221 堕天の姦計
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[他の部隊の天使──?]
[傍に残った二人に、注意と、場合によっては彼の支援を伝えようとしたとき。 ぞく、と例えようのない悪寒が足元から這い上がる]
[気をつけろ何か……、しかし警告より早く、エリシェバの体が跳ねた>>2 失態だ! 目の前で味方を傷つけられるのに甘んじるなどと!]
[盾を投げ捨て、エリシェバを受けとめようとした足元が、 ずぶり、 とふいに沈んだ。 突然、地面が沼地に変わってしまったとでも言うように]
(3) 2013/05/11(Sat) 00時頃
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[咄嗟に翼を広げる。だが、地の中へ「墜落」する速度は羽ばたきより早かった。 腰、胸、顔と吸い込まれるように落ち。何かを掴むように伸ばした右腕が、最後に地面に沈むまでは、ほんのごくわずかな時間]
[その身が落ちて行く先は……]
(8) 2013/05/11(Sat) 00時半頃
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― 牢獄 ―
[落ちる。落ちていく。 急速に近づく、地面らしきもの。 ケヴィンは翼で空気を叩き、慣性をころしつつ態勢を調節し、両足から着地をした。膝を曲げ、衝撃を吸収する]
[む、と立ち上る悪臭。 ぼそぼそと続く誰かの話し声。 しかし、さっきまであれほど溢れていた魔どもは、気配はすれども姿はない。 状況を探るため首をめぐらし、は、と息を呑んだ]
[大股で数歩を進み、落ちていた矢>>0:200を拾う。銀の矢から立ち上る美しく清い気配は、パティエルのもの。 そう気づいて見回せば、慣れ親しんだジェフェルの気配の残り香もする]
[ここは、さっきまで自分が守っていた洞窟の中……なのだろうか?]
(28) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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[しかし、見回しても大切な仲間の姿も、囚われのサイモンの姿もない。 すでに撤退したのだろうか。それとも……]
[……っ、、 ちりんと矢が床で鳴った。取り落とした事にも気づかず、ケヴィンは自分の左胸を抑える。 ヨラニエルの庇護の力がなくなったせいだろうか、 瘴気がやけに沁みた。特に……天使になってからも残る過去の傷>>0:36。身を貫いた槍傷の……]
[「……、……、」]
[……膝をつくのを堪えられたのは、ごく近くで聞こえた助けを求める声のおかげだった。 ぐい、と額の汗を拭う。 ここでじっとしていても良くならないことは分かっている。この傷と言葉の欠落……これは自分がずっと背負っていかねばならないものなのだから]
[盾を投げ捨てたために、空きっぱなしだった右手で、自分の頬を叩く。 辛い顔をしていてはならない。自分は天使。主の代行者なのだ]
(29) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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─ 牢獄 ─
[救済を求める声の牢に近づく。 たすけてタスけてたすケてテテテ……という小さい声。鉄格子の向こうにうずくまるのは、やせ細った青年。 左手の籠手を叩きつけ、錠前を壊して中へ踏み込む]
[もう大丈夫だから、とその背を撫でて、ハッと息を呑む。根元から折られた翼のなごりが、そこにあったから。 「けテテテ……」と鳴きながら青年は顔を上げた。斑に黒く染まった長い髪が縁取る白い顔のなか、黒い涙が流れ続けていた]
[もう、手遅れなのではないか、一瞬よぎった思いをねじ伏せる。 汚れきった涙は、触れるだけで痛みを及ぼしたが、構わずに青年を胸に抱き上げる。やせ細った姿は枯れ木のように軽かった。 あと何人、ここに虜囚がいるのだろうか。見当もつかないが、身捨てる訳にはいかない。出来るだけ救い出して……、、
と、]
(46) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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[「ころして」]
[無表情で黒い涙を流したまま、青年はほんのごくわずかだけ光の戻った目で言った。 「たスけてころシテたすけテコろしてたすけて」]
[助けるし、殺さない。 ケヴィンの思いをかき消すように、青年は続けた。 「たすけるためにころして」]
[唇を噛んだ。 天使になってから、死よりも辛い事というのは確かにあるのだと、だから「死による救済」もひとつの助け方なのだと知った。人間だったころ貫いた「生涯不殺」は、なんと尻の青い、浅はかな誓いだったのだろうと思ったものだが]
[……分かっている。 たかが一個小隊では、サイモン一人を助けるのに精一杯だ。 荷物が増えるほど危険は増し、部隊そのものの生存率が下がる事も、本当は分かっていた]
(47) 2013/05/11(Sat) 02時頃
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[ジェフェルやエリシェバのような剣が。あるいはノックスやミルフィのような槍があればよかったのに、と思った。 一撃で苦痛なく浄化する、そんな方法が自分にあれば。 しかし、ケヴィンが持つ奇跡は盾だけだ。なんと役立たずな事だろうか]
[だから、ケヴィンは青年をもう一度強く抱き、斑に染まった髪を撫でてから、そっと床に座らせた。 その頭部に優しく両腕を回して、 、]
[ ]
[酷く重く感じる足を引きずるようにして、ケヴィンはひとつひとつの牢獄を開けて回った。 しばらくして、空間をぼそぼそと埋めていた泣き声や怨嗟の声や狂った笑い声は、全て聞こえなくなった]
[天使も人間もそして魔物も、囚われ弄ばれ狂った全員を、等しく「たすけて」から、 黒くない、透明な涙の流れる顔を、ケヴィンは無言のまま両手で覆った]**
(49) 2013/05/11(Sat) 02時半頃
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ー 牢獄 ー
[自失していたのは、さほど長い時間ではなかっただろう]
[かえりたい、痛切に思った。 過った光景は生前の故国だったが、そこはもうない。もう帰れない。もうケヴィンを必要としていない。 だから、天界を思い浮かべ直して、ジェフェルの、小隊の皆の顔を思って]
[ぐ、と足に力を入れた。 仲間達が近くにいるはずだ。助けなければ。行かなければ。 ここがジェフェル達が突入した洞窟で、彼らがすでに目的を果たして撤退したならば、外へ出れば合流できるはずだ]
(68) 2013/05/11(Sat) 12時半頃
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[新たに生成するのは、狭い洞窟内でも小回りの効くラウンドシールド。 周囲に気を配りながらも早足で帰路を進む]
[自分が抜けたあと、エリシェバやノックスはどうなったか。退路は確保し続けられたのか。 逸れていた意識が小隊に戻れば、焦りが沸き上がった。 天の使いとして正しいことをした、と思う。誰恥じることはない。 しかし、隊を放り出して、予定外の時間を食ったのは事実だ。 しだいに早足が駆け足になり、一秒すらも惜しんで]
[洞窟を抜けた先は、しかし、外ではなかった]
→ ー 暴走の実験室 ー
(69) 2013/05/11(Sat) 12時半頃
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─ 暴走の実験室 ─
[道を間違えたのかと思った]
[しかし、慌てて振り向いてぎょっとする。洞窟から出て来たはずの道がない。平らな壁になっている。 思わずぺたりと触ってから、ぬるりと冷たく湿った感触にすぐに手を離す。顔をしかめて、自分の胸甲の下、厚布になっている部分で拭いた。黒い涙の染みの上に、良く分からない染みがまた増えた]
[仕方なく、そのまま薄暗い部屋の中、壁づたいを歩き始める。 翼でも引っかけたのか、ビーカーがひとつ落ちて、カツーンと床が鳴った。 思わず足を止めるが、その音で何かが飛び出てくると言う事はなさそうだった。ケヴィンは翼をぴったりと畳み、大きな手足を縮める様にして、歩きを再開する]
[ジェフェルに。 敬愛する小隊長に無性に会いたかった。 他のメンバーの前では不動で鉄壁の副隊長の顔でいなければいけないが、彼の前でならただの一天使であれる。きっと、心を落ち着けて、いつもの盾の天使ケヴィンとして、皆の元に戻れるだろう]
[壁づたいの向こう。扉がある。そちらを目指していた足がふと、止まった。 警戒の色を浮かべて、盾を握りなおす]//
(87) 2013/05/11(Sat) 17時頃
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[静かで聴き慣れた声>>90に、肩から力を抜いた。 扉ごしだったとはいえ、これほどに会いたいと思っていたジェフェルの気配に気づかなかったとは、我ながら不覚だ。 盾を下ろし、いつもの姿に足早に近づく。自然と笑みが浮かんだ]
[のに]
[なぜかあと数歩というところで、足が勝手に止まった。 自分でも理由が分からないままに、なぜかそれ以上進むことを、体が拒絶する]
[……?]
[瞬きをして、ジェフェルを見つめる。 そういえば……彼はひとり、なのだろうか? サイモンは? 共に行ったはずのパティエルやトレイルは?]
(91) 2013/05/11(Sat) 17時半頃
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[任務失敗>>94 それを聞いて、ケヴィンの表情が沈痛なものになる]
[我が第7096小隊は……、危なげない戦いぶりだったとはいえ、このような魔界深い場所まで来て……しかし神の命を果たせなかったのか。 闇に呑まれる……それがどんなことなのか、ただ想像するだけでも肌が粟立つようだ。サイモンの苦痛と絶望はいかばかりだっただろう。 ……自分が無意識にジェフェルに違和感を感じたのだとすると、彼がそれを目の当たりにした苦しみのせいだったのかもしれない]
[魂の声でジェフェルに牢獄のイメージを送る。 サイモンと同じく囚われていた者たち。囚われたという情報すら届かなかった、絶望の中で心を殺された天使や人間たち。 彼らを救うことはできなかったけれど、闇落ちだけは回避した。彼らの魂はきっと、神の御もとに還っただろうと]
(96) 2013/05/11(Sat) 18時半頃
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[生きねばならぬ>>95。その言葉に強くうなづく。 生きられなかった者たちの為にもそうしなければならない。 小隊の誰一人欠けず、天界に戻らねばならない]
[ジェフェルが一歩を近づく。 再び、体の奥の何かが疼いた。 ケヴィンは眉を顰め、その訳の分からない感覚をねじ伏せて、こちらも一歩を踏み出す]
[行く。 自分は、この人の副隊長なのだから]
(97) 2013/05/11(Sat) 18時半頃
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〜 今はない小さな国のはなし:表面 〜
「赦し」を教義とするその異教は、その始まりにはきっと、なにかの愛があったのだろう。 ただ、彼らはどこかで道を間違えた。 「赦し」に値段をつけ、金でやり取りをするようになってから、それはごく薄くて軽いものになってしまった。 なのに、そこに価値を認める人にとってはそれは重く確かなものなのだった。……まるで金貨が紙幣に換えられるように。
貧しく、けれど正しく清らかな小国の人々の生活は、あかい屋根の遠い国の教会を受け入れた時から、狂い始めた。 酒も暴力も浮気も……そして殺人も、後で懺悔して金を積めば赦される。そんな価値感が、疫病のように国を覆って、 そして、 正しい神のもとで、正しい生き様をしている民はあっという間に少数派になってしまった。
(111) 2013/05/11(Sat) 20時半頃
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幾本の槍を折り、幾本の剣を砕いて、彼はそこに立って居た。 武器を持たず、ただ、盾のみを右手に、攻め入る人々を説得した。新しい教義に従う人々、古きを駆逐しようとする人々と、声だけで戦った。 低く落ち着いた声で、臆さず、卑しめず。……我々は誰も傷つけない、何も否定しない。ただ、昔ながらの暮らしを続けたいだけなのだと。神の下で、節度と教義を守っていたいだけなのだと。 そして、籠城する人々を守り続けた。幾枚もの盾が砕かれても何度でも。 不安の嘆きがあがれば励まし、泣き声が聞こえれば、低く穏やかな声で讃美歌を歌って。
……最後の砦を守り続けて、立ったまま死んだ彼の名は、 放蕩の果てに滅びた小国の歴史と共に、忘れられて久しい。
〜 表面・終 〜
(112) 2013/05/11(Sat) 20時半頃
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[名を呼ばれ>>108、指示を待って彼を見つめる。 ……だが、]
[……! そうすべきではなかった、という弾劾の言葉に、息を呑む。 眉を下げ、目を逸らした]
[……そうだ。 ジェフェルがあの場を何もせず立ち去ったのだとすれば、彼らの放置こそが小隊長の判断だったのだと、 それは副隊長として察せてしかるべきことだった。 ……だが、直接そう命じられたとしても、自分が彼らを見捨てる事が出来たとは思えなかった。 ジェフェルが放置を決断したとしても、自分はきっと首を振り、彼の腕を掴んで彼らの救助を懇願しただろう]
[……だが、その結果はどうだっただろうか]
(117) 2013/05/11(Sat) 20時半頃
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[虜囚の彼らがわずかでも意思を取り戻せたならば、同じように救助を拒んだだろう。死による救済を望んだだろう。 その時、ジェフェルの判断が正しいと思い知ったのではないだろうか]
[そう思考して初めて、ケヴィンの脳裏に淡いグリーンの翼が思い起こされる。 この場所に、違う部隊の天使がいた。 彼らこそが、サイモン以外の者への救いを、命じられていたのではないか? ……なぜだろうか。何故、今までその可能性を考えなかったのだろうか?]
[無意識のうちに、左胸の傷を抑えていた。 違う、神のみわざを汚すような、そんな傲慢なつもりはなかった。 ただ、最善を、
その時のさいぜんを、 えらんで、 しようとして]
(118) 2013/05/11(Sat) 20時半頃
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[ジェフェルがこちらを指差す。 胸の傷を指す。 ちがう、自分が汚してしまったのは、手ではなく]
[ことば]
[どう償えばいい、と思いを込めて、逸らしていた目をジェフェルに向けた。 自分は 、 どう すれば]//
(120) 2013/05/11(Sat) 20時半頃
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─ 暴走の実験室 ─
[ジェフェルから告げられる言葉。 贖罪の方法。うつむき、自らの腕を見た。左は籠手で覆われ、右はまだ盾を握っている。 あの感触が、まざまざと甦る。命を奪った、その時の]
[この身に罪がある事は分かっている。でも、神はそれでも、自分を召したのではなかったのか。こんな自分にでも、出来る事があったのではないか。 神は間違わない。 ……ああ、でも、神ならぬ身は間違える]
[見よ>>142、と言われ、顔を上げた。 はっとして、思わず一歩を下がる]
[黒い翼、色を変えたひとみ、禍々しい姿。 天使が変わるのを、見た事がある。でも、自分はそうはならないはずだった。 ジェフェルと共に翔け、小隊の皆に囲まれ、守り、必要とされて、 もう二度と裏切られたりせずに]
[ずっと、]
(150) 2013/05/11(Sat) 23時半頃
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[ガララン、と重い音をたてて盾が落ちた。 その場に膝を尽き、こうべを垂れる]
[魂の声で、伝える。 ──もし、自分が汚れて堕落するならば、先に殺して下さい。 そうなる前に]
[貴方の剣で自分を、 たすけるためにころしてください]
(151) 2013/05/11(Sat) 23時半頃
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ケヴィンは、喉が枯れて痛む時のような、小さな咳を。
2013/05/11(Sat) 23時半頃
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