196 Fiducia - 3rd:fragrance -
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 18時頃
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/* さやへーたが忠臣蔵だっただと……
(-26) 2013/01/06(Sun) 22時半頃
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[ ぱ ぁ ん ――――… ]
(22) 2013/01/06(Sun) 23時頃
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―2F廊下奥、ステンドグラス前―
[>>3:206それから、私は引き金を直ぐに引いた。 突きつけた銃口、心の臓を、その背を真っ直ぐに貫き。 鮮やかな硝子の窓に、異端のこの身の髪に袖に、 ――異端の女の胸元に、あかく鮮やかな花が咲く。
やがて彼女は崩れ落ち、互いに違う人の血で染められていた足元に、新たに広がる大輪の紅。]
(23) 2013/01/06(Sun) 23時頃
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[硝煙が、濃い鉄錆が再び、甘い甘い花の香に混ざる。 私は銃を持つ手を下げ、倒れた女の身体を見下ろす。 見届ける男の目には、この演目は如何映る――。]
ウト、様。
[確かに私は彼女を殺した。 ゆりとは違う形で心を抉ったこの人を。 私を殺めてさえ居たかも知れないこの人を、
それ、なのに。 血塗られたステンドグラスの前で、私は膝を突き。]
(26) 2013/01/06(Sun) 23時頃
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これで。 あなたは独りじゃ、無くなったの、ですか。
―――――…
[水の中に入った時のように、視界はぼんやり滲んでいた。]
(27) 2013/01/06(Sun) 23時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/06(Sun) 23時頃
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/* この状況で菱川殿にどうやってアプローチしようか考え中。 今日遅くまで起きてられないのが痛いな……。
(-33) 2013/01/06(Sun) 23時半頃
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/* そして芙蓉様>>3:195まじもうしわけないありがとう!! こ、これで大丈夫ならちょっと階下行く時の参考に……。
そして またお前か 状態ですよねかめきち……。
(-37) 2013/01/06(Sun) 23時半頃
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[その時まで、私は舞台見届ける者の目に気づいて居なかった。 ふっと感じた気配は、その男、世渡介のものが先か、 それとも私を探していたその娘、小鈴>>33のほうが先か。 何れにせよ、膝までもを血に濡らした此処で、漸く顔を上げ、]
――小鈴。
何故。
なぜ!
[死者の胸元を抉る様に、思わず声を張り上げる。]
(43) 2013/01/07(Mon) 00時頃
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なぜ、私を、庇う、の、 ――ちづ、る。
[渡り鳥の大きな翼が、今もまた、こうして私の前に広げられている。]
(-44) 2013/01/07(Mon) 00時頃
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[もう一度声を挙げたのは、みつ>>35の声が聞こえた時。 ――ああ、彼女はやはり私を責める。 それだけの言葉ならば、きっと、何も言う事など無かった。]
馬鹿な、ことを。
どれ程努めてみたって、手を汚したって、私は。 あなたたちと おなじ には成れませぬ――。
[顔を上げれば、声掛けられずとも、他に集い来た者たちの顔は見える。 戸惑う目をした赤い服の人も>>34。 それに、あの時倒れ伏していたあの人も>>41。 ここで挙げた声は、まるで居る人全てに向けられたよう。]
(44) 2013/01/07(Mon) 00時頃
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[沙耶の目に涙ひとつも見えないのとは反対に。 血濡れた私の目は、確かに、滴を含ませていた。]
(45) 2013/01/07(Mon) 00時頃
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良かった。 何とか、大丈夫そうで。
[声は涙に擦れ、その場の喧騒に掻き消えそうな程。]
(-46) 2013/01/07(Mon) 00時頃
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[遅れてでも辿り着いた薄着の彼>>46が目に映る。 黒いわらべが殺された時、広間から出た時にそう言えば、この人の顔も見えたものだっけ――とぼんやりと思い出す。 此処に膝を突く私の姿は、黒に近い血飛沫に、更に赤を重ね、さながら碧眼に白髪の鬼にも似て。
そんな鬼は、みつ>>48にこの時、何も言わなかった。 小鈴がやったとも、私がやったとも。 ――望んでこのいろに生まれた訳じゃ無い、なんて詮無き文句も。]
(57) 2013/01/07(Mon) 01時頃
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[私はふっと、何か聞こえた気がして、一度沙耶の方を見る。 はっとして、滲んだ瞳で瞬いて――、何も言わずに、ただ頷いていた。 それから聞くは、沙耶に向けた小鈴の弁>>49。 私はやはり、ただ何も言えずに、猫の目を見詰めるばかりで]
――― 、
[呼び掛けた名は、振り下ろされるその手>>51が見えたから。 私は咄嗟に声を挙げようとして――]
(58) 2013/01/07(Mon) 01時頃
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っ!!
[その前に、私の方が叩かれた>>52。 突いた膝は崩れ、銃を持ったままの手が床に突く。]
さ、 ―――木原、様。
[泣いたままの目で、茫然と沙耶の顔を見詰めていた。 私の心は、何処に――。 直ぐには、挙げられる声は無く。]
(59) 2013/01/07(Mon) 01時頃
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[逃げられなかった、のは真実。 少なくとも、自覚する限りにおいて、そうだった。
倒れた沙耶を置いて逃げてしまった、ということ。 それでも、いけ、と言った彼女の言を「信じて」逃げたこと。 其処にあった複雑な色、打ち明けることは、しなかった。]
(-57) 2013/01/07(Mon) 01時頃
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[その時青い目には、猫の目の微笑が映っていた。]
ちづる、―――
[ただ息を呑むばかりしかこの時は出来なかったけれど。 端的ながら告げられた答えは、確かに胸の奥に刻まれる。]
(-58) 2013/01/07(Mon) 01時頃
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/* おみつ様がものすごく襲撃誘いしてるっぽい気はするんだけれど さや様とのこの遣り取りの後でどうやって襲いに行こうか……
いや、多分頭回ってないだけ、な筈……
(-65) 2013/01/07(Mon) 01時半頃
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[剣士に胸倉掴まれれば、小さな体は容易く引かれた>>60。 今にも砕けそうな硝子の青は、その人の眼差しに捕われ、縛られ、――繋ぎ止められる。]
――――…
[沙耶から突きつけられたものに、とくり、と胸が強く鳴る。]
あなた、に。 私の、何、が、―――…
[手にしていた銃は、掲げられぬまま地に伏して。 訴えかけた言葉の先、涙に紛れて、ごく微かな響きに。]
(69) 2013/01/07(Mon) 02時頃
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[異端の身に――責め負うばかりの「嫌われ者」に甘んじる身。 青色を見詰める彼女の瞳は、それをも見抜くかのよう。 実際一度、私は「こわい」の語で、彼女を信じることを拒んだ。 ――変われる筈だったのに、拒んでいた。]
こんな、 わたし、でも。 あなたは、しんじ て 、くれる の 。
[ゆりを殺めた訳を打ち明けた時の、彼女の頷きも笑みも知っている。 それでも、確かめるように、口にして――、
「しんじさせて」。 くちびるが紡いだ呟きは、掠れ擦れて、もうほとんど声になっていなかった。**]
(-68) 2013/01/07(Mon) 02時頃
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[あの時、もう一つ誰かの――声がしていた、気がした。 けれど声の主を確かめなかった。振り返る余裕が、無かった。
ただ、あぁ、また誰かに責められているような気はして。 ――そうではない色も見えた気がして、少しだけ胸が、痛かったのを、覚えている。**]
(-69) 2013/01/07(Mon) 02時頃
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[沙耶に掴まれている間は、その目を逸らすことができない。 けれどその時そうであったとしても、みつ>>66が口にした言葉は、耳に届いていた。
刃を持つと言う彼女に、私は何を言う訳でも無く。 ただ、――ほんの少しだけ、血染めの睫毛を下げていた。**]
(73) 2013/01/07(Mon) 02時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 02時半頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 21時頃
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―少し前、廊下奥で―
[>>100ふいに合わさる額の熱さ。白に重なる、長い黒髪。 声は掠れ、擦れてほとんど声にならず。 ひどく胸が高鳴って、は、と息が零れて――。 私はそのまま、触れた熱を、触れた感覚を、避けずに居た。
そんな沙耶は、私とウトとの間にあったことを問わなかった。 小鈴の言を信じる旨を――彼女が私を信じている、とも告げた。 庇ってくれた小鈴が、さっき私に囁いた答え。 私は何も持たない手を、おのれの胸に当てていた。]
――――、
[額が離れ、襟が離された後。 私は、一度、うんと頷いた。]
(143) 2013/01/07(Mon) 23時頃
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[額に額が触れる間。黒と白が触れ合う間。 左様な主だからこそ、と告げるその声に、赤ならぬ青が震える。 思えばそれは不器用だとも言われたようでもあって、 けれど苦い顔になるでもなく。ただ、胸の奥がとても、熱かった。]
そう、なの。
[――ああ。 どうして彼女はこんなにも、あのお姉様に似て、]
いい、の。
[それでも、この人は違う人。 それでも――こんなにも、貴いと言ってくれる。 心はおなじ、とだって言ってくれる。
離れてから一度頷いたのは、こうしたことも、全て含めて。 きっと、何もこわくない、と言えば嘘になるだろう、けれど――。]
(-151) 2013/01/07(Mon) 23時頃
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[誰かの声が、何処からか聞こえた、気がした。 此処に降らぬ雪に、風に、ふわり舞って伝い来るように。 その所為で、酷く高鳴っていた胸が、またつきりと、甘い程に痛んで。 私は暫く、その場から、動けずにいた。]
(144) 2013/01/07(Mon) 23時頃
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―そしてそれから、―
[どの位してか、はっと私が振り向いたのは、小鈴のその声が>>106聞こえた時だった。 世渡介と何があったのか、この時耳に触れた言葉からは巧く察せられないまま。]
( 、)
[涙零して去る彼女の方>>109、ある一つの名前を呼びかけて、咄嗟に追おうとして――地に崩した脚が動かなかった。 やがてその背を追うのは世渡介その人>>114。 ――私は、ただただ見送るばかりになってしまっていた。]
(145) 2013/01/07(Mon) 23時頃
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[――さてこうして、私が殺したその人を、運ぶ手は一つ無くなった。 だからみつ>>137から私へと、手伝いを求める声があったのも自然なことだろう。 呼ばれたその時は、ぱちりと瞬いてしまったのだが――、]
は、―――はい。
[痺れかけた脚のまま体勢を戻し、血だまりの中のウトの前へ。 それから銃を血みどろの懐に仕舞い、両手を空け、亡き人の肩の方に腕を差し入れる。]
(147) 2013/01/07(Mon) 23時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2013/01/07(Mon) 23時頃
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[雪に、風に伝い来る声は、こんなにも優しくて甘くて――、 あの男の声を何処か遠く、間近で聞いているよう。]
大丈夫。
[私は頷きもせず、声の主には届かぬだろう独り言を。 何時かあの雷門からも、「だいじょうぶ」なんてことば、掛けられたものだったけれど。 あの時より、少しだけ、私は「哀しく」ない――気がしていた。]
(-161) 2013/01/07(Mon) 23時半頃
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―中庭へと―
[責めるようなみつの声も、刃物を持つという言も、忘れた訳ではない。 微かな緊張を抱きつつも、それでも彼女から逃れずに手を貸した理由。その一つには、ウトその人に対して抱いていたものがあった。 誰にも、その思いを告げる心算はなかったけれど――]
――――…
[階段を降りきったところで、大きな血の跡に気付く。 あの時、千早のゆりを運ぶ芙蓉の目を掻い潜って>>3:195行けると思っていなかった私は、一度姿を眩ましてから階下へと降りてはいなかった。 だから、階段を落ちる音の、叫び声の訳を、此処で漸く察することとなる。
私はただ、何も言わず。 これまで未だ踏み入ったことの無かった中庭へと、足を踏み入れた。]
(152) 2013/01/07(Mon) 23時半頃
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[――あまりにも、甘い。 冷える庭、花咲くその場所へ入ってから、先ず初めにそう思った。 赤い花、黒い外壁、白の積もる赤い道筋――白の積もる身体。 其処にあったのは黒いわらべと、ゆりと、それに、襤褸のあの男だった。]
―――けい、と。 確かあの時、言っていましたか。
[彼自身から名を聞く機会は無く、漠然と聞いていたものから>>3:35探るのみ。 ひとりごちるような呟きは雪の冷たさに溶け消える。
やがて薔薇の許に、ウトの身体を横たえて。 私は胸に手を当てて、目を閉じたその顔を暫し見詰めていた。]
―――――…
(153) 2013/01/07(Mon) 23時半頃
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