詳しいのはたまたま、だ。
[カードは2枚とも傍らの志乃殿にも見せます。>>225
タロットカードを目にしたのは平太と名乗る娘の時でしたから、余計な事は言うまいと過敏にもなるというもの。
詳しいと感嘆した説明自体を信じるのかと、険のある言葉を向けたのでした。]
薔薇と、鈴……。主も絵柄を良く見ているではないか。
左様か。形見として持とうとは、心優しいものだな。
[バタバタとしていたのは見ていたから知っておりました。もう中庭で弔いが終わっている頃でしょうか。
形見だと、寂しげのようにも見えたのです。]
……似ている?
[やはり絵柄のことでしょうか。何を差しているのか知れぬまま、小雀殿の頭上に何か浮かんでいるのではないかと視線を上げるのでした。
純粋に意味を知りたかったのだと言葉を聞けば自然と頭は下がります。>>227]
他意は―――ない。私の言葉に偽りなどない。
(232) 2013/01/04(Fri) 04時頃