196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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― 二階・廊下 ―
[名も知らぬ人影>>24が長刀片手に、 何者かに一歩と近付くが見えた>>25。
視線の先。 居間では気付かなかった、青き瞳に白銀の髪。 でもその顔立ちは、恐らく]
亀吉さ…ま…?
[あぁ、慶の言っていた青き瞳の男とは、この者の事だったか。
ぴすとるを持って、立ち尽くす様>>4は 酷く怯えているようにも見え、 少年をあのような殺し方の出来る者には見えなかった。
たとえ、巫女を殺めたのは彼であろうと、聲をあげた。]
な、りませぬ…、 殺しては、なりませぬ…!!
(46) 2013/01/05(Sat) 15時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 16時頃
武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 16時頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 16時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 16時頃
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[自分の聲が響いた後。 背後の、階段の方から]
「慶殿ッ―――!!」
[男の聲>>35と、 何か重たいものが転がり落ちるような、鈍き音>>36。 そして唸るような聲>>40を相次いで耳にした。 女の聲もあっただろうか。]
……、け、いさま…
[座り込んだまま音のした方へと顔を向け、 ゆぅるりと四つん這いで階段の方へ。
追い越す者もあっただろうか。 辿り着いた先、階段の頂から見たそれは 中庭で目にした、豪勢で華やかな深紅を散らす薔薇。
その中に横たわり眠る、慶の姿。]
(47) 2013/01/05(Sat) 16時頃
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死んでは、ならぬ… 生きねばならぬ…
(48) 2013/01/05(Sat) 16時頃
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[それは 唐突に 起きた]
(49) 2013/01/05(Sat) 16時頃
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ー踊り場ー
[転がる死体>>36>>37。自分が先刻まで手を握っていたもの。 何故それがそこにある。あれはあたしが成る筈だった。]
残念ながら、あんさんの殺した男は、人を殺しておりましたえ。
[そして、今。自分のことも、殺してくれる筈だったのに。
問いかけた男の姿>>34は、ない。]
(50) 2013/01/05(Sat) 16時頃
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[やがて現れた、もう一つの声>>47。 あの男が、死んだ男が慮った女。 彼女の紡ぐ言葉に、慟哭したように突き動かされた。]
(51) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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それ>>48は、慶さんからいただいたお言葉で?
[女に歩み寄り、胡乱な瞳で問いかける。]
あんさんが、羨ましい。
[それだけ言い放って、風来坊の遺体に近付いた。]
(52) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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あんさんは、何がしたいん。
[それは、異人の少年にも投げた問い。]
結局あたしを置いてくやないの。
[この男も、少年も、皆。]
(53) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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おまえさんは、何がしたいん。
[みんなあたしを置いて行く。あたしの為に泣いてくれる人はいない。
そう言って、男の遺体を見下ろして泣いた*]
(54) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 16時半頃
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―二階・廊下・階段近く―
[ゆり殿の射干玉は>>2:372お嬢様が畏れたもの。ですから、天宮殿にも同じく向けられ、自分を守るために発砲したのではないかと。或いはただの、事故。芙蓉殿が促す>>9理由も分かります。
けれど、亀吉がと>>14階段を上がってきた方々に名を 示すのは、何故でしょう。 視界の端で、風伯殿がゆり殿の身を抱いております。> >28
傍らの志乃殿を背に隠し、唇は震えます。]
(55) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[私がそれを嘘と知らぬ言も>>2:411。 場を静めようと試みたその気配も>>0。 何かを紡いだくちびるの息遣いも>>19。 真白な意識の中には、届かない響き。
“おにんぎょう”。 ただそのことばだけは、繰り返して、ぶり返して、聞こえた、気がした。]
(56) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[母の訓えが、口を突く。
己のが身に危機を感じたなら、 相手を殺めてでも生き延びろと。
身に染み付いた訓えに寄り、客を殺めかけ、逃げてきた。]
(何故、ですか…母上。 もう、武家の家督など、血などどうでもいいではないですか。)
[飯盛女に身をやつし、客と言われれば男に抱かれ。 そうまでして育てていた坊も喪った。
この血、残して何になりましょう。
このような事になるならば、 納屋であの人が腹を召した時、自分も死んでしまえば良かったのだ。
皆、勝手に人に託して死んでゆく。 母も、夫も。腹を痛めて産んだ、坊でさえも…。]
(57) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[崩れる白衣、白雪の敷物、紅の大輪咲き広がり。 黒銀の銃身、淡色の襟、淡色の頬、白い睫毛と前髪にも、紅い小花は咲き乱れ。
椿の花弁は、裸足の爪先に触れる。 まるで赤い靴履かせるように。]
(58) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[名を呼ぶ声>>6が耳に触れる、意識に入る。 それは仮面脱がぬままの呼び掛け。何処か遠くからに聞こえる声は、それでも耳を突く。応える声持たぬまま。 目に映る人の顔。近づいてくる足音。 注がれる視線を肌で感じるよう、触れる空気は冷たい。
来たる人の中には、あの、沙耶>>24の姿も。 手負いの様よりも、その手に握られた刀の煌めきが目の内に焼きつく。 一歩踏み出す彼女に、私は微かに震える青をを向けて居た。]
(59) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[――誰があの子を殺したの、と。 ――それは私よ、と。 そう問い答えずとも、誰が殺したかは見て知れること。 昔の古傷からの怯えは、今手を下したことからの怯えに変わっていた。
だから。間違いなく、私はこの場で――、
それなのに。 黒鳶の主の彼は、ただ此処を離れるようにだけ言った。>>9 低い声で、それだけを。]
如何、して、
[私はただただ、此処から動けぬまま。]
(60) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[ふっと感じた視線のひとつ>>28。 そっと目を向ければ、あの男の姿があった。 老いた瞳の、その奥にある色を、一瞬だけ垣間見る。]
……如何、して。
[私は、無言の男に、薬売りの男へ向けたものと同じ言を零す。 声は、さっきよりさらに、震えていた。]
(61) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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―二階―
[散る花を抱き、足を見れば治療の済んだものと知れる。 芙蓉の言通りであろう、頷き、ゆりの肩を一度撫でた。
同時期か、上がる声は。 大きく上がる事のないと思っていた声に。 駆け出す足音に、視線は少年から外れ。]
……芙蓉君、菱川君、此処はお任せします。
[男はゆりをそっと離す。 赤に身を染め、階段を降りる。 逃げた朧を、まるで幼子の様な影を追いかける様にして。]
(62) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[今は亡き夫が、割腹する前日に不意に言ったのだ。 「お前は野薔薇に似ている、大丈夫だ」と。
後になって知った、野薔薇の花言葉。 「痛みから立ち上がる」という意。]
私はあの花ほど、強くはない…。
[恥ずかしくも心を寄せていたのだと気付く。 この薔薇の中に眠る御仁に。
暖炉の前で、あの視線に暖まったのが始まりか。
踊り場の、大時計に視線を縫い止める。
異教の神に縋りつこうか。 奇跡が起こるなら、この御仁の「蘇り」を、と。**]
(63) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[離れる間際、目を離す間際。 唇は音なく紡ぐ。 その言や、向けた舶来混じる青にしかわかるまい。
慶の遺体を、それに泣くウトを、みつを。 他にもある顔を、ひとつひとつ眺め。 その度に雪は降り積もる。]
私は、朧君を。
[死から離れ。 男の意識は、殺めた者へ。 殺めらるる者から離れ、手を下したものへ。
『郷愁』を追いかけるようにして。]
(64) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[「殺しては、なりませぬ」、と。>>46 そうみつが響かせる、訴える声さえも、まるで、何処か――、]
あ ぁ 。 殺して、は。
[いいや違う、と。これは私を責める声だ、と。そう思い直す。 この子を殺したのは私。 ただ過去の幻を見た故にゆりを撃ったのは私。 芙蓉が告発した通り、此処に立つのは招かれざる人殺し!]
(65) 2013/01/05(Sat) 16時半頃
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[今と過去とを彷徨う中、 聴こえた聲>>52に顔を向ける。
「いいえ」、と聲をあげることはしなかった。
慶から貰った言葉は 途中で紡ぐをやめられたまま――。
その先など、本人が言って呉れねばわからぬ。
涙はまだ出ない。 縋っておるのだ、異教の神に。奇跡に。]
(66) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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( さ や 。 )
[私はくちびるだけでその名を紡ぎ。 震えたままの青色を、彼女の方へと、合わせた。 何時でも私を斬れる筈の、武士の刀持つその人へと。
未だ弾薬の込められた拳銃、握ったままの私の腕は。 けれど未だ、ただ下に降ろされたまま。]
(67) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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[手摺に助けを借りながら、ゆっくりと立ち上がる。
弔いをせねばなるまい。 巫女と、慶。
二人の弔いを。**]
(68) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 17時頃
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―中庭―
[足跡を辿り、訪れたのは中庭。 寒い此処に姿はあろう。 男の意識はただ『殺めた者』に今は注がれ。 白に色付く赤を辿りて、なくした傘を差し出す様に。 掛ける声は、伸ばす指先は後ろから。]
………今日は、大変寒く御座いますね。
[変わらぬ優しさを *もってして*]
(69) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 17時頃
女中 おみつは、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 17時頃
病人 雷門は、メモを貼った。
2013/01/05(Sat) 17時頃
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[階段の方、男の叫び、転がる物音も響いてきた筈なのに、今はそれも遠く。 この場から、ゆりの傍から離れ行く者たちを追うことも無く。 けれど雷門が去り際に残した音無い言葉>>64は、確かにこの目に映っていた。]
――――、
[頷くでもなく、ただ小さく息を零すのみ。]
(70) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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猫だからね。
[『機転が利く』とかではないよと、ふふっと、笑って。>>7]
……うん。開いても、出られない。 多分、他の窓も。
[こくりと頷いて。 不安げないろ>>12。かけた声>>5に。]
ううん。 アタシは強いから、大丈夫。
[猫目を、細める。 そこに、何か弾ける様な音>>3が届けば。 咄嗟にみつに向けた視線が、重なる。>>10]
[音のした方へ行くと言うのに、頷いて。]
(71) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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[相馬殿の声>>46はお嬢様に向けられたものでした。 人殺しを殺すのであれば、お嬢様もまた。 そして、殺してはならぬのであれば、お嬢様もまた。
少しばかり見せていた刀身を目前の高さに上げて鞘に収めます。 そうして、1歩、また1歩と、廊下の奥へと追い詰めるように天宮殿に近寄られるのです。 互いに人の命を奪った器物を持ちながら、対照的に黒い銃身は下げられたまま。
お嬢様の名を紡ぐ天宮殿に、何も返しはしません。]
……。
(72) 2013/01/05(Sat) 17時頃
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[動き出す女>>68に視線を投げた。あたしはきっとみっともない顔をしているのだろう。 拭うことはしない。これが、あたしだから。
残されただけの無様な女。死ぬことも叶わぬ運命を負わされた女。これがあたしだから。
女と目が合う>>66。否定の言葉はなかった。彼女の表情から心中は察せない。けれどあの男の心中は、手に取るようにわかった。]
(73) 2013/01/05(Sat) 17時半頃
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人殺しの、 亀吉。
[息を吐き、じつと震える青を見つめ、問うのです。]
笑止。主がそれを持つ理由も、殺した理由も必ず在る。 無ければ――ならないものだ。
言え。 言わねば、殺す。
それは狂気だ。見逃すことは――出来ない。
(74) 2013/01/05(Sat) 17時半頃
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[足元の血溜まりが、ブーツを、着物の裾を染める。 温かい。血溜まりの海など、故郷の海には程遠いけれど。]
銃の音が、しましたなあ。
[先程の破裂音。何度か過去に耳にしたそれの正体を、自分が間違える筈もない。]
誰か死んだんやろ?
[妙におっとりとした声は、異様に映ることだろう。 返答があったか否か。待つこともせず、ふらり、音のした方向へ歩いた。血塗れの、足で。*]
→二階へ
(75) 2013/01/05(Sat) 17時半頃
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