人狼議事


196 Fiducia - 3rd:fragrance -

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視点: 人


【人】 落胤 明之進

[消えた命も消え行く命も、刹那、生きるそれらと同じく輝いた。そして光の螺旋となり、黒の洋館を明るく、まるで太陽のように照らし出す。
赤く濡れた手も、朧の優しげな顔も、眩しくてもう見えない]

 ―――…嫌、だ  なんで

[手を伸ばす。温かい手に、何かに触れた気がした。キン、とおるごおるが旋律を奏で始める。まるで別れの曲みたいに。もう、会えないと示すように]

 『真っ直ぐに、軸を持って、生きてくれ。』

[顔の見えない、もういないはずの誰かの声も、旋律と共に螺旋を描く。名を知らぬままだった。顔も、はっきりと見ていない。よく思い出せない。結局何も、知らないままだった]

(206) 茄子 2013/01/17(Thu) 00時半頃

【人】 落胤 明之進

[水辺に佇む洋館が見えた。
鋭く強い、笛の音が聞こえた。
あかに染まった、あの広い部屋が見えた。

見たいものは何も見えないまま、全ては白に
灰のように細かく溶けて消えていく―――]

(207) 茄子 2013/01/17(Thu) 00時半頃

【人】 落胤 明之進

 ……は、

[息は白い。身体は暖かいままで。
頭上には灰色の空。でも目の前は何処までも、白。
黒い影はあの少年だった。館は何処にも見えやしない]

 『      、      。』

 …聞こえない、よ

[少年の手は、雪のように白く冷たく、そして柔らかかった。
あの人の手は、暖かく、固かった。
雪の上に、暖かい雨が零れ落ちる]

 『…―――だけど、君が“生きていくべき”世界。』

(208) 茄子 2013/01/17(Thu) 00時半頃

【人】 落胤 明之進

[雪を掬う。
手は乾いたまま、白に塗れ。

命を掬う。
見渡す限りの、しろ。己の命を繋がなくては]

 ………怖い、けど

[守れなかった笑顔が浮かんだ。
あの手から、何度も何度も逃げた。
もう、二度と――逃げ出さない]

(209) 茄子 2013/01/17(Thu) 01時頃

【人】 落胤 明之進

[振り返る。足跡はまだ、新しい。
一歩進み、また振り返った]

 寂しいよ
 苦しいし、多分これからもずっと――哀しい

[黒の少年は、ただ微笑む]

(210) 茄子 2013/01/17(Thu) 01時頃

落胤 明之進は、メモを貼った。

茄子 2013/01/17(Thu) 01時頃


【人】 落胤 明之進

 ― 暗い蔵の中で ―

[高い塀に囲まれた屋敷に戻れば、冷えきった身体もそのままに蔵へと押し込まれた。埃っぽく、冷たい床。乱雑に詰まれた箱は今にも崩れそうだ]

 …さむ

[開いた首元。いくら竦めても冷気は忍び寄り、座り込んだ尻と足が酷く冷たかった。たまらず立ち上がり、手慰みに箱を一つ、開けてみた]

 本、だ

[乾いた墨の、紙の匂いが広がる。手にとって広げれば、うねるような文字が、絵が、目を入り口にして全身へ飛び込んできた。
読める文字はまだ少ない。それでも少しずつ、夢中で紙をめくった]

(290) 茄子 2013/01/18(Fri) 00時半頃

【人】 落胤 明之進

 ―――…へ、ふしっ

[くしゃみをすれば、もう文字を追えないほどに暗くなっていることに気づいた。それでも、薄ぼんやりと目の前は見える。灯りはないのにきらきらと、埃だろうか空気が輝いている]

 …つき かな

[本を閉じ、箱の上に置いた。固まっていた膝をなんとか伸ばして立ち上がる。精一杯首を伸ばせば、窓の向こう、遠い空は晴れ―――]

 朧、月?

[たった今、本で知った。柔らかくかすんで見える春の月を、そう呼ぶのだと]

 でも今は、………

(291) 茄子 2013/01/18(Fri) 00時半頃

【人】 落胤 明之進

[使用人たちの囁きは、僅かな閑に休む男の耳にも飛び込んでくる。翌日、蔵から出され、数日後には元の部屋に戻された。そうして今、空いた時間には奥座敷を自由に動けるまでになった]

 …よいしょ、と

[中庭から、表座敷へと通じる隙間も見つけた。薔薇ではないが、同じく雪に映える椿があった中庭にも、もはや白はなく。あの日と同じ紺鼠の色無地だけでも、寒さは感じなくなっていた]

 …薔薇、いつか 植えたいな

[今ならば、漢字で書くこともできる。
読み書きに不自由がなくなれば、次はさらに、西洋の言葉を、と先日から教育係に声をかけている。
良い先生を探しておきましょう、と。悪くない返事をもらえた。その言葉が叶うのは、さてあと何度月が昇った後だろうか]

(312) 茄子 2013/01/18(Fri) 01時半頃

【人】 落胤 明之進

[昨夜、いやここ何月も見続けている夢があった。
広い、広い雪原に独り。
ただ独り。
世界が全て、しろに飲み込まれていった後の、世界。
たとえ独りでも、生きなくては、と前を向いた己は――]

 『旦那様、旦那様!
 なにやら学士いう者が来ておりますけんど…』

[白昼夢から醒めれば、身を隠そうと手近な襖を開く。ああ、新しい先生だろうか。初めての人と、上手く話せるだろうか。ゆっくりと閉じ、息を潜め様子を窺う]

 『へえ、名は――』

(315) 茄子 2013/01/18(Fri) 01時半頃

【人】 落胤 明之進

[襖を開く音が屋敷中に響く。そのまま磨きぬかれた床を、ほとんど滑るようにして駆ける、駆ける、駆ける――!]

 …は、 …けほ、

[玄関が見えた。
ずっと触れてみたいと思っていた結い髪は、ない。顔は、何故だろうか。ぼやけてよく見えなかった。そう、春に見える霞んで、でもあたたかい色をした光――それが]

(318) 茄子 2013/01/18(Fri) 01時半頃

【人】 落胤 明之進

 一緒に、  ……生きてくれる?

[ゆっくりと、手を伸ばした。
今度こそ、手を離さない。
信じる人を、守り抜く**]

(323) 茄子 2013/01/18(Fri) 01時半頃

落胤 明之進は、メモを貼った。

茄子 2013/01/18(Fri) 02時頃


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