221 堕天の姦計
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……ノックス!?
[驚きの声を上げる。 その姿が見える距離まで、同胞を認識できなかったことへの驚き。 そして、彼の身に纏わり付く魔の気配。苦しげな表情とその足取り]
ノックス、貴方、傷を……ああ、 翼を。
[駆け寄って彼の背中を確かめれば、血の滲む傷。 聖なる気配が弱っていたのはこのためかと、誤った理解が違和感を紛らせる]
(86) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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……じっとしていて下さい。 今、すぐに……
[翼をもがれたと思しき傷へ掌で触れて、身の内から光を送る。 ヨラニエルのような癒やしの力は持たないが、傷口に膿のごとく澱む魔の気を、祓うことができるだろうと]
(87) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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─ 歪んだ天界 ─
[心に届いた声は、既に己が望んだ光ではなかった。 けれど、皮肉にもその声が己を取り戻させてくれて。 哀れみの視線を向けるマリエル>>69と。 刃の様に突き刺す言葉紡ぐヨラニエル>>53>>55を、真っ直ぐに見据え。]
嫌です。
[先と同じ否定を、けれど今度は迷う事無く口にする。]
(88) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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─ 歪んだ天界 ─
確かに俺は弱く、愚かな人の身のまま変われていない。 天使のなりそこないと言われても、仕方ない。
けれど、それでも。 俺の力は守るべきを守る為のみにある。 同胞を害する為には、揮えない。
だから、俺は───
[御二方とも、守りたいのだ。 そう言い募ろうとした言葉は、マリエルから伸ばされた手により遮られた。]
(89) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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─ 歪んだ天界 ─
[伸ばされた右手から、紫紺の闇が放たれる。 常ならば反応し切れただろうそれは、けれど。]
あ…ぐ…ぅっ!?
[同胞と信じていたその人から向けられたという事実が、動きを鈍らせ。 いとも容易く己の首に巻きついた力から、焼けるような痛みを与えられる。 何故、どうして、と。困惑の中、苦痛に声が、顔が歪む。
マリエルへ問う声も出せず、ただ瞳だけを向けるだけしか出来ないまま。 困惑の中、それでも彼女をまだ信じる色をその瞳に宿していることはマリエルに、ヨラニエルに伝わっただろうか。**]
(90) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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ー 呪歌の間 ー
[扉をくぐり、別の部屋へ出る……、その瞬間、誰かとぶつかりそうになって、慌てて足を止めた。 相手がぶつかってくるのは構わないが、自分がぶつかれば怪我をさせてしまうかもしれない]
[ざわざわ。 大勢が一斉に喋っているような不快な騒音の中に視界を走らせ、早急な危険がないことを確認してから。 気遣いの目をぶつかりかけた相手へ向け、その目を見開く。 あわやかで爽やかな緑。あの時、洞窟での防衛戦で、とおくに見た光]
[胸が騒いだ。 自分の部隊が任務失敗したばかりではなく、彼の任務も阻害して、身勝手な行動をしたかもしれない……という思い>>1:118が、心に重くのしかかった]
(91) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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[君はどこの部隊に所属で、何を目的としてここに? ……それをジェスチャーだけで聞くのは少々難解そうだった]
[スペークラ隊の者ならば、副隊長の困った欠陥を知っている。視線や、魂の声の曖昧なイメージで、補って理解してくれる。あるいは理解できなくても、上官だと立てて従ってくれる。 ……だが、別部隊の彼にそこまでを期待できるだろうか]
[誰か、仲間が傍に居るときなら良かったのに、と困り顔をしたときに、少年天使の様子がどこか苦しげなのに気づいて]
(92) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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─ 牢獄の洞窟 ─
[足が縺れて岩壁に凭れた時、パティエルが駆け寄り背の傷に気付く。>>86 翼はもがれてしまったのだと誤解してくれたらしい]
すみま、 せん やられ まし た…
急に 分断 されて…
[魔にやられたと偽って、そのまま床へと崩れ落ちる。 魔の気を祓おうとするパティエルの手>>87には一瞬ぎくりとしたが、それは傷に触れられたためと偽れようか]
──────!
[癒しではないために痛みこそないが、身の内にある闇が一部浄化される。 ぐっと耐える仕草はどう見られるだろう。 パティエルによりいくらか魔の気は祓われるも、消滅する気配は無く。 魔の気は身の内から滲み出るように再び傷口に溜まりを作った]
(93) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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は、 ははは ……
ダメっぽい、っすね…。
[消えることの無い魔の気に落胆の声を零す]
瘴気の塊、ぶちこまれちゃったんっすよ。 身体ん中に、残ってる、みたいで。 こいつも、俺を監視してんのか、離れて、くれないし。
[左腕の黒蛇に視線を移してパティエルに示した。 彼女が見たなら、黒蛇はシャーと声を上げて威嚇する]
(94) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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ずっと、祈りを捧げてるのに、助けて、もらえないし。
主は、 神は、
俺を、 俺達を、
見捨たんだ───!
[泣きそうな顔で、嘆きを含んだ悲痛な声をあげた]
(95) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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− 淫花平原 −
["治療"を施していたジェフェルが不意に膝を折って呻く。>>78 その唇から零れる否定の言葉と嗚咽とに、トレイルはアクアマリンの翼をさやがせた。]
分けてください、どうか──
[言葉は最後まで紡がれることなく、翳る視界に縛められる。 二人を囲む妖花たちが嗤っていた。]
(96) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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[自らの手から放たれた、見知らぬ色。 おかしいと思った時にはすぐには止めようがないほど勢いを増していて]
……あ………っ
[驚愕に開いた碧眼に、歪んだミルフィの顔がうつる。 急いでミルフィへ伸ばした手を下ろすと、力の放出はとまる]
な……んで……。 違う。こんな力じゃない!
ミルフィ。違うの。 どうして……?
[混乱冷めやらぬまま、訴えるようにミルフィを見つめた]
(97) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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―歪んだ天界―
[救いは既に、神に選ばれたその時に、齎されているはずだった。 正しくあれば、あるだけでこの身は祝福されている。
我が身を犠牲にすることは常に尊ばれた。 それはいつも引き換えに誰かの感謝を得られるものだった。 だから、今この身を苛む苦しみが哀れであるはずがない。 >>68否定する言葉が許せなかった]
(98) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[けれど、続く悪魔の言葉は真摯に響いて。 ミルフィはなおも>>88拒否をする。 その様子は、決然と意思を湛えて映り――まるでヨラニエルの方が間違えているかのように。
ヨラニエルは。天に認められた天使ヨラニエルは正しいはずなのに。
救おうとしていたミルフィすらもそれを否定するものに思われて。 何もかも気に喰わなかった。 はっきりと、瞳に憎悪を宿して]
(99) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[けれど]
(100) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[>>90闇がミルフィの元へと襲いかかり、苦悶の声を聞いた。 その瞬間に身体は勝手に動いていた。
浄化の光を宿した手が、闇へ伸びる。 武器を奪わんと踏み出した足は、代わりにミルフィを庇うようにその身を移動させた]
(101) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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― 重力沼地 ―
[沼地の波紋が広がり、泡立つ闇が盛り上がった。 どろりと輪郭を崩しながら立ち上がるのは巨竜の形]
[完全に沼地から這い出すと、ドラゴンの輪郭は広げた片翼を打ち鳴らし。 濡れ犬めいた仕草でブルと体を揺すった]
……
[崩れ落ちる闇の断片。 バラバラになった触手が水音を立てながら沼地に落ちていき、
残るのは小さく竜翼を畳んだ青年]
(102) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[少年との意思疏通をはかっていた心に、魂の声が届く。 その弱々しさに、驚きと、そして即座に行かなければ、助けなければという思いが起こる]
[ジェフェルに弾劾され、一度は滅びを願ったケヴィンの心は、 ここへの道すがら、魂でかわした「約束」と、自らが傷ついてでも仲間を守り救いたいという、盾の誇りによって息を吹き返していた]
(103) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[>>93傷に触れれば、ノックスの体がびくりと震える。 我慢して、と囁いて、押し当てた掌から聖なる気を送るけれど]
…………!
[傷口の魔を祓ってもなお、滲み出る穢れ。 何度もそれを繰り返すうち、ノックスから弱々しい声が漏れた>>94]
身体の、中に……。
[確かに、その穢れは、彼の中から湧き出ているとしか思えなかった。 このままでは、彼は身の内から蝕まれてしまう。
白銀の使徒は、ノックスを餌と定めたらしき左腕の蛇へ、鋭い視線を向けた]
(104) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[その視線はそのまま、神を冒涜する言葉を発したノックスへの顔へと移り>>95]
…………!
[彼の魔を祓おうとしたその手が、彼の右頬を強く打っていた]
ノックス……正気に戻りなさい。 貴方は神の御使い。主が貴方を、私たちを……見捨てるなど、あり得ません。 今はただ、遠く離れているだけで……
[彼の中にある瘴気が、彼の心を曇らせているだけだ。 それさえ取り除けば、彼はきっと――]
(105) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[いやだ。いやだ。 もうこんなくるしいのはいやだ。
もうぜんぶどうでもいい。もうなにもせおいたくない。
心の何処かで誰かが叫びを上げている。 それでもこの身は力を削って、闇を浄化せんと手をのばしてしまう。 憎むことを拒絶する。 痛みに耐える]
あなたは、わたしが…まもります…
(106) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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ヨーランダは、ぐらりと、視界が歪んだ**
2013/05/12(Sun) 21時半頃
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ー 呪歌の間 ー
[焦った表情で遠くを見ていた目が、はっとして少年を見下ろす]
[手のひらを少年に差し出し、忙しなく指を折って、示した]
[4、5、2、3……]
(107) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[纏う鎧は、こびりついた瘴気に汚れている。亜麻色の髪も穢れに黒く染まっていて、溜息に似た声を漏らした]
あぁ…
[変化は外見に及ぶ。 純粋な仮初めたる左腕と左の翼は雪のような白のまま。
右の前腕を覆う硬い鱗は、白銀の手甲で隠れる範囲。 生来の暗紫を取り戻した右の翼は──どうしようもない。
ただ小さく折り畳んで背に沿わせ、触手の沼地を踏んでゆっくり歩き出した]
(108) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[……っ。
俯いて歩いていたからか、天使の仲間に鉢合わせした事に今更ながら気がつき>>91。 恐らく普通に声を出しても、彼には届かないだろう。
軽く会釈をする。その後に何かしているのが見えた。>>107]
(109) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[御使いの体内に埋められた瘴気。 己に残る光の全てを以てすれば、取り除くことができるだろうか。
仲間とはぐれてからずっと、己の身を護るために力を消費し続けてきた(>>1:51)。 今、ノックスの傷から魔を祓うため、力を使った。 気付けば、全身にじわりと疲れを感じている。 周りの瘴気が、己を浸食する機を窺っているようだ。 残る全ての力を使い果たしても、打ち勝てなかったとしたら]
……主は、私たちを、見ておられます。
[ああ、けれど、その御手が届かないほど離れているのなら。 彼を「救う」にはどうすればいいのだろう]
(110) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[静かな岩壁の通路に派手な打音が響く。>>105 右頬を叩かれ、ノックスの顔は左へと弾かれるように動いた]
………正気に戻れ?
『主は我らと共に』『主はいつでも我らを見守っていてくださる』
そんなことを言っておいて、 いざと言う時は何もしてくれないじゃないか!!
[パティエルへと戻した薄蒼に宿るのは憤怒。 この洞窟がある谷を作った激情と同じもの]
本当に我らと共に在るなら、 我らを必要としているなら。
喩え離れていようが手を差し伸べてくれるもんじゃないのか!?
(111) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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──俺らは神に必要とされてねぇんだよ。
神の手も、この闇の世界に届くほど長くねぇんだ。
[パティエルに向ける口調も崩れゆく。 ゆらりと、背の傷口から闇が噴出し始めた]
(112) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[ヨラニエルから溢れだす白き浄化の光が、 燃え尽きかけようとしていた闇の力を完全にかき消す>>101
ミルフィを護るように、立ちふさがる姿は まごうことなき天使のそれ。
こんなにも目が曇っていてしまっても、 それでも彼の人は、天使としての使命を忘れることはないのだ――]
(113) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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クラリッサは、暗い空を仰いだ
2013/05/12(Sun) 22時頃
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[錯覚かもしれないが、 目の前でヨラニエルの身体がわずかに傾いたかのように見えた]
ヨラニエル……? あの、だいじょ……
[手を伸ばそうとして押しとどめる。 左手首のあつさも、右手に纏った瘴気ももう消えている。 だがそれでも、同じようなことになってしまったら。 それを恐れて手を出せない――]
ミルフィ……。ごめんなさい。 アタシ、まだ何がなんだかわからなくて……。
ヨラニエルを頼んでいいかしら。 少し一人にさせて……。
[そう告げると、 力なく翼を羽ばたかせて何処かへと飛び去っていった]
(114) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[少年の魂の声の清らかさに、ほっとする。 体に宿った光はとめどなく消耗していくけれど、それでも天使同士触れあっていると、気分だけでもそれがマシになるようで]
[やはり少年を苦しめているのは、この場所のようだ。ケヴィンはなかば強引に少年を引き寄せ、自分の翼で抱き締めるように覆った。 この魔界で、数少ない安全地帯。盾の天使の翼の内側。 防音効果はいかばかりか、自身ではよく分からないのだが]
(115) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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