[その隙に芙蓉>>101、と呼ばれれば、思案顔のままだったので険しい顔が書庫番に向く。
が、軟膏の所望と分かればそれもすぐに和らいだ。]
書庫番さんの傷となれば、金創ではなさそうですね。
蘆薈と蜜蝋の練ったのに致しましょう。浅傷にはこれ以上のものはございませんで。
[自分自身常に携帯する薬品だ。
値の張るものではないが、効果は実証済みである。
ゆりの傷よりは話が早そうだと、薬入れに満たされた薄黄みの軟膏を差し出した。]
茶器を揃えた面々がやってきた>>76のは、その頃だ。
嗅ぎなれた茶の匂いではないそれに奇妙に感じるも、雪の降るさなか、火があっても温かな茶は救いだった。
ゆりがそれを手にとったのもあり、自分も手を伸ばす。
口をつけることはないまま、近くに茶器を下ろした。]
(154) 2013/01/01(Tue) 22時頃