[>>63名を呼ぶ声。ヨラニエル――様。
心の内に未だ「ヨーランダ」の欠片を残す彼女の耳に届く名は、神の使途として下賜された名。
神の御心であるからにはその名を栄誉に思いこそすれ、拒むものではない。
しかし時折、ああ、それが私の名であったかと奇妙な心地で受けてしまう。
自らもすぐにそうしてしまう癖に、様付けをされてしまうと「そんな器ではない」と言ってしまいたくなる。
それをしないのは、幾許なりと己を誇れるようになったのは。
それが選ばれしものの権利であり義務であるからだ。
ただ祈り続け、ほんの僅かその力が救った人の数よりも、地上の苦しみは無数であり。
それでも祈った生涯に、無力な自分の何処に光輪を授かる程の理由があるのか、分からず惑ったこともあった。
それでも纏う光は在り続け。そしてここに天使が在る]
(私も同じです……)
[この天使にもいつか分かる日が来るだろう――
穏やかな気持ちでミルフィの小さくとも確かな翼を見遣る]
はい……頼りにしていますよ。ミルフィ「さま」
(77) 2013/05/09(Thu) 23時頃