221 堕天の姦計
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
サイモンが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
戦慄の走るなか教会の鐘が鳴り、新しい法律が発行された。今夜より解決のときまでひとりずつ、人狼が成り代わった村人を処断する義務を負うという。
聖貨騎士団の物々しい姿に追いつめられ、集められた「容疑者」たちはルールを定めた。投票により怪しい者を決定すると。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろう。それも村のためにはやむを得ないのだ……。
二重スパイ
なんということだろう!一人が村側を裏切り、狼に与する半端者になってしまった。明日以降も、彼は村人を裏切り続けるだろう……。
決定者や光の輪の持ち主なら、このときにその力を手放してしまう。
現在の生存者は、ジェフ、クラリッサ、パティ、ローズマリー、ヨーランダ、ノックス、ミルフィ、トレイル、ケヴィン、オスカーの10名。
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[エリシェバに次いでオスカーも空を翔る。 近づくと弓は上手く使えないので、魔術を駆使して。]
……っ!
[無言のまま、指から白い雷を落とす。 近寄る敵をこれで落としていきながら、エリシェバに続き道を進んでいく]
(0) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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[打ち祓わんとした"魔"がマリエルであった。 の、ならば。 同胞に、あのような――思い、を向けたのだろうか。
それはあってはならないことだった。 天使たるヨラニエルの誉れある在り様に、人を同胞を救うことのみに奉仕し続ける"この私に"
そんなことが]
……あるはずがない。 そんなことがあるはずがない。 あれは悪魔であろう。あれは悪魔だ。私は悪魔を滅する正義の使者。 そうでしょう……?
[その独白は誰に向けたものでもない。 ただ己を肯定しようとする、それが自己欺瞞に満ちた自問とは、気づいていなかった]
(1) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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― 魔界の空 ―
[目の前が拓ける。 一面の闇]
…オスカー
[近くにある天使を呼ばう。 振り返り、背後に追い縋る魔物の先頭を焔で貫いて]
いって
[追われながらでは合流も退避も叶わない。 足止めをする、という意思は短過ぎる言葉に省かれ、一瞬おいて魂の声となって言葉の穂を繋ぐ]
(2) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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─ 暴走の実験室 ─
[首筋に触れる指 >>1:166 この方の体温は、こんなふう、だっただろうか……。 分からない]
[魔界の重い空気と、 いつの間にか慣れてしまった何かの異臭と、 力が失われて行く肉体の感触の残り香と、 ジェフェルの弾劾と、 見せられた姿。 様々な物が浮き上がっては沈んで]
[何が正しくて、間違っているのか。 自分はこんなにも……弱かったのだったろうか? 幾多の戦闘をくぐり、隊の盾として戦って、……きたはずなのに]
(3) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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[ヨラニエルの正義を否定する存在、それすなわち悪である。 ああ。そうだ。あんなものがあの気高きマリエルであるはずがない。少しぐらい真摯に見えた所でそんなもの悪魔の罠に決まっている。
思考が酷く独善的になっていた。聖なる力を消耗して、心の歪みに闇が侵食したのだろうか。 しかし、未だ自分は精錬なる存在と信じている]
(私は正しいことをしている。 正しく在り続けている)
[己ではなく悪魔に信頼を寄せるミルフィにも憤りを覚えた。 救おうとしているのに何故この声を聞かない。 不安に揺れるミルフィに届けと断罪の言葉を発する]
(4) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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[しかし、断罪の剣は落ちてこなかった。 ひときわ穏やかで優しいジェフェルの声 >>1:171 ]
[「今」ではないならば、それはいつなのか……。 伏せていた苦悩の表情を上げて、ジェフェルを見あげる。 彼も膝をつき、ごく近くにその姿が見える。先程の禍々しい姿ではなく、いつものジェフェルの姿で]
(5) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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それは――マリエルではありません。 悪魔に騙されてはなりません。 神を……神の使途たる私を信じなさい。ミルフィ……
[込められた思いは歪めど、それは正義を信じる強き声であった]
(6) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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─ 淫花平原 ─
[薄蒼に大罪の一つを宿し、引き寄せたトレイル>>1:172の背に左手を回す。 巻き付いた蛇に動きは無い。 まだ、動かさない]
あの人が大事にしてるアンタを
滅茶苦茶にしてやりたいのさ。
[トレイルの耳元に唇を寄せ、艶めいた、けれど冷たさ含んだ声で囁く。 ここまで近付けば、感覚を狂わされているトレイルであってもノックスに齎された異変に確信も持てようか]
(7) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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清廉潔癖な使徒様には……この感情を理解出来ねぇだろ。
ずっと目をかけられて来た、アンタには。
[繋いでいた右手を解き、トレイルの頬に添わせる。 穢れを知らぬその肌を、この手で穢したいと願いながら]
(8) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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今暫し、静寂と沈思の時を過ごすといい。
おまえがなにを見たのかは聞かぬ。 行く手に待つものがなんであれ、 その時まで祈りと献身を尽くすのが天使たるものの務め。
[祈りと献身の果てに、神を裏切ることとなろうとも。]
なにかあれば、呼べ。 私はおまえの傍にいる。
[ケヴィンの肩に一度手を置いて立ち上がり、 ゆっくりと、だが決然と背を向け、扉を潜る。
その先は、すぐに闇へと溶けた**]
(9) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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[……いって、の言葉に、軽く頷く。>>2 エリシェバに押しつける形になって申し訳ないけれども、このままでは逃げ切れるか自信がない。 ……此処は、任せたよ。 そう心で告げ、彼は飛んでいく……。
……ここから脱出するか。それともみんなを捜すか。 飛行しながらも伏し目がちに、オスカーは考えていた。 この場所に留まり続けるのは、限りなく危険だ。 それに、サイモンやノックスを見つけたとして、今の僕に何か出来ることは有るのだろうか?
……だが。 彼らを此処に置き去りにするのは、間違っている気がして。 仲間を一人でも救いたいから。
……よし、やっぱり。今いる仲間を捜しに行こう。 そう決心し、彼は黄緑の羽を羽ばたかせる。]
(10) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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− 淫花の平原 −
[ゼロになる距離。間近に降りしきる花が包む帳。 ノックスの引き締まった腕が、今や枷とも支えともなる。
肉体と関係、ふたつながらの破壊を願う欲望の言葉に理性は抗うも、掻きたてられる戦きは風に揺れる花にも似て。]
"ノックス" あなたの最も善き日を心に思い描きなさい──
[指先に力を込めて、呼ぶ名と眼差しに思いを込めて押しとどめんとする。 それは自らにも言い聞かせんとする言葉。
まとわりつく濃密な香りは天使をも窒息させんとするかのようで、この一線を踏み越えられれば心を置き去りに、なし崩しに溺れてしまいそうだった。
頬を伝う指の感触に吐息が洩れる。]
(11) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[碧眼には、地上へと降り立った天使ヨラニエルの姿がしかと見える。 白い光輪に白いローブを纏った彼の人は、 人間が想像する天使像そのままのように感じて。
ただ――ひどく消耗しているようにも見えた]
ヨラニエル……大丈夫?
[だが案じる言葉は、ヨラニエル自身の言葉に掻き消されて]
(12) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[話を終える言葉>>9に、戸惑いを浮かべる。 どこへ。なぜひとりで。なぜここを出ろという指示を……くれない?]
[しかし、その背が疑問を拒否する。 闇になってしまったかのように、消えゆく姿]
[静寂と沈思の時……。 どう受け取ればいいのか分からなかった。 サイモン救出が果たせなくなった今、一刻も早くここを脱出すべきではないのか。 ……しかし、これ以上ジェフェルの命に逆らい、彼を失望させたくはなかった。そんな事を思うのは初めてだった。彼の決定はいつも論理的で明確で、喜んで従えるものだったのに]
[……ため息を、ついた。 ジェフェルが去り、重しが取れたように少しだけ体が楽になった。 どうしてだろう。 常ならば、彼が近づくだけで周りが明るくなったように感じ、心が洗われるような清々しさがあるというのに]
(13) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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―涙の泉―
[何かの力が自分を導いている、そう感じていた。 それは神の加護、あるいは同胞の清らかなる気配であると、信じていた。
霧の漂う森の中を歩き続け、やがて、大きな洞のある大樹へと辿り着いた。 木の幹にあるにも関わらず、底知れぬ深さを持つように見える洞。 その中へ、躊躇わず身をくぐらせた。
暗闇に呑み込まれる感覚の後、固い地面の上へ投げ出される]
……ここは?
(14) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[闇の中、道示す水晶も、見ることのできる仲間も側に無い。 己の光輝を頼りに、周囲を探る。
見えたのは、鉄格子。 ごつごつとした岩で囲まれた狭い空間]
戻って、きたの……? ジェフェル様……皆、いますか!?
[呼ぶ声に応える声は無い。 それに、ここが元の牢獄だというのなら――
違和感の正体に思い当たり、耳を澄ませる。 辺りを満たす瘴気はそのままであったが、渦巻いていた筈のいくつもの声が、音が、無い。
その理由は、すぐに知れた。 鉄格子の向こう、横たわる人の子の姿。 安らいだ表情で目を閉じる彼は、呼吸をしていなかった]
(15) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[並ぶ房を、次々と照らして回る。 天使が、魔物が、人の子が、みな静かに息絶えていた。 一様に、苦しみから解き放たれた微笑みを浮かべて]
どう、して。
[サイモンを探して他の虜囚の前を通り過ぎたとき、彼らの声は聞こえていた。 嘆き、叫び、虚ろに嗤うその姿は見えていた。
サイモンの救出が最優先の任務であったから、まず彼を探すことだけを考えていた。 けれど無論、サイモンを救い出した後で、他の虜囚たちも皆――]
(16) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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…………。
[あれだけ大勢の虜囚を連れて、無事に抜け出せただろうか。 統率のとれた御使いの一団ならともかく、衰弱し、正気を失った者たちの集まり。 だからといって、見捨てては行けない。
これが、もしかしたら。 彼らを「救う」最善の方法なのかも知れない、けれど]
でも……誰が。
[死者は血を流していなかった。自らがつけたと思しき傷はいくつもあったけれど。 命を絶つために斬られても、貫かれてもいなかった。 扉の鍵は、 叩きつけるようなちからで壊されていた**]
(17) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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― 魔界の空 ―
[黄緑の光、聖なる気配が遠ざかる。 柔らかな花弁のように与えられた唇が弧を描いた。 (せめて) 『あの甘怠い小僧は一人では生きられまい』 ( …逃れ) 『誰も帰したくない。お前の戻れないあそこになど』]
相手は わたし
[オスカーを追おうかと揺れる魔物の群れへ、剣を翳す。 好戦の性は、魔竜の心を一時は忘れさせてくれる気がした]
(18) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[浴びせ掛けられる言葉の激しさ。 自身を魔と断定するその口ぶりは、 こころに深くトゲのように刺さるがその痛みに必死で耐える。
これはいつものヨラニエルではない―― そんな思いが一旦頭を掠めると、 次々と疑念が沸き上がってくる。
姿かたちこそ変わらないこの美しき天使は 闇に囚われてしまったのではないかと。
それならば自身は戦うべきなのだ]
(19) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[ライムグリーンの羽根を羽ばたかせ、空を飛び続けるオスカー。 しかし、飛んでいる途中で、耳に妙な違和感を感じていた。 ざわざわと声の様な物が聞こえる気がする。 最初は聞き間違いか、風か何かと思っていたのだが、 進めば進むたびにその声は大きくなっていく。
ざわ。 ざわざわ。 ざわざわざわ。
違和感を感じ、地上に降りる。 周りには、誰もいない、筈なのに。 きょろきょろ見回すうちに、声ははっきりと聞こえるようになる。]
(20) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[左手首の腕輪に手を重ねてぎゅっと握る。
戦っていればお役目を果たしているとばかりに、 天使らしさなど一度も見せたことがなかった。
その私が、今までやらなかったことをしようとしている。
だから――隊長。 私に力をお与え下さい]
(21) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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―歪んだ天界―
[>>12気遣うその声、その表情。それは悪魔の癖に、いや悪魔であるがこそか。 とても優しく、優しく――
常なるヨラニエルであったなら、その声を聞けばそれが悪しきものに決して出せる声ではないと知れただろう。 だが、天界に似て非なる場所で、天使もまた似て非なるものになりつつあるのか。
悪魔の甘言にしか、聞こえない]
黙りなさい。悪魔。 マリエルさまの名を騙り愚弄するな。
(22) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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いいえ……。 私は魔などではありません。
永の贖罪を経て、神の御使いとして生まれかわったのです。
その私を、魔と呼ぶのならば。 貴方は、闇に目を晦まされているのです。 ヨラニエル。目をお覚ましなさい。
そしてミルフィ。私を信じなさい。
[決して大きな声ではないが 凛としてよく通る声で――**]
(23) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[腕の中に囚われて尚、ノックスを律さんとする言葉を紡ぐトレイル。>>11 力を込める指先と向けられる眼差しは抵抗の意思を見せるが、たおやかなその身体を解放する気は今のところ無い]
最も善き日は─── 最も悪しき日に変わったよ。
そして最も悪しき日が、 最も善き日となった。
今この瞬間、これから過ごす刻が 俺にとっての善き日だ。
[浮かべる笑みは艶然として、今まで見せた事のない表情。 滑らかな肌に指を添わせると、漏れる吐息がノックスの肌にも届く]
(24) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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なぁに、欲しいの?
[花の香に耐え忍ぶトレイルを見て、愉しげに笑みながらその首筋に唇を寄せた]
(25) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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―呪歌の間― [そこは宮殿の一室によく似ていた。 降り立ったそこには天井が無く、辺りに幾つもの柱と、カーペットが敷いてある。
普段のオスカーならば、此処も平らな地面だ、などと言うところだったが、それ所ではなかった。 間を支配するのは、呪いの声。 オスカーは、必死できょろきょろと見回り音の発信源を捜そうとしていたが、見つかるわけも無く。 ……そして、この間では、時間が経つにつれ、声が大きく、そしてはっきりと聞こえてくるのであった。]
(26) 2013/05/12(Sun) 01時頃
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[『んふふっ……』 気味が悪い笑い声が響く。 この声は……! その気味の悪い声は、オスカーにははっきり覚えがあった。 何せ、この人もついさっきまで一緒にいたのだから。
メアリー!
そう叫ぼうとしたが、その声は巨大な呪いの声に掻き消された。
……メアリー、何処にいるんだ? まさか、お前まで堕落したんじゃ……!
そんな悪い予感が頭を掠める。]
(27) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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ハ…ァ たいした──歓迎
[どれほどの時が流れたか、闇に感覚を塞がれて判然としない]
[本来聖よりも魔に近しい大剣は、敵を斬り、焔を吐き、命を屠るたびに力を増して、強く。同じだけ、重くなった。
振るうごと、構え直す度に少しずつ剣先は下がり、宙に留まるすらも困難。 血と瘴気の残滓がこびり付く亜麻色の奥、右眼に宿る光は鈍く霞んだ]
(28) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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― 闇の中 ―
[ケヴィンを苦悩のままに置き去りにして、 闇に紛れ、たゆたう。 揺らぐ意識の端に、祈りの声が届いた。>>21
ああ。あそこに、自分の聖なる力の名残がある。
微かに響いた聖具へ、戯れに自身の力を送ってみる。 自分が堕天した今、聖なるものに干渉できるだろうか。 腕輪に残る力は、変質せぬままにあるのだろうか。
仮に、闇の力が届いたなら―――。
なにが起こるのかを想像し、薄く笑みを浮かべた。]
(29) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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[『随分疲れてる様ね。何せ戦いに不慣れなオスカーお坊っちゃまの事だから』
オスカーは眉を潜める。 ……違う。堕落したとしても、このメアリーは、メアリーじゃない。 ……だって、普段のメアリーは、もっと真面目で、勤勉で、お淑やかな少女だ。 こんなの……こんなの、違うよ……。
心で否定し続けるオスカーだが、メアリーの言葉は無慈悲に続き、オスカーの心を抉りに行く。
『ほーんと、いい気味。苦しさも悲しさも知らないバカなお坊っちゃまが此処で何も出来ずにあたふたしてるだなんて』
……バカ?……何も出来ない? 違う、と口にしてもその声は届くことはなく]
(30) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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[ああ。悪魔の癖に。どうしてこれほど正しき意思を持つものの演技が上手いのだろうか。 どうして、それほどマリエルに似た顔で、苦しみに耐えるような、それでもなお慈愛を宿すような、真っ直ぐな――
違う。騙されてはいけない。これが間違いならば正しき天使の座を失ってしまう]
私の目は覚めています。魔を祓うこの私が闇に囚われるはずがありません。 ミルフィさん、騙されてはいけませんよ。 あなたも天の使者であるならば、魔を――
滅ぼしなさい。
[マリエルを、ミルフィをきつくきつく見据えた。 僅か、その色が暗く翳った瞳で**]
(31) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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[紡がれる言葉は、ノックスに訪れた新しい律を知らせる宣言。 そして、それを行使せんとする宣告だった。
首筋を這う唇──神への奉仕以外のことを為す紅い亀裂の仕業に、アクアマリンの翼はビクと震えた。]
(32) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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あなただから、 ではないのです──
[潤む眼差しを伏せて抱擁の形に回す腕。 そのままセレスティアル合金の手甲から刃を召喚してノックスの背に突き立てんと試みる。
助けを呼ぶことは、ノックスを失うことと思う。 けれど、このまま破滅を受け入れることは誰の救いにもつながらない。]
(33) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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していく…
…する…を…ぶべきか…くべきか…
…は…まだ…じ…ないでいる…
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[時間稼ぎには充分か。 オスカーの魂の声は遥か、と判じて、微かに眉を下げる]
どけ…
[左肩に走る熱。 翼持つ魚に喰らい付かれながら、いまや身の丈どころではない巨大な焔の塊を、ずるりと持ち上げた]
…っ
[御しきれなくなった武器を、 投げるのは己を囲む群れの中央。
解き放たれた闇色の焔が周囲を巻き込みながら巨大な火球へ変じる。 焼き尽くされる無数の断末魔を聞きながら、片翼で滑空するようにその場を離れた →]
(34) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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[『だって、そうじゃない。ここに来て、貴方は何かした? 与えられた使命を果たせた? いつも、「平和を〜」とか言っちゃって。その為に何かしたこと、あるの?』
……答えに詰まる。 それは、その通りだ。 自分は、人の幸せを祈り、争いの無い世界を願ってきた。 ……けど、それは願う所まで。 何かしようとすると……何時でも阻まれてきた。『オスカー様、貴方の事が心配なんです。どうかお止めになって下さい!』……そう言われ。 だからこそ、今日は人の為に何か出来るチャンスだと。自分でも平和の為に働けると思っていた。
……のに。
オスカーはつい、視線を落とす。深紅のカーペットが嫌に目について。]
(35) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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|
― 重力沼地へ ―
[留まれば蝕まれるばかりと(識って)わかっているが、旧い記憶の底で竜がしたように、魔界を離れたいと求めることはもう出来ない。 (では、どこへ )]
…
[追っ手を確かめることはしない。 向かう先も今はわからない。
オスカーが告げた堕天の使、その名を呼ばうこともなく。 光、を思い浮かべる。差し伸べられた手、共に来いと告げられた言葉]
(36) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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|
[震えるアクアマリンの翼に優越感を覚える。 背に回されるトレイルの腕は自分を受け入れたように見えて。 高潔なる光を穢すべく、その身体を花園に押し付けようとした時。
────身を焼く感覚が背を襲った]
っ、 あぐっ!!
この────っ!!
[愉悦を浮かべていた表情は一変、憎悪にも似た表情へと転じ。 大人しくしていた左腕の蛇がトレイル目掛け牙を向ける。 突き立てられた刃から逃れようと、トレイルを支えていた左腕をその背から離した]
(37) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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[不意に体が傾き、高度が落ちた]
な、に
[まとわりつく闇、否 暗い触手が翼を捕えていた。
羽撃こうと空を打つ動きを阻まれ、剣を持たない右手で闇の腕を掴む]
…っ
[その手首、また足首、胴へ絡み付く、 ぬめるおぞましい感触]
(落ちる)
[急速に沼めいた地が近づいていた]
(38) 2013/05/12(Sun) 02時頃
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|
[手を離せばトレイルの身体は崩れるように離れ行く。 それに伴い、背に刺さった刃もずるりと傷口を広げながら離れて行った]
くっそ────!
[聖の力を帯びた刃はこの身には毒。 周囲にあった紫黒の闇が背に集まり、毒の広がりを押さえるべく身の内へと潜んだ。
蛇の牙がトレイルに届いたかを確認せぬまま、その身体は闇へと溶け行く]
(39) 2013/05/12(Sun) 02時頃
|
|
[暗い部屋の中、ひとり]
[ゆっくりと立ちあがり、大きな右手で顔を覆った。 指先でこめかみを揉む。体が重い。ひどく疲れている気がした]
[かえりたい、 どこへ、 ……だれのもとへ。 分からない。 でも、何かを……しなければ。 そう。祈りと……献身を]
[なぜか、ジェフェルが去った今の方が冷静な判断力が戻ってきている気がした。 顔を覆う手を外す。 隊長の命令が待機だとしても、メンバーの無事を確かめることは無駄ではないだろうと思った]
[魂の声を使いこなす者達ならば、すでに連絡を取り合っているだろうが……少なくとも自分の所に届いた声はまだない。 それでも無事のはずだ。誰かに何かがあれば、ジェフェルがそう言うだろう。サイモンのことを告げたように]
(40) 2013/05/12(Sun) 02時頃
|
|
― 沼地 ―
[重い、濃い瘴気が胸を灼く。 搦めとられるまま仰向けに墜落し、翼と体を縫い止められた]
どけ…
[右手で掴んだ触手を引き裂く。 グジュ、と嫌な音を立てて闇が散り、濃密になる瘴気に噎せる。起こそうとした右肩に直ぐさま別の触手が重みを乗せ、蹴り上げた足に幾重にも巻き付いて。 みるみる黒い影に覆われて、白銀の鎧が沼地に輪郭を沈ませた]
──グ
[口内に入り込んだ触手を噛み千切れば、苦い(甘い)闇の味]
(41) 2013/05/12(Sun) 02時頃
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|
[一歩を踏み出した。 大丈夫だ、歩ける。 左胸の傷跡が痛んだ。 大丈夫だ、それは……体ではなく心に空いた穴、癒しの天使にもどうしようもないもの]
[だれか──へんじを──。 安否が知りたい、無事であってほしいと言うイメージを魂の声にして、 無作為に周囲へ広げながら……]
[向かうのはジェフェルが去った扉。 自分の指先も見えない程の闇に、それでも、踏み込んだ]
→呪歌の間**
(42) 2013/05/12(Sun) 02時頃
|
|
[ 『揺籠』 『深淵は母』 覚えるのは懐かしさ。 胸の上を這い回る触手の感触に顰めた顔も、闇の沼に沈みかける。
(わたしは、拒む)
僅かに覗いた右手の指先が緩く曲り、蠢く触手を掻いた**]
(43) 2013/05/12(Sun) 02時頃
|
|
─ →暴走の実験室 ─
[闇へと溶けた後、求めたのは背についた傷の癒し。 しかし毒のように蝕む清らな力は移動の際の集中力を大きく乱し。 傷を癒すに最適な場所から外れ、無機質でおぞましい剥製が居並ぶ中へと墜ちた]
────ぅ………
[泉での癒しは受けられないが、闇を取り込んだ状態でしばし休めば動けるまでには回復出来ようか。 引き連れていた闇が身の内にある今、もし誰かが来たならこの場で羽をもぎ取られたように見えるかも知れない**]
(44) 2013/05/12(Sun) 02時半頃
|
|
─ 歪んだ天界 ─
[己は余程情けない顔をしていたのだろう。 引き寄せられた力は強くない、けれどたやすくマリエルの腕に抱き締められて>>1:168。 確認するように繰り返された言の葉に、ただ頷きを返すしか出来なかった。 離れた温もりと、頭振られた答え>>1:173に不安は増す、ばかりで。
そこに降り立った方の姿は未だ見えず、けれど問い>>1:170ははっきりと聞こえ。]
ヨラニエル、様……。
ここにいらっしゃるは、マリエル様です。 ヨラニエル様こそ、何故。
[そんな姿に、とは問えず。 続いた独白>>1に、声を失った。 己の瞳にあった、慈愛に満ちた方の言葉とは思えなくて─思いたくなくて。 困惑の瞳を向けたまま、己を掬った光に救けを求めた。 だが。]
(45) 2013/05/12(Sun) 02時半頃
|
|
ジェフェルさま───…
[返されたそれは、己が望んだ救いではなかった。 それにより揺らいだ心は、また、罅割れる。 その隙間を埋める様に、闇が、瘴気が、じわり滲み。]
い、や…だ。
[ヨラニエル>>6>>31とマリエル>>23、どちらにと言わず頭を振る。 双方とも信じたくて、あるいはどちらをも信じたくなくて。]
私は─── 俺、は。
戦わない。
[いくさびとと、心の奥底無意識に定められた己の役目を自ら否定した。 それが己の在り方をまた揺らがせることであると、気付けるわけもなく。**]
(46) 2013/05/12(Sun) 03時頃
|
|
[牢獄の中は、静まりかえっている。 濃く澱んだ瘴気の中、肌も髪も汚れ、襤褸と化した衣服を纏い、黒い涙の跡を顔中に残した者たちが――もう心を蝕まれることなく、穏やかな表情で仰臥している。 彼らの魂は、天に召されたのだと感じる。 今は安らぎの中にあるのだと]
[自分はかつて、「ころして」と懇願する人の子の命を奪えなかった。 彼の心にも体にも、まだ生きる力があると信じたから。 でもその結果、苦しみに耐えかねた彼の魂は、闇の誘いに抗えなかった]
…………。
[泉のほとりで胸を締め付けた記憶が、再びわき上がってくる。 こわされた鍵をじっと見つめる。 これが小隊長の命であったのか、あるいは神の声を受けたのか、それとも。 ただ自分にできなかったことを成した御使いに、魂の声を送る。
問うことはただひとつ、無事でいるかと**]
(47) 2013/05/12(Sun) 08時頃
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[ノックスの声に宿る艶然たる色。 支配の愉悦のままに、天使を花の褥に押し伏せんとするその背を光の刃が裂いた。
間近に放たれる苦鳴と怒号をトレイルは悲哀をもって聞く。 一閃の慈悲は穢れなき者には痛みなきことを知るゆえ。]
(48) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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[『大体。 人の苦しみが、哀しみが理解出来ない貴方が。 人の幸せを願うだなんて、何様のつもり?』
メアリーの声はどんどん大きくなって頭の中で反響していく。 オスカーには、この言葉の意味が分からなかった。
……幸せを願うのに、資格なんて有るの?
そう思った声が届いたのか、それとも偶然か。 メアリーの声が更にボリュームを上げ、オスカーの頭をよぎる。
『……私はね、何時だって下の方だった。貧しい花売りだった人間の時も、花を咲かせる天使だった時も。 苦しい事、悲しい事……貴方には想像も出来ない事が、沢山。 ……だからね。そんな奴が、平和とか、幸せとか言い出すと、無性に苛々するの。幸せしか感じたことの無い奴が言う事が、どれ程傲慢なのか。……分からないわよね。貴方には。』]
(49) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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[至近の攻撃はノックスに回避の隙を与えなかったが、自分もまた反撃を避けること能わず、黒い蛇は護衣を食い破ってその双牙をトレイルの右脇腹へと埋めた。]
ぅ …──!
[激烈な痛みに硬直した身体が突き放される。 罵声を残してノックスが去るのを傾ぎゆく視線で追うも、すぐに嘲笑うごとき花たちに遮られた。]
(50) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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[渾身の力を振り絞れば、立ち上がって追えたかもしれない。 あるいは、ノックスが援軍を呼ぶより早く遠くへ逃れることも手だてのうち。 だが、トレルイは妖花の檻から羽搏かず 待った。]
……っ、 は …
[眠りを必要としない使徒にとって、放恣に肢体を投げ出して横たわること自体が希有なこと。 冷たく湿った紛い物の土が肌の火照りを拭うかに感じられたが、痛みが溶けてゆくのは治癒のせいではなく、モルヒネめいた花蜜の影響だ。 そうとわかっていても、花と蛇の邪毒が沁み入ってゆくのをどうすることもできない。]
(51) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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[………何で、そんな事言うの……?
メアリーの言葉を肯定したくは無かったけれども、苦しさ、悲しさ――その様な心の痛みが彼に理解出来ないのも事実。
そして、彼は――事情は有るにせよ、上面だけで動いていたと言われても過言では無い振る舞いをしていた。 ――当然、彼自身に悪意や傲慢さなどの自覚は全く無い。
……やめてよ。 そんなこと言うのやめてよ……!!
そう叫んだ声も、頭が割れそうな音量の声に塞がれる。 『……貴方も、何れ知ることになるわ。人の苦しみを。哀しみを。 ……それを知って尚、そんな戯れ言を抜かすことが出来る物なら……やってみなさい。
ふふふ…… あっはっはっはっは!!』
……この言葉を最後に、メアリーの声は聞こえなくなり、 周囲に雑音だけが残った。]
(52) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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…だ…
…
…をつけるがいい…
…おまえに…えられると…が…らぬ…
…
…ああ…おまえのお…で…
…
…さぞや…に…まるだろう…
…を…しもせず…いて…えゆく…をしばし…った…
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―歪んだ天界―
[正義を為せと訴える。しかし、その相手は>>46力を振るおうとはしない。 この身に剣を執る力がないことがもどかしかった。 弓も剣も何ひとつ持っていない。扱う力もない。 与え支える力を持とうとも、それを与える相手が戦わないのであれば、なんと無力なことか。 私にはない力を持っている癖に。 私がやりたくてもできないことをあなたはできる癖に。 強い癖に、選ばれしものの癖に、弱き人の子のように苦悩して……
憎悪さえ覚えた。ついぞ抱くことなどなかった感情が次々と湧いてくる。 ミルフィは>>45何故と問うた]
何故? あなたこそ何故、悪魔を前にして怖気るのですか。 それでも神に選ばれた誉れある使徒ですか。 戦う力があるのに戦わないのは、使徒にあるまじきこと。あなたを選んだ神の意思に背くのですか? その傲慢、決して許せるものではありません。
[傲慢、なのはどちらだろうか。 神が定めるべき正義を自分のものとして語るのは、傲慢ではないのか]
(53) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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(ああ、私だって本当は……)
[天使になど選ばれなければ―― こんなことは嫌なのだと、苦しみたくなどないのだと、叫び出したくなるのを堪えた。
何故、ここにいるのがミルフィなのだろう。何故、私に力がないのだろう。 マリエルの名を騙る悪魔めを滅ぼす天使がここに居てくれたら。
強く、敵を滅ぼす意思ある天使なら誰でもいい。けれど求めてしまうのは、一番に思い浮かんでしまうのは。安らげる光。 ここに力強き天使が居てくれたら。弱きヨーランダを優しく抱きとめてくれたら。 そんな思いを天使は選んではいけないはずなのに。 楽になることなど求めてはいけないはずなのに。天使に選ばれた義務を果たさねばならないのに。
私はこんなに、耐えて耐え続けて死ぬまで耐えたのに今もまだ―― なのにどうして]
(54) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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戦いなさい。あなたのその武器は飾りですか? ……使わないなら私に貸しなさい。 扱い方など知りません。 けれどあなたのような天使のなりそこないより百倍ましです。 与えられた力を使わない天使など必要ない。
[鉾を奪い取らんと、ミルフィへと一歩踏み出す。 叱責の言葉は、乱れた感情を示すように、必要以上に辛辣だった**]
(55) 2013/05/12(Sun) 10時頃
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― 淫花平原 ―
[ノックスがその場を離れたあと、 闇の中から歩み出るように、花咲く地へ降り立つ。
花の籠に囚われてあるのは、 かつて、自らが"名を与えた"使徒。]
トレイル。
[注意深く偽りで身を鎧い、距離を置いて立つ。 伸ばすのは、魂の手。]
(56) 2013/05/12(Sun) 10時半頃
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〜 今はない小さな国のはなし:裏面 〜
[自分の左胸から生えた槍の穂先が何なのか、神聖騎士ケヴィンは最初、理解できなかった。 は、と息を吐いたはずの唇から、赤い物がこぼれおちる。 前からの攻撃において、ケヴィンは鉄壁だった。しかし、後ろからはそうではなかった]
[盾を取り落とし、よろめき崩れそうになった体を、今度は前からの一撃が縫いとめた。 ……そうか、自分は地に伏すことさえ許されないのかと、ケヴィンは天を仰いだ]
[敵に背を向け、戦いから逃げたならば、うつ伏せに倒れる。 けれど、この背の向こうには守るべき人が居る。 だから戦い抜き、いつか仰向けに倒れるのだろ うと思っていた。 なのに]
[立ったまま、死ぬのか、とケヴィンは自嘲した。 それは、前にも後ろにも、 四方に敵がいて、 どこにも信じる者がなく、 誰にも必要とされていない者の、 ……酷くみすぼらしい死に様だと、ケヴィンは思った]
(57) 2013/05/12(Sun) 10時半頃
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[どうしてこうなったのだろう?と、かすれゆく意識の中で考えた]
[投降して改宗した方がいいのではないか、という議論は何度も持ち上がった。 その度にケヴィンは丁寧に説得した。 あの異教は危険だ。規範も罰も、自分のためにあるのだ。 何でもかんでも「赦す」というのは間違っている。 だから屈してはならない。自分の為に、この国の為に]
[でも、それは、 どうやら無駄だったらしい。 自分は要らなくなったらしい]
[間違ったのは自分だったのか? 他の誰かだったのか? 誰を恨めばいい? こんなにも、こんなにも ]
[カッと目を見開き、ケヴィンは吠えた。天まで届くように]
(58) 2013/05/12(Sun) 11時頃
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Damn…
Damn………!
(59) 2013/05/12(Sun) 11時頃
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Goddamn!!!!!<神よ、呪われろ!>
(60) 2013/05/12(Sun) 11時頃
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[……足取りが重い。 ざわざわと聞こえる恨みの声が、余計に、足取りを重くさせる。 羽ばたく事は出来ない事は無いだろうが、頭の中に響く声が集中力を奪う。 心なしか、息苦しくもある気がする。
こうしてる場合じゃ無いのに――。
歩みは止めない。 使命があるから。 頭の中で、改めてそう思い直し、彼は騒音のする一室を脱出していく**]
(61) 2013/05/12(Sun) 11時頃
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[…………、だから]
[口汚く罵って死んだ自分にまで慈悲を垂れる神の愛には、本当に、本当に驚嘆したのだった]
[懺悔して、 感謝して、 いつかのように讃美歌を捧げようとしたのに、 どうしても、どうしても、言葉が見つからなかった]
[話したくて、聞きたくて、歌いたかったのに、 あの汚れたことばが、胸に刺さって、あたらしいことばが紡げなくて]
[その内、本当に声の出し方が分からなくなってしまったのだ]
〜裏面・終〜
(62) 2013/05/12(Sun) 11時頃
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[闇がジェフェルを通すのは視界の外のこと。 不意に投げかけられた視線と声に驚くも、邂逅の喜びはすべてを凌駕する。 言葉で誤摩化そうとしたノックスとは異なり、慎重に偽装されたジェフェルの姿を、トレイルは疑わない。
それに──ジェフェルがここへ現れるのは約束されていたことだ。] お見苦しいところを、申し訳ありません。 他の皆は、 それと、ノックスの…
[腕をついて上体を起こしたところで、魂に触れてくる 手。]
(63) 2013/05/12(Sun) 11時頃
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[淫花平原に立ったまま別の場所を影で覗き、 ひとつ、魂の欠片を飛ばす。
泥沼に沈み行くものへ、ひとつのイメージを。]
(64) 2013/05/12(Sun) 11時半頃
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― 重力沼地 ―
[苛烈な火花を散らして、重なるように巻き付く闇の腕が幾度も弾ける。
損なわせるたび濃密になる瘴気、引きずり込んだ獲物を深く篭めようとする泥の沼]
───ァアア!
[火花が散り、瘴気が増す。 もがく動きも、力を奪われ続けるうち、じわりと沈むように鈍くなっていく。 弱い入り口を探り体内へ潜り込む闇の舌に吼えて、
また昏い火花が沼地に瞬いた]
(65) 2013/05/12(Sun) 12時頃
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─ 暴走の実験室 ─
[うつ伏せになりそうしていたのは幾許か。 疼くような痛みを闇で押し込んだ頃、薄っすらと薄蒼を開いた]
………独占欲強ぇーの。
[喉奥で哂いながら呟くのは、花園に居た際に向けられた声と眼差しを受けてのもの。 けれどそれに対しての激情は無く、向けられたもう一つの言葉に一種の充足感を覚えていた。 思い出せば、背の痛みが一時消え行くよう]
(66) 2013/05/12(Sun) 12時頃
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あっちは任せて、と…。
[呟いて、四肢に力を込め立ち上がる。 闇は未だ身の中。 再び繰れるまでには今しばらくの時を要するだろう]
にしても────
[立ち上がった場所──予定外に墜ちた場所を改めて見回す]
は……いい、趣味。
[居並ぶ魔改造された天使の剥製に、笑みが歪んだ]
使える───かも?
[トレイルに指摘された翼の消失。 補わず偽るのも可能かと考えた]
(67) 2013/05/12(Sun) 12時頃
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[ヨラニエルの内心で何が起きているのか。 自身には想像ができない。
同族にかけるには正気を疑うような言動。>>31 頑迷でこちらの言葉に耳を傾ける気も全くない様子。
ヨラニエルの慈愛の光は幾百、幾千もの魂を救っているのに ヨラニエルの目が曇っているのならば――。
だれが彼の人を救えるのだろう]
ヨラニエル……。 あなたを哀れに、思います。
私はただ、あなたを救ってさしあげたいのです。
(68) 2013/05/12(Sun) 14時半頃
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[そして、哀切の想いはもうひとり。 傍らで所在なげに全てを拒もうとするひとへも>>46]
ミルフィ……。 あなたも可哀想だわ。
あなたは御使いとなって日が浅いもの。 こんな状況でどちらかを信じろと言われて、 拒否するのは無理もないわ。
だけどミルフィ。それでは駄目なのよ。 戦うのではないわ。 仲間が苦しんでいるのだから……助けてあげなくては
(69) 2013/05/12(Sun) 14時半頃
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[左手首を掴んだままの右手があつい。 自身の中に勁い力が沸き上がってくるのがわかる。
誰をも慈しみ、正しく神の御業を行い、 口にしたことも態度に出したこともないけれど、 内心で深く尊敬している、 天使の鏡ともいうべき人の力が――。
私はこうして力をもらった。 ならば、同じように私もミルフィに 力を分け与えることが出来れば]
(70) 2013/05/12(Sun) 14時半頃
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[右手を腕輪から離すと、鞭を左手に持ち替え 空の右手をミルフィに伸ばす。
だが与えられた力は>>29 最早、神から賜った力とは大きく変質していた
紫紺の靄を纏った濃い闇の力が、 ミルフィの細い首筋を目掛けて 揺るぎなく伸びる――]
(71) 2013/05/12(Sun) 14時半頃
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― 闇の中 ―
[懐かしい深淵 <アビス> に、似た深い闇。
ひかりを視た気がした。 瞼を開き、手負いの竜は隻眼を瞬かせる。 伸ばされた腕、手を取れと呼ぶ声]
…こんなところに
[いたのか、貴方は]
(72) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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〜 聖なるかな 〜
[人の世の片隅で消滅するはずだった魔竜を、天界へ連れ帰った光の大天使。 純粋な、光輝の使徒だった。 主命によって魔界に遣わされ、二度と帰らなかった彼。
深淵に呑まれて消えたと聞いた。 万の夜と億の昼を門前で待つうち、いつしか門兵を任された。
深淵に呑まれて消えたと聞いた。 本当は、神の意に反した罪で魔界へ投げ落とされたものと、聞いた。
深淵に呑まれて消えたと聞いた。 竜を産んだ深淵が、彼を永久にその腕に抱いたのだと知った]
(73) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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[闇に射したひかりは、伸ばした指が触れた直後、闇に転じる。 渦巻く呪詛に戦慄いた。
そして気付く。 魂に触れたこの腕は、彼の大天使のものではない]
(74) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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…とすのは…がなくて…い…
…
…は…やりたいように…
…
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─ 暴走の実験室 ─
[しばらくの間、居並ぶ剥製や羅列される器具を観察する。 魔改造の記録を見つけ、その中に一つの名前を見つけると、可笑しげに口端が持ち上がった]
最近会えないと思ったら。 こんなところに居たんだな。
[名前に振られた番号を辿り、剥製にされた天使のうちの1つを見上げる。 そこに在ったのはノックスを召し上げた上級天使。 今では見るも無残に、心行くまで魔と融合された姿となっていた]
──アンタは、最後まで信じたのか? 神の手届かぬこの場所で、慈悲の光が差し込むことを。
俺は────
[その先は紡がず、愉しげに口端を持ち上げるに留めた]
(75) 2013/05/12(Sun) 15時半頃
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─ →牢獄 ─
[その後、闇には紛れず、地を踏み締める足で実験室を去る。 ケヴィンと同じ方向に向かったが、扉を潜れば出る場所は変わり。 視界に広がったのは薄暗い岩肌が続く通路の中。 清らな力に侵された身体は未だ万全ではなく。 時折揺れる足取りのまま、その人物へと対面した]
───パティエル、様…!
[消耗し、背の翼を失った姿は彼女にどう映るのだろう。 再び疼きだした傷に僅か歪む表情。 その部分には聖の気配と魔の気配。 どちらがノックスを苦しめているのか、パティエルには判じきれるか否か*]
(76) 2013/05/12(Sun) 15時半頃
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― 重力沼地・我が神は我が誓い ―
『わたしの主 <あるじ> とは、わたし自身の誓いに他ならない』
…ぐ、ぁ
[触手の泥沼に波紋が起きる。 外から犯す闇に抗して、裡から押し返す。
その力の相は、今や光と闇の渾然と入り交じるもの]
[葛藤。 魔へと誘う、神の敵たる本性。 (──けれどまだ) クラリッサの魂に触れた「誰かの腕」を探すように、沼を裂いて伸ばした指は虚空を握った*]
(77) 2013/05/12(Sun) 15時半頃
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― 淫花平原 ―
[花の間に佇み、魂の声と腕を操っていた堕天使は 不意に息を吐き、その場に膝をついた。]
ち、がう …… わたしは …―――
(かえりたい)
(ひかり満ちる場所へ)
(たましいの、うまれたところへ)
[決して言葉には出せぬ嘆きが、 魂を灼く切望が、微かな嗚咽となって地に零れる。]
(78) 2013/05/12(Sun) 18時半頃
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もっと―――
(ひかりを……)
[深淵を覗いた堕ちたる使徒は、 深淵に見いだされて戦慄し、衝動のままに求める。 目の前に横たわる、未だ穢れ知らぬ魂《トレイル》を。**]
(79) 2013/05/12(Sun) 18時半頃
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―歪んだ天界―
[>>68哀れみの声が胸を刺す。 それが蔑まれたように思われて、腹立たしい。 今やはっきりと、憎悪を宿した瞳で睨みつける。 苛まれる胸の内から搾り出すように声を張り上げた]
悪魔に哀れまれる筋合いなどない。 私は哀れなんかじゃない。 私は――私は神に奉仕できるこの身が幸せです。 この身に余る幸福を……否定するなど、汚らわしき悪魔めが……
[幸福だと告げるその声は、それを真実と認めるに反するものだった]
(80) 2013/05/12(Sun) 18時半頃
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〜奇跡の子ヨーランダ〜
[ヨーランダは幸福だった。
彼女の生まれた家は秘されていたが、黒い魔術を継承する家だった。 その為に受け継がれてきた血統の、期待された子は。しかしその力を全く持っていなかった。 黒髪ばかりの秘められた村で一人、銀の髪と白い肌は目立ち忌まれた。 「外」に出てみれば忌まれるはむしろ村の者達の方だった。 それでも幼少の狭い世界で異端の子であったことは心に深い傷を残した。
一向に力の顕現のない彼女はとうとう村を追い出され、身寄りのない子の集う教会でその一員となった。 彼女はそこで信心し、教えを厳粛に守り続けた。 そうすれば、認められた。讃えられた。 人を助ければ、感謝をされた]
(81) 2013/05/12(Sun) 18時半頃
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[天使の持つ力には比べるべくもないが、ある日彼女の力は癒しの力として顕現した。 人に害を為すような、黒い魔術は一切使えない。けれど、力は確かにあったのだ。 異端の子であったヨーランダ。それが一転、奇跡の子となった。
癒す力が足りなければ命を削って与えた。力及ばず救えないこともあったが、使える限りの力を使った。 その献身を哀れに思うものもあった。それでも幸福だったのだ。 何の見返りも求めず、ただ感謝の笑顔を糧として、その身を削り続けた。 その人生を幸福と感じていた。
幸福なのだと――信じていた]
(82) 2013/05/12(Sun) 18時半頃
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[神に与えられたこの力を彼女は福音と信じた。
あの日、崩れ落ちた教会で。助けはいつまでも来なかった。 瓦礫に押しつぶされることはなかったが、出ることもまた叶わず、ただ死を待つような時間だった。 削られゆく子供らの命をただ補わんと使われ続けた力はとうとう彼女の命を奪ったけれど。 それでもなお。
何故ならばその死は、暖かな光に迎えられたのだから。 この力を使い続けよと、神は仰せなのだから]
(83) 2013/05/12(Sun) 18時半頃
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……いまのは、いったい……。
[ケヴィンとの魂の会話を終え、目を瞬かせる。 彼の無事は確かめられた。でも、あれは]
…………。
[思考を巡らせようとしたとき、通路の向こうで何かの動く気配がした]
(84) 2013/05/12(Sun) 20時頃
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[銀の弓を構える。闇の中、遠くを見通す力は持たない。 「何か」がゆっくりと歩み寄ってくる。足音が揺らいでいる。 距離が近づくにつれ、聖なる気配をうっすらと感じた。 牢獄に囚われていた天使の生き残りだろうか、と思う]
貴方は……
[少なくとも敵では無い、そう信じて口を開いたのと、 相手がこちらの名を呼んだのは同時>>76]
(85) 2013/05/12(Sun) 20時頃
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……ノックス!?
[驚きの声を上げる。 その姿が見える距離まで、同胞を認識できなかったことへの驚き。 そして、彼の身に纏わり付く魔の気配。苦しげな表情とその足取り]
ノックス、貴方、傷を……ああ、 翼を。
[駆け寄って彼の背中を確かめれば、血の滲む傷。 聖なる気配が弱っていたのはこのためかと、誤った理解が違和感を紛らせる]
(86) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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……じっとしていて下さい。 今、すぐに……
[翼をもがれたと思しき傷へ掌で触れて、身の内から光を送る。 ヨラニエルのような癒やしの力は持たないが、傷口に膿のごとく澱む魔の気を、祓うことができるだろうと]
(87) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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─ 歪んだ天界 ─
[心に届いた声は、既に己が望んだ光ではなかった。 けれど、皮肉にもその声が己を取り戻させてくれて。 哀れみの視線を向けるマリエル>>69と。 刃の様に突き刺す言葉紡ぐヨラニエル>>53>>55を、真っ直ぐに見据え。]
嫌です。
[先と同じ否定を、けれど今度は迷う事無く口にする。]
(88) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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─ 歪んだ天界 ─
確かに俺は弱く、愚かな人の身のまま変われていない。 天使のなりそこないと言われても、仕方ない。
けれど、それでも。 俺の力は守るべきを守る為のみにある。 同胞を害する為には、揮えない。
だから、俺は───
[御二方とも、守りたいのだ。 そう言い募ろうとした言葉は、マリエルから伸ばされた手により遮られた。]
(89) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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─ 歪んだ天界 ─
[伸ばされた右手から、紫紺の闇が放たれる。 常ならば反応し切れただろうそれは、けれど。]
あ…ぐ…ぅっ!?
[同胞と信じていたその人から向けられたという事実が、動きを鈍らせ。 いとも容易く己の首に巻きついた力から、焼けるような痛みを与えられる。 何故、どうして、と。困惑の中、苦痛に声が、顔が歪む。
マリエルへ問う声も出せず、ただ瞳だけを向けるだけしか出来ないまま。 困惑の中、それでも彼女をまだ信じる色をその瞳に宿していることはマリエルに、ヨラニエルに伝わっただろうか。**]
(90) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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ー 呪歌の間 ー
[扉をくぐり、別の部屋へ出る……、その瞬間、誰かとぶつかりそうになって、慌てて足を止めた。 相手がぶつかってくるのは構わないが、自分がぶつかれば怪我をさせてしまうかもしれない]
[ざわざわ。 大勢が一斉に喋っているような不快な騒音の中に視界を走らせ、早急な危険がないことを確認してから。 気遣いの目をぶつかりかけた相手へ向け、その目を見開く。 あわやかで爽やかな緑。あの時、洞窟での防衛戦で、とおくに見た光]
[胸が騒いだ。 自分の部隊が任務失敗したばかりではなく、彼の任務も阻害して、身勝手な行動をしたかもしれない……という思い>>1:118が、心に重くのしかかった]
(91) 2013/05/12(Sun) 20時半頃
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[君はどこの部隊に所属で、何を目的としてここに? ……それをジェスチャーだけで聞くのは少々難解そうだった]
[スペークラ隊の者ならば、副隊長の困った欠陥を知っている。視線や、魂の声の曖昧なイメージで、補って理解してくれる。あるいは理解できなくても、上官だと立てて従ってくれる。 ……だが、別部隊の彼にそこまでを期待できるだろうか]
[誰か、仲間が傍に居るときなら良かったのに、と困り顔をしたときに、少年天使の様子がどこか苦しげなのに気づいて]
(92) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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─ 牢獄の洞窟 ─
[足が縺れて岩壁に凭れた時、パティエルが駆け寄り背の傷に気付く。>>86 翼はもがれてしまったのだと誤解してくれたらしい]
すみま、 せん やられ まし た…
急に 分断 されて…
[魔にやられたと偽って、そのまま床へと崩れ落ちる。 魔の気を祓おうとするパティエルの手>>87には一瞬ぎくりとしたが、それは傷に触れられたためと偽れようか]
──────!
[癒しではないために痛みこそないが、身の内にある闇が一部浄化される。 ぐっと耐える仕草はどう見られるだろう。 パティエルによりいくらか魔の気は祓われるも、消滅する気配は無く。 魔の気は身の内から滲み出るように再び傷口に溜まりを作った]
(93) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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は、 ははは ……
ダメっぽい、っすね…。
[消えることの無い魔の気に落胆の声を零す]
瘴気の塊、ぶちこまれちゃったんっすよ。 身体ん中に、残ってる、みたいで。 こいつも、俺を監視してんのか、離れて、くれないし。
[左腕の黒蛇に視線を移してパティエルに示した。 彼女が見たなら、黒蛇はシャーと声を上げて威嚇する]
(94) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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ずっと、祈りを捧げてるのに、助けて、もらえないし。
主は、 神は、
俺を、 俺達を、
見捨たんだ───!
[泣きそうな顔で、嘆きを含んだ悲痛な声をあげた]
(95) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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− 淫花平原 −
["治療"を施していたジェフェルが不意に膝を折って呻く。>>78 その唇から零れる否定の言葉と嗚咽とに、トレイルはアクアマリンの翼をさやがせた。]
分けてください、どうか──
[言葉は最後まで紡がれることなく、翳る視界に縛められる。 二人を囲む妖花たちが嗤っていた。]
(96) 2013/05/12(Sun) 21時頃
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[自らの手から放たれた、見知らぬ色。 おかしいと思った時にはすぐには止めようがないほど勢いを増していて]
……あ………っ
[驚愕に開いた碧眼に、歪んだミルフィの顔がうつる。 急いでミルフィへ伸ばした手を下ろすと、力の放出はとまる]
な……んで……。 違う。こんな力じゃない!
ミルフィ。違うの。 どうして……?
[混乱冷めやらぬまま、訴えるようにミルフィを見つめた]
(97) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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―歪んだ天界―
[救いは既に、神に選ばれたその時に、齎されているはずだった。 正しくあれば、あるだけでこの身は祝福されている。
我が身を犠牲にすることは常に尊ばれた。 それはいつも引き換えに誰かの感謝を得られるものだった。 だから、今この身を苛む苦しみが哀れであるはずがない。 >>68否定する言葉が許せなかった]
(98) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[けれど、続く悪魔の言葉は真摯に響いて。 ミルフィはなおも>>88拒否をする。 その様子は、決然と意思を湛えて映り――まるでヨラニエルの方が間違えているかのように。
ヨラニエルは。天に認められた天使ヨラニエルは正しいはずなのに。
救おうとしていたミルフィすらもそれを否定するものに思われて。 何もかも気に喰わなかった。 はっきりと、瞳に憎悪を宿して]
(99) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[けれど]
(100) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[>>90闇がミルフィの元へと襲いかかり、苦悶の声を聞いた。 その瞬間に身体は勝手に動いていた。
浄化の光を宿した手が、闇へ伸びる。 武器を奪わんと踏み出した足は、代わりにミルフィを庇うようにその身を移動させた]
(101) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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― 重力沼地 ―
[沼地の波紋が広がり、泡立つ闇が盛り上がった。 どろりと輪郭を崩しながら立ち上がるのは巨竜の形]
[完全に沼地から這い出すと、ドラゴンの輪郭は広げた片翼を打ち鳴らし。 濡れ犬めいた仕草でブルと体を揺すった]
……
[崩れ落ちる闇の断片。 バラバラになった触手が水音を立てながら沼地に落ちていき、
残るのは小さく竜翼を畳んだ青年]
(102) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[少年との意思疏通をはかっていた心に、魂の声が届く。 その弱々しさに、驚きと、そして即座に行かなければ、助けなければという思いが起こる]
[ジェフェルに弾劾され、一度は滅びを願ったケヴィンの心は、 ここへの道すがら、魂でかわした「約束」と、自らが傷ついてでも仲間を守り救いたいという、盾の誇りによって息を吹き返していた]
(103) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[>>93傷に触れれば、ノックスの体がびくりと震える。 我慢して、と囁いて、押し当てた掌から聖なる気を送るけれど]
…………!
[傷口の魔を祓ってもなお、滲み出る穢れ。 何度もそれを繰り返すうち、ノックスから弱々しい声が漏れた>>94]
身体の、中に……。
[確かに、その穢れは、彼の中から湧き出ているとしか思えなかった。 このままでは、彼は身の内から蝕まれてしまう。
白銀の使徒は、ノックスを餌と定めたらしき左腕の蛇へ、鋭い視線を向けた]
(104) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[その視線はそのまま、神を冒涜する言葉を発したノックスへの顔へと移り>>95]
…………!
[彼の魔を祓おうとしたその手が、彼の右頬を強く打っていた]
ノックス……正気に戻りなさい。 貴方は神の御使い。主が貴方を、私たちを……見捨てるなど、あり得ません。 今はただ、遠く離れているだけで……
[彼の中にある瘴気が、彼の心を曇らせているだけだ。 それさえ取り除けば、彼はきっと――]
(105) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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[いやだ。いやだ。 もうこんなくるしいのはいやだ。
もうぜんぶどうでもいい。もうなにもせおいたくない。
心の何処かで誰かが叫びを上げている。 それでもこの身は力を削って、闇を浄化せんと手をのばしてしまう。 憎むことを拒絶する。 痛みに耐える]
あなたは、わたしが…まもります…
(106) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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ヨーランダは、ぐらりと、視界が歪んだ**
2013/05/12(Sun) 21時半頃
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ー 呪歌の間 ー
[焦った表情で遠くを見ていた目が、はっとして少年を見下ろす]
[手のひらを少年に差し出し、忙しなく指を折って、示した]
[4、5、2、3……]
(107) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[纏う鎧は、こびりついた瘴気に汚れている。亜麻色の髪も穢れに黒く染まっていて、溜息に似た声を漏らした]
あぁ…
[変化は外見に及ぶ。 純粋な仮初めたる左腕と左の翼は雪のような白のまま。
右の前腕を覆う硬い鱗は、白銀の手甲で隠れる範囲。 生来の暗紫を取り戻した右の翼は──どうしようもない。
ただ小さく折り畳んで背に沿わせ、触手の沼地を踏んでゆっくり歩き出した]
(108) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[……っ。
俯いて歩いていたからか、天使の仲間に鉢合わせした事に今更ながら気がつき>>91。 恐らく普通に声を出しても、彼には届かないだろう。
軽く会釈をする。その後に何かしているのが見えた。>>107]
(109) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[御使いの体内に埋められた瘴気。 己に残る光の全てを以てすれば、取り除くことができるだろうか。
仲間とはぐれてからずっと、己の身を護るために力を消費し続けてきた(>>1:51)。 今、ノックスの傷から魔を祓うため、力を使った。 気付けば、全身にじわりと疲れを感じている。 周りの瘴気が、己を浸食する機を窺っているようだ。 残る全ての力を使い果たしても、打ち勝てなかったとしたら]
……主は、私たちを、見ておられます。
[ああ、けれど、その御手が届かないほど離れているのなら。 彼を「救う」にはどうすればいいのだろう]
(110) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[静かな岩壁の通路に派手な打音が響く。>>105 右頬を叩かれ、ノックスの顔は左へと弾かれるように動いた]
………正気に戻れ?
『主は我らと共に』『主はいつでも我らを見守っていてくださる』
そんなことを言っておいて、 いざと言う時は何もしてくれないじゃないか!!
[パティエルへと戻した薄蒼に宿るのは憤怒。 この洞窟がある谷を作った激情と同じもの]
本当に我らと共に在るなら、 我らを必要としているなら。
喩え離れていようが手を差し伸べてくれるもんじゃないのか!?
(111) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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──俺らは神に必要とされてねぇんだよ。
神の手も、この闇の世界に届くほど長くねぇんだ。
[パティエルに向ける口調も崩れゆく。 ゆらりと、背の傷口から闇が噴出し始めた]
(112) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[ヨラニエルから溢れだす白き浄化の光が、 燃え尽きかけようとしていた闇の力を完全にかき消す>>101
ミルフィを護るように、立ちふさがる姿は まごうことなき天使のそれ。
こんなにも目が曇っていてしまっても、 それでも彼の人は、天使としての使命を忘れることはないのだ――]
(113) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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クラリッサは、暗い空を仰いだ
2013/05/12(Sun) 22時頃
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[錯覚かもしれないが、 目の前でヨラニエルの身体がわずかに傾いたかのように見えた]
ヨラニエル……? あの、だいじょ……
[手を伸ばそうとして押しとどめる。 左手首のあつさも、右手に纏った瘴気ももう消えている。 だがそれでも、同じようなことになってしまったら。 それを恐れて手を出せない――]
ミルフィ……。ごめんなさい。 アタシ、まだ何がなんだかわからなくて……。
ヨラニエルを頼んでいいかしら。 少し一人にさせて……。
[そう告げると、 力なく翼を羽ばたかせて何処かへと飛び去っていった]
(114) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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[少年の魂の声の清らかさに、ほっとする。 体に宿った光はとめどなく消耗していくけれど、それでも天使同士触れあっていると、気分だけでもそれがマシになるようで]
[やはり少年を苦しめているのは、この場所のようだ。ケヴィンはなかば強引に少年を引き寄せ、自分の翼で抱き締めるように覆った。 この魔界で、数少ない安全地帯。盾の天使の翼の内側。 防音効果はいかばかりか、自身ではよく分からないのだが]
(115) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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[>>111再びこちらへ向けられた顔に浮かんでいるのは、先ほどまでの嘆きではなかった。 純粋なる使徒は、御使いがこんな表情を浮かべるのを見たことがなかった。 思わず後ずさりそうになる足を、留める。 彼は、彼の心は、それほどまでに苦しめられているのだ]
……ノックス。 届かぬからこそ、私たちが神の御手の代わりとして遣わされるのです。 主は見ておられます。 私たちは……
…………!?
[普段の彼の話しぶりは、多分に砕けたものではあったけれど。 こんなに乱暴な言葉を口にしたことはなかった。 彼の瞳の色が、暗く澱むように思えた。 かつて翼のあった場所を、闇が我が物顔で占めようと蠢くのが見える]
ノックス……貴方は、
(116) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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[後ずさって、距離を取る。 弓につがえた銀の矢を、共に戦ってきた仲間である筈の彼へ向ける]
貴方は、もう……?
[問う声は、わずかに震えた]
(117) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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[……っ。 翼で抱き締められるように覆われ>>115、思わず目を見開いて驚く。 だが、その真意はオスカーにすぐに伝わったらしい。
耳を塞いでいた雑音が幾らか和らぎ、擦れた心も和らいでいく気がする。
……たったこれだけのことで、心は簡単に変わる物なのか……。
黄緑の天使は、今、初めて自分の心を学習し始めた。]
(118) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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[闇深い荒れ地を歩いていく。 そこかしこから覗く低級魔族は、視線一つで追い払った]
…
[困ったように瞼を伏せる。 力強い加護のイメージが魂に触れて、左手を胸に当てた。魔界から脱出するのなら、 (道を拓くのはわたしの役目) 剣はない。
それ以上に、担える心がこの魂にあるだろうか。
誰も、天に帰したくない。 ひかり満ちるあそこへ、神の御許へ、渡したくない]
(119) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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― 淫花の平原 ―
[存在そのものの交合の果て、 堕天使は、みずからの種をひとつ、トレイルに埋め込んだ。
自分のものであるという証。闇芽生える種子。 次に出会った時、その種が芽吹くのか、 別の闇に触れて目覚めようか、 それとも、トレイル自身の光に、焼き尽くされるだろうか。
このまま自らの手で闇へ引きずり落とすよりも、 トレイル自身が闇への道を選ぶことを願う。 自身の意志で、追ってきて欲しい、と。]
(120) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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[それは身勝手な願いだと、心の底では理解していた。 それでも、試みずにはいられなかったのだ。
自分が、神を凌駕できるのか。 トレイルが、どちらを選ぶのかを。]
(121) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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― 忘却の宮殿 ―
[トレイルの体を抱え上げ、闇を潜り抜けて 豪奢な宮殿の、華美な寝台へと力無い肢体を横たえる。
伏せられ、震える睫毛に口付けを落とし、 白皙の肌に指を滑らせ、
側より離れ、闇の中へ身を隠した。]
(122) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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[自分が愚かな行動をしている自覚はあった。 けれど、何が起きたかわからないまま 混乱しているだけでは、 ますますヨラニエルの疑惑が膨らむだけだろう
事実はどうあれ 目の前で闇の力が発動してしまったのは確かなのだから
或いは自身が嘗て持っていた力の封印が、 完璧ではなかったのか。 それともこの瘴気にあてられて、 封印に綻びができてしまったのだろうか。
――天に限ってそんな過ちを起こすはずはない
浮かんだ考えを否定するように頭を振った]
(123) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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はっ……使徒様らしい言葉だな。
[尚も諭そうとするパティエル>>116の言葉に喉奥で哂う]
届かねぇから遣わされて。 その遣わされた者に何かあった場合は、また他を遣わすってか? そうして手駒を減らしていくほど神も馬鹿じゃねぇだろ。 余計な被害を出すくらいなら、切り捨てる方を選ぶだろうよ。
俺らの様子を見てるってんなら、尚更だ。
[言いながら、座り込んでいた状態からゆらりと立ち上がり。 距離を取り弓に矢を番えるパティエルを見据えた]
(124) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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く くくく、 ははははは
神が俺から翼を奪った。 不要だとこの闇の世界に送り込んだ。
アンタもいずれ同じ道を辿る。 そうやって信じていても、神は何もしてくれやしない。 見て見ぬ振りをする。
その光り輝く翼は薄れ、瘴気に蝕まれ───闇に堕ちる。
そう、この俺のように……。
[予言するように言い放ち、歪んだ笑みを浮かべる。 ゆら、と闇がノックスの周囲へ舞い、ノックス自身もまた形を崩し始めた]
(125) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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…ち…かうが…い…
…でも…を…くし…で…
…り…れて…け…るその…まで…
…いずれ…わかる…
…ては…であったと…
…
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― 妄執の書庫 ―
[どれくらい飛んだのだろうか。 いつの間にか天界によく似た場所は抜けだして、 岩山の風景に変わっていた。
翼を休めようと地上へ降り立ち、 辺りを見渡すと、大きな鉄の門扉を見つけた。 門扉に手をかけるとひんやりとした感触がした。]
此処……建物になっているのかしら。 ……ちょうどいいわね。
少し、ここで頭を冷やしたら、戻らないと……。
[そのまま門扉を押すと、扉の内部へと身体を滑り込ませた]
(126) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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― 荒れ地 ―
[首を振る。 見下ろす左の掌は、細く優美なかたちに下賜された神の造形]
…… 『聖なるかな 聖なるかな 聖なるかな 昔いまし 今いまし のち来りたまう主たる全能の神 天と地は汝の栄光に満つ』
[讃詠を謳うために与えられた声は高く、それ以上に、固い。情感に乏しいのは威厳と規律を示すため、だったか]
『聖なるかな』
[近くに光の気配はないかと探りながら、またゆっくりと歩き出した]
(127) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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の…ではなく
…のものの…に…るわれる…は…であると…
…らの…を…し…い…けるのは…いことだと…
…した…
その…いは…かつて…が…した…に…じるもの…
その…こそ…いに…しいと…めたもの…
…これより…は…その…こそがおまえを…しめるだろう…
…ひとは…にはなれぬ…にもなれぬ…
…うき…を…え…けるまで…き…けるがいい…
…
|
[繰り返される融合と分離の果てに、なお必要とされて、トレイルは儚い微笑を浮かべた。 そのまま、ジェフェルの腕の中に頽れて意識を手放す。
眠りを必要としないはずの身に訪れた昏睡は、もはやその恩恵を失った証なのかもしれない。
だが、今はそれを思い煩うこともなく、自分を罪に導いた者の手で闇に運ばれていった。]
(128) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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―歪んだ天界―
[視界がぼんやりと霞む。自身の放つ光に眩んだのではない。そこまでの輝きはもう、ない。
憎もうとする感情と守ろうとする感情と。 苦しみに耐えようとする身体と苦しみから逃げ出そうとする心と。 ぐらぐらと揺れる、中で。
ついに闇の力を受けたというのにまだ、敵意の宿らぬ瞳>>90が見えた気がした]
(ああ……本当に……)
[本当にこれで正しいのだろうか]
(129) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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― 妄執の書庫 ―
[部屋の内部は大きな書庫となっていた]
こんな場所もあったのね……。 此処も案外広いもんね。
[書架を眺めて一冊抜き出す。 が、息を吐いてすぐに元に戻す。 今は読む気分になれなかったのだ。
中ほどまでいくと、書架に凭れかかって座り、 鞭を床に置くと、両手で長い髪をくしゃくしゃとかき回す]
(130) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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― 妄執の書庫 ―
[岩の転がる荒れ地を行き、細く開かれた鉄の門扉の前に立つ]
ここ
[聖なる気配が通っていった>>126僅かな光粒を、指先で掬い取った。 そのまま、中へ歩く]
(131) 2013/05/12(Sun) 23時頃
|
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待ち……なさ……
[朦朧とする意識の端で>>114悪魔が飛び立つのを捉える。 静止の声は力なく、追い縋ろうと翼を羽ばたく代わりに膝が折れた。
杖が手から離れ、落ちる音がする前にふわりと掻き消えた]
(132) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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− 忘却の宮殿 −
[目覚めたのは豪奢な宮殿の、華美な寝台の上。 言葉にならない祈りの声を聞き、睫毛をかすめた接吻けの感触がまだ肌に残っている気がするのに、傍らに人の気配はなかった。]
…… 、
[唐突に胸に去来するのは、 自分が"欠けたる者"である という事実。]
(133) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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(だめ……悪を逃がしては)
(いくら訴えても……どうせ分かってくれない)
(私がまもる……たすける)
(ひかりかがやくりっぱなてんしさま)
(みんな私を苦しめるだけ)
[乱れ、行き戻る思考の中で身も心も悲鳴をあげる]
(134) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
|
|
[背に敷かれた翼が痛む。 気怠い身体を起こして姿見の前へと立てば、そこに映るのは美しい若者の姿。
けれど、澄んだアクアマリンだったエーテルの翼は、今や毒もつ花にも似た朱斑を滲ませる猛禽のそれへと変容していた。
身体に染み付いた淫蕩な香りもまた、罪を得た証か。
心なしか肌も髪も艶めいて、見る者を劣情に誘うよう。 それでいて、容姿は天使の優美さを失うことなく留めている。]
(135) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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|
[>>124神への冒涜の言葉を躊躇いなく口にするノックスから、 目を逸らすことだけはせずに耐えた。
>>125問いへの答えは、残酷なもの。 これは現実。受け入れなければならない現実。彼は、もう]
いいえ、 いいえ。貴方は神の御使い。 けして、見捨てられたりはしない!
[それでも、呼び戻す言葉を止めることはできなかった。 救いが届かぬと罵倒するのは、 救いを求めているからだ。そう信じたかった。 そして、自分も見捨てられることなどないのだと、確かめるように。
神の御手はいま届かない。共に戦える仲間は側にいない。 己を囲むのは邪悪なる瘴気、眼前には闇に歪んだ同胞]
(136) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
|
|
[翼の中の若い天使。 若い悩みを吐露する守るべき存在を前に、心が静かに澄んでいく。 少し待って、と少年に伝え、先に別の方向へ声を向ける]
[言葉を失って後、魂の声でも思いをうまく伝えられなくなっていた。 けれど、今は、 ひとつ、ひとつ区切るようにことばを、思いを形作って、 伝える]
(137) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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[トレイルは歩みより、冷たい鏡像と掌を、胸を、頬をあわせた。]
… 誰 なんです。
[呟きは磨かれた鏡面を曇らせる。
強烈に覚えているのはただ、誰かに何かを奪われたということ。 一度は我がものだった空虚。 それをこの身に取り戻したい。]
(138) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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わたしを満たして…
[歩く淫花となったトレイルは宮殿から彷徨い出る。]
(139) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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い……やだ……
[決して漏らしてはならないはずの弱音が漏れる。 まるで子供のわがままのような]
もういやだ…… こんなの。 こんなのぜんぶ……まちがってる。
[そして。
救いを得ているはずの。幸福であるはずの。 天使が言ってしまってはいけない言葉が出てしまう]
(140) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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――たすけて。
(141) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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[誰もいないはずの書庫に、 同族(クラリシエル)の気配>>131がして顔をあげる]
誰……? アタシの他に誰かいるの?
[気配のしたほうに視線を向けた]
(142) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
|
|
[聖なる矢は、ノックスの胸へ向けられたまま]
…………。
[身の内に瘴気を撃ち込まれたというのなら、身の内から祓うしかない。 それとも、先に排除すべきは左腕の蛇か。 白銀の射手もまた、常の状態ではなかった。 闇に溶け始めたノックスへと放たれた銀の矢は、迷いを残したまま曖昧な軌道を描いた]
……私は、
[まだ己の光輝に濁りはない]
私はけして、神の御手を裏切るような真似はしない。
[果てしない、闇のただ中]
(143) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
|
|
─ 歪んだ天界 ─
[闇の力を放たれて尚、マリエルへの信が揺らがなかったのは彼女の混乱が見えた>>97から。 それは演技かもしれない、けれど己が揺らげばよりヨラニエルはマリエルを悪と断じてしまうだろう。 だからこそ、抵抗もせずただ、力途切れるを願おうとした。
だが。]
ヨ、ラ…っ!?
[己の前にその身を翻し、代わりに力受け止めるその姿>>101に、目を見開いて。]
………!!!
[慈愛満ちたその言葉>>106に、揺れるその身体>>129に手を伸ばした。 叶うなら支えようと、その肩に触れ。 けれど己も闇に苛まれた消耗に、支えるまでの力は残っていない。 崩れ落ちるまではいかずも、かろうじて立っているだけで。]
(144) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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|
─ 歪んだ天界 ─
マリ、エ…
[首を焼かれた痛みに、声を出すも苦痛。 大丈夫だと、だから何があなたにあったか教えて欲しいと。
そう告げたくも、言葉に出来ない。 せめて、と名を呼びかける声に案じる想いを篭めたのだが。]
( …行かないで──!)
[ごめんなさい>>114、と。 飛んでいってしまうその背を追うことも。 呼び止めることも、叶わなかった。]
(145) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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― 妄執の書庫 ―
[禍々しい静謐が埋める書庫。 書架の間を歩き、座る天使>>142を認める]
マリエル
[では、鏡の中に覗いた姿>>67はまやかしか。 恥ずべき安堵を得て、複雑に微笑んだ]
無事、一人?
[距離の離れたまま立ち止まり、大幅に省かれた言葉を掛けた]
(146) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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ケヴィンは、ヨーランダの魂の声が聞こえはしないかと、耳をすませた。
2013/05/12(Sun) 23時半頃
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− 鏡の迷宮 −
[踏み込んだのは数多の鏡が並ぶ場所。 美しくも歪んだ使徒の姿が無限に居並ぶ場所。]
…誰か…
(147) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
|
|
[その時。 強く望むが故のまやかしか、闇の罠か、真実か。
それとも、失われゆく力が、あの日のことを呼び覚ましたのか。
魂に思念が、響いた気がした。今、一番に欲しい"あの方の。 それが最後の一押しだったのだろうか。
天使の殻から外れたヨーランダが泣いていた]
(148) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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|
─ 歪んだ天界 ─
[マリエルが飛び去るを、悲痛に見送る。 闇に苛まれた首より何より、止められなかった心が痛い。
そして、何より。]
ヨラ、ニエル、さま。
[力無く膝折れた方>>132の、弱き声>>140が、苦しい。 己の無力を責められたなら、心はどれ程軽くなっただろうに。 助け求める声>>141は、先の己を見るようで。 胸中、"光"に与えられた言の葉が蘇る。]
(149) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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─ 歪んだ天界 ─
助けは、自身の、中に。
[与えられた直後は受け入れられなかった言の葉。 けれど今は、己の支えとなるべき一条の光とも思えるそれを繰り返し。]
…俺は、信じて、います。 ヨラニエルさまを、マリエルさまを。
御二方を、信じた、俺、自身を。
[痛む喉を抑え、言の葉を紡いだ。 涙零すその方>>148に、手を伸ばす。]
(150) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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|
[掛けられた声にクラリシエルと知りほっと安堵する。 他の誰でもない。 クラリッサだった彼の人だから、ほっと出来た。
だが、姿を見れば安堵は驚きに変わり]
……クラリシエル。 あなた……は一体どうしたの?
[無理もなかった。 クラリシエルの美し亜麻色の髪も、左の翼も ひとめみてわかるほど穢れに染まっていた]
(151) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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|
それはもう、過去のことだ。
[ノックスを神の御使いと言うパティエル>>136に、冷ややかな声で返す]
神は、俺の心の内を知ってたのさ。 高慢な神を崇める心の裡に押し込められた、俺の本心を。
──俺を取り立てた奴も、ここに落とされていた。 俺みたいな奴を天使にしちまったから。
そうやって神は切り捨てていくのさ。 自分に不都合になったものをな。
だからアンタも、神には必要とされてない。 ここに落とされたのは良い証拠だ。
(152) 2013/05/13(Mon) 00時頃
|
|
[ゆらり揺れた輪郭は、密度の濃い瘴気と化してノックスとしての形を崩した。 神の似姿を崩してしまうことで身も心も、魂までもが神に仇為す者となったことを示す。 パティエルが放った白銀の矢>>143は瘴気の塊を射るも、通り抜けた箇所のみを浄化し、全てを打ち祓うには至らない]
アンタが裏切らなくても 神がアンタを裏切るさ。
[洞窟内に響くような声を残し、瘴気はパティエルを飲み込もうとしながら洞窟の奥へと駆け抜けていく。 少しでも光輝が削れたなら重畳。 影響を与える与えないに関わらず、瘴気と化したノックスは闇の奥へと消えて行った*]
(153) 2013/05/13(Mon) 00時頃
|
わかっている…
…おまえが…ちていないことは…
…
…おまえがどれほどの…を…て
…いの…を…たのか…
…も…ってはいる…
…しかし…の…ではそれは…だ…
…いずれ…おまえもそれを…しよう…
…
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ごめ……んなさい。 ごめんなさい。
[後輩たる天使を叱責していた影はどこにもなく。 ともすれば子供のようでさえあるなんの飾りもない謝罪の言葉を繰り返した。 支えようとする手が誰のものなのかが曖昧で、誰の手かも分からない]
(154) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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[驚きの表情を見返して、微かに頷く]
魔物の群 と、 沼にはまって
疲れた
[墜落した、というように小さく手振りをして]
ロ── マリエル …近づいても?
[その場に留まったまま小さく呟いた]
(155) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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─ 歪んだ天界 ─
[罅割れた心は、それでもまだ強固に闇を拒んで。
羽の色は、薄らとくすみはしても光を未だ湛えたまま。]
あやまら、ないで。
[痛みを耐えながら、今尚。]
私は、信じています。 ヨラニエル様を、皆を。
[光を。]
(156) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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[>>150ヨラニエルの名を呼ぶ声に、少しだけ。 混濁する意識が焦点を結ぶ。 支えてくれる誰かを見上げる。 声の真摯さは理性をひと欠片だけ呼び起こす]
しんじ……てる? 本当に? 私はまだ天使でいられるの?
(157) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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[………うん。
オスカーは、小さく頷いた。 ……聞いて貰った事が影響しているのか、その表情はいつもより穏やかで。
……ケヴィンも、強いなあ。
そんな事を思ったりする。 ……もう大丈夫、ありがとう。 そう口だけを動かし伝える。
……そして、その後は再び別行動になったのだろうか]
(158) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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そ……う。 それは災難だったわね。
いいわよ。 疲れたんなら、一緒に座ってましょう。
私も整理したいことがあってね。
[物憂げな笑顔を見せながら、 ひらひらと手を振って隣に手招きした]
(159) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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