221 堕天の姦計
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― 歪んだ天界 ―
……、っ……
[こんな場所で動けなくなっている己が情けなくて、瞼に熱が集う。
駄目だ、と堪えようと目をきつく閉じた所にその声>>38は聞こえた。]
………トレイル、さま
[声の主の名を紡ぐも、瞳開くことは出来ず。 顔を伏せたまま、己を掬いあげた光が比類なき信を置く方へ警戒抱けるわけもなく。]
(42) 2013/05/13(Mon) 11時頃
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― 歪んだ天界 ―
マリエルさま、と。 ヨラ、ニエルさま、が…
………、ん、ぅ…
[どうした、と問いに答えようとして。 痛む喉を堪えようと息を深く吸った。 途端、何故か身体がぞくり、震えて。
人の身であった頃にも感じたことのなかったその感覚に抱いたのは、困惑と。]
トレ、イル…さ、ま。
[無意識、内から身を焦がす熱さからの救いを求めて濡れた瞳を、傍らのその方に向けた。**]
(43) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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に…れと
わたしを…んでいたのは…か
…みを…んで…やかに…く…
…こんなところに
…の…しが…の…へ…れて…また…き…を…う…を…く…
…え…い…を…んでもがく…の…で…い…
どんな…だ…
…いをその…につきつけて…
…も…きも…しみも…が…いてくれる
…わたしが…
…の…が…ちるのを…っている
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ええ……。 それはもちろん気をつけているけれど。
[その殆どを省略された言葉。 先の文脈から堕天使に気を付けとという意味だと推測する。
勿論、気をつけてはいる。 だが天使として昇華された魂は、 無意識の内に仲間への警戒心を緩めてしまっている。
そのことすら気づけないほど、 施された洗脳は強固だった]
(44) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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[クラリシエルの手が左手首を強く掴む。 そのちからに腕がぴくりと動く。
善くない予感に、初めて腕を引こうとしたが 振り解けないほどの圧が腕輪に加わる]
(45) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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[ただ見つめるしか出来ない。
部隊の仲間は、魔族であった自身を快く受け入れてくれて 彼らと共にある時に劣等感に感じることはなかったけれど。
気心しれた昔馴染みの側は、 それとは違う安らぎをもたらして呉れたから。 天の門へ、数え切れぬほど彼の人を訪ねていった。
だが、枷に一度も触れられたことはなかったのだ]
(46) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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ついと…を…り…の…へ…
…そのまま…おうとする…の…に…を…ろした…
…ってくれるなとは…いじらしい
…しいのだな…
…は…
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[圧に耐え切れず亀裂が走る腕輪の下。 醜く焼け爛れた痕に触れる容のよい唇はじわりと熱く
振り解くことが出来ない――]
(47) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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[ミルフィは俯いて何かに耐える様子。 マリエルとヨラニエルに何かあったらしきことは、言葉の端から伝わった。]
二人のことも心に留めておきます。 ですが、それより──
[目を細めて、ミルフィの首筋に黒々と烙された闇の傷痕へ手を伸ばす。]
この傷は、浄めた方がいいでしょう。 私に委ねてくれますか? [淫花の蜜に艶めく唇で微笑みながら、身熱に瞳を潤ませるミルフィを誘う。 ミルフィが捨てたはずの"女"を呼び覚ますごとく。]
(48) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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を…ぶ…に…を…め…を…ける…
…えられぬ…は…めまぐるしく…しながら
…だ…の…で…れ…っていた…
…なんだ…
…
…おまえを…よんだ…えはない…
…
…い…だ…に…れやかな…
…
を…らせた…の…が…かに…らされる…
…を…に…せて…を…けた…
…まだ…りない…
…らず…を…むのなら…その…が…ちるまで…
そうか
…ける…によって…き…てられた…を…む…で…んだ…
では…また
れるな…と…ぐ…は…に…みて…がっていく…
どうして…
…まれたいだろう…
…み…られ…めつけられ…されることを…むだろう…
…しくされるより…になれる
…の…は…やかに…う…
…なものを…れないのは…を…られたからだ
…われ…されている…が…けに…けないのは…ない
…のせいではない…が…を…らせたからではない…あの…の…を…められなかったからではない
わたしは…より…にできている
おまえのせいだとは…わないでいてあげよう
…しい…の…を…ろして…をどかした…
いたぶられたいと…えばいい
おまえの…みを
は…に…け…るものだ…
…の…を…き…い…もうとする…の…
…の…に…えが…ったと…て…の…は…しむように…の…を…でた…
でないと…しくしてしまうよ…
…そのまま…で…を…み…の…は…け…るほど…く…き…げる…
…に…き…せた…を…き…めば…の…は…の…に…た…い…のいろ…
…られたいと…わぬなら…この…に…けるが…それでいいか…
になれ…も…よと…めたりしない
…のあわいから…に…かれた…が…い…る…
…の…のように…い…
おまえは…みを…んでいる
…に…われ…のように…められたいだろう
そうすれば…
…せめて…だけは…れるかもしれない
…いしばる…に…を…じ…んだ…
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―牢獄―
……っ……ぁ……
[苦しみに喘ぐ、声にもならぬ息が静かな闇に響いた。 杖も消え、翼の顕現もままならぬ消耗の中で、光輪もまた残された力の量を示すように輝きは鈍く。 白く輝くようであった天使は、その色を闇に近くしている。
光を失えば、闇はより深く。心を蝕むように包み込んでくる。 天使たる身になってから、ついぞこれ程に世界が暗く見えたことはない。己自身がそこに射す光であったから。
いのちを削る苦しみと闇への根源的な畏怖は、人の子であった頃には馴染みあるものだった。 天使ヨラニエルなど本当に居たのだろうか。そんな気までしてくる。 これは永い永い夢で、今もなお救いを求めるヨーランダが崩れた教会の薄闇に埋もれているのではないだろうか]
(49) 2013/05/13(Mon) 13時半頃
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(そうだったらいい……)
[そうしたらきっと、てんしさまが
だきしめてくれるつばさが
あったかくて
やすらかで]
(50) 2013/05/13(Mon) 13時半頃
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[ここにあった重い鎖の音も、奥から聞こえた声も今はなく。それが何を意味するのか考えるゆとりもない。 闇の中を見通すこともできず、檻の中の様相は杳として知れない。
囚われた同胞を救いに来たのだ。その姿を一度は見たのだ。 癒しの光を同胞に届ける目前で、この身は飛ばされ。また、その地でも同胞と声がようやく通じた、その目前で戻される。 届く寸前で、何も届けられやしない。
正しき祈りは必ず届くと信じ続けたヨーランダを。ヨラニエルを。嘲笑うように闇は翻弄する]
(そんなのは、うそだ……)
[この命尽きる時に、天使が舞い降りるのだ。 死ぬまで信じて頑張ったヨーランダを、もういいんだと、抱きしめてくれるのだ。 思い描いていた「きれいなてんしさま」とは違う、大きく強い天使様が。 けれど思い描いていた以上に優しくて温かい光を宿す翼で。
そして本当に自分が望んでいたことを知るのだ。 もう身を削らなくてもいいのだと、ただ抱きしめてくれる温かさを]
(51) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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[――それで終わらせてくれればよかったのに。
浮かぶのは決して抱いてはいけない、娘を天使にした神への恨み]
(52) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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ちがう……ちがう。ちがう。
[いつの間にか声が出るようになっていた。 苦しかった胸がいくらか楽になっている。まるで、闇の中で息を吸う内に馴染んできたとでもいうように。 暗く何も見えなかった闇も僅か、見通せるようになっていた。
苦しむヨラニエルの様子に気づいていたのか、あるいは光も息も弱々しすぎて気づいていなかったのか。 その場に己以外の天使がいることにようやく気づいた。
脳裏に浮かんでいたそれとは逆に「きれいなてんしさま」そのもののような。 それがあまりにそのものだったから「てんしさま」と呼ぶ癖が抜けなかった美しき同胞。 弱くなった心は、その記憶の方を否定して]
(ああ……救いに来てくれたんだ)
お救い下さい……てんしさま。
[パティエルの名を呼ぶことはなかった**]
(53) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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[静寂が支配する書庫に、ぱりんと澄んだ甲高い音が響く。 それは幸福なのか、はたまた災いであるのか。
永遠に嵌められたままのはずの腕輪は クラリッサの意志によって砕かれる。
腕輪の一部を為すものが闇に転じて、 また闇の力が加えられた影響もあるのだろうが それは自身には及びもつかないことであった]
(54) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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[白い滑らかな肌に残る罪の証。 其れを這う紅き舌に、両の碧は自然吸い寄せられて。 深淵の底から漏れ出る言葉も、どこか耳に入ってない風だった]
ケヴィン……。
[守護の天使の名を呟くと、身が引き締まる思いがした。 枷を無くしたこころは、容易く流れそうになるけれど]
(55) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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アタシは……ローズマリーじゃないわ。
[それでは、繋がれた鎖を外された畜生のようだ。 御使である私が、畜生のようであってはならない。
――造られた理性の壁が、まだ踏みとどまらせていた]
(56) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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い…は…を…し…に…から…の…を…した…
…
…な…の…もって…き…げられた…に…が…れる…
…を…け…めた…は…さな…を…した…
いしながら…のない…を…かせる…
…に…まれてしまっては…
…うような…やかな…へ…るもの…
…げられないし…も…えられない
…しでも…な…を…んだ…が…い
…の…が…だと…るだろう…
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