196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 07時頃
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―中庭より中へ―
[帰らぬを待つ、帰らぬと知って尚。 その思いに長い間、瞼を伏せてしまっていたらしい。 微か流れる吐息の白に、気付く事も無いまま。]
……咎めぬ、罰さぬ罪と。 ……咎められ、罰される無実。
[男の声は雪に紛れよう。]
無常ですね、諸行は。
[仏門を叩くわけではないけれど。]
(80) 2013/01/07(Mon) 08時頃
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[銃声に、嗚呼と一言。 馳せる思いはどこか遠く。
駆けつけようかと思う気持ちと まるで反比例するように重く圧し掛かる疲労。 老体に、一連の出来事はあまりにも労力を伴うものであった。]
ええ、行きましょうか。 落ち着く頃に、赴きましょう。
[拒否の色はない。 居間へと連れ立たれれば、勝手場を探し消える芙蓉を見送り。 其処には誰も居らず、男は腰を落ち着けた。]
(81) 2013/01/07(Mon) 08時頃
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―居間―
………なあ。
[そこには見えぬ『郷愁』に語りかける口調は ここに居る誰にも向けぬ、崩れたもの。]
御前は、寂しかったか? 苦しかったか?
『哀しかった』か?
[問う声に、返る声はない。]
(82) 2013/01/07(Mon) 08時頃
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御前が人を殺めたと聞いて、私は。 役人に引き連れていかれる御前を、見ているだけしか出来なかった。 見ているだけしかしなかった。
御前を疑い、信じず、……―――見捨てたのだ。
その私を、責めるか? 私を、笑うか?
なあ、 。
[呼ぶ名は、雪の無音に消され。]
(83) 2013/01/07(Mon) 08時頃
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あの子は、罪を犯している。 先刻の銃弾も、ゆりを貫くと同じ音だろうよ。
御前は、私にあの子を救うことが出来ると思うか?
………驕れた事よと、謂うか?
[嗚呼、其れでも。]
(85) 2013/01/07(Mon) 08時頃
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御前に出来なかった事を、今。 彼が私に救いを求むる時が来れば。
―――命に代えても。
[手を伸ばそう。 その銃口が、己に向かい放たれる *なら*]
(86) 2013/01/07(Mon) 08時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 08時半頃
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―居間―
……おや。
[居間に在るはまだ一人。 其のうちに芙蓉も戻ってこよう、今は只男が一人『そふぁ』に座っていた。]
ご気分が優れませんか?
[顔色を見ては、そう口にする。]
(90) 2013/01/07(Mon) 11時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 11時頃
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[哀しげな色、音に成らぬ声。 近付く気配を拒絶することはない。]
どうされました。 ……嗚呼、このような騒ぎでは食欲もわきませんかね。
[男は普通に空腹を覚え、喉の渇きさえあった。 感覚は鈍くなっているのだろうか。 死に、関して。]
けれど食べなければ。 此処から生きて帰れませんよ?
[奇しくも男が紡ぐ言葉は、音なき声と逆のもの。]
(92) 2013/01/07(Mon) 11時半頃
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[目にした言葉に手が伸びる。 目の前の、距離も縮まったその頭へ。 向けるのはただ優しい。 柔らかな、瞳。]
………大丈夫。 誰も貴方を殺しなど、しません。
見ていなさい。
[もう片方、伸ばした手が掴んだのはなんであったか。 其れを迷わず口に運び入れた。]
(94) 2013/01/07(Mon) 12時頃
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[ゆっくりと咀嚼するは、干した芋。 噛む度に甘さが広がる。 舌触りはねちねちと、けれど不快感はない。 やがて其れを飲み込んで。]
………大丈夫、だったでしょう? 毒など、『もう』誰も仕込みませんよ。
[それは希望に等しき言葉。 誰も、もう、死んでなどくれるなという望み。]
食べなければ、生きてはいけない。 飲み物だけでも構いません。 ご一緒に、如何ですか? 芙蓉君のお茶は、きっと美味しいですよ。
[運ばれて来る茶を待ち、触れた頭をそっと *撫ぜた*]
(96) 2013/01/07(Mon) 12時半頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 12時半頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 22時頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/08(Tue) 00時半頃
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―居間―
[お姫様にも、薬屋にも逃げられた居間で 男は一人、冷めた茶を啜っている。 二つを律儀に……否、片方は『帰らぬを待つ人』に。
静かに、静かに。
様々な思惑の渦巻く中に。 男はただ一人で *在る*]
(182) 2013/01/08(Tue) 01時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/08(Tue) 01時半頃
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