」
…なんや小僧。こないなところで一人でおって。お母ちゃんやお父ちゃんは一緒やないんか? 異国の子かいな? へろーばでぃ! ぐうど! ぐうど! えらい顔して笑いよってそない心配か。わしがお父ちゃん見つけたるさかい安心し! 名前は――
(19) 2012/12/30(Sun) 08時頃
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「哀しくないよ。 さぁ、行こう。」
喋れるんかいな! 喋れるんやったらはよ喋りなはれや。
行こうてどこにや?
[こないなとこに子供一人て…ガイジンさんは何考えてるかわからへんな。ましてや雪降る夜に……はて? こないなところに屋敷なんぞあったかいな?]
この屋敷に入りゃええんか? 変わった傘持っとるなあ。これ何でできとるんや。 文? わしにか? ありがとな。
[気色悪い子供やけど悪い子やないみたいやな。ええ子でもないけど。]
この家はお前の家か…ておらへん。
(20) 2012/12/30(Sun) 08時頃
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どこいった…なんや余計さむなてきたわ。
[ここにいてもしゃあないさかいお邪魔させてもらいひょ。
あれや子供なんておらへんかったんや。この文はわしが持てきた文や。そうしとこ。
黒い屋敷て悪趣味やな。ほんまどないなっとんねや。なんでわしここにおんのや。
てかここどこや。わし何してたんやっけな。あかん思い出せん。
…………とりあえず屋敷に入ろ。それからや。**]
(21) 2012/12/30(Sun) 08時頃
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[ほう、とひとつ息を吐く。 見上げた空は灰色。 瞼を閉じても、まだ灰色――――**]
(22) 2012/12/30(Sun) 09時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 09時頃
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― 居間 ―
[凍えた身が温まり歯の根の震えが止んだ頃、近付いて来た人間の気配に己が背が震える。>>15 嗚呼、不審者ひとり追い出されるだろうか。その前にもう少し此の場所で温まっておきたい――が、声を掛けられたとなっては流石に無視する訳にもいかん]
……ン、あァ。 此処の人かい、邪魔をしている――って、 そう云う訳でも無さそうだな。
[何故なら女もまた寒そうに震えていたからだ。 己は身に巻いていた大判の織物を外して、女へと差し出す。その時懐に入れていた「招待状」がはらりと落ちた]
お前さんも連れられてきたのかい。 そら、此れを使いな。なに、己はもう十分だ。
[白い紙切れを拾いながら女に訊ねてみた。 震える女の前で自らを主張する程漢を捨てたつもりはない。少し横にずれて暖炉の前を空けようか**]
(23) 2012/12/30(Sun) 10時頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 10時頃
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[降る雪花は何処までも冷たい。 淡色の髪が纏わりつく頬が、その冷たさに刺されるように痛む。
常磐の上着、肩に積もる白銀はさぞ衣に映える色だったろう。 しかし私の目は己のすがた振り返ることは無く。 ただ真っ直ぐに雪道の向こう側だけに向いていた。]
(24) 2012/12/30(Sun) 10時頃
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[黒いわらべが白い傘を開いている。 否、白く見えるのは微かに被った雪の所為。 透き通るまことの色は、何時かのらんぷの硝子より透き通り。 紅く灯る瞳は、その硝子らんぷの光よりも鮮やかに見える。]
坊や。お前、何処から、
[未だ世に物珍しいと聞く、舶来の珍奇で絢爛たる品々。 それをまるで今初めて目にしたかのような心地を覚えていた。 しかしそれは、ただ感嘆する心地ばかりとも異なるもの。]
何故に。 哀しいなどと、私に問うのかい。
(25) 2012/12/30(Sun) 11時頃
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[薄らと雪色に彩られた睫毛、瞼を一度下ろす。 ほぅ、と吐息を白く吐き、私はもう一度黒いわらべを見る。]
私は、居ても良いのかい。 お前の手招くその先に。
[私は一歩前に寄り。 差し出された異邦の文を、かじかむ手で握りしめた。**]
(26) 2012/12/30(Sun) 11時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 11時頃
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[唐笠を支える指先は細く、けれどしかし皮の厚い荒れたもの。 地割れの様な紋を模した表皮は職人故にか。 悴む事なく、只管に血の通う。 鈍足とも謂える足取りは巨壁の如き洋館の入口へ辿り着く。 男が先か、それよりも先に人影はあったか。 東雲の羽織に目を向け、ゆうるりと頭を下げて見せた。]
今日は大変寒く御座いますね。
[雪の中、唐笠を畳む事のないまま男は話かけた。 かと謂って男からそれ以上の会話を持ち掛けることはない。 降り積もるしんしんとした音に耳を傾け、鈍色を見上げている。]
(27) 2012/12/30(Sun) 12時頃
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いくらの若人とてこの寒さは厳しいでしょう。 中へ入られては?
[男は穏やかな笑みを見せ、中へと促していく。 この雪夜だ、館の主も雪宿り程度の事は許してくれよう。
しかし男は館に足を向けない。 問われれば、こう返す。]
もう少し、雪景色を見たいのですよ。 綺麗では在りませんか? このように一面、白に覆われているだなんて。
[穏やかに佇んだ *まま*]
(28) 2012/12/30(Sun) 12時半頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 12時半頃
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[しん──。
しん。 しん。 しん。
降り続ける雪が。 すべてを しろ で覆ってゆく。]
(29) 2012/12/30(Sun) 13時頃
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[小さな山間の村に、一つだけの神社の境内。
積もったばかりの柔らかい しろ を。 穢れなき しろ を。
裸足の足が、踏む。
さくり。 さくり。 さくり。
しろ に刻む、足跡。 混じるは あか 。]
(30) 2012/12/30(Sun) 13時頃
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[やわな足が固くなった昨日までの雪で裂けたか。 雪の上、滲む あか は点々と続く。
さほど広くもない境内の真ん中辺りで、それは途切れた。
花と舞い散る雪の中、立つは緋袴の巫女装束。 黒髪を一つに束ねた、ほっそりとした立ち姿。
身一つで、ただ、そこに立って居る。]
(31) 2012/12/30(Sun) 13時頃
|
|
[すぅと、吸い込まれるように視線を上げて、空を見た。
雪花降らす、鈍色の空。 冷たい花が、髪に、肩に。
視線を戻すと、音もなく。 見たこともない少年が立って居た。]
(32) 2012/12/30(Sun) 15時頃
|
|
[しろ に佇む くろ。
少年はじっ、と緋袴の主を見た。 雪の中見つめ合う。 長い長い、沈黙。
巫女は何も語らない。 少年も何も語らない。
ふと、少年が何かを差し出した。]
(33) 2012/12/30(Sun) 15時頃
|
|
[くろ から伸びる手に、携えられた封筒。 受け取るための手は、袴の横に垂れたまま。
二人の間に長い沈黙が流れた。 黙っていればいずれ去るだろう、とでも思って居るのか、巫女は黙したまま。
更に長い長い沈黙が続く。
少年はいつまでも。 封筒を差し出した格好のまま動こうとはしない。
俯き加減に封筒を見つめていた顔がゆっくりと持ち上がり、ようやく少年を見た。]
(34) 2012/12/30(Sun) 15時頃
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|
[気付けば、目が痛いほどの眩しい銀に覆い尽くされていた。]
(35) 2012/12/30(Sun) 15時頃
|
|
[引き結ばれた朱唇が、解ける。 その瞬間、被さるように少年の声が沈黙を破った。]
「哀しくないよ。」
[静寂に沁み渡る透きとおった声。 巫女の目が、僅かに揺れる。]
「さぁ、行こう。」
[微笑を湛えた少年の頭の上で。 透明な傘が、くるりと回った。]
(36) 2012/12/30(Sun) 15時頃
|
|
──。
[さくり。
一歩。
さくり。
また一歩。
しろ に滲む あか。]
(37) 2012/12/30(Sun) 15時頃
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|
[あか は くろ の手前でまた止まる。]
ほんとう、に──。
[哀しくないのなら。]
────。
[雪より白い巫女の手が、封筒に伸びた。**]
(38) 2012/12/30(Sun) 15時頃
|
|
――、、?
[雪降りの音色に近い囁きが、冷たさの中に積もり消え。
血色の悪い貌を下へ、己の細い指先へと向ける。 夢の中で出会った少年に貰った筈の招待状が、寒さに震えていた。]
(39) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
|
|
――、
[粉雪が睫を掠るよりもささやかな問いを、向ける相手は見つからず。
こくり。 唾を飲み込む喉音が、大きく耳に響く。]
(40) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
|
|
[夢だとは到底思えない肌を刺す冷たさの中、 銀の景色に目を凝らせば、黒い館が薄らと。
"哀しくないよ。 さぁ、行こう。"
夢であるはずの少年の言葉が、胸の奥に確かに残っている。]
(41) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
|
|
[ 哀しく無いはずなんか ない ]
(42) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
|
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 15時半頃
|
― 一階・居間 ―
[身に巻いていた織物を差し出してくれた>>23のを、 拐う様に受け取って自身を覆ってしまいたい。 そんな欲求を、寸でのところで堪える。
一度は辞退せねば――。 頬を小気味よい音を立てて打たれた、幼子の頃の記憶。]
いえ、それでは貴方様が…。
[そう言いかけて、男が訊くに、こくりと頷いた。 先程はらりと落ちたものに気付いてはいたが、 他人様の落し物を凝視するのも憚られて、見ない振りを。
しかし、再度大判の織物を、 言葉を添えて譲って貰ったのに感謝し、頭を垂れた時に気付いた。
自分の懐にある、 少年から差し出されたあの招待状と同じものだと。]
(43) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
|
|
……ありがとう、ございます。 貴方様も、あの少年にお会いになられて?
あの子は、ここの子なのでしょうか。 礼を、…言いそびれてしまいました。
[何も言わずに去ってしまったあの少年。 どこか普通の子とは違ったような。
雪の中。 己の醜態も相まって、視界も悪い中、目にしただけ。
それなのに異質な様は、 頭の中に直接植えつけられたように離れない。
受け取った織物で身を包み、 男がずれてくれたのには、また礼を述べて座り込んだ。]
(44) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
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|
[――暖かい。
先ずは頬にじんわりと血の通うを感じて、 溶けた諸々に塗れた顔を、手拭いを取り出して拭った。]
(あぁ、みっともない姿を…)
[打たれてもいない頬に、そっと手を添える。
火が揺れるのと、薪が音を立てて燃えるのを眺めていると、 温まってきた体に安堵したのもあり、 目蓋の重みに漸く耐えているという有り様。**]
(45) 2012/12/30(Sun) 15時半頃
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[唇だけが、否定を紡ぐ。
道なき雪を華奢な足を包んだ草履が踏み、上質なれど着古された紅の衣を揺らした。
己に残された結末(哀しみ)を否定してくれるというのなら、見せてもらいたい。 少年の導く先へ向かおうと思った理由は、其。
病を煩っていると思わせる黒ずんだ目元が、怒りと眩しさを綯い交ぜに、泣き出しそうに歪んだ。]
(46) 2012/12/30(Sun) 16時頃
|
女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 16時頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 16時頃
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―雪道―
[この閉ざされた日ノ本國が徐々に開かれていくようになってから、幾年月が過ぎた事でしょう。 西洋の文化も人も、全てが物珍しいものばかり。けれど何れも取引の物数が少なく、富裕の方ばかりが手にしておりました。
雪道を歩いていらっしゃる木南沙那様の足元、白雪から身を守る簑傘に不釣り合いなブーツもまた、稀少な西洋品の一つでございました。]
(47) 2012/12/30(Sun) 16時半頃
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[雪踏みの音が唐傘の背に響くのは間もなく>>27>>28
手荷物と呼べるものは、只指先に掴んだ招待状のみ。 紅の着物に、伸びた髪に、粉雪の白をぽつぽつと纏わせ。
黒の少年ではない誰かと視線が合うならば、怯え混じりに戸惑い、はたと思いつけば小さな会釈を向けた。
視線は落ち着かず、貴方がこの館の主か、と尋ねようにも、口から漏れるのは吐息の白ばかり*]
(48) 2012/12/30(Sun) 16時半頃
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[齢十八の武家のお嬢様は諸事情故に少年武士の格好をされています。 これも今日この日までと志に努めていらっしゃいましたが、今は同士と別の道をただ一人。 哀しさと悔しさと供に、ただお一人。
簑に着いた白は赤を吸い、お嬢様の歩いてきた道に小さな証を残すのでした。]
(49) 2012/12/30(Sun) 16時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 16時半頃
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[白ばかりの道の前に人影を見つけ、紅く冷たい頬を拭います。異国の少年の横を通る際、見せぬようにと伏せた顔が上がり、お嬢様の指は腰の刀へと伸びました。
少年の口にした言葉は足を止めるにも頬に涙を伝わせるにも充分すぎるものでした。
ゆっくりと首を振り、差し出された封筒と手を一度は拒否されましたが、少年の赤い瞳に魅入るように二度目の返事は肯定でした。
柄に触れなかった手を重ねて、 二人は雪路を進むのでした。*]
(50) 2012/12/30(Sun) 16時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 16時半頃
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―館入口―
[鈍色に映える赤。 長く伸びた髪が雪踏みの音を引き連れて、やがて男の側へと訪れる。 雪景色を眺めていた視線は、ゆっくりと動き。 忙しなく動く少女の目と合うことがあるならば、柔らかな笑みを見せた。]
今日は大変寒く御座いますね。
[荷物も何もない様子に目を細め、降り積もる白を払うために男は少女へ手を伸ばす。 叶おうが叶わまいが、差した唐笠をそっと譲り。]
女の子が身体を冷やしてはいけません。
[ただ、そっと笑む。]
(51) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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―館の外―
[沙耶様の息を吐く音と二人の銀を踏む音だけが聞こえる静かな時間でした。徐に少年が指差した先にある館は、写真で見たどの異人館よりも大きく立派なもの。
立ち止まり先を促す少年はくるりと透明な傘を回し、 お嬢様が振り返った時にはその姿はもうありませんでした。
彼が居た証は、消えていく二人分の足跡と手に残る温もり、消えずに残るのは招待状の封筒だけ。]
(52) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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さむ……
[悴んだ指先を擦り合わせ、息を吹きかける。 草の汁で暗緑に染まった爪先。顔に近づければつんと青臭い。 いつまでこんな事を続けるんだろう。 いつの代からだかの薬草園を、霜が降りないように布を張り毎朝取り、冷たい露に濡れた草を摘む。 古臭い鉢ですり合わせて汁を絞って滓を固めるだの、汁を練膏に混ぜるだのして缶に詰める。 そうして訪ね来る人に売り、居なければ買い手を求めて練り歩くのが毎日だ。]
(53) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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[年々買い手は減っている。 先端を行きたがる医者たちは、西洋の学術書なんかを読んで、皆海向こうの薬を買うために大枚をはたいている。 そうすれば民間人を医者を頼る。草の汁を煮詰めて練った軟膏なんかは御役御免ということだ。
稀に、よく効くんだとかけったいな海向こうの薬なんざ飲まないとかの理由でまだうちの薬を買う物好きもいる。 確かに効き目はあると、思ってはいるのだが。 ただそれは、自分自身あちらの薬を口にしたことがないからだ。 もし、こんな薬が目ではないほどに効くのだとしたら、今の自分はそれこそ何をやっているのだろうと、懐疑心しか出てこなくなる。]
(54) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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[一度、医者の読む学術書を読みたいと、学びたいと先代――つまり、お父に言ったことがあった。 どんな偉いになった気でそんな口を聞くのかと一蹴されて、その日は花一輪に触れることすら許されなかったのを覚えている。
そのお父が死んで二度目の冬だ。 本を読む読まないの自由は幾らでもあれど、読む本を買うだけの金がない毎日に、ただ今までを繰りかえすしかないでいる。 くだらなくて馬鹿馬鹿しい、日々をどうにか生きるだけのための日々。 空しさでまた息をつく。]
(55) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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――はい。
[戸が叩かれる音がした。 珍しい。雪が深い今みたいな時期に、直接買いにくる客なんてまずいない。 今日は足の感覚がなくなるまで歩く必要がなさそうだ。自然と出迎える足も声も踊った。]
(56) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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|
[だのに、そこにいたのは年端も行かない少年で。 可哀想に、この寒いのに使いか。 そう思って腰をかがめ、目線を合わせる。 少年は書状を差し出した。なるほどこれが処方箋代わりかと受け取れば。]
『さあ、行こう』
――はい?
[事情が呑めないまま瞬くうちに、少年は書状ごと手を掴んで、引いて連れ出そうとする。]
(57) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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ちょ、ちょ、待ち。
[問診に来いとでも言うのか。それは少々お門違いだと焦りが出るも、症状を目にすれば出せる薬もあるかもしれない。 干し薬草と膏と乳鉢、それから出来合いの薬を幾つか入れた鞄だけをひしと掴んで、引かれるままに家を出た。 どうせ外に出るのが変わらなくとも、目的地が決まっている方が何倍も気が楽だと、どこか軽く考えながら。]
(58) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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[そうして、今、ここに立っているのだが。]
……どういう、
[呆然とただ、黒い館を見つめるばかり。 何たって、こんなお屋敷の人間がうちの薬を買うわけがない。 それに手をつないでいたはずの少年は。
背筋がぞっとした。ぞっとして何に縋ればいいかと思案したところで、手の中に残っている書状に思い至った。 恐る恐る開けば、招待状だと、ようやく判った。 招待される謂れもなく、何かの間違いではないかと思う。それに、手を引いてきた少年ももういない。]
狐にでも化かされたかね。
[ひらり招待状を振る。深くついた息は白く、雪は付近の足跡も消していくほど深い。]
(59) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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[まだ新しい草履跡>>46の上を歩き、館に辿り着くと二人の姿が見えました。 紅の着物の方が手にして居るものはお嬢様が受け取ったものと同じもの。意を決して一歩また一歩と近寄り、口を開きます。]
もし。そこの方々。
(60) 2012/12/30(Sun) 17時頃
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[一度の遠慮の後に織物を受け取る女>>43は、まるで何かに怯えているように己の眼に映った。 己が落とした紙切れに目を留めた女の問いに、オノレは此処までの道程を少し思い返す]
嗚呼、そうさね。 あの赤目の小童だろう?
[忘れもしない、寂しいのかと問い掛けながら手を差し伸べて来たこどものことを。]
さァ……突然消えちまったからなァ。 が、赤目に連れられて来たお前さんと己が此処にいるってこたァ、目的地は此処で間違いなさそうだ。
[そう告げて立ち上がり、少し詰めて女に場所を譲る。暖炉の火は煌々と燃えていて、此処とて十分に暖かい。]
(61) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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[はっと振り返る。足跡がない、と言うことは。 手を引かれてきた道、帰り方もわかりやしない。 こうしているうちに身体も冷えていく。 先とは別の意味でぞくりとする身を抱いた。]
……招待されてんだし、道聞くくらいは。
[それに、これが俗に言う西洋館というものなのだろう。 本の一冊二冊くらい、読ませてもらえやしないかと、期待混じりで戸を開けた。]
すいませぇん、ここの方でー?
[少女と、老爺。様子を伺うように、声をかける。]
(62) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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[身体が温まれば思考は動き出す。 此処は何処なのか――小童は何者で、何のつもりで此処へ己達を連れて来たと言うのか。 俄かに気味の悪さを増して来たところで隣から動く気配がする。>>45 見れば、女は涙を流していた。]
………そら、もっとよく被りな。
[女が背に被せたそれを頭の上まで引き上げるように、織物に手を伸ばした。もし怯えられたなら、強引にとは云わないが]
眠ればいいさね、どうせ己しかいないんだ。 番はしてやるよ。
[なにを泣いているのかは知る所ではないが、兎角泣いた後には身は冷える。 すぽりと包まって、今はただ暖まってしまえばいい**]
(63) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 17時半頃
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 17時半頃
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[紅い着物の少女は、さて唐笠を受け取っていたか。 男はそれ以上の会話をこちらから重ねる事のないままに在る。 やがて訪れる二つの声にも同じくして。]
今日は大変寒く御座いますね。 お嬢さん方もお呼ばれを?
[それは暗に『ここの方』でない表れ。 少年武士に不釣り合いな声と、入口を潜る女性の声。 男は雪の下にたったままに。]
(64) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
|
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[唇の隙間から、白が棚引く。
あ、あ、と。 声が出るならば、上ずった緊張した戸惑った、そんな音だっただろうと、貌が言っていた。
寒い、という年相応の自分には無いものに頷いて。
けれど、差し出されたものへと手を出すのは、躊躇われた。 こちらへ向けてくれるのは、敵意の無い優しげな笑みだと感じた。 だからこそ余計に、遠慮がちに。]
(65) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 17時半頃
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今度の君は、えれぇ幼いようで。**
(66) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 17時半頃
手妻師 華月斎がいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(手妻師 華月斎は村を出ました)
|
[紅い着物の少女の顔色を察するに、加減はよくないのであろう。 棚引き消える白が、紅と共に目に映えた。 戸惑う様子に怯えを孕ませぬよう、動作は遅く。
降り積もる白は男の肩や髪へと舞い落つる。 差し出した唐笠は半分、少女と男の間に影の端掛かり。 降り積もるはしんしんと、深く無音の雪原を描いている。]
お呼ばれしたのなら、お邪魔しても問題ありませんでしょう。 こんな場所では身体も冷えて仕舞う。
[声は、仕種は、中へと促すようにして。 けれど男は未だ、白く塗り固められた雪の下。]
私はもう少し、雪景色を眺めたいのですよ。
[そうとだけ *告げて*]
(67) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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[右手に確りと握る招待状。 唐傘を前に空を迷う左手。
その狭間に、いくつかの新しい声が響いた。
人が増えたならば、多くの誰かを視界に入れるため、未だ手を伸ばせていない唐傘に少し近づいて。 戸惑うばかりの仕草と視線で、行き交う言葉を追いかける。
二振りの刀を差したお侍にいくつも目を瞬いて。 かけられた問い>>62には、己は違うと、ふるふる大げさなくらい首を横に振って答えた。]
(68) 2012/12/30(Sun) 17時半頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 18時頃
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[お嬢様が唇を強く結んで芙蓉殿を見たのは、「お嬢さん」>>64であるのは此方とでも言いたかったからでしょう。
目は口ほどにものを言うもの。
声をあげず、瞬く志乃殿から顔を背け。]
貴殿も身体を冷やしすぎませんよう。 では。
[躊躇いなく玄関扉の取手を握った。**]
(69) 2012/12/30(Sun) 18時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 18時頃
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[まだ此の場所に居たいらしい言葉を聞けば>>67 冷たく細い指先が、傘を差し出す手に触れて、それを押し戻そうとする。
顔を背ける剣士と同じ言葉を残したかったが、それは適わず、 ぺこ、と深く一度頭を下げて。
誰かに気を使われるのは、面映い。 寒さから逃げれば、館へと先に入った、草履ではない足跡を追いかけるようになった**]
(70) 2012/12/30(Sun) 18時半頃
|
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へぇ。 そのぱぁていとやらは、あたしを幸せにしてくれるんで?
(71) 2012/12/30(Sun) 18時半頃
|
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[故郷はとても暖かい場所だ。 これほどまでの白い降り物は、目にしたことがない。 故郷はとてもおおらかな場所だ。 これほどまでの寒さで、生き物を拒むことはない。
あくまで 「故郷」は。]
(72) 2012/12/30(Sun) 18時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 18時半頃
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[島を渡って本土に来てからは、それはそれは戸惑うことばかりだった。 誰も自分を慮ってはくれない。 ならばあたしも遠慮することなどない。 見たことのないものをあしらう所作などとうに得た。]
(73) 2012/12/30(Sun) 18時半頃
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赤い目をした異人さんには、会うたことはないですなぁ。 金の髪した異人さんなら知っとりますけど。
悪いけどようさん知らんもので、楽しめるとは思いません。
[排除する。 排除する。
あたしを排除した人たちと同じように。
けれど少年はにこりと笑い、「一緒においで」と唱えるのだ。]
おいでも何も。 もう、来とりますのにねぇ。
[見渡す限りの銀世界は、雪、といったか。 いつどうやってここに来たか、自分にもわからない。**]
(74) 2012/12/30(Sun) 19時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 19時頃
|
[老爺から返った声>>64>>67は丁寧な響きで、そうだこんな立派な、ともすれば本当に客であるかもしれない方の屋敷の前でなんて無作法な、と口を噤んだ。 少女の首>>68も老爺の口振りもここのものでないと告げていたが、一つ咳払いをして、言葉を直す。]
ああ、はい。 呼ばれて馳せ参じたはいいものの、恥ずかしながら帰る道すら曖昧になってしまいまして。 道を伺えればと思ったのですが……旦那さまも、お迷いになられて?
[笑みを作るが、寒さで少しばかりぎこちなかった。 半歩分はしっかりと入った身体を外に引き戻し、佇まいも直した。]
(75) 2012/12/30(Sun) 20時頃
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|
それにしても旦那さま。お嬢さんだなどと。 物売りの跡継ぎは、息子と相場が決まっていましてね。 派手好きも昂じてこんな出で立ちではございますが、この方姫と呼ばれたことはないものでございます。
[こんな、と紅花で染めた浅橙の着物を広げれば、そこに咲くは艶やかな芙蓉に紅い蝶。 生来声が高いもので、こうした間違いも前から稀にあるのだが。 自分からわざとらしく作るようになったのは、いつからだったか。 お嬢さんへと向けるつもりだったらしい視線>>69にも笑いかけるだけ。]
(76) 2012/12/30(Sun) 20時頃
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物売りは目立ってようやく一銭の世界にございますから、着物の美しさをお褒めいただいたとあらば恐悦至極。 ですが雪景色の美しさには、御風邪を召されぬよう。 もし御用命ございますれば薬売りの芙蓉をご贔屓に。
[残るという老爺にそうして一礼すれば、促されるまままた屋敷の中へ踏み入る。 先程来ていた紅い着物の少女――それこそ、お嬢さんの顔色が気にかかっていた**]
(77) 2012/12/30(Sun) 20時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 20時頃
薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 20時頃
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[ザクッザクッザクッ。 降り積もる雪を蹴って、ただひたすらに走る。]
ぁぅっ!
[べちゃり。思い切り転んだ。 けれど、その背に落ちるはずの雪は、透明の傘に遮られて。]
……ッ!!
[左腕を軸に、素早く身を起こしながら。 右手に持ったナイフは、シュッと風を切って少年の首元で止めた。]
(78) 2012/12/30(Sun) 20時頃
|
|
『君も、哀しいの?』
キミ、誰? ……。異人さん?
[答えはなかったけれど。果敢無く笑う顔に。]
……キミは? 哀しいの?
[少年の問いに自分が答える事もなく。 こちらからの問いに少年が答える事もなく。
雪を掃って立ち上がり、また走り出そうとした所で、招待状を差し出され。**]
何、これ? ……。別に、行ってもいいけど。
(79) 2012/12/30(Sun) 20時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 20時頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 21時頃
|
はい、いろ
[灰の色。 人がいつか、行き着く色。
何故焼くの、と少年だった男は言った]
(80) 2012/12/30(Sun) 21時頃
|
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はい 灰 薄汚い、しろ
[答えては貰えなかった。 見上げた、その日初めて見る顔は、逆光になってほとんど見えない。恐ろしい化け物みたいに、顔のあるべき所ががらんどうになっている]
…薄汚い しろ
[視線を下に向ければ、まだ何にも犯されていない白があるのに]
いらない
[睫毛の先にまで、その白を積もらせて、男はただ、空を見上げ――瞬いて、息を、吐く]
(81) 2012/12/30(Sun) 21時頃
|
|
[ほう、ほう、と。
吐く息は少しずつ、色をなくしていく]
(82) 2012/12/30(Sun) 21時頃
|
|
『君も、哀しいの?』
[聞こえた言葉から身を守るように、だらんと下げていた腕で、紺鼠の色無地をかき寄せるように身を縮めた]
…だって 灰 は、
[固く、目を瞑る。 睫毛から零れた氷が、細氷のように僅かな陽を反射して落ちていった]
(83) 2012/12/30(Sun) 21時半頃
|
|
[雪が、止んだ]
………全部 飲み込むんだ
[記憶も、想いも、熱も重みも全部、全部全部 飲み込まれていく]
『哀しくないよ。 さぁ、行こう』
[ゆっくりと瞼を持ち上げた。 やんわりと笑む黒の少年は、灰色の中で]
(84) 2012/12/30(Sun) 21時半頃
|
|
[ だと、思えたから]
――――…うん
[差し出された手紙を、火鉢に触れる時みたいに、おそるおそる――けれど期待を持って、受け取った]
(85) 2012/12/30(Sun) 21時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 21時半頃
武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 22時頃
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―館内・エントランス―
[扉の向こう、人の気配の有無を窺ってから沙耶様は扉を開けました。人一人がちょうど入れる隙間を作り、身を滑り込ませます。すぐに閉めようとしなかったのは、後から人が続くと知ってのこと。
志乃殿と芙蓉殿が館内に入ってから外をご覧になりますと、風伯殿は傘を手に鈍空を見上げていらっしゃいました。 じつと動かぬ姿は、まるで道の途中の地蔵様のよう。 お嬢様も同じ空を見られてから、そっと扉を閉めるのでした。]
(86) 2012/12/30(Sun) 22時頃
|
|
[紐を外して笠をお取りになり、耳の高さで結ばれた黒髪は簑の内に入れたまま、志乃殿と芙蓉殿の方を向きます。 咳払いの後、低めの声を出して足下を指差しました。]
こういった建物では履き物を脱ぐ必要はないのだが。 誰ぞ、出迎えはないものか。
[雪の日だからこそ、足を洗う湯が欲しいものです。]
(87) 2012/12/30(Sun) 22時頃
|
|
― 館入口 ―
[雪の中、少年の手を引きながら、再び走り出す。 やがて、一面の白の中に浮かび上がったのは、立派な黒い洋館。]
はぁっ。はぁっ……。 [少年の手を離して、前屈みになって膝に両手をつき、暫し呼吸を整える。 顔を上げて、隣に居ると思っていた少年を見ると。]
……あ、あれ? 居ない。
[きょろり、辺りを見回して、少年の代わりに目に入った姿は。>>67]
しょーねん? なわけないか……。
[急に年を取るわけはないから、化粧で姿を変えていたり? いや、『別人』の線が濃厚と分かってはいるけど。 小さく首を傾げながら、同時に、まだ少年の名前も聞いていなかった事に気付いた。*]
(88) 2012/12/30(Sun) 22時頃
|
|
[赤い瞳は見ないようにした。 灰を作る火を思い出してしまうから。 不思議な傘は、触れると柔らかく、裾から白い腕をむき出しにして、数度つついてみた。 それにも飽きて、段々肩が下がり、首も下を向いた頃]
………くさい
[湿った紅の匂い。花の、匂い。 館の前に佇む男の傍を通り抜け――自分からは声をかけることをしなかった――館の扉に手をかけた]
(89) 2012/12/30(Sun) 22時頃
|
|
[溜め息を落として志乃殿の顔を見下ろし、刀の柄を腕で抑えます。]
――あなたは、武士が怖いか。 それとも、この刀が怖いか。
ハハ。正直に申せば良い。
[お嬢様が簑をお取りにならないのは、血の着いた着物を見せぬ為。 紅の衣よりも、紅の蝶よりも――赤い生きた証と、奪った証。
頬を引きつらせて無理に笑うと、お二人から一歩遠ざかります。カツンと踵が床を鳴らします。]
(90) 2012/12/30(Sun) 22時頃
|
|
[芙蓉殿の出で立ちを見られるお嬢様の目は、どちらかというと好奇の色が強くありました。
『物売りの跡継ぎは、 息子と相場が決まっていましてね。 』>>76
大方、物売りに変装しようとお考えなのでしょう。]
薬売り――と聞こえたが、真か。 傷薬はあるか。 残りが少ないゆえ、買いたいと思う。
今でなくて良い。落ち着いたらで構わぬ。
(91) 2012/12/30(Sun) 22時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 22時半頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 22時半頃
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[引いても開かぬ。押しても開かぬ。 掴んだ取っ手は、ひとりでに動き、取れるのだろうか、と引っ張れば]
わ、わ …と なるほど
[やや間抜けな声を上げながら中を覗き込み、今一度来た道を確認するように後ろを振り返った]
………ぁ
[黒の少年は姿を消し、薄い足跡も少しずつ消えていった]
(92) 2012/12/30(Sun) 22時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 22時半頃
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[雪の下、驚く男の顔。 少年武士の恰好をした、少女に思う声に 女性と見紛うた、青年。 長く生きていれど間違うこともあるものだと、乾きにも似た笑いが浮かんだ。]
之は之は、失敬を致しました。 身体は冷やさぬよう努力致しましょう、御心遣い痛み入ります。
[少年へはそう告げて頭を下げるのみ。 判らぬままの性に興味は抱けども、少女から押し返された唐笠にそれも掻き消され。 追い掛けるように中へと消えていく姿に、ひとつ吐いた息が白さを彩った。]
(93) 2012/12/30(Sun) 22時半頃
|
|
[扉の開く音>>89>>92に反応するように、自然と左の足が下がります。 追っ手でないと分かると、ふうと息を吐くのでした。]
(94) 2012/12/30(Sun) 22時半頃
|
|
[意志の強そうな快活な女声へと、同意を示す言葉も持たない。 只、唐傘の誰かへではなくこちらへと問いか飛んだならば、首振りで肯定否定だけは答えられるが>>75
居心地悪く視線をきょどきょどと彷徨わせていると、不意に聞こえた"薬"の単語。 あからさまに動揺し、乱れた吐息の白が揺れる。
気遣わしげな視線、好奇な視線、只の興味か、顔色を文字通りに"伺われる"のは、酷く慣れない。
館へと入ったのは寒さから逃げた肢の、筈。]
(95) 2012/12/30(Sun) 23時頃
|
|
―館内・エントランス―
[入り、まず鼻についた嗅いだ事の無い香りに、招待状を握った手が、無意識に顔の前へ。
それから、見たことの無い館内の装飾に、視線は忙しなく。 もしも外が雪に覆われず一人きりならば、館の外観にも同じ反応だっただろう。
履物をはいたまま咄嗟に前に従っていたものの、言われてからそれにはたと気付き>>87 次いで、紅に新たな模様を作っていた粉雪をここではたき落としていいものか判断にっ困っていれば、お侍に寄せられた言葉に、また幾つか、瞬きを返す>>90
答えは、ふるふる、髪に雪がついていたならば、それが舞い落ちる動き。]
(96) 2012/12/30(Sun) 23時頃
|
|
[ぽたり――と、長い前髪から雫が落ちる。 向けられた、一瞬の視線。 逃れるように下を向けば、柔らかな敷き布に泥まみれの草履が申し訳なさそうにのっていた。 随分と小さい足だ、と。益体もないことを考える]
失礼、する
[土間はないらしい。一度踏み入れたならば、ままよ、とそのまま足を進め、すぐ傍にいた一団をすり抜けようと]
(97) 2012/12/30(Sun) 23時頃
|
|
[すれ違いざま、少年――に見えた――が佩いている刀に視線を投げる]
……
[薄く開かれた唇は音を紡がず、土間のように少し広くなった場所を抜け、奥へと足を進める]
(98) 2012/12/30(Sun) 23時頃
|
|
[しかし、さらに暖かい最初の部屋に入って、振り向き――]
……それ、 人を、切ったことある?
[相手の顔は見ずに、問いかける]
(99) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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[いいえ――、もう白さの無くなった、囁きよりも小さな息の音。
引き攣る頬を、黒ずんだ目元は確かに見て、何故、と言いたげに。 それから視線を落とせば、怖いかと尋ねられた物で留まる。
それ自体への微かな興味と、まるで望郷のような眸。 音なき声は、視線のそれ以上を紡ごうとはせず。]
(100) 2012/12/30(Sun) 23時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 23時半頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[私の右手はわらべの手を取り、左手は文を握る。 いざなう方へ、ぎっ、と地を踏み、見るともなく雪降る景色、黒いわらべの横顔を見る。 粉雪に紛れ、ただ微笑のみが在るように見えた。 私は再び、瞼を下ろした。
覚束ない足取りで、黒のわらべに導かれる私のすがた。 姉が見たら、籠から連れ出される雛鳥のようとわらうだろうか。 父が見たら、牢から引き摺られる罪人のようとわらうだろうか。 そのどちらの影も、此処には在りはしない。]
(101) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[辿り着くまで長かったか、それとも束の間だったのか。 噎せる程に甘い花の香に目が覚めた時、私は屋敷に気付く。 それは白銀の中に浮かぶ黒。 記憶の中に在る、どの西洋屋敷とも異なる色趣きだった。]
此処、かい。
……坊や?
[いつの間にか黒のわらべは、その紅い瞳も、透明の傘も、何処にも無くなっていた。 まさに連れ出されるが如く手を引かれていた私は、ただひとりぽつねんと、銀雪の上に取り残されていた。]
(102) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[久慈殿の召し物は薄く、髪は雪解けに濡れておりました。 お嬢様の刀へと送る視線は、志乃殿と同じものでしょうか。それとも別のものでしょうか。 通り過ぎた後、背へとかけられた言葉にお嬢様は勢いよく振り向かれました。 何処を見ているか分からない視線>>99に、唇を噛みます。]
それは、私に問うているのか。
(103) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[歳の割に曲がらぬ背を正し、直された言葉遣いや佇まいへと男は向き直る。 差し返された唐笠は再び、男の上に広げられ。 女性と間違うた青年との会話には、只乾きに近い笑いしか返すこともできぬまま。]
迷い……そうですね、迷うて来てしまったのやも知れません。 何処かも判らぬ雪景色。 道案内のお力にはなれそうも在りません、申し訳ない。
[軽く下げる頭。 どうして此処へ来たのかも判らぬ男は苦笑し。]
(104) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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― 一階・居間 ―
……っ。
[包まっている織物をクイ、と引き上げられ、 思わず息を呑んだ。
どうやら、拭っている様に気付かれてしまったようで。 みっともない、と苦笑を一つ。
「眠ればいい」との言葉>>63に、 張り詰めていた糸がぷつり、途切れるよう。]
――、かたじけのう、…ございます。
[頭まで被った織物が、 すっぽりと冷えた体を包んでくれて。
初めこそ座ったまま船を漕いでいたが、 体が辛くなりこてんと倒れ、そのまま床に丸くなった。]
(105) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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――これは、単に人を切るものではない。
まもる、ものだ。
[それでは答えになっていないのではないでしょうか。 内を隠すように、簑の前を強く握るのでした。]
(106) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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[振り向いた視線の強さ。 正面から受け立つ気力は、どこを探しても見当たらない]
……そう
[言葉少なに頷いて、おそるおそる、視線をあげた]
(107) 2012/12/30(Sun) 23時半頃
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そう、失礼を致しました。 お坊ちゃんで在りましたか、いやはや。 歳をとっては目が廃れていけない。
[白い息を吐き出しながら笑う。 ぎこちなかったか、寒さにはいくらか慣れているものであるから自然で在っただろうか。
衣に出で立ちに、少なからず華やかさを感じたが故か。 少しの冗談を織り交ぜて。]
着物も人を選ぶものですから、美しい御召し物は美しい御仁に。 ……薬売りの芙蓉君ですね、私は風伯雷門と申します。
[その名に覚えが在るならば。 ……否、それはこの雪景色の様に有り得ぬ話であるか。 中へと過ぎ行く少年の姿も目の端に、芙蓉へと再び会釈で別れた。]
(108) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[このところ、否……ずっと。 あまりよく眠れていなかったから。
坊の、耳を劈くような泣きの聲がして、 乳をあげ、泣き止むまであやして。
そんな苦労を苦労とも感じぬ日々は、遠い昔であるのに。
旅籠での仕事の合間。
昼に、夜に。
その鳴き聲が耳を打つ度、 空の赤子を抱え、乳を吸わせた。
夫がいた。坊がいた。 夫が寺子屋で教える子供たちが家にまで尋ね来て。 賑やかだった。]
(109) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[無くならぬのは、左手の異邦の文。 くしゃり、皺と折り目のついた文をそっと開けば、それはやはり記憶の中にない装丁。 手の内を、それから黒の洋館を、見る。あれは。]
誰ぞ、居りますか。
[頭に巻いた絹織物、その前からは白銀の前髪を零し、上には白雪被っていたまま。 艶やかな常磐の羽織、その肩にも未だ冷たい白載せたまま。 私は洋館の扉の方へと、下駄履く足を運ばせる。 先ず私の目に留まったのは、透明ならぬ唐笠、痩せた趣きの男だった。]
(110) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[落とす視線の先にあったのは、志乃殿の髪から落ちた雪片。>>96 あの時、更に雪を払おうと伸ばしたは空中でさ迷ったままでした。
お嬢様を見上げる視線は何かを訴えているよう。 刀へと向けた瞳には、恐れの色はなく。]
そうか。左様な顔でただ見られては、怖いのかと思うてな。
[顔色の悪さも目元の黒さも、言葉を発っさないのも、恐怖心が原因ではありませんでした。]
(111) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[今は、誰もいない。……誰も。
坊の聲も、今宵は届かない。]
(112) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[詭弁の終わりと同時に、再び逸らされた]
…………… そう
[二度目の応え。 それ以上紡ぐ言葉も、向ける感情もなく、ゆっくりと背を向けた]
(113) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[何故あの少年は、自分をここへ招いてくれたのだろう。
同じようにして招かれた、…隣で番をしてくれている男も、 「赤目の小童」と言っていた>>61。
同じ少年だろう、赤目の人間は多くはない。 少なくとも自分は初めて見た。
目的地は此処。 目が覚めたなら、何か少しはわかるだろうか。
わからなくてもいい。
目の前の何かを考える時、 目を逸らしたいものは…頭の片隅に追いやられるのだから。]
(114) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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もし、其処のあなた。
知りませぬか、黒い装いに紅い瞳のわらべを。
[私がゆっくりと近づき声掛けたのは、その唐笠の男が若人誰かに名乗って別れた>>108、その後だった。 彼の名を聞いておらぬ私は、努めてはっきりとした声で、問う。]
(115) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[「私は、何故…生きている?」]
(116) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時頃
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[あの瞳は――苦手だ、と男は考える。 怖い、とは。思考の内でも言葉にはしなかった。
自信とも 覚悟とも ―――思い込みとも]
……さむ
[傍らにいた、どこか脅えたような瞳をした…あれは、なんだか幼子のようだった、と。
二人に対する思考は、男が知る人物に重ねた評だと自覚せぬまま、次の間に足を踏み入れ]
(117) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時頃
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―館入口―
[遠くにか近くにか、新たに現れる顔が二つ。 それも若い男女一人ずつ…さて、次はこの廃れた目も見間違うていないだろうか。]
少年と呼ばれるには、聊か似ても似つかない歳ですが。
[猫の様な目が印象的な少女には、そう。]
貴方も迷い人で? 彼の行く先は、私には。
[確りとした声を放つ物珍しい前髪の青年には、そう。]
(118) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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|
[剣士と誰かの交わす言の葉を、黙るしか手段を持たないままに聞いていた。 人を切る、それへの否定ではない言葉を耳にしても、刀に対する恐怖心は無い。
ひとに注目されたり言葉を向けられたりすれば、身体の内側がばくばくと煩く、どうしたらいいかと戸惑ってしまうばかりなのだけれど。
時が経てば、幾らか落ちつきはやってきた。
ちがう、ごめんなさい、と唇がゆっくり、見る言葉にする。 雪を殆ど振り落とした長い髪を、小さく揺らした>>111]
(119) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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[久慈殿の二度目の返答>>113に再び視線を向けると、もう背中しか見えませんでした。
人を切ったことがあると正直におっしゃっていれば、 久慈殿は別の返答をされたでしょうか。 それとも、同じ様に短かったでしょうか。
一度出した答えに偽りはありませんが、胸の内にどろりとした、何処か落ち着かなさだけが残りました。]
(120) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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|
……ん。
[もぞ、と身じろぎ一つ。
懐に収めるは、手拭いと少年の文と、 少量の血で汚れた懐剣。
食い扶持は飯盛女として得ている。 貞操など、とっくの昔に…。
けれど、どうあっても許せぬ相手というのはいるもので。
旅籠を出て雪道を彷徨っていたのは、 つまり、そういう客が相手だったのだ。]
(121) 2012/12/31(Mon) 00時頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
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そーだよね。
[否定の言葉が返れば>>118、腕組みしながらこくこくと頷いて。 同時期に、近くから声が聞こえれば、驚いて勢いよく振り返り。]
ぉぅしょうね……って、違うか。
[けれど、唐傘のひとに問う言葉>>115を聞けば、同じ特徴を持つ少年を探している様だと思い。>>115]
あの少年、キミの知り合い?
[小さく首を傾げた。]
(122) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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― 居間 ―
[真っ先に目に入ったのは―――暖炉]
…さむい
[癖のように、ぼんやりと呟きながらも、眉を顰め燃え盛る炎から離れるように壁に手をついた。 まだ、向こうに通路は続いているようだ。 見渡せば、柔らかな布で出来た――あれは、腰掛け、だろうか。それらがいくつか見えた。 床に転がる女は見えず、ただ、ほう、と息を吐く]
(123) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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[音のないまま、志乃殿の唇が動きます。>>119 仕草でも伝えたいとばかりに髪が揺れています。]
そうか。怖くはないと。
では――
[言葉を飲み込みます。 恐怖でないのなら、話さないのではなく。]
もしや、あなたは話せないのか?
(124) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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迷い人かと聞かれますれば、……そうなりましょう。
――あなたもかのわらべ、ご存知、ありませぬか。 そうでした、か。
[歳食って見える唐笠の男>>118は、「貴方も」と問い返してきた。 幾らか前にも、彼は誰かの姿に気付いて何事か声を掛けていたような、そんな声がしたものだったと思い出す。]
しかし、この洋館に招かれたは、私の他にも。
(125) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
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[己の視界に入らない隣で、一言と共に女の意識が落ちる。>>105それでも暫くは身を崩すこと無く、女は其処に座り続けていた。 まったく強情な女だ。 ずれた織物を掛け直してやる。そのひととき見えた横顔に刻まれた疲れの色と雫の跡を、織物は上手く覆い隠した。]
ねんねん、ころりよ、おころりよ ぼうやは、よいこだ、ねんねしな―――。
[布を丸まま被ってしまった女から再び視線を反らす。手持ち無沙汰になった己は自然、遠い日に耳にした子守唄を零していた。]
(126) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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[声の方、ちらりと振り返れば、うら若い女子の姿>>122。 歳で言えばどちらが上か、までは判らない。 成程、かの男が声掛けていたのは彼女だったか、と思う。]
して、お前も――
[問い掛けた口、彼女からの問いによって一度噤んだ。]
あのわらべは、私の知る人では無いよ。 ただ、手を取り此処まで私を連れてきたあの子、 気が付けば居なくなっていて、それが気掛かりでね。
(127) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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、―― 。
[迷ってから、息吐き音で答える>>124 あまり肯定もしたくはないが、否定もできない状況だった。
ただ、全く何も、というわけではない。
口元に何も持たない左手を添え、内緒話の体。 近付くならば、囁きよりも小さな声だけは発することができると知れる。
それから幾らの話をしたか、 次に向かったのは玄関から先ほどの誰かが向かった>>99のとは別の扉の先へと**]
(128) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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[少女の受け答えに若さを見る。 少し苦笑を返しそっと差し出すのは唐傘。 透明で不思議な、あの幼子の差していたものとは違う見慣れたものだろう。]
お嬢さんも、御呼ばれしたのですか?
[確かに握られたままの招待状を見せたなら、同じものを少女はきっと手にしているであろう。 それは迷い人と自分を称する、この少年も同じであろうか。]
招かれた者は数人居られるようですよ。 中に行けば会えるやも、知れませんね。
[黒い巨壁。 少し見上げるようにしたその色は、白の中に浮かぶ異質。]
(129) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
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[その唄を、何処で聞いたのだろう。 物心も知らぬ歳で奉公に出された身である。右も左も分からぬ己に唄を聞かせたものがいたのだろうか。 呑気にも唄いながら左様なことに思考を漂わせていれば――何やら物音と人間の気配がして、己は顔を上げて扉の方を見た]
……寒いなら、此方に来ればどうだ。 暖かいぞ。
[己達は丁度椅子の陰になる位置になっているのか。独り言を漏らした青年>>123は此方に気付いていない様子。 にやりとからかってやりたい気分になるのは人の性と云えよう。許せ。]
(130) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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嗚呼、ここで長居しても寒いだけ。 早く奥へ行くべきだ。
早く足を拭ってしまうといい。
[懐の手拭いを出すことが出来ませんので、お嬢様はブーツを濡らしたままにしておりました。]
(131) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 00時半頃
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[そうして、『貴方も』>>118と問う唐傘の人と、肯定を返す青年>>125の言葉を聞いて。]
えっ。おっちゃんもしょーねんも迷子なの?
[驚いて、猫目は更にくりくり大きくなるけれど。 自分の問い>>127への返答に。]
お、前!? エラソーな! ……って、エライのか。そーか……。
[ぷんぷん怒りかけたけれど、服装を見れば、裕福な家の人だろうと予想されて。 膨れて、ツーン、とそっぽ向いてみたりするけれど。 続く言葉に、ちらっと視線を戻し。]
ふーん……。私と、同じだね。
(132) 2012/12/31(Mon) 00時半頃
|
武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 01時頃
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[此の館には思ったより人が多いらしい]
……いらない
[驚きに跳ねた肩を右手で押さえつけ、姿が見えぬ相手に首を振った。 しかし、そろりと壁伝いに移動し始めれば、火が見えなければ良いのではと、柔らかそうな腰掛けに近づいた]
(133) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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[唐傘を差し出されれば、小さく、ふるふると手を振り。>>129]
ありがと。でも、いーよ。 アタシ、返せるもんないしさ。
[にゃはっと、笑って。 招待状を見せられれば、同じ物を差し出して。]
うん。おっちゃんもなんだね。
招待された人、他にも居るんだ? 私には、何か、哀しいのがどうとか言ってたけど。 何の集まりなんだろうね?
[そう言って、雷門の視線を追う様に洋館を見上げた。]
(134) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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|
[少女の答えはあまりにも明るく、男の頬は自然と綻ぶ。]
迷子、と謂うのもお恥ずかしい話ですが。 道にというよりは、路に、でしょうか…。 ああ、いえ、お嬢さんには判りますまいな。
[音にすれば同じく、字に示せば異なる理。 みちに迷いし老人はそんな事を呟いた後。]
お嬢さんも、お坊ちゃんも。 斯様な場所で立ち話をしていても身体を冷やしてしまいます。 呼ばれた身なれば、入ることも許されましょう。 中へ向かっては如何ですかな?
[招待状は懐へ仕舞い込み、雪が積もりゆく少年へと手を伸ばす。 その白は払えようか。]
(135) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 01時頃
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[志乃殿が何かを伝えたがっていると分かったからでしょう。 お嬢様は特に警戒もせず、志乃殿の口許に耳をお寄せになりました。 >>128
それは、他に音があれば掻き消されてしまいそうな程に小さな声でした。 見るからに武家ではない出自と思われる方が、何を見たのか、どこまでを見たのかははかり知ることなど出来ません。]
これを預ける事は出来ないが、いつでも見て構わない。
(136) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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|
[唐傘はどうにも若い女子には好かれぬ様子。 先も返された事を思うと、嗚呼此れは『時代遅れ』と謂うものか。 そんな思いにゆうるりと目を伏せる。
断られれば尚更と、中へ促す言葉を述べ。 差し出された招待状には、ひとつゆっくりと頷きを返す。]
幾らかお会いいたしましたが、歳も男女も括りのない様子でした。 中には先客も在るやも知れません。 不思議な集まりですが、賑やかなことはいいものですよ。
[寂しくも苦しくも、哀しくも ないのならば。]
(137) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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なに、遠慮は要らんぞ。来れば良いじゃねェか。 とは云え己とて此処の者では無いがな。
[くっくっ、と漏れる笑いは我ながら意地が悪いが、これも許せ。 相手が布張りの腰掛けのそばへと歩いて来れば>>133、その顔が見えた。声から思い描いた人相よりも多少歳上に見える。 己は女を起こさないようそっと床を立ち上がり、三人は優に掛けられる布張りの腰掛けの端に座る。 さて、青年はどう出るか]
(138) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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……笑われるのは 好かない
[む、と口端を下げ、それでも今度は、現れた男から視線を逸らさず]
……………ちっ
[舌打ちをして、腰掛けに凭れるように床に胡座をかいた。恐らくは、暖炉を向いた椅子。暖炉にも男にも背を向けて、濡れた前髪を絞るように引いた]
(139) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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―― 洋館内 ――
[男が洋館に足を踏み入れた――否、迷い込んだ、の間違いかも知れぬ――のは、時間を遡ること暫し過去のこと。 己より先に居ただろう先客たち>>6>>15に気がつかなかったのは、洋館の周囲に漂っていた芳香を振り切るように歩いていたからか、或いは無意識の行動か。]
……薔薇、か? 随分、多い……あれは、
[洋館を取り囲む白銀の雪と対照的な、強烈に色彩を放つ薔薇。暗き中にもその色を確かめられる程に、数多あるそれを思い浮かべ、問いかけるよう声をかけるのは共にここまで歩いてきた真紅の瞳の少年へと。 しかし、その答は終に得られなかった。 何故なら、]
――……、
[反応がないことに微か戸惑い、立ち止まりて振り返る。けれどもうそこには、少年の姿はなかったのだ。
感じたのは眩惑か、幻惑に心乱れているのか。 男はその長き双眸を僅かに大きく開き、暫し虚空を見つめていた。]
(140) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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[唐笠の男>>129の手元をちらりと見た。 握っていたもの、その紙の端の装丁だけでも目に映れば、おのれが持つ物と同じと見当がついた。 男に応じて、若い女子も招待状を差し出した。 私はそれをもまた見て、やはり同じ、と。]
――して、此方に更に、と。
[男の告げたことに、私は黒い洋館の扉を一瞥し、再び前に向き直る。 かの館に黒いわらべも居るやもと。 私は頷くにしてはほんの小さな動作で、軽く頭を下げた。]
(141) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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|
あぁ、迷子と言えば、そう――
えらい?私はそんな心算で、
[私は女子の言>>132に大きく瞬いていた。 偉そうだと言う自覚が、これまでまるで無かったのだ。 市中の年少の者に会えばこう話す。ただ本当にそれだけの心算だった。
この娘の着物地をもっと良く見ていたならば、家の違いが絡んでいると、気づけていたかもしれないのに。 そっぽを向いた彼女の前で、私はただ少し茫然とするばかりだった。]
――あぁ同じ迷子、ということだろうね。 私もお前も、かの御仁も。
[しかし再び合った視線に、今一度思考は先ほどまでの話に切り替わる。]
(142) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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|
みち にというより、みち に……。
[音にすれば同じ言葉。>>135 よく分からないながらも、腕を組みながら、ほぅほぅと頷いて。]
道に迷ったら……。
[言いながら、顔を上げて指差す空は、雪降らす雲に遮られていて暗く。]
……あーっと、今は、見えないけど。 北にある、明るい星を目印に進めばいいんだって。 その星はずっと変わらず、同じ場所にあるんだって。
[そうして、中へと促されれば。]
おっちゃんは、中に入らないの?
[小さく、首を傾げる。]
(143) 2012/12/31(Mon) 01時頃
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|
[唐傘を遠慮すれば、目を伏せる様子>>137に。]
あぁっ! 唐傘がキライなわけじゃないよ? ビンボーがいけないんだ、ビンボーが!
[そう言って、慌てつつ。]
ふぅん。歳も性別も、かぁ。
[こくこくと、頷いた。]
(144) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
|
|
[痩せた男は唐傘を娘に差し出した。それは私には向けられない。 結局、彼女はその傘を借りぬようだったが――。]
――――、
[「哀しい」。 彼女が発した語に>>134、紅く灯る眼、黒いわらべの告げてきた声が思い出された。 瞼を閉じかけ、はっとまた開く。 男の言う通り>>135、斯様なところで留まっては冷えてしまう――]
(145) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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|
[細く荒れた男の指が、伸びてきたのに気付く。 その手が頭の方に伸びてくる、そう咄嗟に思ってしまったものだから。]
やめ、
[私は青みがかった目を丸くして。 不意に、一歩、後ずさった。]
(146) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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|
そりゃお前さん、笑われるのが好きな奴なんざよっぽどの変わり者よ。 例えば己のようなね。
[此の青年もやけに強情である。>>139 が、口をへの字に結ばれればもっとからかいたくなる悪人の心よ。 遂に逆側に座り込んだのには一瞬唖然として、そしてふっと笑ってしまった]
おいおい、其処まで己を嫌うか。 苛め過ぎたかね、悪かった。……そら、
[腰掛けに畳まれて置いてあった織物を、背もたれ越しに広げて落とした。頭の上から被る形になっても知ったことではない。 女に被せた其れとは色違い、美しい薄青に染められた毛織物。その暖かさは己が体験をもって示してやろう。]
(147) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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|
[志乃殿を真似て小声で返した後のこと。
久慈殿が向かった扉と、志乃殿が向かった扉。 どちらに進むべきか躊躇ってしまわれました。 薬売りの芙蓉殿は、どの選択をされたことでしょう。
高い天井を見上げます。 志乃殿が彼方此方と視線を奪われるのもせんなきこと。 写真で見たことがあるお嬢様でも、細かな花の装飾など、実物との違いに驚きを隠せません。
エントランスの奥に大階段を見つけると、足は自然とそちらの方へ。]
(148) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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[どのくらい眠っただろうか。
夢の中で子守唄らしき聲>>126を聴いた。
男の低く、…けれど柔らかい聲だ。 その聲の主に「強情な女だ」などと思われていることなど露知らず。
その昔、夫が坊を寝かしつけてくれた晩の事を思い出す。
――ギィ、
何か軋む音を聞いた気がして、そっと目蓋を持ち上げる。
年若そうな男の聲>>133、 それから先程織物を譲ってくれた男の聲>>138。
それ以前もなにかやりとりがあったようだが、 夢現の狭間を彷徨っていたので、聞いてはいても内容までは…。]
(149) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
|
|
[再び男の刻はゆっくりと動き出す。 見渡せば、成程立派な造りの館である。薔薇の意匠、高い天井、煌びやかな装飾の数々。 少年はこの館の関係者なのだろうか、再び浮かんだ疑問は誰にとも問うことは出来ぬ。一つ、雪のように心の中に積もるのみ。
折角迷い込んでしまったのなら、気の向くままに見物してしまおうか。未だ手に握ったままの招待状がそれを許しているような気がして、一歩一歩踏みしめるように館の奥へと歩いていく。]
…………。
[ふと、目を止めたのは『Library』と書かれた札のついた扉。何か意味のあるその文字は、西洋の文字であることは理解できたものの読み上げることは叶わなかった。 故に、その扉を開こうと取っ手に手を伸ばす。 施錠されている可能性も頭を過ぎるが、それは杞憂に終わる。扉は小さく軋んだ音を立て、その内側を男の前に曝け出した。]
(150) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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[判らぬであろう言葉に返る真摯な答えに、唐傘に対するそれに。 なんと明るく真っ当な子供かと、男はやはり目を細め。 比喩するならば彼女こそ宵に輝く明星に成り得よう。 誰其彼の道を照らしうる、誰かの道標にと。]
素敵な事をお知りでいらっしゃるのですね。 ああ、傘は気にせずともよいのですよ?
[大した言葉もかけられぬ、老いぼれだ。 長く生きても、年端も行かぬ子供に気を遣わせてしまう様な。]
私はもう、暫く。
[その言葉は、少年が後ずさりするほんの少し前に雪と共に落つる。]
(151) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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[礼を言うべき相手かと思い、 年若い聲の方にちらり瞳を動かした。
目が違う。
第一、彼があの少年だったなら、 織物の男が何か言いそうなもの。
それに、楽しげな男>>138に反して、 年若い方は少し引いているようで。 あの少年からの雰囲気とは違うものを感じた。
二人の会話から察するに、この館の者でもなさそうだ。
暖かさと疲労で未だぼうっとした頭。
まどろみに勝る興味を持てなかったか、 二人の攻防を耳にしながら再び目蓋をおろす。]
(152) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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[差し出した唐傘は二度返され。 伸ばした指先は怯えを生んだか。]
………。
[苦い笑みを浮かべ、細く荒れた手を引っ込める。 払えなかった白は少年が後ずさることで、少しは地にこぼれよう。 海にも空にも似つかぬ青を纏う瞳に、憂いた苦笑をただ向けて。]
(153) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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[後ろの青年に織物は投げ、正面向いて暖炉へと向き直った。
静かな部屋にはパチパチと、薪の爆ぜる音が響く。 遠くで階段を上る足音がして、天井が少しだけきぃきぃと軋む。 人の気配は少なくは無いようだ]
(154) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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アタシは迷子じゃないもーん。
[ツーン、とそっぽ向きつつ。>>142]
そーだ。おっちゃんと少年、って言うのも何だし。 名前、聞いてもいい?
[そう問いながら、まずは自分からと名乗ろうとしたけれど。 言葉に詰まって。]
アタシ、は……。 アタシの名前は素敵すぎて、聞いたら気絶しちゃうんだ。 だから……。 ミケでもタマでも、何でも好きに呼んで? あっ、でもやっぱり……。
[猫の名前ベスト3に入りそうな名前を挙げつつも、実際に呼ばれたら、それはそれで怒りそうな自分。 うんうん悩みつつ。]
(155) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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―― 洋館・書斎 ――
[男の訪れを知っていたかのように明かりの燈された部屋の中を、入り口に佇んだままに見渡す。 そこは、書籍の詰められた書斎であった。
刹那いつも勤めている書庫のような、かつて別の場所で見たような――錯覚を起こすも、一つ小さく首を振れば、震える結髪と共に視線もまた落ち着きを取り戻す。
中央には大きな机と椅子が一対。 窓すら拒絶するように、壁一面を書架が覆っている。そう広くない面積を、詰められた本が書籍が更に圧迫しているように見えた。 これではまるで、書斎というよりも]
……監獄……。
[書架に近づき、背表紙へと視線を走らす。 どれも全て西洋のものらしく、札と同じ、題を読むことはできない。 あの『も・の・とおん』の書籍もその中に紛れているかもしれぬと次々に題を探っていくが、見つかることはなかった。]
(156) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 01時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 01時半頃
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――――…な、何をする!
[一呼吸の間。 我に返ったように、顔を覆った薄青を鷲掴みに引き剥がすと、半ば立ち上がるようにして男へと振り返り、きっ、と睨み付け]
いらぬものは…!
[しかし同時に目に入る暖炉。 視線を泳がせ、声も泳がせ]
…いらぬ
[繰り返す、言葉。 握りしめた織物の柔らかさに更に顔を歪め、再び座り込んだ**]
(157) 2012/12/31(Mon) 01時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 02時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 02時頃
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あぁあっ!! あ、ありがたく借りるよっ!
[青年へと伸びた手が、下に落ちるのを見れば。>>153 唐傘の事もあってか、気落ちして見えたので。 慌てて唐傘を受け取り、斜めに被って、ポーズを決める。]
……どぉ? ハイカラ?
[ふふりと笑って。もう暫くこの場に居ると聞けば。]
お地蔵様? 唐傘ありがとー。 ……アタシ、借りた方だけど。
[雪の中、唐傘を被って座っていたひと。 アタシに、唐傘を貸してくれたひと。 冗談めかして手を合わせ、にひっと笑った。]
(158) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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[こうべの雪、肩の雪は、後ろに踏み出した拍子、ぽろ、と崩れ落ちる。 目の前の男が今まさに、その雪を掃おうとしていたことなど、私は思いもしなかった。思うことが、できなかった。]
――――、
[向けられた苦笑>>153から、私は目を逸らし、まさにそっぽを向いている有様であった。 はっと瞬いたのは、女子に名を尋ねられた時>>155。 それでもなお、真っ直ぐ二人の方に向き合うことは出来ないままだった。]
(159) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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朧は、熱心に書籍の背表紙の題を辿っている**
2012/12/31(Mon) 02時頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 02時頃
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――亀吉、と申します。
[ややあってから、猫の名前ばかり二つ挙げる娘の、あの荒れた手をした男の前で、私は名を告げた。]
真の名を聞いては成らぬのならば、私はお前のこと、 これよりはタマと呼びましょう。
[冗談のつもりで無く至って真面目に、こうは言ったのだが]
(160) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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私の名前ですか? 私は風伯………………
[そして瞬きをひとつふたつ。 奪われるようにして手にとられた唐傘は、少女には幾らか広いだろう。 使い古された、けれどしっかりとした其れは彼女のお気に召したかどうか。 ポーズをとる様には、やはり笑って数度手を叩いた称賛を。]
愛らしいですよ。 ああ、そう、私は風伯雷門と申します。 おっちゃんで、十分ですがね?
[傘地蔵は次第に雪をその肩に、頭に乗せゆく。 笑う少女には釣られたように笑みを。 またも気を遣わせてしまったことに、苦笑は裡に留めながらも。]
(161) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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[閉じた視界の中。
年若い男の聲が高まって>>157、 ピクリと肩を跳ね上げ、目を開く。
もぞもぞと動いた後、ゆっくりと体を起こした。
「外は寒かったでしょう。お使いになった方が。」
出かけた言葉を呑み込む。 そんな言葉を掛けずとも、手にしっかりと握られた織物を見てしまえば。
その時は、視線や聲の泳ぎは、 織物の温もりに屈服したのだと思うに留まった。]
(162) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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[振り返り、背後の大声を見上げた。>>157 どうやら苛め過ぎてしまったか。が、ひねくれた己は此処で謝ると云うことをしない]
静かにしなさい。 寝入るおなごを起こしてしまう。
[否応無しに黙り込むのを期待した、のだが。 青年はどうやら意識散漫、己の声には耳を貸していない様子。青年がなにやら意識を向ける先は――あの「暖炉」か?]
そうか、いらぬか……。
[覇気を失った青年が座り込む。 奇妙な様子を見てしまった己には嗚呼、返せる言葉はひとつしかないのだ]
(163) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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亀吉さんと風伯さんかぁ。
[名前を聞いて>>160>>161、こくこくと頷くけれど。 『タマ』と聞けば。]
やっぱり、やだぁああ!! えーっと、えーっと。 じゃ、亀ちゃんに合わせて鶴ちゃんにしようかな。 ……って、何じゃそりゃー。
……。私の名前は、小雀 小鈴。 でも、この名前、キライなの。 だけど、他に何も思い浮かばないから、しょーがない。
(164) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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[そんな折に、ふと目が娘と男の方へ、ちらっと戻る。 私が「タマ」と今呼んだ娘の、あの唐傘を手に取った立ち姿>>158。 ぱちりと瞬き。思わずまた、ふたりのほうに向き直る。 唐傘の主の男が手を叩く様を、娘の冗談めかした仕草を、ふたりの笑みを、見る。]
ふふ。小粋に輝く星のよう、――――…
[少しだけ笑えた。 けれど結局、私は目をまた逸らした。 それから、屋敷の扉へと手を掛ける。]
(165) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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……亀ちゃんはさー、触られるの苦手なの?
[雷門の手を避け、そっぽ向いていたのを見て。 聞かれたくないかもしれない事を、思わず聞いてしまった。]
(166) 2012/12/31(Mon) 02時頃
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亀吉君。
[逸らされた顔に告げる復唱。 憂う様子を向けたまま、男はその横顔を見る。 触れず行き場を失った手は、唯只地面に落ちるのみ。]
小鈴さん。 可愛らしい名前ではありませんか。
[小さな鳥と、小さな音。 どこぞの詩人が詠いそうな名には表情を綻ばせたものだが。]
(167) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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――暫し前――
お坊ちゃん。 そうですねぇ、まだそちらの方が耳馴染みが良さそうだ。 美しいなどと勿体無いお言葉。有り難く頂戴いたします。 風伯、雷門様。この脳裏にしかと刻み込みました。 商いの道ではまだまだ子供も同然、これも何かのご縁とどうぞよしなにお願いいたします。
[それは知らぬと同義の言葉。 老爺雷門の思い>>108知らねど、やはり名に覚えはない。 会釈を繰り返すのに会釈を重ねて、黒い扉を開け入る。]
(168) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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[もそりと音がしたのはその直ぐ後だったので]
………遅かったか。 お早う。…と云うような頃では無いがね。
[注意は功を奏さざりけり。身体を起こした女を見れば>>162思わず溜息の一つも出よう。 笑みを浮かべて女に挨拶を向けてから、己は座っていた席を立った。 窓の外は暗い宵、曇天の雪模様。良くこんな中を皆歩いてきたものだ]
たんと暖まった処で、己は少し異人屋敷の探検にでも行くことにしよう。 では、また後で。
[女の寝入りの番は終わった、外に幾つかある気配も気になる。 己は居間の扉へと向かい歩き出す]
(169) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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――屋敷内――
武士も、御上も、人は人。 草の前に人は平等にございます故、恐怖というものは、さして。
[さて刀は傷を作るから喜ばしいなどとは思わぬが、殺めの刃であるから恐ろしいとも、思わない。 刃は刃、包丁も木皮削る小刀も貴賎なし。 おそらく自分に向けられたのではなかろう問い。しかし一歩距離を取る武士姿>>90には、気を遣わせているだろうかとそう答えた。]
(170) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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芙蓉は、それが人斬り刀か問う言葉を聞いても、眉が僅かに動くだけ。
2012/12/31(Mon) 02時半頃
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いかにも、薬の御用命ならこの芙蓉の紋が承りましょう。 傷薬は、湿布と軟膏だったらどちらをお求めで。 膿止めもあるに越したことはないでしょうから、お譲りしますよ。
[傷薬を求める声>>91には、芝居じみて深礼してから笑いかける。 西洋鞄を真似ようと拵えた薬鞄は、他の薬売りのように行李を担がなくてよくなった愛用の品だ。まだ行李の様相を残してはいるが、持ちやすくなったのは画期的だと自負していた。 自慢げに話し始めれば、まさかこの物売りに化けようと思われているなど、勘付けるはずもない。
薬売りに動揺した>>95らしき少女はどうだろうか。 本来ならば彼女こそ客であってほしいものだが、あいにくこちらは医者ではない。 求められた薬を売るばかりの薬売りであるから、つまり求められぬなら、押し付けることはしたくないのだが。]
(171) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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雷門は、小鈴の問いかけに少し目を丸くして。
2012/12/31(Mon) 02時半頃
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[もし、機会があればこれだけでも。 懐紙に包んだ"秘薬"のことを思い、そっと薬鞄に触れる。 そうするうちにも、その少女は何処ぞの部屋へと消えてしまっただろうか。]
――道を聞ければいいだけなんだがなぁ。
[弱ったように頭を掻いて、辺りを見回す。]
(172) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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[と――部屋を出ようとしたところで、ゆうるり振り返り]
ところでつかぬ事をお聞きするが、
[わざと神妙に云ってみる。 二人の姿に視線を送り、問うた**]
己は慶と申す者だが、お前さん達の名は何と云ったかな。
(173) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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小粋ー……。
[雷門に手を叩かれれば>>161、嬉しそうに、にひっと笑って。 亀吉の言葉>>165には、少し照れて、頬を赤くして。けれども。]
おやおやぁ……?
[亀吉が少し笑ったのに気付けば、少し悪戯っぽく笑いながら覗きこんだ。 扉に手を掛けるのを見れば、引き止めたりはしないけれど。]
(174) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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風伯、雷門。
[かの男の告げた名を、小さく、呟く。 その名を口にできた程度には、私も少しは気を取り直していたのだろうと思う。 けれどこの時は、結局、それ以上何の言葉も発せなかった。]
(175) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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小雀、小鈴。
[それから今度は、タマ、もといかの女子から伝えられた名を。 この時、私自身、おのれの顔色が軽く憂いていたのが解った。 それは何も雷門の事だけでは無い。 やっぱり……は何となく判っても。彼女自身が告げた呼び名、何故急にやだと嫌がられるのか解らなかった所為だろう。]
嫌いだと言いながら、……不思議なものだけれど。 それが望みならば、小鈴さん、と呼びましょう。
(176) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 02時半頃
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 02時半頃
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ありがと。
……でもね。 名前なんてどうでも良いって。 苗字から『め』を取って付けられただけの、名前なんだー。
[言いながら、ぞくりとした。 名前にまつわるもう一つの事を、思い出して。]
(177) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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[名前を繰り返されれば>>176、こくりと頷いて。]
うん。宜しく。
[その名前を聞く度に、自分は要らないのだと思い知らされる。 だけど、名前を考えるのは、私も苦手な様だ。]
(178) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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――――、
私はね。好かないよ。
[触られるのが苦手、と。>>166 その言葉が聞こえた時、私は瞬き、顔を少し引き攣らせていた。 私は小鈴から、それとなく視線を外しながら、至って簡単にこれだけ答える。]
触れられるは、ね。好かない。
[横の方、雷門からの視線を感じていた>>167。 未だにその方に、まともに向き合うことは出来ない。 名乗った名を呼ばれても、うんと頷いたり、宜しく、の一言も掛けられない。まだ、そんな有様だった。
言葉にこそしなかったが、手を取られること程度なら此処まで気にすることではなかった。 ただ、人に珍しいと言われる色合いの髪に、目に触れられるかとあの時は思って――]
(179) 2012/12/31(Mon) 02時半頃
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―大階段・踊り場―
[踊り場には大きな時計がありました。 時を刻むものと知ってはいても、時の読み方までは知らぬよう。 針が止まっていると気付いた頃には、お嬢様の額に幾つか汗の玉が浮かんでおられました。
簑を漸く外します。 胸に散った赤は返り血でしたが、左の袖が裂かれた所はお嬢様自身の血。 苦笑を浮かべて手摺を掴み、階段を上がろうとする身が沈みました。 目眩に額を抑えて蹲ります。 暫くすれば治ると、暫く手摺にもたれ掛かっておられました。*]
(180) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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そーなんだ。 ……ごめんね。
[外される視線>>179。こちらはじっと見つめながら。 嫌な事を聞いて、答えさせてしまったと、謝罪をする。 何でだろうとは思うけれど、それを問う程、無神経ではないつもりだ。]
(181) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[小鈴に、この青い目に触れられ――では無く、覗き込まれた。>>174 今度は別の意味で視線が泳ぐ。 さっき照れたように顔を赤くしていた小鈴と、何処か良い勝負かもしれない。]
お前、何を、
[何を言いたいのだ、という言葉までは発せず仕舞いのまま。 軽く咳払いしてみせて、なんとかこの場を誤魔化そうと、 今度こそ本当に館の中に行ってしまおうか、と思ったところに。]
(182) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[名を復唱した時に、似ている、とは漠然と感じていたのだが。 小鈴>>177が話す名の由来に、暫し身体の動きが止まった。]
然様、か。
[ただそれだけが、ぽつりと口からこぼれ出た。 自分が思う以上に、彼女にとってはその名が「嫌」なことだったのかもしれず。 かといって、この場で気の利いた一言を掛けることも出来ないままで居た。]
……あぁ、宜しくね。 じゃあ、私は、先に中に行ってるよ、―――。
[そのまま、振り向かずに扉の向こう側へと歩き出す。 確かに聞こえてきた謝罪に、感じる眼差しに>>181。 うん、と。それ以上は言葉も無く、俯きながら。**]
(183) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[若人の話を割って入りなどは出来ず。 うら若き男女の会話や動作には、人知れず微笑を湛えるのみ。
『め』が抜かれたという名前に、連想しうる恐ろしげな行為が脳裏を掠めつつ。 それ以上深くを探ることはしなかった。
『触れられるは好かない』という声に、やはり向けるのは苦笑になろうか。 其れさえも視界から拒絶されているとは、容易に知れるもの。 その行為に感じるものは不快感ではなく。
謂うなれば。
『哀しい』 で、在ろうか。]
(184) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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──神社境内──
[少年より受け取ったもの>>38は招待状であった。 白地に銀の箔押しで縁取りされた流麗な文字。
封を開けようと擡げた右手を少年に取られ、手を引かれるまま雪積もる長い階段を下る。]
(185) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[小走りに駆ける少年を追う、まろぶような足取り。 村と境内を繋ぐ二百段からなる石段を、積もった雪に足を取られぬよう気をつけて下った。
ようよう下り切って、一息つく間もなく。 少年は尚も手を引いてゆく。
足の痛みは不思議と気にならぬ。 しかし宵闇に散る雪花は少しずつ量を増し視界を奪う。]
(186) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[どれほど進んだ頃か。 細い嘶きのような音を発し、強い風が吹き付けて来た。]
──っ!!
[冷たい雪の礫を叩きつけるような風に、思わず袖で顔を覆う。
頬にぴしりと雪が当たったは十秒足らずの事であったが、袖を下ろし顔を上げた時には、手を引いていた少年の姿は何処にもなかった。]
(187) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[辺りを見回し、気付く。 巫女が立って居るのは、一面の銀世界の只中。
見慣れた山間の村道を進んで来た筈であったのに、銀雪に埋もれた田畑の隆起もなく、境内へと続く長い長い石段どころか、神社の据えられた山すら、見つけることは出来なかった。
ただ。 銀世界の中心に鎮座坐す大きな洋館だけが、静かに降り積もる しろ の中、黒々とその威容を晒して居た。]
(188) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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―回想・エントランス―
薬売り。 あなたは実に面白いことを言うのだな。
効用という意味では確かに平等であるが、本当に平等だと思うているのか。
[金を積めば積むほど、効用の高い薬が手に入るものでしょう。 西洋の薬のように。]
恐怖はない――左様か。 怖いと二人に言われていたら忠告するつもりだった。
ならば離れろと。 私を見るなと。
[一番の解決策でございました。**]
(189) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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[亀吉が中に入ると聞けば>>183、頷いて。]
アタシも、中に入るよ。 おっちゃんも、風邪引かないうちにね。
[にひっと笑って、扉に手をかけ、洋館の中へ足を踏み入れた。**]
(190) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 03時頃
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おはよう、ございます。 ありがたいお気遣い…痛み入ります。
[溜息を吐くのには、座し直してぺこりと頭を下げた。
屋敷の中を探検するという男>>169の背を見送りながら、 先程の年若い男がきちんと温まっているか気になって。
腰掛けの影で、丁度見えぬ場所にいる青年に 声を掛けようと口を開けたところ…。
部屋を出ようとしていた男が振り返り、訊ね事があるという。]
…はい、なんでしょう。
(191) 2012/12/31(Mon) 03時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 03時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 03時頃
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[首を傾げて待っていると、 男の名と共に質問を頂戴した>>173。
「お前さん達の名は何と云ったかな。」
そのような事を神妙な顔付きで…。
可笑しくて、ふ、と笑みを零す。]
私は…おみつ、…相馬 みつと申します。
[そして腰掛けの影にいるであろう青年に意識を移す。 きっとこの青年もあの少年に招かれたのだろう。
耳を澄ませば、奇妙な同士はまだ在るようで。
いよいよ「何故自分がこのような場所に」、 と疑問が湧いてくるのだった。**]
(192) 2012/12/31(Mon) 03時半頃
|
|
[落とされる言葉は雪の様に、明星の様に。 はらりと落ちる花の香りは優しげで朧げで、果敢無く脆い。]
私も、後程。
[去りゆく少年少女の背に其れだけを告げると 唐傘も亡くなった男は、入り口の前に只立ち耽る様。 鈍色を見上げ、舞い落ちる花弁の白を見上げ。]
(193) 2012/12/31(Mon) 03時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 03時半頃
おみつは、恐る恐る腰掛けに座ってみta。**
2012/12/31(Mon) 03時半頃
おみつは、恐る恐る腰掛けに座ってみた。**
2012/12/31(Mon) 03時半頃
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[見上げる空はいくらかに遠い。 その向こう岸。 誰かを待つようにして、男は立っている。 頭に、肩に、白が降り積もりても。 一人で雪空の下に在る。 新たな客人がこようなら、挨拶を同じく繰り返すだろう。]
今日は、大変寒く御座いますな。
[そうして今暫くは *雪の中*]
(194) 2012/12/31(Mon) 03時半頃
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[暫く雪原に佇んでみたが、少年の戻って来る様子はなく、狐に摘まれたような心地で洋館へと歩みを進める。
さくり。 さくり。 さくり。
点々と あか 滲ませ、洋館の前へと至った。]
(195) 2012/12/31(Mon) 03時半頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 03時半頃
雷門は、雪を踏む音が近づけば、挨拶の言葉を述べる。
2012/12/31(Mon) 04時頃
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[洋館の扉の前には、男が一人立って居る。 >>194此方に気付くや、声を掛けられた。
直ぐには答えず、しげしげと男を眺めやってから]
さむぅ御座いますれば──中へ。 おはいりになっては、如何ですか。
[女にしては少し低く、梢を揺らす風のような掠れた声が、穏やかに男へと返る。]
(196) 2012/12/31(Mon) 04時頃
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|
[これまたうら若き少女、であろうか。 愛らしい高さの背丈は五.七尺程度の男の身長からは見下ろす態となる。]
私は、雪を眺めて居るのです。 もう暫くもすれば、中へと思っておりますよ。
[そして気付く、その足を彩る色彩。 困った顔を見せ、梢の揺れるような声に返すのはどの様な音に思われるのか。]
履物は、如何なされました?
(197) 2012/12/31(Mon) 04時頃
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|
[紅を刷いた、艶やかな唇。 くっと、下弦を描く。]
あなたは、此方のお屋敷の方ではないのですか。
[射干玉の双眸でひたと男を見据え、問うてから小首を傾げた。
それから、思い出したように。 左手に持ったままの招待状を男へと示し]
これを、いただきました。 紅玉のような、珍しい目の、男の子から。
(198) 2012/12/31(Mon) 04時頃
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|
[紅が鮮やかに美しい、その唇が描く下限。]
申し訳ない、私も貴方と同じ者でして。 招待客……と謂えば宜しいのでしょうか。 紅い目をした男の子に、導かれやって来たもので。
[同じ招待状を目にすれば、表れるは苦笑であろう。]
(199) 2012/12/31(Mon) 04時半頃
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招待状と書いてありました。 何か──ご存じないですか?
[問いは、男の返答>>197の後。
雪を眺めて居ると聞けば、男と頭一つ分にも満たぬ差の、近い目線で深く頷きを一つ、ゆるりと。]
あゝ。
[わかります。 さやと揺れる風の如く、囁くように返る声。
舞い散る雪を、只見て居たは、自分も同じ。]
(200) 2012/12/31(Mon) 04時半頃
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草履は……さて。 何処ぞで、落としたか。
[はじめから、履いてなど居なかったが。 見知らぬ男に云う内容に非ず。 曖昧に語尾を濁す。
>>199男が同じ境遇と知り、射干玉のまなこは暫し、思案げに伏せられた。]
(201) 2012/12/31(Mon) 04時半頃
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『異国語』に精通するわけでないので、如何せんながら…。
[存じない、という事は首を振った動作にて知りえるだろう。 申し訳なさげに告げると、深く頷く様がすぐ側に見られようか。 感嘆詞が零れ落ち、其れが雪を見るに対する事とは露知らぬまま。 只今は揺れ落ちる白から滲む赤へ、男は視線を移していた。]
…そのような足では冷えてしまう。 さあさ、中へお入りなさい。
[曖昧な語尾を釣り上げる事はしない。 けれどしかし、このまま放って置くわけにもならず。 伏せられてしまった射干玉に、憂いの声をかける *のみ*]
(202) 2012/12/31(Mon) 04時半頃
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[白い手が伸び、男の頬を捉えんとする。 触れ得たならば、ぞっとする程冷たい手が、男の頬を撫ぜた。
避けられれば追わず。手は大人しやかに退く。]
……中へ。参りませんか。 あなたの仰るように、ここは寒い。
傘も差さずそのように立って居られては、そのうち風邪をひいてしまいましょう。
(203) 2012/12/31(Mon) 04時半頃
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[男は逃げる手段を選ばない。 よってその冷えた手は、痩せこけた男の頬に冷という熱を移しゆく。 背筋も凍る寒さ、とでも評そうか。 けれど不快などではないことが、不思議である。]
………ええ、そろそろ行きましょうか。 温かな飲み物でも頂ければ、嬉しいのですがね。
[男はようやく館の中へ進むを決める。 それは、そう。 白い粉雪降り積もる中、立ち尽くしていても会えぬのだと。 遠い岸の向こう側を思いて見つめる鈍色が、人に会う度に『哀しく』思えたから *か*]
(204) 2012/12/31(Mon) 05時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 05時頃
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[痩せた頬を、氷水に浸したような冷えた指が伝い下りる。 冷たくもやはらかな、労働を知らぬ繊細な指先は、男の輪郭を顎まで下りて、そっと離れた。
同意を得て、瞳はゆるりと細められる。]
では、参りましょう。
[頷いて、男と並び中へ向かう。 扉まで数歩の距離を、また あか が彩った。]
(205) 2012/12/31(Mon) 05時頃
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[冷えきった足裏に、刃を抉り込まれるような痛み。
ずきん。 ずきん。 ずきん。
痛みは熱。 熱は血潮。
切るような痛みが 生 を、実感させる。**]
(206) 2012/12/31(Mon) 05時半頃
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―回想・エントランス―
[芙蓉殿は薬鞄を見せ、沙耶様に薬の話>>171をされていました。 視線には疑いの色も混じっていきます。 お嬢様が考えた事が既に実行されて、この男が薬売りでなかったらと一度考えてしまえば止まりません。 その笑みの下に何を隠しているのでしょう。その薬鞄の内に何を隠しているのでしょう。]
湿布と軟膏?
[腕の刀傷を窺うように簑の中で動かしますとじわりとした痛みがして眉が寄ります。]
――足りないのは軟膏だ。
[膿止めまで支払える銭があったかどうか躊躇われます。]
(207) 2012/12/31(Mon) 13時頃
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そうだ、薬売り。
[要望を伝えた後、芙蓉殿との距離を詰め、志乃殿には聞こえぬように声を潜めます。]
(208) 2012/12/31(Mon) 13時頃
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[冷たく柔らかな、女子の指。 温かく荒れた、老人の指。 射干玉色を眺め、郷愁を重ねるは誰ぞにも判らぬこと。]
着きましたら、先ずは手当を致しましょう。 幸いにか、薬屋も招待客の内に一人居りましたから。
[そんな会話にも赤は白を染め。 痛々しげなそれに、老人は憂いを滲ませる *ばかり*]
(209) 2012/12/31(Mon) 13時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 13時頃
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[エントランスにはお嬢様と芙蓉殿の二人きり。 手の内で曲がってしまった封筒を芙蓉殿に差し出されました。]
あの異国の少年に誘われたのだろう。 ぱーてぃーとやらに。
それが終わってからでも良いのではないか。道など。
[お嬢様が知りたい道は帰るべき道ではなく、何処かへ進むべき道でしょう。**]
(210) 2012/12/31(Mon) 13時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 13時頃
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―何処かわからない雪の中―
[ここは寒すぎていけない。口を開くのも躊躇われる。 少年の頭上を透かす傘。傘越しの空は雲に覆われて、今が何刻かもわからなかった。 しかし不思議な傘だ。こんな素材で出来たものは初めて見る。全てを透かす、遮らぬ、偽らぬ、拒まぬ。]
…行きますえ。
[ゆったりと言って、招待状を受け取った。 嗚呼、やはり口が上手く開かない。 いっそこの雪とやらが吹雪というもので、吹きつけるほど激しいもので、自分の口に押し入って喋れぬよう塞いでくれれば早いのに。]
(211) 2012/12/31(Mon) 13時半頃
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―それから―
[雪というものは儚い外見と裏腹に強情らしい。 途中足を取られ何度もつまずいた。少年の姿などとうに見失った。]
あの異人さんはどうも不親切さねぇ。 あたしにも一つ、雪避けになるものをくれりゃええのに。
[それでもぶぅつを履いていたおかげで、歩を進める足だけは凍えずに済んだ。普段は避けていたはずなのにこんな時だけ履いたのは、さて一体どういう縁か。
____ふと。 うっすらと隠れ始めた足跡に気付いた。 それだけなら大して気にならなかっただろうが。]
(212) 2012/12/31(Mon) 13時半頃
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…赤。
(213) 2012/12/31(Mon) 13時半頃
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[雪の中に薄く重なる、赤い染み>>37。]
異人さんの置き土産かねぇ。
[のんびりと微笑む。あの少年も、紅い瞳をしていた。
あか と しろ と くろ と 入り混じらぬ透明の]
(214) 2012/12/31(Mon) 13時半頃
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[もちろんそれが瞳でないことくらい理解している。 もちろんそれが血の跡であることくらい理解している。
誰の血か。そっとなぞるが知ることはできなかった。 雪に触れた指先は冷たくなるばかり。]
→館へ
(215) 2012/12/31(Mon) 13時半頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 13時半頃
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―館・入り口―
くろとあか、どちらが好みかと聞かれれば、赤と答えますでしょうなぁ。
ましてこんな館を見た日には。
[赤い血の跡>>188>>195を辿り、聳え立つ黒い塊に突き当たって。 その威容な、異様な外観に、思わず身震いして前身頃を手繰り寄せた。 自分を導く、人の身体を流れる温かいものと、 それが導いた先の、白い景色に浮かんだ悪趣味な西洋屋敷と。 あの少年が持つ色彩全ての中に放り込まれて、考えるのは不思議な二者択一。]
(216) 2012/12/31(Mon) 14時頃
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[けれど館の中に入れば、その選択も迷うというもの。 噎せ返るような香に眉を顰めた。あれは恐らく薔薇という花の香だ。赤い、大輪の。あたしはあまり好きじゃない。]
やっぱりあかもくろもごめんだねぇ。
[たまごがさきかにわとりがさきか?
そんなことは知りやせん。]
(217) 2012/12/31(Mon) 14時頃
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『西洋薔薇というんだよ、美しいと思わないかい?ウト』
[いいえ、おまえさま、あたしは少しも思いません。 大体ここは日ノ國で、それが根付くには大変な時間とお金がかかります。]
『何を言うんだ、おまえだって、立派に根付いて見せたじゃないか』
[いいえ、おまえさま、あたしはそうは思いません。 ここはあの場所でも西洋でもなく、あたしはただの擬態した余所者です。 ここまで擬態してみせたあたしの苦労を、おまえさまは知りやせんのでしょう。言葉遣いから服装から習慣から何から何まで変えました。おまえさまの知らないところで、知らない時間を費やして。
ねえ、おまえさま。]
(218) 2012/12/31(Mon) 14時半頃
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誰か、おりやしませんの?
[ 声はエントランスの高い天井まで、木霊のように響き渡る。 ああ、結局あたしは独りぼっちか。 ]
(219) 2012/12/31(Mon) 14時半頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 14時半頃
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― 居間 ―
[部屋を出て行こうとする己に頭を下げる姿>>191はやはり礼儀良く妙に堅っ苦しくて、己はおう。と薄い一言ひとつしか返せなかった。 その浮つきの無さはどこぞの名家の下仕えか、或いは己と同じように……いや、詮索はやめようか。どんな人にも様々な事情があるものだ。 深入りする前に名だけ耳にして去ろうとしたが]
……あァ。―――良い子だ。
[一瞬の笑顔>>192を見落とさなかった。 それは、冷たい雪一面の中に春の花が咲くようで]
みつさん、いんや……みっちゃん、か。 有難うな。
[中々良いものを見たと、少しばかり上機嫌になってもいいだろう? そうしてもう一人の青年の名も聞けば、今度こそ居間を立ち去った]
(220) 2012/12/31(Mon) 14時半頃
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― 館内:1F廊下 ―
[『キィ―――――…』
真鍮の取っ手を押し、重い扉を開く。天井がやけに高い廊下に、その音を木霊させて。
その木霊に木霊が重なった>>219]
……あいよ?
[咄嗟に応えた己の声もひどく反響した。 広い館の中で、視線は声の主の姿を探す]
(221) 2012/12/31(Mon) 14時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 14時半頃
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―館内:1F廊下―
[震える唇で言葉を紡いだ>>219と同時、扉を開く音>>221に驚いてそちらを向く。 声は木霊となっていたが、まさか本当に御霊でも呼んだか。…いや。
館内を進み目の端に止まったのはぼろぼろの着物を纏った男。失礼だが、とても御霊の類には見えない。ましてこの洋館の主にも。 ともあれ人がいたことに安堵して、館の温かさによって少し緩んだ口角を上げて微笑んでみせる。]
ああ、よかった。 誰も見あたらんので、このまま行き倒れりゃせんかと思ったところでした。 …あんさんも、「ぱあてぃ」に招かれたんで?
(222) 2012/12/31(Mon) 15時頃
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[喋る間にも手を動かし、 …あった。招待状を掴み取ったが、雪の中何度も転んだせいで紙はずぶ濡れになっていた。]
あれま。 これ、あたし参加させてもらえるんですかねぇ。
[わざと困った表情を作ってみせる。]
(223) 2012/12/31(Mon) 15時頃
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[姿を探すより先に足音が響いた。>>222 視線を向ければ其処には女の姿]
ぱぁていっちゃあ…宴のことか? あァ、そうさ。 出迎えがこんな風体で悪かったな。
[己の姿はとても異人館の客人には見えぬだろう、此れでは気分も台無しになりかねん。……其れが面白く、笑が漏れる。 此方からも距離を詰め、懐を漁る女>>223の前に立った処で――困ったようなその顔を見て、気づいた]
さァ、しかし己のような者でも連れて来られたんだから……、おや。 お前さん、南の者かい。
[顔立ちが、昔目にした南からの使者によく似ている。少し驚きと共に問うた]
(224) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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――回想:エントランスホール――
[面白いという評価>>189には、意外さを覚える。]
ええ、ええ、平等だと思うておりますよ。 好きや嫌いの思いで言えば、そりゃぁ薬を買い求めてくださるお客様が第一ではございまするが。 その同じ薬を飲む者ならば、平に等しくあるものでしょう。 ですから襤褸に震える童でも、凛と花咲くお武家様でも、まこと等しいものに思います。
[その好きな客は、減り続ける一方だが。 渡来舶来手を出せる者は、そうあればよい。 こちとら薬屋、傷病治るが望みの一つ。 だからこそ、手を伸ばしたい。けれど届かない世界。]
(225) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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[眉寄せる>>207のを見れば、ああ痛むのだろう、と。 思いはすれど、出来ることは薬を売るのみ。 医者ほど博学であったなら、他にも何かあったのだろうか。]
軟膏ならば、こちらが良いでしょう。桑と蓬と忍冬を、挽いて脂で練ったものです。 膿止めも兼ねてはおりますが、傷を乾かすにはあまり向いていない。 もしもじくじく痛むようなら、こちらを傷に押し付けてから布でも巻いて止めていただければ。
[言って加えて差し出したのは化膿止めの刻み葉。 手持ちが気がかりのようであれば、軟膏に少しだけ、売るに足らない程度まけてつけてやるつもりだ。 効能を気に入ってくれたところでまた銭をいただけばいい。]
(226) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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はい、他にもご入用で。
[向けた笑顔は商売気の滲むもの。 胡麻擦るように手を揉みながら、耳打ち>>208を受ける。]
(227) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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はあ、ぱぁ、てぃ。 生憎そういった御用向きだとは知らず、手を引かれるまま薬の入用だと思って駆けつけた次第で。 お人好しが過ぎたと反省の仕切りなのでございます。
ですが、そうですね。 招待と有らば、帰るのも無作法でありましょうか。 誘うてくれた子はもう居りませんが、ね。
[差し出される招待状>>210、自分の手にある物も同じだと、目線を下ろして確かめる。 何に招待されたかも知らないまま、ここに来ていた。 玄関先に留まるのも無礼だろうと、階段を登る武士姿を見送り薬鞄を閉じていたところで。]
(228) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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『誰か、おりやしませんの』
[木霊が響く>>219。 はいと声を上げていいものか迷っているうち、扉が開く音と、答える木霊>>221。 なんだ他にもしっかり人がいるんじゃないかと、軽く眉を上げた。]
(229) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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出迎えの風体が、何だって?
[話の端も聞いちゃいないで、聞こえた言葉だけ繰り返す。 紅花染めが、木霊たちへ足を向けた。]
(230) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 15時半頃
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いいえ、こんな男前な御人に一番に会えて、ガラにもなくはしゃいでしまいそうですわ。
…正直、あまり堅苦しい「ぱあてぃ」なんて、ようさん疲れるだけだもの。
[言葉は砕けているものの、恐らく「パーティー」に出席する身分であることは分かる者にはすぐわかるだろう。 自分は「ブーツ」を履いているから。 愛想笑いを返していたのもつかの間。 男の視線>>224に凍りつき、それから慌てて取り繕う。]
ようわかりましたなぁ。 はい、出身は南です。 ああでも、日ノ國のお仲間にさせてもらうよりずっと前に、縁あってこっちの仲間にさせてもろうたんですよ。 あたしはウト、といいます。
あんさんは、見たようですと…
[武家の出だろうか、という言葉は憚られた。 男の成りを見るに、そのまま出世した身分には見えなかったからだ。]
(231) 2012/12/31(Mon) 15時半頃
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…いえ。 ところでどなたか怪我をされてる方がおるようですなぁ。 あたし、血の跡を辿ってここまで来た>>205ものですから。
[あるいはこの男が傷を負ったか、…負わせたか。 のんびりと微笑み、話題を逸らす。 そうこうしているうちに現れたもう1人>>230。 鮮やかな芙蓉の着物と高い声は、女性のものかはたまた男性か。 じっと相手を見据えて、小首をかしげる。]
あんさんも招待客ですの? それともこの館の…いや、衣を見るに趣が違いそうですねえ。 あたしはこの館より、あんさんの井出達のほうがずっと好みですわ。
[そう言ってびしょ濡れの招待状をひらつかせた。]
(232) 2012/12/31(Mon) 16時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 16時頃
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>>27 「今日は大変寒く御座いますね」
はぁ、えろうさむうございますなぁ
[わしが先か男が先か気づかぬうちにいつの間に。 この屋敷の主人やろか?]
>>28
「いくらの若人とてこの寒さは厳しいでしょう。中へ入られては?」
少し、雪景色を見ていこう思うてますねん。 えらい綺麗ではありませんか? こない一面、白に覆われて
[ははあ。この方が屋敷の主人やな。 どのみちお邪魔はするつもりやけど、遠慮は大事。 遠慮なければ近憂あり。えらい人もゆうてはる。]
(233) 2012/12/31(Mon) 16時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 16時頃
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そぉかい、そぉかい。
[どうせ男前からは程遠いさ。 此の南の女>>231は随分と世辞が上手い様子。まともに取り合うのも面倒になって手をひらりと空に振る。
問いかけに一度笑顔が凍りついた瞬間は、相手が隠したので見なかったことにしよう。]
おォ、気が合いそうだ。 堅苦しい宴は好かねェのは己も同じさね。
以後宜しくな、ウトさん。 己は慶。まぁ……見た通りの者ですよ。
[さて、相手はへらへら笑う己をどう見るだろうか――どう見られようとも、さして変わらぬし構わぬからこんな事を云うのだが。]
(234) 2012/12/31(Mon) 16時半頃
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……血?
[のんびりした笑みに似合わず物騒な言葉に少し顔を顰めた。>>232 己の立つ廊下に視線を向けれど、其処には血の痕は無い。鉄錆に似た血の香は――何処からぞ漂う、此の世ならざる香に掻き消され。
其処に、新たなる客人の気配>>230]
……おォ。 なに、風体の悪い男だとね。 何度も云わせないでおくれな、悲しくなるから。
[声の主の方向を向いてひらり、手を振る。]
(235) 2012/12/31(Mon) 16時半頃
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[敏い>>224目と裏腹の、へらりとした笑み>>234。 ああ、この男は侮れない。そんな感想を抱きながら、当たり障りのない会話を続ける。 成る程、今のところ彼は踏み込むつもりはないらしい。]
慶さん、と言わはるの。よろしゅうに。 気があいそうなんて光栄やわ。こんな立派なお屋敷で、ちょいと緊張してたんよ。 そちらの御人は?あたしは、ウト。
[視線をもう1人に移す。おっとりとした笑みを絶やさぬまま。**]
(236) 2012/12/31(Mon) 16時半頃
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おや、お褒めいただき有難うございます。 そのように言われては、こちらもこの蝶のように赤くなってしまいますよ。
[出で立ちを褒められれば、嬉しい。 それを売りに、勝負にして生きている。]
招待客、であるようですね。 同じ招待状を持つもの同士です。 はじめはぱぁてぃなどと、知らずに来たのですが、ね。
[手の中の招待状を、はらと見せ。]
(237) 2012/12/31(Mon) 16時半頃
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[格好はつけてみたものの。寒さが芯に響いてくるわ。 わしより後に来る者もどんどん屋敷に入っていきよる。 ほんまにまあ、どの面も辛気臭い顔の多いこと…まあこの寒さで元気にしろゆうんも無茶な話やな。 >>51 んん。別嬪さんもおるやないか。ええがな。ええがな。あっ、あかん。顔引き締めな…よっしゃ髪も決まとる…あかん行ってもうたがな。 あほらしぃなってきたわ。ちょっと散歩でもしてみよ。]
(238) 2012/12/31(Mon) 16時半頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 17時頃
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寒い寒い。
[屋敷の回りを歩いてみたけど、なんや何処にも人家が見当たらんなあ。 けったいな。化かされとんのとちゃうか。 >>194 …屋敷の主人はまだ屋敷の前に立ってはるな。 おっ >>196 今度は巫女さんもいてはる。今度こそ。]
「………ええ、そろそろ行きましょうか。 温かな飲み物でも頂ければ、嬉しいのですがね」
[あほな。あんたがそこで言いなはるか。ばつの悪い。]
ちょ、置いてかはんとってえな。ほんまけったいな。
[とまぁそこで、一人扉を開く次第。 男一匹寒さがしみいる。一人で生きるは慣れたことかな。
……何考えてんねやろ。まあええ、はいろはいろ。]
こんばんは。どなたか居てはりませんやろか?
(239) 2012/12/31(Mon) 17時頃
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それは、申し訳ないことを致しました。 けれどこちらも商い人、風体で人を判断は致しません。
[素浪人と思しき男の様相に、傷薬の入用はこちらもだろうかと視線を向ける。 それから、血、という単語には傷を痛めていたらしい先程の武士姿の眉の寄りを思い浮かべるが、その蓑や手足には血の滲みはあまり見られなかったと思い直す。]
――傷のある人が居りますのは、好ましくありませんねぇ。駆けつけたいところですが、どちらの方やら。 うちはしがない薬売り。紋になぞって芙蓉とお呼びくださいませ。 ウト様、慶様、以後よしなに。
[ゆるりと、二方に笑みを向け。 命に等しい薬鞄を、軽く叩いてみせた。]
(240) 2012/12/31(Mon) 17時頃
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──洋館の外>>209──
[手当の申し出に、射干玉は地を向く。 雪に滲んだ あか を見、ややあってまた男へ戻った。]
ありがとうございます。
薬屋さんが──へぇ。 他にも招待された方がおいでなのですね。
──わたしは、ゆりと申します。 御山村の白烏神社で巫女をしております。
(241) 2012/12/31(Mon) 17時半頃
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──洋館 エントランス──
[男が扉を開けるのを待って、男より数歩遅れて中へ入る。 扉が閉まれば身を切るような寒さは和らいだ。
見慣れぬ舶来の品々で飾られた内部に、暫し瞳を瞬かせ、また、視線を落として片足を上げる。]
あゝ。
[雪を穢した あか が。 床にも付いて仕舞う。]
(242) 2012/12/31(Mon) 17時半頃
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[切れた右足を床に付かぬよう、一言断りを入れて男の二の腕に手を添える。]
……。
[細い。 掴んだ男の腕は筋肉の強張りを余り感じず、肉付きの余りよろしくない骨張った感触を布越しに伝えて来た。
思わず反対の手を伸ばし、労るように肩に触れる。]
(243) 2012/12/31(Mon) 17時半頃
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[そろり。洋館の中へと足を入る。 高い天井に、広いエントランス、花の香り。
猫目を最大限に丸くしていると、はた、と気付いた事がひとつ。]
あっ! 傘、傘! おっちゃん、まだ外に居るのに! 風邪引かない様にーとか言って! アタシが傘借りたままだったら、風邪引くじゃん!
[慌てて引き返そうとした所で、巫女と共に雷門が中へ入ってくるのが見えれば。]
おっちゃん、ごめんね。 傘、借りっぱなしで……寒かったよね。
[そう言って、借りていた傘を差し出して。]
(244) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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おや……商売人こそ、上客の見分けが得意ってもんではねェのかい?
[商売人らしく良く口の回るものだ。>>240 小気味良い口ぶりに冗談など一つ飛ばしながら、薬売りの名乗るを聞く]
薬売りの芙蓉……成る程。 名乗らぬも商売人の心得と。 宜しくな。 此れで安心して傷を負うことも出来るかね。
[くくく、と笑が漏れた。**]
(245) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 18時頃
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[>>239また別な男が館に入って来たのは、その後だろうか。 細い腕に掴まったまま振り返る。]
こんばんは。
[高価そうな着物に目を留め、小首を傾げて目を細める。]
あなたも、男の子に招かれて此方へ?
(246) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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気に入ってなど…!! ―――…おらん
[また少し高くなった声音は尻つぼみに。陰から現れた気配を下から睨みつけるようにして窺った。そういえば、起こしてしまうとかなんとか言っていた、と耳には入っていた言葉を思い出し、まだ半ば頭にかかっていた織物を丸めるようにして握り締めた。
振り返る男、投げられた問い。 はたり、と瞬き一つ。思わず視線を向けていたことに気づけば顔ごと逸らし、女子が答えるのを聞いた後]
…………明、之進
[たどたどしく*名乗った*]
(247) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 18時頃
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[寒さ緩めば、仄かに薫る白檀の香。 千早に焚き染めた香が、薔薇の香に混じる。
舶来の花の香りを深く吸い込み、ほぅと息を吐いた。
また一人、館の奥から、元気の良い娘がやって来た>>244。 己の支えとなって呉れて居る男へと傘を渡す娘へ会釈をし]
こんばんは。
[と、また梢揺らす風の音めいた低い声で挨拶をする。]
(248) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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あなたが薬屋さん? ──では、なさそうですね。
どうやら、あの子。 たくさんの方に招待状を渡して回って居たのですね。
[あの子──とは、自分を此処へ導いた少年のこと。
まだ他にも招待状を配って回って居るのかもしれないと、軽く館の中を見渡した後、はたと気付いた。]
(249) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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[そうして、きょろり、洋館内に居た招待客達を見回す。 その中に、赤い瞳の少年の姿は無く。]
しょぉねーん。 [洋館内は、見た事もない物ばかりで。 その装飾を目を奪われながらも、少年の姿を探す。
館の奥まで歩いて行くと、やがて『library』と書かれた部屋に人影を見つけて。>>156*]
少年? ……って、違うよね。
(250) 2012/12/31(Mon) 18時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 18時頃
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―回想・エントランス―
[差し出される薬>>226を覗きこみ、すんと香りを確かめられます。]
忍冬。それならば服したことがある。 ……言っておくが、今すぐ要り用というわけではないぞ。
[銭と薬の受け渡しは片手で出来るものではありませんでした。両手を使えば簑の前が開く危険性もあります。僅かに躊躇い、後で、と告げたのです。]
(251) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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手を引かれるまま、薬の入り用だと思って?
薬売りも哀しいからでは――いや、どうでも良いな。左様なことは。
[頭を振り、唇を強く結びます。口を滑らせたと自戒を混めて。]
あの少年にはまた逢えるであろうよ。 聞いた言葉が真実ならば――また。
[哀しく、ないのであれば。また。]
(252) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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[少年から渡された招待状の中身をまだ見て居なかった。 痩せた男の肩に触れる際、袴の帯に挟んだ招待状を抜き出して封を開ける。
そうこうして居るうちに、娘は館の奥へと行って仕舞った。
子猫のように落ち着かない──言い換えれば元気の良い──後ろ姿を目で追って、取り出した招待状に視線を落とした。]
(253) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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[奥へと向かおうとする沙耶様が鞘同士を鳴らすように動かれたのはわざとなのでしょう。]
嗚呼、一つ忠告を致そう。 先のように童も武家も同じく人であると――そう、武家の前で言うものではない。
そこだけを聞き咎められ、 斬られても文句は言えまいよ。
[お人好しだとご自分の事を評する芙蓉殿を見て小さく笑って見せるのでした。*]
(254) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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上客かどうかは、見目が決めるものじゃぁありませんよ。 どんなに麗しのお姫様でも、お買い上げいただけないのではどうにも悲しいものでして。
[冗談をいう浪人――慶に、わざとらしく眉を下げる。]
安心されても困りますよ、医者とは違うのですから。 あくまで薬はお出ししますけれど、診ることは出来ないものでございます。 下手な怪我はなさるものではございません。 最も……お客様が増えるのに、悪い気はしないものですが。
[笑いが漏れるのには、こちらも眉下げたまま苦笑いを零すばかり。 そうして言葉交わすうち、また一斉に人がやってきた。]
(255) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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― 一階・居間 ―
[青年の名は、明之進というらしい。
火の前に来ればより暖かいだろうに、 怯えがあるのか、それが出来ない様の青年。 加えて、真正面から気遣われるのが苦手な様子。
難しい歳頃なのだろう。
少し近付いて様子をと、腰掛けた先、柔らかい座り心地に戸惑い、]
――ぁ…。
[うまく安定が取れずにぽすん、と背もたれに倒れ込んでしまう。
行儀悪く、脚を投げ出す形のまま… ゆらゆらと揺れる暖炉の火を眺めた。]
……火が、
(256) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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ぱぁてぃ。
──とは、なんでしょう、ね。
[山奥の小さな村で育って来た巫女には、パーティの文字の意味する処は判りかねる。 前後の文脈より、何らかの集まり──と、推測するのが精一杯だった。]
(257) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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あるならば、湯も飲めますね。
すっかり体を冷やしてしまって、……内からも温めたいものです。 欲を申せば、お茶などいただきたい。
[しかし目の前の火が入っているものには、 囲炉裏や竈と違って、鍋をかける場所が見当たらない。
ここでは湯を沸かせないのだろうか。]
客人に茶の一つも出さないのか、とは この国のみの風習なのでしょうかね。
……勝手場など、見かけませんでしたか?
(258) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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―現在・二階廊下―
[人の話し声が増えていきますのに、お嬢様はまるで避けるかの様に階段を上がってしまわれました。 板張りの上に敷かれたものは雪のように白く、館外のように銀に煌めいておりました。 装飾だけでなく薔薇の香りまで届くようになりますと、慣れぬ匂いに鼻を摘まんでおられるのは、人の視線がないからに違いありません。]
(259) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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――洋館・エントランス――
>> 246
これはこれは、こんばんは。お美しい神さんのお使いで。ご機嫌よろしゅう。
男の子? はて? たしかに奇妙な小僧っ子が居てましたけど、どこぞに消えて居なくなりましたわ。 わたしもお連れの旦那さまにお声掛けいただいた身で。 名は世渡介。性は菱川。着物売りをしとりましたが、訳あって今は一人であちらこちらと旅しとります。
>>244 >>248
元気な娘さんやな…どっか行ってしもうたがな。 それにしてもなんや思てた以上にたくさん人が居てはりますな
[いろんな人らがおるなあ。男か女かようわからんやつもおりよる。]
(260) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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[よいしょと身を起こし、立ち上がって乱れた着物を直す。 どのような応えがあっただろう。
勝手場の場所を教えられればその通りに。
見ていないと聞けば、 探しに出ると言ってその場を暖かな部屋を出ただろう。]
(261) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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[封を閉じ、招待状をまた帯に挟む。 父ほどに歳の離れた男の腕には、まだ白い手が添えられて居る。
男の云う「手当」>>209を待つように、今は鈍い痛みとむず痒さに変わった足裏を床から離し、男に寄り掛かって居る。]
(262) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 18時半頃
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―一階廊下―
[黒の館の中を、物珍しいと落ち着きない視線で語りながら歩いていく。
つい先刻。 お侍の刀、怯えていない事を告げれば見ることを許される>>136 其を間近にしたのは、記憶も掠れるほどの遠い昔。 一つ頭を下げて、其れは優しさか何かへの礼のつもりで、その場を後にした。
さりり、と床を擦った草履が音を立てる。]
(263) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 18時半頃
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消えて?
……同じですね。 わたしも、男の子に手を引かれて来たのですが、ほんの少し目を離したら、もう居なくなっておりました。
不思議なことです。
……旦那様?
[長髪の男の視線は、己が掴まる痩せた男に向いて居る。]
いえ、此方もわたしたちと同じ、招待客らしいですよ。
[ねぇ、と確かめる視線を雷門へ。]
(264) 2012/12/31(Mon) 18時半頃
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―おそらく幾らか前・エントランス―
[私が洋館の内に一歩踏み入った後、小鈴が扉を開ける音>>190、雷門が彼女と私に掛けた声>>193を背に聞く。 音も無く降り積もる雪の中に、それ以上の声音は埋もれ、この耳には届かない。 去り際に零していた私の声も、かの人に届くものとは思わなかった――、
凍えから、仄かな暖気へ。昏い鈍色の下から、高い天井のうちの灯りへ。より濃く立ち薫る花の甘さ。 知らざる館の、その装飾をぼんやりと目に映しながら、私は歩いていた。]
(265) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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世渡介さんと仰るのですね。 わたしはゆり。
在郷の白烏神社で巫女をしております。
[菱川世渡介と名乗った男へ名乗りを返し、射干玉の瞳をやはらかに細めて見せた。]
(266) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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[未だ僅かに肩に、頭に載る雪は、融けて衣に染みていく。 それでも私は髪を覆う絹を解くことは無かった。 此方にかの黒いわらべは見えぬか、と辺り見回すも――。 私はただのひとりで、少しばかり俯いて、また彷徨うように歩き出していた。
雷門の告げたとおり、幾人かがあちらこちらから呼び掛ける声が木霊するも。 誰か、と。その応答の声も。後から館に来た人の話し声も。 この時は、そんな他の人のすがたを追うことが、できなかった。 私はただ、少しだけ絹を目深にかぶり直していた。]
(267) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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[冷えきった身体に館の暖気が入り込むと、一度、ふるりと震え、片手で雷門の腕を掴んだまま、肩をさすった。
寒いからとて、自らもっと暖かい場所を探すでなし。 雷門に治療を求めるでもなし。
与えられるを待つように、只、其処に立って居る。 誰かが奥へと促すならば、頷いて後へと続くだろう。**]
(268) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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[装飾も、窓も。 何もかもが、見慣れぬもの。
狭い世界でしか生きてこなかった眸に、不思議さばかりを募らせる。
間近にあった戸に手をかける。 見たことのない取っ手を、恐る恐る捻ってみれば。 蝶番が甲高く鳴いて、鍵の掛かっていない事を告げた。
中を覗き込むとそこは、知っているもの知らぬもの、様々な器具の並ぶ場所。 それが調理道具だと判断できる知識なく、部屋の中に入りそれらを珍しげに眺めている。]
(269) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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―大階段・踊り場―
[無意識に足を運んでいたのは、エントランスの奥、大階段。 この時私は、噎せ返る程の花の色ばかりを意識していたのだろう。 さっき此処に居た>>180、そして今は更に階上へと行ってしまった人、その血の色までを匂うことは、無かった。]
これは。
[段ばかり見下ろしていた私は、それの手前に来た時に、顔を上げていた。 針を止めたままの、大時計。]
(270) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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……そうか。斯様に明るいから、か。
[内装や香だけでなく、ざわとして落ち着かない原因の一つが照明器具による明るさでございました。 蝋燭一つの灯りでは、隣に立つ人の顔も薄暗くて判断しにくいと言うもの。
流石西洋品は違うと感心し、 手近の扉を叩くのでした。]
もし。……もし?
(271) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時頃
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― 一階・居間→勝手場を探して ―
[あの少年は、 手当たり次第にここへ客を招いているのだろうか。
怯えて身を縮こませているような明之進。]
良い子だ…とは、 私が小娘に見えたのだろうか。
…いや、
[慶という男が更に年長というだけか、と思い直す。]
(272) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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>>264
はぁ、すると屋敷の主人はどこにいてはりますんやろか。 ちょっとご挨拶に向かわせてもらわな。
>>266
ゆりと言いなはるんですか。ええ名前をお持ちで。えてして名は体を表すものですな。
わたしはちょっと屋敷の主をさがしてまいりますわ。ほな、お二方とも失礼します。またのちほど。
(273) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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[自分の名を聞いて、「みっちゃん」と呼んだ>>220、 場を和ますような暖かな空気を持つ男。
みっちゃんなどと、久しく呼ばれていなかったもので。 きょと、としてしまった。
それに、…自分。
他の招待客とも話をすれば、 ここに招かれた理由も自ずと見えてくるだろうか。
理由など、無いのかもしれぬが。]
(274) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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[舶来の時計の針の読み方は幾らか知っている。 初めて教えてくれたのは、あの父だったか、賢い姉だったか。 流石にこのような大きな時計を常に傍に置いて暮らしている訳では無かったが、商いやら様々の人付き合いに携わる父のもと、直に触れる機会もあったものだった。
――お姉様、この針が示す西洋の時刻は。 わが國の時で言えば何時頃でしたか。
私はそんな以前のことをふと思い返し、それから、また俯いた。 何処に進む訳でも戻る訳でもなく、動かぬ時のように、暫し竦むように、立ち止まっていた。**]
(275) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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― 回想・エントランス ―
[雷門に傘を返そうとしていた所で、巫女装束のひとに声をかけられ。>>248>>249]
こんばんは。 うん。アタシは、薬屋じゃないよ?
[そう答えながら、雷門に添う手から足元まで視線を降ろせば、その理由に気付く。そうして。]
巫女さんも招待客なんだ? [なんて言いながら、同じく傍に居た人が名乗る>>260のと。 巫女のひとが招待状の封を開ける>>253のを見て。]
アタシは……えっと。 ……。小雀 小鈴。 えっと、アタシ、少年探してくるね?
[そう言って、その場を後にした。 巫女の人の名前を聞き逃してしまった、と思った。]
(276) 2012/12/31(Mon) 19時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時頃
女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時半頃
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―― 一階・書斎 ――
[背表紙をなぞる指先に、粉雪のような微細の埃がつく。掃除されていないのだろうか、はたきでもあればと周囲を見渡し――]
……ん、
[開かれたままの扉の先、一対の瞳>>250と視線が交わる。まだ幼い面影を残した彼女が言を発するのを聞き、聊か驚いたように双眸を開いた。]
……少年に……、見えるか?
[それはこの男としては珍しい冗談だったのだけれど、笑みもしない相貌では通じるかどうかは知れず。 洋館内に人が多くなりつつあることは玄関から離れた場所からでも察することは容易く、彼女もまた男と同じように招待状を受け取ったのだろうかと考えた。]
(277) 2012/12/31(Mon) 19時半頃
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[左手に握っていたままの招待状に視線を落とす。そして同じように視線を持ち上げ、少女のほうへと掲げて見せる。]
……、貴女も?
[これを受け取ったのか、と。 問いかけと同時に微かに首を傾げれば、結った髪もまた同じようにそちらへと流れ落ちた。]
あの少年……俺も、会いたい。
[けれどここには居ない。埃の乗ったままの右手で部屋内を示し、言に乗らぬそれを現す。
少年にはまた、会わなければならないと感じていた。粉雪舞う中のあの言葉の意味を、上手く言葉にして問いかけることができなかった。己が哀しみに支配されているように見えたのだろうか?彼もまた、哀しいのだろうか?想えどもまだ、どう尋ねるべきか。未だ整理はつかず、思考はばらばらに男の周りに墜ちたままに。]
(278) 2012/12/31(Mon) 19時半頃
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[白い招待状を相変わらず手にしたまま、いろいろなものが並べられる台に近付く。 その中の一つ、冷たい銀色の椀付き棒を、つんつん、つつき、首を傾げた。
戸棚には、おそらく食料品だと思われるものが見え、此処が何なのかと気付きはじめる。]
(279) 2012/12/31(Mon) 19時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時半頃
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[ぱん、と一つ。 着物の裾で指先を払い、結い上げた髪に手櫛を入れる。 『も・の・とおん』の書籍も見つからなかった。気になるならばまた訪れればよいと気を取り直し]
……探すか?
[先ほどとは逆に首を傾げ、今度は僅かに眼を細める。笑みを作ったつもりだったけれど、やはりそれが彼女に伝わったかどうかはわからない。]
(280) 2012/12/31(Mon) 19時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 19時半頃
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― 一階・廊下→勝手場 ―
[廊下に出れば、慶を含め幾人かの姿が見えただろうか。
話し込んでいる様子であれば、 挨拶がわりの会釈一つして、勝手場を目指す。
途中話しかけられれば、足を止めて応じたか。]
(281) 2012/12/31(Mon) 19時半頃
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[玄関をぬける前に挨拶一つ送っておくのが礼儀や。
しかし、けったいな屋敷や。どこに何があんのかわかりゃせーへん。 なんや。>>281 また一人女がおる。]
こんばんは。この屋敷の人ですかいな。 わたし名は世渡介。性は菱川。着物売りをしとりまして、訳あって今は一人でほうぼう旅しとります。
(282) 2012/12/31(Mon) 19時半頃
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― 一階・書斎 ―
[振り返る男性。少し驚いた様に開かれた目に。>>277]
……見えなくも、ない! 特殊メイクとか、カラクリとか。
[冗談とは、思ったけれど。 見世物小屋に居た私は、真剣な目でそう返してみて、くすくすと笑って。]
なんてねー。見えない。人違いゴメンナサイ。 ん……?
[招待状を掲げられれば>>278、同じ様に見せて。]
(283) 2012/12/31(Mon) 20時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 20時頃
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うん。アタシも。
[こくりと頷く。 そうして、『会いたい』という言葉と、部屋内を示されるのを見れば、少年はここには居ないのだと分かって。
少しの沈黙の間は、じっと様子を見つめていたけれど。 『探すか』>>280と、僅か目を細められれば。]
ん! 行こー。
[にんまりにっこり、楽しそうな猫の笑顔で。**]
(284) 2012/12/31(Mon) 20時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 20時頃
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は、いえ…。 私はこの屋敷の者ではございません。
この屋敷に招かれた者でございます。
[勝手場へ向かう途中、 声を掛けられて>>282足を止めた。
流れるように話す男は、あっという間に名乗ってしまったので、 こちらも名乗らない訳にはいくまい。]
おみつと申します。相馬 みつ、と。
あの、菱川様は、…ご商売をなさりに?
[着物を売り歩いて旅をしていると聞き、 そのような客人もここへ招かれているのかもしれぬと、訊ねて。
或いは、菱川もあの招待状を受け取ってここへ来たのだろうか。]
(285) 2012/12/31(Mon) 20時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 20時半頃
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……いや、
[冗談を真剣に受け取られたかとやや呆気に取られるも、すぐに謝罪の声を聞けば>>283頭を振った。彼女の口にした特殊化粧、からくり、という言葉は聞き馴染みのないものだったが、それに関して問うには数少ない語彙では足りなかった。
男のぎこちない笑みが伝わったのか、満面の笑みを浮かべる少女と連れ立つように書斎を出る。 札の下がった扉を閉めながら、再び唇を開いて低く声を響かす。]
……、朧。 宵渡朧、書庫番。
[それはあまりに味気の無い自己紹介。次いで切れ長い双眸は彼女へ向いた。その名を問うように。]
(286) 2012/12/31(Mon) 20時半頃
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―― 一階・廊下 ――
[そもそもこの館のことを知らぬ男は自由に歩き出す。少女が気になる場所があれば、そちらにもついていくつもりで。]
人が……多い。
[廊下を歩きながら、ぽつと落とす呟き。 広いが故に、しんと静まり返っていた館内で交わされる声音が囁き声のように耳に触れる。]
……皆。
[これか、と。招待状に目を落とす。 あの少年が皆等しく招いたのだろうか?]
(287) 2012/12/31(Mon) 20時半頃
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>>285 相馬みつはん。ええ名前してはりますな。 強く一本、筋の通った名前をしてはります。 いやいや。わたしもこの通り。 異国風の身形をした子供にこの文を渡されましてな。
ああ、ああ、今は商売しとりませんねや。 親父と色々ありましてな家追い出されてしまいましたんですわ。
何処かへ行かれる途中でしたかいな? よければご一緒してもええですか?
(288) 2012/12/31(Mon) 20時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 21時頃
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―二階・個室―
[慎重に扉を開けて部屋に入りますと中も灯りが点いておりました。 寝台の横を通り過ぎて窓辺に寄り、カーテンを捲ると夜空に雪が舞っておりました。
遠くとおく、彼の場所でも。 この雪は舞っているのでしょう。 この雪は降っているのでしょう。]
―――わたし、は。私は……
[懐から手拭いを取り出し、内に包んだ書簡にじつと眺めておられます。 ぽつと涙雫が落ちました。袖口で叩きましても濡れた跡はすぐには消えません。
手拭いに包み直すと招待状の封筒と共にテーブルの上に置きますと、左袖を抜きました。腕を持ち上げて傷を確かめます。 すぐには消えない、傷を。]
(289) 2012/12/31(Mon) 21時半頃
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いい名…、そうでございましょうか…。 あ、いえ、お褒めの言葉、ありがとうございます。 [自分の名にそのような評>>288をしてもらったことがなかったもので、 返す言葉に困って。
「一本筋の通った」
そのような名前に恥じぬよう、生きてこれただろうか。 男もあの少年に招待状を貰ったと聞けば、」
貴方様も…。 あの少年に招かれる心当たりが、私にはございません。
菱川様は、…どうでしょう?
(290) 2012/12/31(Mon) 21時半頃
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[そう疑問を投げた。
男の身の上話>>288を聞いては、少し驚いて。]
まぁ、お家を… 大変、でしたね…。
あ…私は、勝手場へと。 お茶などいただけたら…と。図々しいのは承知の上で…。 [行き先を問われれば、少し言い辛そうに告げた。]
(291) 2012/12/31(Mon) 21時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 21時半頃
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― 居間 ―
[名乗った後、再び背凭れに逆から凭れるように座り込み、立ち上がる機会を待っていた。知らぬ――名前しか知らぬ女子と二人、しかも火の傍で。 髪があらかた乾けば出て行こうと、息を殺していたが]
…ん
[ぽすん、と背凭れにかかる力。反対側に誰か――みつが座ったようだ。続く言葉をぼんやりと聞いていた。 張っていたはずの気は、穏やかな声音と、暖かさと、そして疲れによって少し緩んでいたようだ]
(292) 2012/12/31(Mon) 22時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 22時頃
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………いや 入って、すぐ 此処に
[他は見てない、と下を向いたまま首を振った。 茶どころか、家人らしき姿をまだ見ていない。 主人のいない、解放された――しかも、こんな館。 招かれた者をよほど信用しているのだろうか。ぼんやり考えて否定した。少なくとも、主人を知らぬ自分がいるのだから、と]
……あ、…いや、うん
[探しに出る、というみつに、家人がいたら、と顔をあげて声を出す。しかし、特に言伝も何もないのだから、と再び下を向き、見送ることはなかった*]
(293) 2012/12/31(Mon) 22時頃
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[華美な漆塗りの薬籠には軟膏が僅か。 小指の先で掬い取り刀傷に塗り付けますと血が滲み、赤が広がりました。 沙耶様を追って来た浪人の振るう刀先を避け損ない、負った傷です。 その浪人を斬った刀を胸に抱き目を閉じますと、あの時確かに人を、命の前では誰でも変わらぬ同じ人を斬り、命を絶ったのだと実感し、肩を震わせました。]
う、うぅ
(294) 2012/12/31(Mon) 22時頃
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[大方の扉はあけることが出来るようだ。無人の部屋を覗いては閉め、彷徨い、時に天井を仰ぐ。それがまるで無限に続いていくような、そんな感覚さえ憶え始めた。]
…………彼の名を、聞いたか。
[その幻想を断ち切るように少女に尋ねたのは、いつのことだっただろう。]
(295) 2012/12/31(Mon) 22時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 22時頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 22時頃
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[書斎を出て、後に出た男性が扉を閉めるのを見つめながら。>>286 再び開かれた唇。紡がれる音に、耳を傾け。]
へぇ。綺麗な名前だね。
[ほぅほぅ、と。頷いて。 問う様な視線が、こちらを向けば。]
アタシの名前は……小鈴。 小雀 小鈴。 …………。見世物小屋に。居たんだ。
[身分まで明かしてくれたのだから、こちらも、と思ったけれど。 やはり、するりと口にはできなくて。 言って微笑む顔には、少し困った様な悲しげないろが混ざってしまうけれど。]
(296) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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書庫番のひと、なんだ。 いいなぁ……。
あ、それで、書斎? に居たんだ。 何か、面白い本あった?
時間あったら、今までに読んだ本の話とか、聞かせてよ。
[なんて笑いながら、書斎を後にした。]
(297) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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[西洋の色濃い調理道具たちを一通り眺め終え、ふと。
手にした白いものを見やる。 そこに書かれた文字を理解できるほどの学を持たない。 招かれた証のようなものだとだけ理解した、其れ。]
――。
[見下ろし、一人きりになって漸く、まじまじと見詰めた。
文字を指でなぞったり、ひらりと返したり。
そこに誰かが戸を開ける音でも立てようものならば、悪戯が見つかった子供のように、大きく跳ね、肩を震わせる*]
(298) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 22時半頃
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―回想・一階居間―
そう、ですか。 それでは、探して参ります。
[明之進からの返事>>293にそう応えて。
扉の方へ向かう間。 明之進が何か言いかけたのを一度振り返るが、 下を向いて口を噤んでしまった様を見て。]
ゆっくり、お休みなさいまし。 その織物。 すっぽりと被ると、暖かいですよ。
[そう言い残して、扉をぱたん、と閉じた。]
(299) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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>>290
ほんま素晴らしい名前です。
…心当たりですかいな。んん…ございませんな。 この屋敷。こない変わった趣味をもつ知り合いはいてませんしな。 へえへえ勝手場に。ふんふんお茶をもらいに。 図々しいことおまへんがな。勝手場は女の場所や。好きにしたらええ場所です。 遠慮してたら損することもあります。 遠慮は無沙汰。 わたしも損はしたくない。喉も渇いた。ほなお茶もらいにいきまひょか。
(300) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 22時半頃
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― 一階・廊下 ―
[とことこ。 館の事が分からないので、自由に歩く朧>>287の横を付いて歩く。]
うん。沢山居るみたいだね。
[館の入口での様子を思い出しながら、頷いて。 切られた言葉と共に、手元に落ちた視線を追えば。]
うん。私が話した人……。 えっと、おっちゃん……風伯さんと。 亀ちゃん……亀吉さんと。 巫女さんと。 菱川さんは……お連れの旦那様に。 あれ? 菱川さんは、風伯さんに誘われたのかな?
[自問自答が挟まったが、とにかく。]
うん。その人達は、同じ招待状貰ったみたいだよ。
(301) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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[そうして、無人の部屋をいくつ開けた頃だろうか。 問う声に。>>295]
彼? あの、しょーねんの名前? ……聞きそびれちゃったんだよね。 とにかく、急いでたからさ。
ここに着いて、聞こうと思ったら、もう居なくて。
(302) 2012/12/31(Mon) 22時半頃
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[じくじくと痛むのは、見える腕の傷と見えぬ幾つもの傷。 忠と孝の狭間。
ひくと喉を震わせて暫くの後、 お嬢様は顔を上げて室内を見渡します。 引き出しを一段開けますと誂えた様に水色の着物が仕舞われておりました。鈴蘭の柄を目を細め、天井を見上げます。]
少年。これは私に用意されたものか! 良いでしょう。斯様な姿では怪しまれるというもの。 好意と受け取り、有り難くお借り致します。
(303) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 23時頃
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[小鈴>>296。小さく口の中で反芻した声は音になることは無かった。何故なら彼女の声音の合間にある空気に、喉を震わすことができなかったから。]
………………。
[職を明かしたのは、言葉の少なさを補うための誤魔化しのようなものだった。だがそれは失敗だったかもしれぬと。
薄き唇を開き、今度は言葉を音にしたけれど、それは極々小さく]
(304) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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西洋のもの、だけ。
[書斎の内部の話しになれば>>297空いている手を振って、収穫は殆ど無いと示し。]
……一巻の説明だけで、日が暮れるが……。
[またも真顔で冗談を言う。笑う小鈴の表情に、僅かに安堵のため息を漏らしたのだった。]
(305) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 23時頃
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―― 一階・廊下 ―― ……多いな。
[廊下を歩きながらもう一度、その言葉を繰り返す。彼女があげただけでも何名>>301だろうか、数えるのももたついた。
彼ら彼女らも同じように招待されているというなら、いずれあの少年が一箇所に召集をかけるのだろうか。湧き上がる疑問はやはり音になることはなかった。]
共するものが、あるのだろうか。
[少なくとも、男と小鈴には共通点は見出せずにいるけれど]
(306) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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……、同じく。
[全く同じ状況だと、小鈴>>302に頷いてみせる。]
貴女が会った人も、知らないのかな。 ……、共通。
[それだけ多くの人に会っていながら知らないということは、やはり他の皆もそうなのだろう。推測をして微か口端を歪めた。]
……他が、見つけていればいいが。 尋ねてみるか?
(307) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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―1F廊下―
[こちらの言葉>>232に「蝶のように赤くなり」>>237、自らを「商い人」>>240と称す。 着物の柄を名乗っているが、なるほどこの人物はまごうことなき男性のようだ。
叩かれた鞄。西洋の物に似たそれが商売道具か。薬売りと聞けばほっとした。]
ああ、よかった。 入り口のあたりに残った血がまだ新しかった>>205ものやから。 とはいえ…
[思い当たったことは、正に目の前で会話が繰り広げられ>>245>>255苦笑する。]
ほんに。 滅多な怪我なぞ、せんでよろしいですわ。
芙蓉さん、慶さん、どうぞよしなに。
[その時。 自分にだけ聞こえた意地悪な声に、ばっと頬が熱くなった。]
(308) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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[みつの忠告には反応を示さなかったが、それでも言われた通りに敷物を一度広げて頭と肩と、すっぽりと包まった]
………ぬくい
[もぞ、とようやく感覚が戻り始めた手足を動かして、暖炉に背を向けたままゆっくりと立ち上がった。 壁に向かえば、なんだろうか。神棚とは違う、何か置物が載せられた棚があった。そっと触れれば花の意匠がごつごつした感触を伝える]
(309) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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―幾らか前―
[男が雪景色を眺める間、東雲の男も側にあった様子。 雪景色が綺麗だと謂われれば、ひとつ頷きを返しただろう。 果敢無くもろい雪の白に、重ねる郷愁はわからねども。
やがて二人を連れて、漸く館へ入る頃。 巫女姿の少女から名を名乗られるようなれば。]
私は風伯雷門と申します。 名乗りもせずに、失敬を致しました。
[そう、軽く頭を下げて見せた。 東雲の男も聞いていただろうか。]
(310) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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[花の噎せ返る匂い。 此れは舶来のものであろう、日ノ本國に在るとは思えぬ強烈さ。 不快ではない、されど佳いと思えるでなし。 少しばかり辺りを見回す男に駆け寄るのは、宵に輝く明星であった。 差し出された唐傘を男は受け取りながら。]
いいえ、寒さには慣れています故。 使って頂けて有難う、きっと喜んでいますよ。
[其れは『何が』とまでは告げる事をせず。 そんな会話をしていた所為か、床を濡らす赤に気付くのが遅れ。 断りと共に腕に触れるその冷たい熱が、漸く其れを気づかせたという次第であった。]
(311) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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…あたしも熱でも起こしましたかねえ。 急に熱うなりましたわ。ここにお医者様がいたら…なんて、ほんに調子のいいことだけど。願ってしまいますな。
[頬に手を当てながら誤魔化す。]
それにしても、「お仲間」が他にいらっしゃるようですなぁ。 あたし、ほんなら探してきますわ。 ぱあてぃやもの、仲良く楽しく出来たほうが宜しいですし。 怪我の御人を見つけたら、芙蓉さんにお知らせしますに。
[廊下そばに別の声が聞こえ>>301>>306たのをいいことに、その場を去ろうとする。
そう、ここはパーティ会場だ。 招かれたのは、少数ではない。]
(312) 2012/12/31(Mon) 23時頃
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西洋の本、かぁ。 読めるわけないけど、いいなー。
[こくこく頷いて。>>305]
日が暮れるまで……。望むところ!
[冗談?に、楽しそうにふふりと笑う。 本当だったとしても、それはそれで嬉しいのだし。 そうして、招待客の話>>306には。]
共するもの。 んー……アタシは、哀しいのとか何とか言われて。 おっちゃんと亀ちゃんは、みちに迷ったって言ってたかな。 うん。みんな知らないみたい?
[自分に確認する様に、頷きながら話して。 続く言葉に。]
(313) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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うん。もう誰か、見つけてるかもしれないし。 聞いてみよっか?
ま、見つからなくても。 招待された人全員集まったら、挨拶とか説明とか、何かあるでしょ。 その時きっと、また会えるよ。
[歪む口端に、にこーと答えた。]
(314) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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[暫く、ゆりの動きをそのままにしてしまっただろうか。 筋肉の落ちた痩せこけた身体は、それでも成人男子の力を残してはいた様子。 彼女を支え、けれどしかし支えられるように労われながら。]
ゆりさん、先に手当てをしてしまいましょう。 医術の心得は全くにありませんが、せめて足を洗った方がよろしい。
[男の腕をつかむ指先が、冷たいことも憂いのひとつ。 寒さはどうにもよろしくないことしか運ばぬと まあ、其れは男の勝手な基準では在るのだけれど。]
その様子では、歩くのも憚られますかな。 湯と手拭いを探して参りましょう。 貴方は暖かな部屋にでも…なに、愛らしい足跡の掃除くらい、難ないことですよ。
[気休めにと、赤を残す足へ自分の手拭いを巻きつけた。 そして促したのは幸いにか、暖炉の在る居間の方だろう。]
(315) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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―二階・大階段―
[簑と傘は室内に干させて頂き、着替えを済ませたお嬢様は血糊を落とそうと折り畳んだ着物を手に大階段の方へとお戻りになりました。]
もし。
[踊り場の時計を前に佇んでいる天宮殿の姿を認め声をかけましたが、高い所に居ることを憚り、唇を結んで階段を下りていくのです。]
動かぬものを見て、どうされた。
(316) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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―現在・一階廊下―
[閉じた唐傘を片手に、男は一つ一つ部屋を確かめるように回る。 探すは水場、それも湯があれば尚良しと。 歩きつつ、東雲の男に『私はこの館のものではありませんよ』と伝えるべきだったかなど余計な考えまで巡らせながら。
彷徨うように歩き行く、足は男の割りに急いていた。 一つ一つ、扉の前で「もし」と声をかけてから開き。 広い屋敷内でたどり着くのはいつになろうか。
ひたり、ひたりと男の足音。 誰の足音かぶつかるもの、在りや無しや。]
(317) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 23時半頃
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貴方様も、…ございませんか。 雪の中、招いていただいたのはありがたいのですが、 招いて下さった方の姿を見失いまして…。
[あまり勝手にしすぎるのも気が引けるが、 ここへ来た時の事を考えると、出て行くのも躊躇われ。 家人も見当たらないとなると、 自分たちでどこに何があるのか見て回るしか…。]
は、…はぁ。 それでは、参りましょうか。
[菱川のなめらかな言>>300に後押しされ、今一度勝手場へと向かおうと。 そして、はた、と菱川の方に向き直り、]
あの…、勝手場の場所、ご存知ではないですか? 私、存じ上げませんで、少し迷ってしまうかもしれませんが…。
[申し訳なさそうに、伝えておいた。]
(318) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 23時半頃
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―一階・廊下→
探すなら、どこからでしょうなぁ。 というよりも、何を探したらよいのやら。
[ぱあていというなら主催がいるはずだ。 かの御人…恐らくあの異人の少年を見つければ話は早い。 けれど物の怪のように突如現れ突如姿を消した彼を見つけるよりは、自ら必要なものを調達したほうが現実的な気がして、
「自ら必要なもの」を、思い浮べる。 ]
食べ物、飲み物、手当てもの。暖を取る場所、眠る場所。 ああ、そうだ。人も。お客人も他にいはるでしょう。
[最後はただ、付け加えるように。 歩いていると、2つの影を廊下の向こうに捉えた。 見るに青年と少女。 しかしそちらに歩を進める前に他の姿を見つけ、まずはそちらに話しかけた。]
(319) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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もし。 あんさんも、招待客で? それともこの館の主の方で?
[唐傘を手にした老年と呼べる男>>317。 言ってはみたものの、急いた足取りと落ち着いた身なりは、とてもこの館の主やあの赤目の異人と類戚には見えない。]
(320) 2012/12/31(Mon) 23時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 23時半頃
楽士 ウトは、メモを貼った。
2012/12/31(Mon) 23時半頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時頃
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おや、今日は大変寒くございますな。
[掛けられた声には顔を向け、その足取りは一度落ち着く。 掛けられる問いには首を振るしか出来ぬもので。]
嗚呼、いいえ。 私も御呼ばれに預かった者でして。
[南の方のか、大道芸人か、そういった類の衣をした女性。 軽く頭を下げ、男は名を名乗ろう。]
風伯雷門と申します。 お嬢さんと、ご主人のお名前をお伺いしても?
[共に在るのはやはり番かと、そんな様子で。]
(321) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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……哀しい、と……
[それが、少年の誘いの言葉だったのだろう>>313。己と同じであることに瞬き、僅かうつむいて考える。 それが、共通するものなのだろうか。
近くに、人の気配がする>>319。 立ち止まっていた足を動かし、再び廊下を歩き出した。]
(322) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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[仕立ての良さそうな常磐色の羽織は天宮殿が裕福な家柄の者と告げているようでした。 同じ踊り場に立っても、お嬢様の方が少し背高くありました。**]
(323) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時頃
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ええ、こない冷えるんは初めてです。 風伯さんと言いますの。失礼しました、あたしはウト。 お声かけした通り、あたしも招待客ですわ。
[決まりごとめいた挨拶に、こちらも微笑んでみせる。 ご主人の言葉には首をかしげた。それ程距離を歩いていないから、近くに慶か芙蓉の姿があったのだろう。あるいは一緒に歩いてきたか、別の人影か。]
ご主人なんて、恐れ多い。 あたしは主人をとうに亡くしてまして。今は独りですわ。 なので、これだけ人に囲まれるんは嬉しいことですなあ。 …肝心の、館主様が見あたらんのが難儀ですけど。
[そう言って眉を顰めてみせる。 ブーツに鮮やかな黄色の羽織、仕事をしやすいようにと額に巻いた紫の染め布。故郷のそれとは程遠いが、見慣れぬ者には舶来のものか異郷のものかの区別はつきづらいかもしれない。]
(324) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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>>318
そうでんな。えろううっかりしとりましたわ。 はっはっは! わたし子供のころから見つけるのは得意でしてな。かくれんぼやって鬼になれば隠れる童をすぐ見つけたものです。すぐ見つけますさかい着いてきてくださいな。
ごめんくださーい…あっここちゃうわ。
失礼しますぅ……ここもちゃう。
こんばんは………はっはっ、次見つけますさかいに。
お邪魔しますぅ…………おうとりました。ここやここ。 着きましたでみつはん。勝手場や。言いましたやろ次見つけるて。
(325) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時頃
朧は、小鈴と共に人の声の在るほうへ**
2013/01/01(Tue) 00時頃
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―大階段・踊り場―
[その時になって、私ははっと我に返った。 振り返れば、水色の装いの女子がひとり>>316。 手にしている衣がどんなものかははっきりとは判らない。 ただ、近くに居た彼女に気づいた時、花と異なる匂いにもまた、ほんの微かであるが、気づいた。]
私、は。
此処で暫し、昔のことを思い出していました。
[その女子>>323を軽く見上げる形で、自分でも妙に正直に答えていたものだった。]
(326) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時頃
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――勝手場――
[あの娘は先ほど門の前にいた別嬪さんやないか。笑顔もばっちり決めといてと。]
こんばんは。わたし世渡介、菱川世渡介言います。着物売りをしとりましたが、訳あって今は修行の旅に出てる身で。こちらのお方は相馬みつはん言います。
ああっ、これは失礼しました。そないびっくりせんといてください。ちょいと茶しばきに来ただけで。その文。わたしらもお嬢さんと同じ招待客で、へっ、へっ。よろしゅうお頼み申します
(327) 2013/01/01(Tue) 00時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時頃
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[微笑む様子に返すのは同じような笑み。 招待客と謂う女性はやはり独特の言葉を使う様。 否、東雲の男も聞き慣れぬ言葉遣いではあっただろうが。]
おや、其れは大変な失礼を。 歳をとると目が廃れていけない、嫌なものですな。 私も長らく一人身ですので、賑やかなことはいいことです。
[面妖な、とまではいかぬにしろ馴染みの薄い格好であった。 少し、廃れた目を巡らせ。 不躾だったとまた頭を少し下げるに至る。 かすかに滲ませるのは苦笑であろう。]
館主様は何処でしょうね。 …と、今は其れよりも。 何処か水場をお知りではありませんか?
[足を急かしていた理由までは告げず。]
(328) 2013/01/01(Tue) 00時半頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時半頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時半頃
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[調理器具に囲まれ一人、白い紙に見入っていた肩がびくりと大きく跳ねた。 くしゃり、手の中で招待状を強く握ってしまった音がする。
名前を告げられ、人付き合いに慣れない己は気圧される>>327 よろしゅうとの声に、身体を縮こまらせ、戸惑う視線を上目がちにしながら、小さく会釈を返した。
別嬪だと思われているなど、病の影を見せる容姿を理解している為、微塵も感付く筈もない。]
(329) 2013/01/01(Tue) 00時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時半頃
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―大階段・踊り場―
[刀の柄に肘を乗せて天宮殿の眺めていた時計を一瞥し、 雪面を思わせる白銀の髪に視線を戻すのです。]
昔の。ならばこのような物を見たことがあるのだな。 西洋の品を。
[一歩前に足を出してブーツの先を見せました。]
(330) 2013/01/01(Tue) 00時半頃
|
|
いえ、本音を言うなら、この年で男前と相仲に見られるんは嬉しいことです。…難点は、相手の御人が嫌がりはることですかねえ。
[苦笑には茶目っけを込めて舌を出してみる。 はしたなさ、などよりは親しみを感じてほしかった。]
水場、ですか。生憎あたしも今ここに着いたところでして。 ああでも湯浴みが出来るところでもあれば助かりますなあ。 こちらも雪ん中転んでずぶ濡れになりまして。
[男が濡れた様子はない。傷を負った様子もない。ではなぜ水場を探しているのだろう。 しばし逡巡。…それから恐る恐る口を開く。]
もし、違ったら申し訳ないですけども。 お一人様といえど、お連れ様がいはりますの?
[考え付いたのは、その相手が飲み物ではない「水」を必要としている、ということ。 それなら急いていた足取りも説明がつく。]
(331) 2013/01/01(Tue) 00時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 00時半頃
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は、ありがとうございます。
[心強い言葉>>325を貰ったので、 菱川の後ろを子鴨のように付いて歩く。]
…ちがい、ましたね。
あ、…
……はい。
…よかった。ありがとうございました、菱川様。
[親切にしてもらったのだ。
すぐに着けなかったことなど、どうでもいい。 自分が探しても同じだったかもしれないし。]
(332) 2013/01/01(Tue) 00時半頃
|
|
おやおや。 こんな素敵な女性を前に、嫌がるなんて事はありませんでしょうに。
[返された茶目っ気は和むには十分の動作を含められた其れ。 穏やかな笑みを深くして、苦笑はその姿を消した。]
そうですか、いやいや、同じお客様に尋ねた私がいけなかった。 雪の中を扱けたとあれば、身体も冷えてしまいましょう。 探しませんか、人手は何かと多い方が助かるものだ。
[ゆりの傷の手当ての為にもだが、目の前のウトの為にもだ。 こんなところで其れこそ風邪を引いてしまっては、下手をすれば命に関わる問題ともなりえよう。 そんな事を考える後、恐る恐ると掛かる声には。]
連れ、とは少し違うのですが。 お怪我をなさっている方がいらっしゃいましてね、手当ての為にで御座います。
[隠す理由も他に無し、問われればそう素直に答えよう。]
(333) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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― 一階・キッチン ―
[先に中に入った菱川が、誰かに挨拶をしている>>327。 次いで中へと足を踏み入れ、 中にいた年若い女子が、驚いて肩を跳ね上げるのが目に入った。
よくよく見ると綺麗な顔立ちだが、 顔色が優れないように見受けられる。]
どうも。おみつと、お呼び下さい。 お嬢さんもお茶、いかがですか?外、寒かったでしょう?
[西洋の勝手場は初めて目にする。 が、することは同じ。 棚の中など物色し始め、直ぐに湯を沸かせそうな鍋を見つける。]
茶器は…、これでよいか。
[取っ手の付いた小さめの器を見つけ、 取り敢えず同じ拵えの物が15個あったので、台の上に並べた。]
(334) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
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[会話を交えながら、男は足を進め始める。 さて、ウトは其れについてきたかどうか。
痩せこけた老人の足音が、また廊下に響き *始める*]
(335) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
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―― → 一階・居間 ――
[小鈴と連れ立ち、自然と足が向いたのは、暖かなその空間へだった。外に比べれば廊下は風も立たず暖かいが、足を踏み入れたその居間らしき空間は、格段に篭る熱を肌に感じられた。]
……、……ふ
[思わず零れる吐息は、小声固まった身体が熱によって溶けていくような感覚に、無意識の抵抗を試みたせいか。
ゆらと視線を彷徨わせば、薪の燃える大きな罐と、柔らかそうな長いすが在る。その名がソファであることを男は未だ知ることはないけれど。
その空間の中、壁のほうへと体を向けた男性の姿>>309を見つける。]
(336) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
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[小鈴へと一度視線を流し、もう一度彼へと双眸を向ける。一度、二度と口を開きかけ、どう声をかけるか悩んだ後に]
……すまない。 君も……
[佇む彼が振り返れば、招待状を掲げる仕草で、招待客なのかと問う。]
(337) 2013/01/01(Tue) 01時頃
|
|
―大階段・踊り場―
[向けられる眼差し>>330に、一息吐いた後、向き合う。 少しだけおのれより年を経ているようには見えた女子。 しかし小鈴の時と同じく、実際の年のころまでは見極められなかった。]
はい、――今でも、舶来の品には、しばしば。 これほどに立派な時計も、昔見たと思い出しまして。
[私は一歩だけ、女子の方に踏み出す。その装いが、よりよく目に映る。 可憐な鈴蘭の柄。何処で織られたものであろうか、生地は良き品であるように見えた。 対してその肘は、帯びた刀へと載せられている。 覗く足元は、紛れも無く舶来の履物の形。]
ですから、あなたがお召しの、ぶーつ、でしょうか。 それもこの目で存じております。
[私は、目の前の彼女が何処かおのれと似ている――と、はっきりとではないが、そう考えていた。 とはいえ、それは身分までそのまま同じである、という意識では無かったが。]
(338) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
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ありがとうございます。ほんにお上手。
[深くなる笑み>>333にこちらも安堵する。続いた言葉はなんとなく予測していたものだった。]
怪我の方。 いえ、実は。あたしこの館まで、血の跡を辿ってきたものですから。酷くなければよいことですけど…。
[顔を曇らせて、後ろを振り返る。 先ほどまで、正に薬師と会話を交わしていたところだ。 それをそのまま雷門に伝え、水場への誘いにも頷きを返す。]
あたしのことまでお気遣いいただいて。ほんにありがとうございます。 風伯さんは、ええお人ですわなあ。 ともあれ先に、怪我の御人やわ。芙蓉さんに声をかけてからで宜しいですかえ?
[その間にも彼の足は水場に急ぐ>>335。 迷った末、芙蓉に声をかけることにして。 もし自分が追いつけなかった場合はエントランスで落ち合おうと、背中に投げた声は届いたか。]
(339) 2013/01/01(Tue) 01時頃
|
|
[>>329 娘さんを怖がらしてしもたかなあ。びくついてはるわ。顔色も悪そうにして。 ああ、おいたわしや。お気の毒な。こない美しい頬を。]
そない怖がらんとってください。手前かかあの腹から産まれて十九年。人から恨まれることなどしたことおまへん。安心しておくんなせえ。
>>334 おみつはん。わたしも忘れんとってくださいね。
…そうそう、おまはん。名前はなんて言いますの? まだ、お聞きしとりませんでしたな。
(340) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
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[今の私の出で立ちに、何処か異人じみた個所があるとするならば。それは着物でも履物でも無く、絹の被りから覗く明るい髪だったろう。 少しはみ出た程度なら、昏い雪道ならば雪と紛いあまり目立たぬ前髪。 それも屋内であれば、雪だ、などとは言えぬもの。
青みがかった瞳は照明の下、色はおそらく、はっきりとした青には見えなかっただろうが――。]
あなたも、西洋と関わりのある、 ――あなたは、もしかして、此処のお方でしょうか。
[ふと頭に浮かんだ、このような問いの所為で。 私はほんの少しだけ視界に入る銀の髪の存在を、一時忘れてしまっていた。]
(341) 2013/01/01(Tue) 01時頃
|
|
…ば、 ら
[教わった名前。記憶の片隅から引っ張って口にした。 音は思い出しても、漢字は思い出せなかった。
風が織物の端をなびかせる。振り返れば、男と、女。 掲げられた白い紙に、懐を探り、同じものを取り出した]
…家人は、まだ
[ゆっくりと、首を振った。薄青の織物がずれて細い首筋が露になる。ふるり、と再び感じた寒気に肩を震わせた]
(342) 2013/01/01(Tue) 01時頃
|
ウトは、芙蓉にも同じ提案>>339を投げるだろう**
2013/01/01(Tue) 01時頃
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[朧の言葉>>322に、こくりと頷いて。 僅か俯き考える様子を、見ていたけれど。
人の気配に、再び動き出すのを見れば、それに倣って歩き出した。]
(343) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
楽士 ウトは、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
|
はい。忘れてなどおりませんよ、菱川様。
[女子に話し掛ける菱川の話振り>>340に、 商家の人間は口から生まれるのではないか、などと思い抱く。
悪意などない。ただの感想だ。
先程見付けた鍋に水を汲み、 火を焚いた竈らしきものの上にかける。
茶器を軽く水ですすぎ洗い、]
茶葉と急須も探せばありそうですね。…失礼致します。
[女子の前を通り、奥の棚を物色し始める。]
(344) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時頃
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― 一階・居間 ―
[辿りついたのは、暖かな熱気に包まれた居間。]
あったかー。
[ふにゃりと笑んでみれば。 横で漏れる吐息>>336に顔を上げて、表情を見て。]
雪解け……ない!
[ぽそりと、実況中継。 寒くて固まっていた朧が、部屋の暖かさに弛緩し、しかし自分を律しようとしている感じ?を表現しみた。 口数が少なめなので、ちょっとした仕草や言葉から予測してみるのが癖になってきたのかもしれない。]
(345) 2013/01/01(Tue) 01時頃
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[彼が振り返る前に発した声は、途切れて耳に届く>>342。漢字で脳裏を過ぎる、薔薇。この館を囲む、そして屋内すらも支配する意匠の多くは薔薇を形作ったもの。
彼が何をしているのかは、背を向けられたこちらに見えることはなかったけれど。]
……、そう。 いない、か。
[示された同じ招待状。首を振る仕草に、少年の姿がこちらにも無いことを知る。 招集が掛かるのならば、ここだろうか。煌々と光を放つ罐の明かりに照らされながら、もう一つ、今度は意味の無いため息を。]
……他の、客人とは?
[会ったのか、と。 彼はずっとここに居たのだろうか、真っ直ぐに視線を向けたままに問いかけ]
(346) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[より近くなりますお二人の距離。>>338 水色に鈴蘭など如何にも女性の着るものでしょうが、袴と刀とブーツと共にであれば、天宮殿の目にはどのように映ることでしょう。]
確かに立派なものだ。動かぬのは残念であるが。
左様、ぶーつと言う。履き物としては優秀だ。
[長時間履かれては蒸れるという難点もございますが。]
(347) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[室内を見回していると、朧からの視線を受けて。>>337 対象と思われる人物を見てから、こくり、頷いた。
朧が招待状を見せ、男性がそれに倣って取り出す>>342のを見れば、こくりと頷いて。]
……ね。『ばら』って、何?
[ばら? 『ばらばら』の、ばら? でも、何が、ばらばらなんだろう? なんて思って。 聞こえた単語に、辺りを見回しながら、首を傾げた。]
(348) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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…………ん、
[隣から聞こえた声>>345に、切れ長を向け。雪解けの真似をしろとのことだろうか。数度、瞬きの後に]
……無理だ。
[雪解けの経験は勿論無い。 眉根を僅かに寄せ、首を振りて結い髪を揺らした。]
(349) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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慶、と みつ の 二人 あと…
[館の前に立っていた老人。 刀を持っていた少年。 酷く顔色の悪い少女。 派手な格好をした男。
思い出すごとに左の指を追っていく。小指が戻った所で、動きは止まる。 名は知らぬ。知ろうとも――呼ぶとも、思えない。 けれど一人一人連ねていくのは億劫だった]
(350) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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ばら、って 花。くさい、花
[むせ返るような香りは、今は燃える薪の匂いに阻まれて。 どちらも嫌いだった。
寒いのも嫌いで、好きなものはほとんどないから、留まっている]
(351) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[寒かった、おみつの言葉に同意しようにも言葉を持たず、頷きだけ返すのを、さて如何思われたか。>>334
茶の準備を始める手際の良さを、まるで手品を目にしたかのよう。
菱川に名を尋ねられれば、やはり戸惑いながら。]
、 ―― 、
[けれど何も返さずにはいられずに。
息漏れの音、だけ。 ようく聞こうとしたならば、辛うじて耳に届いたかもしれない。
しの、と**]
(352) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時半頃
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可笑しな事を。 私が此処の者であれば客人を放ってはおかぬものよ。
私よりも、主の方が似合いではないか。この館に。
[まるで隠さんとばかりに被りの下、白銀の髪も、異なるように見える眸の色も。>>341]
(353) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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―1階・廊下にて ―
[芙蓉と名乗る薬売りに向け少し歩を進めた。 近寄れば、遠目には女物にも見えた派手な着物姿は男のものだと分かる。]
ふむ……。富める者からどれだけ巻き上げるかが商売人の腕の見せ処では無いのだな。 人が良いのか、口が上手いのか、
[恐らく後者だろう。わざとらしい表情>>255を覗き込みながら、思う。]
そうだろう?誰か、怪我の一つでもさせてみればいい。 其処に薬を取り出せば、あっっ。という間にお得意様さね。
……ふ、冗談さね。
[ウトに咎められて>>308肩を竦めた。 そう。笑いながら告げた言葉は飽く迄冗談のつもりだ。 相手がそれを冗談か本気か区別つけられなかったのだとしたら、それは多分……己の未熟さが言葉の端に漏れ出たせいであろう。]
(354) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[ひとつこそり囁いた意地悪のあと、急に顔を赤くする女>>312の、その分かりやすさに己はまた笑った。 嗚呼、人間素直がいちばんだ]
……あァ、そうさね。 捜して来なさい、捜して来なさい。
[仲間を、しあわせを。 ひらりとウトに手を振って見送った後、己は再び薬売りに向き直り]
己も探検の続きに出向くとしよう。 では、また後程。
[廊下を往来する人のすがたも増えた。 芙蓉に向け礼をひとつ、そして背を向けることにしよう*]
(355) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[男の視線は、彼>>350の表情からその左手へと移っていた。慶とみつ、という名は小鈴からは聞かなかった。少なくとも10人程は招待されているのだろうか、思ったよりも多い人数に少々戸惑いつつ]
宵渡だ。……宵渡、朧。 彼女は……
[今度は職を口にせず、簡潔に名乗りて小鈴へも誘導をした。]
……君は。
[そうして彼の名を問うた。名を知らねば、指を折って数えるのみになってしまうからと、先ほど折られた彼の左手と、その双眸を交互に見遣りて**]
(356) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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──居間 >>310>>311>>315──
[名乗りを受け、音を口にする。]
かざき、雷門さん。
[苗字の綴りを尋ね、答えがあれば頷いた。 珍しい、趣のある名だと心に刻む。]
あゝ、済みません。
[>>315手持ちの手拭いが足に巻かれるのを、大人しく待つ。 言葉では済まないと云い乍ら、そうされることを当たり前のように受け入れて、足元にしゃがみ込むのを見て居た。]
(357) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[ぽそりと呟いた実況中継に、僅かに寄せられた眉と、真面目に答える声があれば。>>349 ぶふっと噴き出して、くすくす笑って。]
[男性が知らない名前を告げ、更に指折り増えていく人数を見れば。>>350 わりと、沢山の人が招待されているのだなぁ、などと思い。]
くさい花?
[くるり、辺りを見回す。 館の中には、噎せ返る様な花の香りと、花を模した調度品の数々。]
……この花の、名前なんだ? 物知りだねー。
[自分は初めて見る花。こくりと頷いて。]
(358) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 01時半頃
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[そうして、朧が男性に名を名乗る。 今度は職を告げなかった事に、気付いて。 切られた言葉と、促される様な視線>>356がこちらを向けば。] アタシは、小雀 小鈴。
[そう告げて、『君は』と問う視線に、同じく男性の方に向き直った。]
(359) 2013/01/01(Tue) 01時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 02時頃
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これなら歩けそうです。
[手拭いが巻かれれば痛みは幾らかましになった。
尤も、ゆりに痛みを厭う気色はない。 しろ に染められゆく世界の中で、痛みだけが鮮やかに あか く咲いて居るように感じられたから。 とは云え。]
雷門さんがそう仰るなら。 待って居ます。
……ありがとう。
[雷門に付き添われ、暖炉のある間へと至る。]
(360) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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あ…
[敷物を握り締める。名字を名乗った二人に、慣れない名前を思い出す]
久慈、明之進
[左手は再び拳の形となり、彷徨う視線。 暖炉が目に入れば、ゆっくりと瞬いて、握り締めた敷物の下、色無地が充分に乾いたことを確かめる]
此処は…暖かいから
[震えたばかりの肩はそのままに、敷物は腕にかけて、居間を出ようとすれば、結果二人に近づくこととなるか]
(361) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/01/01(Tue) 02時頃
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[かつて洋靴を目にして手に取ったことはあっても、履くことまでは許されなかったものだった。 故に、履き続ければ起こり得る苦労の存在には疎かった。 今目の前に居る女子>>347の足が蒸れてはいまいか、と気に掛けることも無かったのである。]
ええ、雨にも寒さにも適した履物と――、
[だからその時は、私は至って無邪気に頷いていた。]
(362) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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[>>334 おみつはん手慣れた手つきでやらはるな。 がさごそがさごそ人様の家。立ち居と物言いはまた別か。わしも人のこと言えへんけど。]
>>352
、 ―― 、
[『―の』とだけは聞こえたものの、声が小さくうまく聴き取れん。 いずれ必ず名前を聴かなあかんなこれは。 生まれながらのご病気か。流行り病のその所業か。ああ、おいたわしや。]
そうか。そうか。分かった。分かった。 無理はせんとき。おみつはんがうまい茶をいれてくれはるさかい
(363) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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[館の廊下を歩く間も、ゆりの手は雷門の腕に。
筋肉の落ちた細い腕。 労るように、終始力は然程籠められない。
暖炉のある間を見付け、中へと促されれば、ひょこ、ひょこ、と二三歩中へ入って、踵を返す雷門の背を見送った。]
(364) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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ゴォォォオオオ―――――ン………
ゴォォォオオオ―――――ン………
ゴォォォオオオ―――――ン………
(#10) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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[それから、彼女の返答>>353に瞬いた。 しかし言われてみれば確かに、客を放置するような人でもないようでもある。それは飽く迄出で立ちと立ち振る舞いからの印象、ではあったが。]
これは。失礼、しました――、
[さらに瞬いたのは、続いた指摘の意味を一瞬測りかねたから。 ややあって、私は彼女が何を言わんとしているのか、察した。 眼の端、さらりと空気に揺れるおのれの髪。]
――やはり、然様に、見えますか。
(365) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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降り積もっていく粉雪。
夢を描くように時計の音が鳴り響く。
静かな館内(せかい)を
大時計の確かな振り子が時を刻む。
(#11) 2013/01/01(Tue) 02時頃
「 ど こだ、 ど こ へ に、げ た ! ! 」
(#12) 2013/01/01(Tue) 02時頃
聞こえる音は
時計に掻き消されそうな男の声と。
(#13) 2013/01/01(Tue) 02時頃
カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ
、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ
カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ
、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ
カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ
、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ
(#14) 2013/01/01(Tue) 02時頃
時計の 運 命 の 戻り始める音。
(#15) 2013/01/01(Tue) 02時頃
とんとん。
…――――ばさっ。
(#16) 2013/01/01(Tue) 02時頃
透明な傘を折り畳む。
誘った時の微笑そのままに。
時を告げるようにして。
黒の少年が姿を見せる。
(#17) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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[上質な女子の着物纏いながら、洋靴に刀に身を固める女子。 其処に垣間見たのは、――志持ち先進を良しとする誇り高さ。 何処から、そんな想起をしたものだったか。
けれど目の前のこの鈴蘭の剣士にも、私は奇異に、見えていたりはするのだろうか。]
―――――、
[未だ動かぬまま、時を止めていた針に、ちらりと目は逸れ――]
(366) 2013/01/01(Tue) 02時頃
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