196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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[己が全てを喪いしかの日から、此の左眼が濡れることは無し。其の代わりとばかりに幾度も幾度も、ぬるりとした血の幻影を見た。 然しいま己が左頬を流るるは透明な雫。
『君も、哀しいの?』
嗚呼。……然様な事を云いながら己に手を差し伸べた、 かの黒き童子の傘を伝った雫の如く
『哀しくないよ。 さぁ、行こう。』
あたたかく、美しく、されど哀しき]
(+26) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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[されど。 其の果てに縋った童子のゆび先よりも、 頬を伝う雫は更にあたたかい。
其の熱は、己が識る限りもっともあたたかきゆび先の。>>175]
(+27) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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[本を握る青年と、話を重ねる中に。]
……芙蓉君。
[場を任せた男が一人。 抱える遺体に目を向けて。]
有難う御座います。 私もお手伝いをした方が?
[赤かった手は、染まった服は。 やがて黒く変わり死を示す。 館の色と同じ黒で、薬屋の青年へと話も振ろう。]
(185) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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――現在:中庭の手前で――
[は、と視線の位置を変える。 明之進の横をすり抜けてきた、結い髪の男。]
朧様。
[屋内へ向かうその足を、一言呼び止める。 殺人の如何を問おうなどといった話ではない。 それを今問うても、何が変わるでなし。 ただ、己は朧に用向き>>1:147>>1:227があるので、顔を合わせたと有らば声を交わしておきたかったのだ。]
(186) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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朧、さ…
[俯いていても揺れる解けた長い髪は視界に入り、慌てて顔をあげ伸ばした先は彼の袖を掴めたか]
なん、で
[問いは具体的ではなく、手が届かなければ耳に入ったかどうかも定かではないほど小さなものだった。 寒そう、と言われた肩は今、外ではなく内からの震えで揺れていた]
(187) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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[己はゆっくりと頬に手を伸ばす。 然うして熱に触れようとした、其の刹那]
………っ、 ウトに。 …――兎?
[人の気配に振り返る。 正確には、 遥か前より其処に居た気配に気づく。]
(+28) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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後で、お時間を頂きたく。 少ぅしばかり、お付き合いいただけませんか。
[彼が呼び止めに応じず、止まってくれなくとも構わない。 その背でも、首後ろでも声を投げかけて、反対に己自身はゆりとともに中庭の雪降るさなかに向かっていった*]
(188) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 02時半頃
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雷門様。 お願いしたいところではありますが、お手を煩わせます。 どちらか、御用があるのでは。
[出ようとしていたのではないのだろうか、手伝うと声をかけてくれる雷門に、意識の向きを朧から雷門へ向ける。 冷えには強いと言っていた御仁ではあるが、中庭に長く居させるのも悪いという意識もあって、すぐに頷くことは出来ない。]
(189) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 02時半頃
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[ああなるべきであった。
嗚呼、昔どこかで聞いた事が在る。 それに反さず、だから『彼奴』は。 ふわり、ふわりと、降り積もる『郷愁』。]
いえ…きっと。 雪の降る場所に居れば、帰ってきてくれる様な気がして居るのでしょう。 私が『殺めた其の人』が。
[帰ることなどありはしない。 裁かれたいわけでも、赦されたいわけでも、ましてや死にたいわけでもなく。 温かさはない、寒さだけしかないその中で。 帰らぬ人を、待って居る。]
(190) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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[眼にも鮮やかな黄色衣は、水を求めて喘ぐ南の魚。 漸く辿り着いた楽園の目の前で、其の門を閉ざされた哀れな魚。
然していま、さかなに銃を向けるは青き眼した兎。]
(+29) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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[嗚呼。決して消えぬ涙の痕を顔に残しながら、 己が底意地の悪さは折り紙つき、死して尚直らぬのか。
己はくつくつ笑いを忍ばせながら其の漁の光景を眺むる。
怯えきった青き眼の兎は 己と同じ路をたどる「ひとごろし」。
其の行く末、とくと見させて戴こう。**]
(+30) 2013/01/06(Sun) 02時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時頃
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……それは、
[「哀しい」と、口に出来なかった。 暖かい場所など、この館にあるはずがない。何処が、とみつに問われても答えることはできなかった。けれど、それでも寒い所に佇むのは「痛い」ことだと思うのに。
現れた薬売り。 その手に抱かれた巫女。
この寒さならば、遺体が冷えていくのを感じずに済むのだろうか。そう考えながら視線を向けた]
(191) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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[拾い上げた物>>183、鳴る音に、何だろうと小さく首を傾げて。 一緒に、屋内へと戻る。]
[室内へと入れば、雷門の姿を見つけて。 芙蓉>>186と、明之進>>187が、朧に問う姿を見て。 芙蓉は後でと、その場を後にした>>189が。]
……ごめんね。アタシ。 亀ちゃんを、探していたの。心配なの。 だから、行くね……!
[アタシは誰にとっても必要ない。 やっぱり、そう思っているアタシは。 雷門さんが傍に居れば良いのだと、むしろ邪魔をしたのだと、今もそう思っていて。]
(192) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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いいえ、戻ろうとしていた所です。 ゆりさんの弔いを、共にさせて頂いても?
[足を濯ぐという約束も叶えられず。 見てはならないと目を覆った癖に、その身を他へと任せた。 死して尚、殺められた者より殺めた者に向き。
漸く、漸く、ゆりと向き合おう。 そんな男の弔いなど、ゆりは望んでないやも知れぬが。]
芙蓉君、有難う。 ゆりさんを任せきりで申し訳ないです。
(193) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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『哀しい』ですね。
[それはゆりへ、ゆりを抱える芙蓉へ、そして明之進へ。 中へと訪れる朧へ、離れ行こうとする小鈴へ。 誰かの死は等しく『哀しい』。]
………ゆりさん。
[はいと、従順な程に返される声はない。 返るわけがない、帰るわけがない。 判っていても、尚。]
(194) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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雷門様が直々にそう仰るのでしたら、是非とも。 家紋背負いの男といえど、薬売り。 一人でどこまで出来るかと、思わんわけでもありませんで。
[雷門の、非を詫びるような言葉に、出来る限りの笑みを作った。 随分と苦くなってしまったろうが、それでも。
亀吉を探す、と駆けていく小鈴には、]
今来るかぎりには、会わんかったよ。
[と背に声をかけた。 もっとも揺らぐ千早に視界を遮られることはあったかもしれない。 亀吉が階段で、横をすり抜けていったとて気づかなかった。]
(195) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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[亀吉にだって、自分は必要ないと、分かっているけど。 僅かに聞こえた声を思い出せば、その足は重くなるけど。]
亀ちゃん!
(196) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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[1階を探すけれど、見つからない。 それなら2階だろうか、と足を向けて。**]
(197) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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[ もののけ たいじに ]
[着直される水色を見ながら考える。 ものの怪とは、まさか本当に居るものなのかと。
部屋を出るべくこちらへと差し出される手を、握ろうとして。 彼女の向ける視線に混じる懸念のような色に気付く。]
[ わたしは べつへとむかいます ]
[彼女にとっての邪魔に成りたくないと思った。 共に在れば、守らせてしまう。 倒れたとしても運べない弱さ。 故に、離れようかという選択肢を**]
(198) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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手ぇも届きませんで、何も出来ません。 この生業でも。
これほどに『哀しい』ことがありましょうか。
[銀雪降る中庭へ、連れ立って出る。 雪の下冷たい棺に、ゆりを眠らせてやるために**]
(199) 2013/01/06(Sun) 03時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
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[その場を後にしようとして、かけられた言葉>>195に。]
ありがとう!
[と。 そうして、2階へ向けかけた足>>197は、止まって。 それならば、どこへ……。**]
(200) 2013/01/06(Sun) 03時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
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[この手が朧をひきとめていたとしても、問いの答えを恐れるように一度離してしまっただろう。 ややあって中庭にわけいっていく彼らを、寒い場所へと向かう彼らを追わずに、行き場をなくした迷い子のように*佇んで*]
(201) 2013/01/06(Sun) 03時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
女中 おみつは、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 03時半頃
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―中庭―
[透明の傘の横たわる隣。 ゆりをそっと葬ろうか。 『哀しき』白は降り積もる。 少し払うようにして、ゆりの頬に触れながら。 芙蓉の気遣う笑みには、同じく苦い笑みを。]
………。
[手を合わせ。 名と、謝罪を冥府へ送る。 釈迦のように数多の手があらば、救えた命であるかも *知れずに*]
(202) 2013/01/06(Sun) 04時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 04時頃
楽士 ウトは、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 07時半頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 10時半頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 12時頃
女中 おみつは、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 12時半頃
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――中庭――
[手を合わせて、ただ祈る。 横たえたあとは、触れることもない。 もう、手の届かないところに逝ってしまったゆりの、「蘇り」をどこかに願うこともない。]
……慶様は、暖かいところに葬りたいと、明之進様が仰っとりました。
[手を合わせ、面を下げたまま、雷門と視線を交わすこともないままに、呟く。]
うちらは、心根の冷たい男でしょうかね。 巫女様も、幼い童子も、こんな雪の降る外に。
[そんな眠る姿をうつくしいとすら思った。 当然とでも思うように、この中庭に連れてきて。 自嘲の笑みは、すぐに消したけれど。]
(203) 2013/01/06(Sun) 13時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 13時半頃
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[そうしてどれだけ経ったか、もう行こうかと立ち上がるときは、自身にも積もった薄雪を払い。 ようやく、雷門の方へ視線を向けて。]
朧様は、何か言うておりました?
[様子を聞き聞き、その当人を探そうと中へ戻る**]
(204) 2013/01/06(Sun) 13時半頃
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―2F廊下奥、ステンドグラス前―
[誰かに、呼ばれた気がした>>196。 そう言えば何時かも、名を呼ばれたような気がして>>1:121。 けれど振り向いても、其処には誰の姿も見えなくて――、
ふっと過った思考を、私は無意識に振り払う。 そしてただ真っ直ぐにウトの方だけを見る。]
(205) 2013/01/06(Sun) 14時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 14時半頃
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っ、――だまれっ!
[笑う彼女のすぐ前で、私は声を荒げていた。 こんなふたりを見届ける人の目>>177にも気づかずに、構わずに、叫んでいた。
私は更に一歩踏み出し、銃口をウトの胸元に突きつける。 引き金にはもう既に、人差し指が掛かっている。 間近に見るは、おんなの顔と。血に染まったおのれの睫毛と。 奇跡のように形戻した、光の射さないステンドグラス。**]
(206) 2013/01/06(Sun) 15時頃
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―中庭―
冷たいやも、知れませんな。 けれど腐敗させて仕舞うより…と思うのは、残された者の勝手でしょうかね。
[雪が降り積もってゆく。 胸で組まれたゆりの手にいつまでも男は触れていた。 温もりは移しても、冷たさに吸い込まれていく。 冥府へは、届くのであろうか。]
待つ人が増えて仕舞いました。 帰らぬを、待つ人が。
[巫女装束と、襤褸の着物。 黒い幼子に、唐笠を差した『郷愁』。 黄泉から帰るを待ち続けよう。 異教の徒ではなくとも。 帰らぬと、知りながらも。]
(207) 2013/01/06(Sun) 16時頃
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―中庭→―
[立ち上がり、積もる白をもそのままに。 中庭から中へ、足取りは芙蓉の向かう先へと。]
朧君は、後悔しておられます。
[事故であろう、故意ではなかろう。 男の意識は殺めた者へと。 其れは何より優先的に。]
私は彼を咎める事は出来ません。 朧君も、亀吉君も。
[どちらへも、責める瞳は向けられない。]
(208) 2013/01/06(Sun) 16時頃
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………少し、疲れましたな。 どこぞか、休める所はありましょうか? 喉も渇きましたし、お腹も空きませんかな?
[穏やかな笑みのまま、芙蓉へと告げる。 歩み行く途中、壁に掛けられた鏡が映った。
中に在る人を。 映る姿を。
責める瞳を向けるのはまだ、その *一人*]
(209) 2013/01/06(Sun) 16時頃
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病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 16時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 16時半頃
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