――紅茶をもらったあと――
みつ、様。おみつさんのほうが、よろし? うちは芙蓉。見ての通り薬売り。
[彼女の名乗り>>157通りおみつさん、と呼ぶときは、訛りまじりのまま、素の口調で。
もう一人名乗る>>141のを聞けば、着物売りだったと。]
世渡介さん、なぁ。うちも休んで、お寺さん巡れたらどんなによろしいか。
生憎この鞄一つ以外に、飯の種になるもんがないもんで――と。
[同じ商人、訛りを聞けば、日頃言葉を気にしていても緩んでしまい、誤魔化すように薬鞄を見た。
ウトから水桶をもらい、綿布を浸して、ゆりを見やる。]
――薬屋に傷を放っておけなど、酷なことは言われますまいね?
[言って手拭いを解かせてもらう。
傷を拭うには冷たいか。湯を沸かすだけの環境はありそうだ。
けれどまずはと、裂傷多い足を拭う。
彼女の在り方>>193など、知らぬまま。]
(228) 2013/01/02(Wed) 01時半頃