196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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[確かに約を返した男>>8:-50。 その彼が笑いながら、泣いているとは、思っていなかった。
――違う。おそらく、気づいては、いけなかったのだろう。 真の心に気づいていればきっと、その優しすぎる手を、止めていた。]
(18) sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時頃
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[この時、私にとってそれが『始まり』だとは、思っていなかった。 ただ、此処で『終わり』ならば、幾つもの命を喰らったあやかしには、きっと、勿体ない最期。きっと、ずるい最期。 目を閉ざしながら、ほんの少しだけ――わらっていた。]
( うん、 ―――…おやすみ、なさい、 )
[首許に触れる熱が、籠る命の力だけが、感覚の内に。 そして――全てが、 終わった。 ]
(19) sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時頃
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―それから―
[意識が再び目覚めた場所は、青い目に何も映らぬ闇。
首を絞める命の熱さも。迸る血の飛沫の濃さも。 抱き留める腕も。抱え上げる腕も。繋がれる手も。撫ぜる掌も。 触れ合わせる額の感触も――此処には何も、在りはしない。
亡霊となってこの世を彷徨う、ということさえ無い。 死しても尚、私にいくべき場所はない――、 その思いは正しかったと、この時漠然と思ったものだった。]
(20) sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時頃
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[無明の中でも、けれど確かに私には判っていた。 甘い、あまい、懐かしくない、懐かしい花の――薔薇の籠の中。 しろがねこがねに囲まれて、けれどそれでもたったひとり。 あの あかくて しろい ねぐりじぇで、眠れる私が居ることが。
異端の香に装いに囚われ、籠という枠にも囚われ。 棘に囲まれ血を流すのも、もはや慣れては何も感じず。 笑いもせず、泣きもせず、ただただ其処に在るだけの。 生きているとも、死んでいるともつかない心地。
それは黒いわらべに会う前の。 姉が姿を消してからの、座敷の中の私そのもの。]
(21) sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時頃
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浦島も知らず水底に籠る、竜宮座敷の亀姫様。
……とは、誰に言われた揶揄だったか。
[ぽつりと私は声を零す。 生きた身体でない故だろう、まるで姫御前のように、高く細い。 実際、――姫のようだったと、私は思う。]
まるで本当に、水底の竜宮城のよう。 昏い水底は、きっとこんな風に、静かなのだろう、な―――…
(22) sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時頃
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………静かすぎる、よ。
[あの人の好きだった熱いあかと、私のしろを混ぜたねぐりじぇ。 鶴(たづ)の自由さに憧れた私は、その憧れを纏ったまま。 何処にもいけず、たったひとり、身を休めるのみ。――けれど。]
ううん。 静かじゃ、 無い。
[それでも、何処からか、籠の内に伝わってくるいろ。 色とも音とも、香ともつかぬ、いろ。
私は青い硝子の目で、闇を見詰め、籠の中で幽かに歌う。 繋いでくれるこえがあるならば、きっと、届く。そんな気がした。**]
(23) sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
sakanoka 2013/01/14(Mon) 03時半頃
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[未だ私が生きていた頃のことなら、その時のこえ>>5>>6は届いている筈が無い――けれど。 ぼんやりと何かが、ふわり、伝い来る気がした。載せてきたのは雪の冷たさか、花の香か。]
――ちづ、る。
[けれど此処まで伝い来るいろは、とてもおぼろげで。 誰の目にも映らない姿で、ひとり歌う声。 彼女に届くかと思えど、本当に届くか如何か、判らなかった。]
(24) sakanoka 2013/01/14(Mon) 23時半頃
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…………、
[私は闇をただ見詰め。眠りながら、耳を澄ます。 ふわり、冷たさの中で遅れて伝い来るいろは、]
(25) sakanoka 2013/01/14(Mon) 23時半頃
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…………、
[再び、闇の中で眠る。 ああ、今度こそ、本当に何も聞こえはしないのだと、
否。やはり、静かでは、無かった。 今、確かに、そのいろが。こえが。籠の内に、伝い来た。]
さや。
[おぼろげでなく聞こえてきた、そのこえ>>16>>-285、は。 あまりにも、突拍子無く、意識の中に、響いてきた。 洩らした声も、かなり素っ頓狂なものになっていた。]
(26) sakanoka 2013/01/14(Mon) 23時半頃
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[その時確かに、私は、笑っていた。 笑いながら、泣いていた。
私の所為で失くした人、と思っていた沙耶の、 その声がまた聴けるなんて思っていなかったのだから。 ああ、死ぬ前の惨めな私の姿を見て、彼女は何と零したのだろう。 ああ、あの時の闇の中、最後に彼女から告げられた言葉は、何だっただろう――。**]
(27) sakanoka 2013/01/15(Tue) 00時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
sakanoka 2013/01/15(Tue) 00時頃
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[何とはなしに、目が熱い。 それはまるであたかも目の縁に触れられているかのようで。 きっとそれは、ただ泣いている所為でもあったのだろう。]
うん―――、 沙耶が言うなら、きっとそう。 お姉様の強さも、貰えてる……筈。
[「こうすればもっと」と言うこの人>>81に、一体どんないろの化粧でも施されているのか。 想像してみれば何処か不思議で、何処か可笑しい。]
ああ、沙耶も――木原様も、そうやって。 心のすがたを、あなたの見目に表されて、た――
[男の武士のすがた纏っていたひとのことを思い浮かべながら。 今、こうして聞こえる声が、声交わせることが、温かくて。 それこそまるで、奇跡のようで――。]
(89) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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――ああ。 そうか。私は、ちゃんと、笑えてたん、だ。
[帰って来ぬ沙耶の声を漸く聞けた時>7:90。 闇の内では誰も見ていなかっただろうが、その時もきっと、笑っていたのだ。 そして、今も。]
(90) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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[――けれど。 そう。姉と違うこの人は、姉の代わりなどではない。 姉とは違う人で、それでも――。
そんな私の目には、私が殺した沙耶の顔は見えない。 腕の一つも動かせなければ、触れることも、叶わない。 声が繋がっていても、結局は、ここにひとり残されるのだろう。]
(91) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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[あの時沙耶と共に帰ってこなかった人。 多く彼女の傍に在った、微かな声のその人。 その距離の近さが――願いの眩さが、羨ましかった。 きっと私以上に、真っ直ぐに彼女を信じる人なのだろう。
あの時沙耶と共に帰ってきた人。 ふたり何処か楽しそうに見えたのが羨ましく――、 ああ、命つなぐ手の彼は本当に沙耶を想っていたのだと、 彼女の死で遂に強く咎められたことで、漸く気づいた。
望む未来さえも護れず、この手で全て殺した私より。 かれらの方が、あの人の隣には相応しい――、 きっと何処かでそう覚っていた、筈だった。]
(92) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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生まれ、変わる?―――来世、
[それ>>83は聞いたことの無い思想、という訳では無かったが。 これまで強く信ずることも特に無かったように思うもの。 私は何も見えぬ目を、瞬かせた。]
ああ、そうだった。 あなたは私に、鵺退治を、と。 そうして、けれど私は、あなた も 、殺めて、
[少しだけ、彼女の声の距離が遠くなった、気がした。 それは彼女が此処に留まれる刻限が近いからか。 彼女を殺したことを意識して、自ずから距離を、とってしまった、からか。
けれど。沙耶が続けたその言葉。]
(93) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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さや、
[あの時私は、辛い旅路に行く勇気を持てずに、たった一つの居場所を失った。 青い目の裏で繰り返される、去っていくあの人の後姿。]
さや、
[腕は動かない。何も見えない。 ただ少しだけ――光の欠片が見えた気がした。それだけ。 その光が何を示すものかも巧く判らぬまま、私はただ、声を張り上げる。]
(94) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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居なくならないで、沙耶、 置いてかないで、沙耶、
沙耶が何者だって構わない。 身を、心を、壊すものであっても、構わない。 ――…あなたと同じ旅路に、居させて、よ。
(95) sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
sakanoka 2013/01/15(Tue) 22時半頃
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[泣きじゃくる、その意識は次第に掬い上げられ、遠のいて。 だめ、と。いやだ、と。いかないで――と。 抗って、もがいて、ただ、声に成らぬ声を挙げて――、
全てが光の螺旋のうちに消える刹那。 私は、あの人のすがたを見た、気がした。]
(173) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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[透明の湖畔。旅立つ者を載せる笛の音。 確かにさっきまで居た、宝物でいっぱいの、暖かい部屋。 全てはほんの僅かな間の、旅路の移ろう景色の絵。 けれどその景色も一瞬の鮮やかさで――、
生ある光のうちに。死にも近い冷たさのうちに。 私は、また、たったひとりぼっち、だった。
けれど。]
(174) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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[私は、もう、自ら閉ざした籠の中には居ない。]
(175) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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―ある、雪道。―
[降る雪花は何処までも冷たい。 淡色の髪が纏わりつく頬が、その冷たさに刺されるように痛む。
常磐の上着、肩に積もる白銀はさぞ衣に映える色だったろう。 しかし私の目は己のすがた振り返ることは無く。 ただ真っ直ぐに雪道の向こう側だけに向いていた。]
――――…お前、
[死人の如く冷たい手を握り返し。 私は、その手越しに、おのれの手の脈を感じ取る。]
(176) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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信じることは。 愛する、ことは。
とても難しくて、
――――本当は、簡単。
[稀なる紅い灯りの主に、微笑と共に告げられたこと。 それはまるで、異なる自分に諭されているような、錯覚。]
(177) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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[『生きて』と。 そう告げて消えて行ったその子の涙は、未だ青い目の内に。]
私は、 此処に、生きてる。
[支えを失くし地に付いた掌が、頬に触れる雪が、冷たく刺す。 息が白く零れる。身体が震える。 確かに、死んだ筈の私は生きている。 ――此処にたったひとり、取り残されて。]
でも、わたし、は、 やっぱり、わたし、は――――…
(178) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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[凍らぬ涙の滲む目で、雪道の向こうの海を見詰めた。 それは昔、たづとよく眺めた思い出の海。 ――漕ぎ出でたまま帰らぬ人の、瞳の青にも似た紺碧。
私は、もう、あの時と同じように、手を離したりしないと。 幸せになるのだと、決めた。だから――。**]
(179) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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―そして、それから―
[一人旅に出ると言い出した私を、かれらはどんな目で見ていたものか。 身の世話してくれた奉公人の娘が「職が無くなる!」と勘違いするのを宥めつつ――。 私は、勇気を持って、かの人に振り向き、その瞳を見た。]
あなたとのお人形遊びも、これで、お終い。 ――…清々した、と仰って頂けて何よりです。
それでは、お兄様。お元気で。
[腹違いの、この國の黒目の、蛇の如き兄。 一度、生意気を申したとして、立場を解らせようと私を組み敷いた人。 此度の「生意気」には、その手は伸びて来なかった。 ――もう、此処に私は居座らぬのだから。]
(180) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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[それから目は、老い始めた父の許に。]
お兄様と違い商才も無く、養子にも出せぬ見目なれば。 私が出ていくことに不都合は無いでしょう。
それでは、お父様、
[私には、もう「捨てられぬ」迷いはない。 求めて、諦めて、けれど何処かで期待していた、父の――、
その手が、私の着物の袖を引いた。]
―――…旅路の文は、寄越します。
だからそんな、かなしい 顔をなさいますな。
[相変わらずの冷淡なその目に、その奥に、見えたいろに。 ふっと、私が零したのはこんな言葉で。 そして父から最後にはっきりと告げられた、その言は。]
(181) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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『亀吉。
その格好で、決して「天宮」は名乗ってくれるなよ、――』
ええ。文を出す時以外は。
[大きな西洋鞄に、黒革のブーツに――雪花の白のワンピース。 羽織る女物の着物、目尻と口許の色どりは、どれも熱いあか。 少しだけ低い声と平らかな胸と共に、その「異装」はある。
私は、たづのように、青い目で堂々と微笑み返し。 ひとり、広い屋敷を後にした。]
(182) sakanoka 2013/01/16(Wed) 21時半頃
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[初めて履いたブーツは確かに走り易い。下駄とは違う。 薫る海風は心地良く、結われない白銀の髪が揺れる。 覆い隠すことなく、この白銀は晴天の下に在る。]
こんな風に走ったの、何時ぶりだったかな。
[異端の身であること、人を厭う言い訳にはもうしない。 奇異の目も蔑む目も、時に憎悪する目だってあれど。 全てが悪意に満ちている訳ではない、と。あの「夢」の中で、知ったから。
それに。 この國に稀なるこの白銀と青、あの時共にいた人達ならば。 それだけでもきっと、私が私であると気付くだろうから。]
(183) sakanoka 2013/01/16(Wed) 22時頃
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[私は、自由で剛毅な鶴のように風を切り。 怯えない快活な兎のように道を跳ねていく。
臆病さ故に踏み出せず、望みを自ら手放してしまう――、 そんな隠ぬ(おぬ)者、鬼(おに)は、確かに斬られたのだから。 私は今、探し求める――私の鬼を斬った、その人を。**]
(184) sakanoka 2013/01/16(Wed) 22時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
sakanoka 2013/01/16(Wed) 22時頃
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―街道―
[鮮やかなあかの錦は、この時は襤褸の下に覆われていた。 西洋の雪花の衣も、その更に下に隠していた。 だから追い剥ぎに目を付けられることも無いと思っていた。
――ああ、甘かった。]
っ、さや、――――…
[西洋鞄を抱えながら、斬り合い傷ついた剣士>>112に丁度庇われるような形で逃げる様、命辛々、とでもいうべきところか。 夢ではない。だから、此処まで走りきれば息は直ぐに切れる。 茶屋まで辿り着いた時、眩暈さえ起こしていた。]
………ああ、頼りない、な。
(191) sakanoka 2013/01/16(Wed) 23時半頃
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